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明日は遂に星組版の本公演初日。どう改稿されたのか、楽しみです。
凰稀かなめも初日から復帰するとのことで、おめでとうございます。代役の二人は、稽古結果が披露できず残念でしょうが、きっとその努力が今後の力になるはず。

では、予定通り初日前に花組の感想を〆ます。前回から引き続き「格好良い発言禁止縛り」です。

【第16場 フィナーレD 玄武・ファイターズ】
VHSだったら、再生し過ぎでもう焼き切れてると思われる男役群舞。
衣装に点在する妙に黒光りする鱗は、亀の甲羅である事に最近気付きました。このシーン、衣装ランクの差(宝塚ではスターの番手で衣装の派手さが異なる)が分からなかったのですが、「裾の長さ」「ヘアバンドの派手さ」「甲羅の数」「手袋の有無」の4点でランクがついてるみたいですね。そうまでして敢えて衣装の差を付けている事が面白いなぁと思います。
真飛の次に降りて来る3人が、役で言うとプルキル、ヒョンゴ、スジニである点が、まったく芝居のイメージから外れていて面白いですね。前述の衣装ランクにより、三人が同格バックダンサー扱いでも壮一人が自然に目立って見えるのも楽しい。
大空が遅れて登場した時に、真飛がにやりと笑って迎えるのが、ライバル的な並びで良いですね。当初は大空アングルがない!と不平を言ったことも忘れるくらい盛り上がりました。
真飛のウィンクは速攻技なのに対し、大空はねちっこいと言うか、ウィンクと言うべき動作なのか謎。でもそんな謎のアピールでも、乱れ髪の美しさに悶えてゴロゴロ転がってます。
ただ、やはりダンスが一番苦手分野かなぁ。本人比で巧くなったと思っていたのは、魅せ方を心得て「ガンサー(顔で踊る)」に徹してるせいかも。身体の硬さも、ファンとしては愛おしいのですが。
尚、この収録回にハプニングがあった事を知って見直したところ、未涼のヘアバンドが外れてしまい、額が露わになってることが確認出来ました。貴重な一コマですね。
最後に、何度観ても分からない点を一つ。青龍から引き続き玄武に出てる若手男役たちは、いったい何時の間に着替えてどのタイミングで舞台に戻ってるのですか? 「ずっと祐飛のターン!」になった時なのかなぁ。

【第17場 フィナーレE 白虎・ボレロ】
彩音が微妙に踊り難そうな腰回りにタイト感のある衣装で、ちょっと気の毒なデュエットダンス。私がこよなく愛するリフトがないのも、残念。
でもDVDだと二人が互いを見詰め合う幸せそうな表情がよく見えて、結構満足でした。
瀬奈&彩乃コンビ並に顔を近付けるフリがあって、ちょっとドギマギ。とは言え、トップコンビはこれくらいくっ付いて踊って欲しいものです。

【第18場 フィナーレF パレード】
娘役にしては低いキーのエトワールで始まる大階段降り。曲の繋ぎが巧いので、頻繁に口ずさみたくなるパレード曲です。
最初にセンター降りするのは2000年前の神獣三人組(白虎チュムチ・青龍チョロ・玄武ヒョンミョン)なんですね。玄武の護り主はヒョンゴ、と言う先入観を捨てると納得の編成。三人の声質が合ってるのか、望月風斗の御陰か、綺麗なアンサンブルになっていますね。
続いて、特に繋がりを感じないタルビ・サリャン・パソンの組み合わせ。華形が小柄だから、娘役を左右に持って来たのかなぁと少々失礼な事を思ってしまいました。この下手側二人が「銀ちゃんの恋」主要メンバーだった事を思い出すと、随分若いメンバーであの濃厚な芝居をしていたのだと改めて驚きます。
当然のようにコンビ扱いのスジニ・ヒョンゴは、ポンファ通りの歌で陽気に階段降り。なんだか不思議です。この二人には持ち歌を作ってあげたかったですよね。スジニがちゃんと娘役お辞儀をしているのが可愛いです。
プルキルからは持ち歌披露。お辞儀の前に腰に手を当てている動作が、自信満々と言うか偉そうに見えてなんだか愛おしくなります。上手側で降りてるイルスのキビキビしたお辞儀も好み。演じる日向燦認識度を正直に告白すると、玄武では見付けられない程度なのですが、イルス扮装は私のツボを完璧に突いて止みません。なんて好みの美形なんだろう!
ホゲ様の階段降り衣装は、もう二幕ですっかり見慣れた紫の鎧ですが、頭に芝居中はなかった王冠のような形の飾りを付けているのが微笑ましいです。
しかし、羽根がない階段降りは映像だと一層寂しいですね。真飛だけでも背負っていて良かったです。

これにてDVDで観る花組「太王四神記」感想も幕を閉じる訳ですが……と書きつつ、先日こちらiconをポチッと購入してしまいました。と言うわけで、次回はDVDで観る花組「銀ちゃんの恋」編でお会いしましょう……?

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全衣装描けるかな、なんて日誌で自問する事で自分を追い込んでみる、ゆうひホゲ様ファッションショー第二夜。

ポスターや一人映りで使用されてる紫の鎧衣装、二幕ver.。
この衣装は、舞台上でもかなりのシーンで着てますね。一幕第16場、17場、二幕第5場、7場、9場、10場、そして階段降り。
胸元の文様が難し過ぎて描かないと言う卑怯な逃げっぷりですが、実際の衣装は公式サイトで見られるので、お許し下さい。
二幕ver.としてるのは、お団子頭ではなく、首の辺りでゆるく縛ってる点。実は描くまで気付きませんでした。一幕はポスターと同じお団子、フィナーレは王冠付で、ちょっとずつ印象が違っています。
それにしても、ショルダーガードがあると、恵まれた肩幅が更に強調されてます。目は頑張ったけれど、自分絵になりました。実物はもっと三白眼です。

星組版ホゲ役・凰稀かなめの当面の休演が決定。
星組生はごく一部しか分からないので「オクタヴィアヌス、WHO?」ならぬ、「夢乃聖夏、WHO?」。花組版ホゲはW主役並の比重でしたが、星組版は前回より軽いのかな。代役に立つ側は大変でしょうが、本人にとってはチャンスでもあるので頑張って欲しいと思うと同時に、凰稀も気持ちが一層焦るところだと思うので、ここは落ち着いて無事の復帰を心から願います。
雪組の飛鳥組長の全休も心配です。

以下、気分を直して花組DVD感想の続き。
最初、自分の気持ちに正直に感想を書いたら、二行に一回の頻度で格好良いと書いているだけだったので、その感想は当然であると言う前提で「格好良い発言禁止縛り」で書き直しました。
縛りがあっても、意外に書けるものですね。

【第13場 フィナーレA 主題歌】
フィナーレの始まりを告げるのは、小池先生の一本物芝居定番の二番手による銀橋主題歌。
セリ上がって振り向いた大空祐飛が着ているのは、映像で観ると更に突き抜けたトンデモ衣装ですね。高度な着こし術(普通恥ずかしくて直視出来ない衣装をお洒落に見せる)を持つ大空も、さすがにこれは厳しかったのか、それとも私のファン度が足りないのか、残念な衣装と言わざるを得ません。
この衣装が全身紫色なのは、宙組異動を暗示していたのかしら。内定発表後に観ると、そんな事も考えてしまいますね。
ところで、定番過ぎて失念してましたが、二番手に昇格した凰稀かなめ(及び代役・夢乃聖夏)も、フィナーレでは銀橋歌いするのでしょうか? うーん、なんだか星組版が余計に心配になってきました。

【第14場 フィナーレB 朱雀・ロケット】
ここから、初見時は予想外でひっくり返ったユーロビートダンスショーの開始。
まずは、朱雀と言うよりフラミンゴを思わせる赤衣装のロケット。
生だと、セットの都合で舞台一杯に広がることが出来ないため、ごじんまりした印象のロケットでしたが、視界が区切られるDVDだとその点は気にならないですね。

【第15場 フィナーレC 青龍・CLUBMIX】
青ラメ衣装なだけだと思ったら、スーツに龍が刺繍されてることがDVDで判明した青龍ダンス。それに、娘役は全員青メッシュしてるんですね。
此処では、どうしても目に飛び込んで来る花野じゅりあから目が離せません。限りなく0番に近い真飛斜め後ろをキープしてる立ち位置も影響してるとは言え、押しの強さがダンスにまで現れているからこその目立ち具合ですよね。でもあの笑顔を観てると、こちらまで自然とにっこりしてきます。セーム様の時は笑顔にも毒気があったのに、素だと明るい満面の笑みなのもギャップで良いですね。娘役としては難しいと思うけど、別格役者として頑張って欲しいなぁ。
尚、同じくらい主張が強いと思っていた桜一花は、小柄なせいかこれだけ人数がいると目立たず。野々に至っては私の眼に映りません。とは言えショーも経験次第だし、トップになれば衣装、照明、立ち位置、マイクで補強されるから自然と光るようになると信じてます。
ちなみにDVDは、なんとなく娘たち中心の映し方で、若手男役四人組を確認したい時には少しフラストレーションの溜まる映像でした。とは言え、娘たちは各々凝った髪飾りで個性を出していて可愛いので、これを気に出来る限りチェック。今回、娘役ダンスがないのも可哀想でしたよね。

玄武以降は、また長くなりそうなのでここまで。次回、最終回になります。

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お絵描きと言う名のゆうひホゲ様ファッションショー開催中。

3着目、一幕第8場、10場の衣装。眉間の皺と目元のクマに悶えるファン心。あんまり何度も着てる衣装ではないですが、銀橋渡りがこの時なのでなんとなく印象に残ってる好きな衣装。
胸でクロスしてる謎のベルトは、フィナーレの歌衣装に通じるものがありますね。

先日、星組版ホゲ役の凰稀かなめが、怪我でイベント関係休演の公式発表あり。組替後&番手大幅アップの不安定な時期の怪我は辛い事と思いますが、今は大事を取って養生し、そして半月後からは素晴らしいホゲを演じて「星組・凰稀かなめ」を披露してくれるよう願います(でも足指の骨折って半月で完治するのかしら……)。

僻地より祈りつつ、引き続き花組版感想。
1場分だけですが、4シーン詰め込まれた佳境なので、自分でも感心するくらいダラダラと長文感想になりました。

【第9場 国内城内】
マッカツで白虎の神器を見付けられなかったホゲは、契丹へ遠征する事にする。
火天会のサリャンはホゲに、プルキルの正体と目論みを明かすが、裏切りを察したプルキルに殺されてしまう。ホゲはプルキルと取引し、朱雀の神器を手中に収める。
契丹遠征を知ったタムドクは、戦争を止めるためホゲの後を追う……

まずホゲ側。ホゲから「お前の水晶玉、もう信じはしない」&「もう聞き飽きた」と反抗されて一瞬固まるプルキルの反応がちょっと可愛いです。
ヨン・ガリョは、息子の暴走具合に腰が退けて、最早完全に止める方向。チョジュドはそう言った状況諸々に対して嫌気が差してそうな様子。
ホゲ様が「勝てば神器を探せる」と言った時、DVDは薄く笑っている上に瞳に狂気を宿している表情を真正面から捉えています。ヤバい人だ、と思うと同時になんて格好良いんだろうと身悶え。キハの妊娠が、精神に相当影響してる気がします。当人から早く神器を探すようプレッシャーも掛けられてたし、結局この人はキハに人生狂わされたんですね。その上ドラマではキハ自身を愛しているらしいのに対して、この脚本ではキハを愛してもいないと言う事に哀れを感じます。

続くタムドクチームは、なぜか0番周辺のヒゲ率が高くて面白いです。学年の高い人がセンターにいて、上手下手が下級生と言う配置なのかも。珍しくタムドクなしで仲間達だけが騒いでる短いシーンですが、これ、単純にタムドク着替えの時間稼ぎと言う疑惑が私の中に残ります。

再びホゲ側。その場面転換の際、高句麗軍の兵士達が旗持って左右に散る演出が華麗です。その奥で地図を見ながら軍議中らしいホゲ様も素敵な将軍っぷり。
この場のメインであるサリャンの密告は、予想外のホゲアングル収録で、通常アングルと合わせてくり返しリピートすると、サリャンの必死さとホゲの揺れてる感情が見えてきて楽しいです。
さて、演じる華形は私の好きな役者ですけれど、正直な感想として、サリャンはもっと屈折した性格の役者が演んじた方が良いかもしれないと思いました。華形は真っ直ぐ過ぎて、役の幅がまだ「一本気」的。どうしても正義漢っぽくて、私には彼がキハを愛していたように見えませんでした。
花組観劇で三回続けて華形が死ぬ役か、と言う個人的な気持ちもありますけれど(笑)。

それにしても、何故サリャンはホゲの元へ密告に来たんでしょう。
ホゲがキハを愛してるから止めてくれると言う幻想も抱いていない様子だし、物語として考えれば、タムドクに本当のことを打ち明けて助けを求めると言う選択肢もあったはず。
でも恐らくサリャンは、ホゲならプルキルに反論して意を通せると思ったから、彼を選んだんですよね。実際、プルキルは何時でもホゲを見限れる立場なのに、ホゲを尊重してる姿勢を一度も崩さないのですが……さて、プルキルは計画通り事が運んで、世界を手中に収めたその時、ホゲをどう処理するつもりだったのでしょう。
6場の感想も踏まえると、プルキルにとって、世界を治める事は副産物であり、本当の狙いは愛するカジンの火の力を手に入れる事だったのではないかしら。だから、面倒な世界の統治をホゲが引き受けてくれるなら、それで良かったのかも知れませんね。

それにしても、ホゲがまだプルキルを西域の商人だと思っていた事に、どうしても突っ込みたくなりますね。それとも、高句麗の商人は誰でも水晶玉に遠くの情景を映したり人を操ったり出来ると言うのか?
暗黒道に半身浸かり、契丹遠征を決めた時は狂気メーターが振り切れていたホゲですが、軍備を整える内に正気が半分くらい戻ってきた模様で、顔つきがまた違います。赤ん坊を殺す計画を聞かされた瞬間はかなり揺れてますよね。
密告内容を吟味している時点では、まだどちらに転ぶか検討中と言う印象。ですが、サリャンの目的を質した事で、キハへの想いを読み取ってしまい、心を閉ざしてしまったのかなと思います。「お前もあの女の虜か」と零す、凄くクールでSッ気で突き放した顔!
これを引き出すキーだと思うからこそ、前述通り華形にはもっとキハを愛してる想いを出して欲しかったです。役柄上、敢えて抑えてるんでしょうけれどね。
ヤン王の件は、そう言えばホゲは真相を知らなかったんですね。後でタムドクに真実を明かす為に、ここで知っておく必要があっての会話でしょうが、これもサリャンは正直に語り過ぎたなと思います。ホゲからすれば、結局キハはタムドクの為にしか行動してないと聞かされたようなもの。途中で話を聞かずそっぽを向いてしまってます。
それでも、サリャンが掴まった後は、少し戸惑うのですね。とは言え結局は二人のやりとりを見詰めたまま、最後には縋り付く遺体を蹴飛ばし、自ら引き返せない所へ進んでしまう。一幕5場の頃からの落差と、これ以降の目つきに、SWエピソード3が被ると言うのは言い過ぎかしら。

段々ホゲ様とどちらが好きか分からなくなってきた恒例のイルスチェックは、まず軍議の時の微妙に小さくなってるシルエットが性格出ている事と、取引直後に報告に現れる時の「将軍〜!」の呼び掛けが余りに子犬状態で、結局可愛いとしか言えません。
その可愛い部下から「全軍揃いました」と言われたホゲの方は、一瞬で複雑な表情を見せてますね。何かを飲み込んで、躊躇いを見せ、けれど決意している。
もしかすると、先にこの場のホゲは半分正気と書きましたが、この時は完全に正気が戻ってるのかも。出陣の号令も、これまでなら力む台詞の時は狂気が現れた演技をしてるのに、それを通り過ぎた冷静さを感じます。
よく考えれば、この後の戦場の行軍シーンも、一幕の頃の顔に戻ってるような気がしてきました。
正気を取り戻したのに、いや、だからこそ敢えて地獄に進むのでしょう……。

一方、新しいマント付きの最終衣装に着替えたタムドクを迎えたタムドクチーム。
チュムチはパソンからお守りとして白虎の神器を譲り受けますが、神器は、どういった価値の品物に見えるんでしょうか。チュムチは純粋に喜んでるけれど、性格が明るい彼なので、お守りを貰った!という事で喜んでるだけかなとも思いますし、よく分からないですね。
10秒くらいしか登場シーンのない、黒い妊婦服姿のキハ。これは8場の上着の中の服みたいですね。上着がないだけで印象が随分変わります。

次回は、ホゲ様最期の見せ場、戦場です。熱く語るのは確定として、ついでにその勢いでラストまで到達出来るでしょうか?