• 2018年06月21日登録記事

アニメ「王立宇宙軍オネアミスの翼」サウンドリニューアル版(Blu-ray)を観ました。

ガイナックスのデビュー作品として、以前から名前だけは知っていた作品。
「SFアニメの傑作」とも聞いていたのですが、SFの定義がよく分からなくなりました。ストーリー的には「青年の成長もの」×「プロジェクト達成もの」だった印象です。有人ロケットの飛行を成功させようと頑張るシーンや政治的な思惑部分は、王道の展開とはいえ面白かったです。

この作品の凄さは、とにかく美術面にあると思いました。あらゆるカットで、手書きアニメの凄まじさを見せつけられました。
そして、地球とは違う世界を描いていながら、圧倒的な泥臭さ、リアリティを感じました。新聞紙一つとっても、わざわざ地球上の形と違う、「変なもの」にしてくるところは狂気すら感じます。

スピリチュアルな文明批判的要素や、ヒロインであるリイクニのキャラクターは、少し「風の谷のナウシカ」の影響を感じました。単純に、時代性かもしれません。
主人公とヒロインの2人が、下心があるシロツグに対し、あくまで布教対象者としてシロツグを観てるらしいリイクニという、価値観の違いから噛み合わない2人であることが面白かったです。でもラストのシロツグの雰囲気だと、帰還後、リイクニと上手く纏まっちゃったりするんでしょうか。個人的には、永遠に溝が埋まらないほうがこの2人らしい気がします。
なお、カバーに描かれたリイクニは近年の貞本氏顔をしているので、本編中のリイクニ(美人とは言えない)と思わず見比べてしまいました。

若いスタッフによる凄まじい力の入れようはよく伝わってきた反面、119分の尺は長すぎだと思いました。
例えば、暗殺者に襲われるシーンは必要あったでしょうか。逃走の連続で反撃に至るまでが長いし、最終的に人を殺したことが、シロツグの精神に影響を及ぼしたようにも見えません。せめて、リイクニを襲うシーンと前後が逆なら2つの要素がつながると思ったけれど、なぜか逆なんですよね。私が書き手なら、不要要素として全カットします。

そういった面では、本作はアニメではあるのですが正に「若書き」という言葉がピッタリ来ると思いました。