五十音順キャラクター・ショートショート【ほ】
→ルールは2012年12月17日記事参照
本気か?
ホークはまずそう疑い、その瞳に決意の輝きがあることを確認すると、次に正気を疑った。
小さく華奢な少女だった。
場違いなフリル付きの衣装に身を包み、ミスマッチな乗馬鞭を手にしている。
その少女が、戦闘班に志願するだけでなく、長の座を賭けてホークに挑むというのだ。とんでもない馬鹿か、頭がイカれているかに違いない。いかに人材不足とは言え、そんな少女を部下にしなければならないのか。
ホークは緩く頭を振った。
工作班に振り分けられた連れの男は、多少剣を使うようだから、せめて二人を入れ替えて欲しいところだ。
そう思ったホークがふと視線を向けると、その男は巨大な応援旗を掲げて声をあげたところだった。
「アリスちゃん!君の王子、デクスが付いてるからね!」
旗に書かれたLOVEの字が翻る。
可愛い、最高だ、と狂ったラッパのように言葉を続ける彼の様子に、ホークと少女の考えは初めて一致した。
「うざーい」
やはり、二人とも戦闘班には入らないで欲しい。
そう思いを改めると、ホークは遂に剣を手にした。
少女だって、血生臭い戦いの場に出るより、色仕掛けでもしている方が、余程似合うだろう。つまりこれは親切というものだ。
ホークが戦うつもりになったのを察したか、少女も目を細めた。
「さぁ、かかってらっしゃい♥」
結果――負けました。
本気の彼女はマジ強い
……ホーク(ゲーム「テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士」)
ヴァンガードは、ブルート総帥とアリス&デクスの印象が強過ぎて、ホークの存在感がなかったなぁと思います。