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二次創作物書きとしての麻生は、原作を重視したいと思っているため、IF展開話をあまり書きませんが、考えるだけなら色々と出して楽しんでます。
と言う事で、今回はタイトル通り、花組「太王四神記」にて大空祐飛演じるヨン・ホゲについて、戦死する以外の結末(大団円前提)を考えてみたいと思います。
※これはIFネタ遊びです。
※あくまで花組版「太王四神記」から考えた物であり、原作ドラマ内容は加味していません。

が、今回は考え始めた出だしから躓いてしまいました。
なんせ「俺はもう後戻りできないんだ」と本人が言っている以上、死ぬ他に、ホゲが救われる道が見当たらないのです。本当は、王の座を諦めてタムドクに忠誠を誓えば、タムドクは許しを与えていたでしょうが、ホゲ自身がその道を選べないと誓っているからこそ、先の台詞を言い、剣を向けたわけですから。
では、タムドクに勝利し王位を得ていれば救済されたのかと言うと、これもまた本人が言う通り「偽の王」になるわけで、永遠にその負い目を背負うことは間違いありません。

それでも、なんとしても生きたホゲを幸せにする方法はない物か、と考えに考え、思い付いたのが以下の案です。
すなわち「白虎の護り主ヨン・ホゲ」設定案。
……この段階で、チュムチ及び朝夏まなとファンからブーイングを浴びていそうですが、聞こえなかったフリで推し進めたいと思います。
この案の重要な点は、ホゲに王座を諦める大義名分を与えられると言うことです。
そもそも、タムドクが真のチュシンの王であることは、ホゲ自身が認めていることです。
しかし母の遺志、王を目指すことで払った犠牲を、彼は無視できない。だからこそ堕ち続ける。
それを無視しても良いとホゲ自身が納得する為に、彼が神器の護り主だった、と言う宿命を与えるわけです。
一応自分で突っ込んでおくと、「神器の護り主自身が王になってはいけない」とは誰も言ってないのですが、神器の護り主はチュシンの王の配下であると言う雰囲気だったので、これは大前提だろうと勝手に思い込んでおきます。
ちなみに、キハのことは王座を諦める事と一緒に解決に至ると思います。元々ホゲが愛した相手は、キハと言う女ではなく、自分を王だと言った炎の巫女です。しかもプルキルの交渉で神器と引き替えにした時点で、その巫女が己の幻想であることを認めていると言えます。

この設定で具体的に展開を書いていくと、以下のような感じでしょうか。


二幕第十場(戦場)に至るまでは展開は現状維持。戦闘中、チュムチが持っているパソンから預かったお守りが白虎の神器であることが判明(ヒョンゴ村長の鑑定眼で見抜いて貰うとか何とか)。
例の「神器を寄こせ!」台詞でチュムチとホゲ+イルス&チョク・ファンの殺陣(なぜそんな殺陣を入れるのかと言えば、チュムチの見せ場を取ったお詫び)となり、ここで神器はホゲの手に渡る。
お互い神器を二つずつ持っている状態から、決着をつけると言う名目で当初通りタムドクとホゲの一騎打ちに進み、矢を受けるがお守りで助かる(護り主認定の基準が判らないため、チュムチ覚醒展開をそのまま採用)。ホゲは自分が王でなく、王の力となるべき護り主であったことを知る。そして「君が王なら僕は将軍になる」約束を思い出し、タムドクに仕える事を誓う。


以下、十一場以降はまったく同じ。

とりあえずホゲを最優先にした結果のため、前述のチュムチは勿論、虐殺した村や五部族の息子達には申し訳ないですが、ええと、まぁ、細かい事は、元々の話が駆け足脚本で心情がとっちらかってる部分があるのだから、あまり突っ込まない方向で。
白虎の護り主として、エンディング後も高句麗で元気にイルス&チョク・ファンの赤マント組を従え、軍を率いているヨン・ホゲ、と言うのも、IFとしては幸せかなと思います。

しかし、こんな無理矢理なIF展開を考えた御陰で、戦死する筋書きには無駄がない、と改めて感心しました。
ホゲからタムドクに伝えないといけない情報が多くて、瀕死なのに大量の台詞を言うと言う大変な演技になってますが、やはりホゲはあそこで死んで一生を終えるのが、彼が選んだ道に対する正しい結末なのだと思います。

22日の宝塚花組東京公演「太王四神記」11:00(VISA貸切)。

原作ドラマは未見。

エンターテイメントとして面白い舞台でした。
物語としては、24時間ドラマを2時間10分に収めるため大変な駆け足を強行している為深く感じ入る余韻がないとか、結末部分等に消化不良感が残るだとか、微妙に会話が噛み合ってないとか、突つく程問題が出てきます。根がゲーマーなので、「4つの神器とその護り主を集めてラスボスに挑む」と言う展開が、RPGっぽい作りだなと思ったくらい、ある意味お使いイベントの連続だし。転生物なのに、あんまり関係ないどころか、前世と今生で結ばれる相手が違うため違和感を覚えるのもどうかと思います。
でも演出力は流石の小池先生だし、動けるキャストは総出演って感じの常時大量キャラ投入に、場面転換がどんどん行われてセットが動き、常時上手も下手も大忙し。観て面白いか面白くないかと言えば、面白いです。

今回、舞台自体殆ど見ない初宝塚観劇の友人&宝塚二度目で舞台も良く見る友人の三人構成で観劇したのですが、注目して見てる人が全然違って面白かったです。
普通、初めて見る人はスター3人程度しか把握出来ないものですが、このお芝居、大量のキャラが登場してガヤガヤやってるので、結構端まで目に留まる模様。初観劇の友人が、驚いたことに新公学年の下級生に目をつけると言う収穫がありました。
ただ、男役の露出が充実している反面、娘役の演じる役が少ないのが残念。しかも、スジニやカクダンと言った数少ない目立つ女役を男役が取っているのは可哀想では。

舞台上の、タムドク@真飛聖とヨン・ホゲ@大空祐飛の力関係は、非常に良く練ってあったと思います。
主役は確実にタムドクで、最初から最後まで観客に対しては正統な王だと示されている。ホゲは最初は同じくらい陽の位置にいるけれど、その時は比重が軽く、タムドクと並び立っていない。けれど転落して陰の位置に進むにつれ、逆に物語の中での比重を増やして行く。それは、彼が王の資質を失ったから、物語上タムドクと並んでも問題なくなると言う皮肉でもある。
タムドクは正直整合性はないけど、真飛聖の大らかな雰囲気で憎めないヒーロー像にしている感。
一方ホゲは、冒頭は未だに銀ちゃんを引き摺ってるのかなと思う軽い印象の演技でしたが、どんどんダークサイドに傾いて声も演技も重くなり、眉間に皺が寄っていって、それと共に魅力を増すあたり、破滅型ヒーローに定評のある大空祐飛ならでは!
実は、最初は事前の情報程ホゲがハマっては見えず、どうかなと思ったのですけれど、場が進むごとに大空祐飛とホゲが一体化していって見えました。
あと不思議なのですが、精神が荒むに連れてホゲがどんどん強くなっていったように思います。直接殺陣に加わっている高句麗一武道大会よりも、軍を率いてる二幕の方が強い武将に見えました。ホゲの強さを表現することは、そのホゲと渡り合うタムドクの本当の実力も凄いんだ、と言う説得力を持つわけで、一騎打ちの時、実力伯仲と言う雰囲気が出ていたのは凄いなぁと思いました。だって、武道大会でホゲが一度負けてる事なんて、あの瞬間忘れてましたもの。

後述しますが、他の役もドラマ原作の御陰か役数が多くそれぞれのキャラも良く立っていて、リピート向きの演目でした。
ちなみに、後半に二回目の席も抑えているのですが、また同じような下手位置なのが悔しいです。でも今度は二階だから、フォーメーションは良く見えるに違いないと、期待してます。

と、賞賛度が高いので、敢えて苦言を。
演出の中で、不満があったのは黒朱雀2体とラストの大仕掛け。
セオ黒朱雀は、炎の効果はよく判ったけれど、肝心の朱雀自体がただの羽根の塊みたいで、舞台奥だから良いけれど近くで見たら着ぐるみショーになるのでは?と言う印象。もっと派手にして上げたほうが良かったと思います。
キハ黒朱雀も、同じことが言える上に、謎の振り付けで唖然。前衛的過ぎてよく分かりませんでした。
そもそも黒朱雀が何なのか、が良く判っていないのに申し訳ないですが、私なら、キハの身体を突き破って中から黒朱雀が羽根を広げている、みたいな感じで、黒朱雀自体を大きな仕掛けにして、キハ自身は殆ど動かないと言う形を代替案に上げたいです。
それと、もう一つの大仕掛け、つまりクレーンですが、スモークをもっと炊いて、照明を巧く使わないと丸見えして興ざめ。そして揺れてて怖いので、クレーンじゃなくても良かったのでは?と思う。確かにスター二人が席の近くまで迫るのはサービス感があるけれど、見ようによっては、二人が筋斗雲に乗ってるみたいで、お笑い状態です。
演出以外の不満では、楽曲の力が弱いこと。これまで本公演の一本物だと、大曲だったりキャッチーだったりと曲に力があるものだったんですが、それがない気がします。もっとも、この辺はいつもの宝塚歌劇の歌なだけで、一本物と思って期待値が上がってる分理不尽な要求かもしれません。
あ、あと純粋に文句を付けたいのは、拍手タイミングが難しい事かな。貸切だったせいかも知れませんが、揃った拍手が入ってなかったので気になりました。

それでは、以下は各役について思い付くまま書いたら多過ぎたので、別記事に送ります。

前記事から引き続き、キャスト評です。

プルキル@壮一帆は良かった。壮一帆の新境地を見ました。こういう本気の悪役の方が似合うのか、演技も歌も飛躍的に上達したのか、どちらだろうと真剣に悩んでしまうほど。

愛音羽麗は、やっぱり実際に観ても勿体ない使い方と思う。セオもスジニも体付きが良過ぎて、男勝りと言う設定には合っているけれど、もう少し舞台向けに女の子っぽくしてあげても良かったのでは。

どういう役なのかよく分からなくて、後から人物相関図を確認して仰け反ったのは、ヨン・ガリョの側近チョ・ジュド@紫峰七海。
悪巧みは彼が率先してやっているせいで、ガリョよりも上からの目線に見えました。

ホゲの部下、イルス@日向燦がずっとシリアスで、ちゃんと引く演技が出来るんだなぁと、前も思ったようなことを再び感心。どうも舞姫の時のイメージが強くて、押し出しが強い印象なのですが、役者として巧いんだと最近は理解してきました。別格でこのまま進んでくれると嬉しいな。

ヒョンゴ@未涼亜希は、ストーリーテラーとして出ずっ張りであることは美味しいけれど、折角の歌い手なのにソロが全然なくて少々残念。ただ、滑舌と口跡の良さで代えの効かない役だなと思います。
まぁ、未涼が控えめな分、ヒョンミョン@望海風斗を発掘出来たので一応良しとしましょう。

ホゲの母セーム@花野じゅりあは凄い。
「もし私が男なら王になっていたー!」の絶叫にギョッとさせられました。台詞なのか、狂気の発露なのか、最早判らないやり過ぎ感が良い。ここでセームが狂い、ホゲに呪いを掛けて歪めたんだ、と見ることが出来ました。

カクダン率いる近衛兵が、スラっとした子を揃えていて格好よかった。黒一式の鎧姿も凛々しい。

舞台のサリャン@華形ひかるは、あれがヤスと同一人物とは思えない程の美形でした。スチール写真では、「誤ってヤス用の眉(通常の三倍)を描いてしまった」と言う話の通り、ちょっと絶句する顔で載ってるのですが、今回の舞台で初めて本当の華形ひかるを知った感でした。

チョロ@真野すがたは、若手で纏まってると背が高くてまず気付くし、護り主として目覚めてからは青龍の神器が目立ってやはり眼を惹くし、普通に美味しい役なんですが、相変わらず印象が薄いです。花の男役の押し出しの強さの中では負けるのかなぁ。ナルシス度は一番だと思うのだけど(笑)。

そうそう、舞台上だけの展開で、パソン@一花の兄はチュムチ@朝夏まなとだったのだと思い込んだら、後から違うらしいことを知って、逆に驚きました。
では、なぜチュムチが白虎の護り主だったの? 護り主はパソン兄ではなかったの? そもそも護り主の選出基準とは?
第一、パソン兄は「火天会に捕まった」と説明されていた筈だけれど、その後登場する気配なく、ここだけ伏線飛ばされた?
役者は二人とも清涼剤と言う感じで良かったのに、そういう点が理解出来ずモヤモヤしてしまいました。

野々すみ花は、メインの役はタルビなんでしょうけれど、タムドク子役の方が印象に残るような気がします。
タルビは、出番は少ない&メインに関わらない、と言う事で野々自身が作り込んでいないのかな、とも思わされた。要するに、メインの芝居を邪魔しない為に、控えに作っているのかもと好意的想像。非好意的な想像もしようと思えば可能ですが、私は野々の演技力は本物だと信じてますので。
だからこそ、もっと大きい役を当ててあげて欲しかった。

五部族の長たちは、全員ヒゲで素敵なオジさま!
中でも、フィナーレで凄く可愛い手降りを見せてくれた、(たぶん)スンノ部族長@紫陽レネに悶絶。スチールの写真だとカンノ部族長@夕霧らいが好み。
それにしても、雪組エリザで若い重臣ズに驚いたのと別の意味で、この老け役を随分若い子達が演じていたことに驚きました。花組ヒゲ部隊は安泰ですね。

日誌サイドメニューの「現在の一押し」を変更しました。
まだ始まっていないものを一押しとして案内するのは私の信条に反するのですが、当家のような辺境でこそ聞いてみる価値があるのではないかと思われるアンケートばかり出てくるので、思わず貼り付けてしまいました。
現在のアンケート内容は「宝塚歌劇公式サイトの訪問経験」について。
当初のアンケートは観劇経験の有無だったので、ブログパーツをわざわざ貼付けるようなファンブログで問う内容か?と本気で疑問でしたよ。
しかしずっと同じ質問なのかと思っていたら、アンケート内容は期間で変わるんですね。その内「太王四神記を観劇されましたか」とか出てきそうな予感です。

私がアンケートを設定できるとしたら、聞いてみたいのは「ブログパーツのムービーで登場する三人の内、誰が好みですか?」。
ちなみに、最初の青い人(三人写りで中央)が主人公、タム=ドク役・真飛聖(花組男役トップスター)。二番目の赤い人(同左)がキハ役・桜乃彩音。三番目の紫の人(同右)がホゲ役・大空祐飛です。
私自身は大空氏のファンですが、この写真に関しては、真飛聖のコスチューム物の似合いっぷりに思わずよろめいています。さすが「コスチュームの星組」出身!

まず先日、宝塚宙組「逆転裁判」公演のキャスト振り分けと主な配役が発表されました。

逆転裁判出演者一覧
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/116/perform.html

名前を知っている役者が、主演しかいない……。
同時期の宙組公演の演目が「ベルサイユのばら」な時点で、主だった役者はそちらに取られてしまうんだろうと思っていましたが(「逆転裁判」は扱いとしては裏番組のようなもの)、見知らぬ顔ぶれ過ぎて、これで良いのか悪いのかも分かりません。
一言で言うなら、地味?
通常、地味という感想は、イコールで手堅いと言う印象に繋がることが多いのですが、「逆転裁判」に対して「地味」では全く手堅くないですよね。
宙組メンバーはトップコンビと二番手以外、男役は北翔海莉、娘役は花影アリスと間もなく退団してしまう和音美桜しか知らないので、今回で発掘できると思えば良いのかな。
何事も前向きに捉えるべきですよね。
しかし仮に発掘できたとしても、宙組の本公演を見に行く可能性は非常に低いのでした。

で、花組公演「太王四神記」の一部配役も決定。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/103/cast.html

スジニはやはり愛音羽麗。女役は残念だけれど、安心して見られますね。でも二役と言う事は、やはり比重が軽くなっているのか(転生前名でした。紛らわしい配役表です)。
原作を見ていないので名前だけでは全然想像もつきませんが、未涼亜希が主人公の側近だと言うことなので、結構良い役なのかも、と期待してます。歌い手重視の小池先生ですしね。
逆に大空祐飛の側近は日向燦ですか。また銀ちゃんが迷惑かけますね(笑)。