――そいつは誰だ!
愛しい少女が微笑みかけたのを見て、ロミオは思わず立ちすくんだ。
彼女が向けるその微笑みは、唯一人ロミオに与えられるもの。秘した愛の証、他の何物にも及ばぬ宝。
けれど、今少女が向かい合っているのは、彼と同じ顔をした別の男だった。
月組公演「ロミオとジュリエット」
http://kageki.hankyu.co.jp/rj2012/
ポスターにも使われているこの特設サイト画像を見て、ロミオ(影)がジュリエットを略奪し、ロミオ(オリジナル)を追い詰めるお話を想像しました。
※この公演はロミオ役がダブルキャスト。手前のロミオ(龍真咲)と後ろでジュリエットを抱き締めているロミオ(明日海りお)は別人です。
純愛話なのに、ロミオが2人とジュリエットが1人というバランスは奇怪しいですよね。この写真は、その奇怪しさが何処にあるのかを明らかにしてくれたと思います。
どうしても役替わりするなら、私としてはロミオとジュリエットの役替わりが良かったです。そうしたら、何度も転生し、性別を変えて巡り会っても2人は愛し合い死んでしまう、という妄想でSSを書いたと思います。