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宝塚花組「オーシャンズ11」11:00阪急交通社貸切回観劇。
(星組版の感想は、2012年2月4日記事参照)。

ベネディクトのオフィスでテスを誤魔化すシーンと、ソールの演技指導という絶好のアドリブ箇所は、貸切公演らしいサービス満載。その上、デュエットダンスの後にかけ声、終演後の挨拶でも「舞台を見てベガスに行きたくなったら阪急交通社を使って」とトップ自ら宣伝。
これだけやってくれると、貸切する企業も嬉しいですよね。
幕間抽選会のお手伝い生徒は、紅羽真希(97期)でした。

役の比重は少し調整されたり若干演出が手直しされていましたが、基本的には初演と同内容。二幕のまとまりのなさも初演のままで、一幕終盤の「跳べ、ライナス」による涙と感動が台無しですよ(笑)。
要するに再演する価値があるとは思っていない作品なのです。ハッピーエンドで気持ちよく終われて、エンターテイメントとしてはこれも有りかな、と思います。
花組版の特徴として、若干、11人集合までの中弛み感が解消されたのと、ドタバタコメディっぷりが上がっていたような気がします。ホテルからの脱出シーンで、2階席にも客席降りがあるのが嬉しかったです。
また、初演に比べると役付きの生徒が全体的に歌巧者になったためか、曲の良さも感じました。地下鉄シーンで入った影ソロにも、感動しました。

以下、印象に残ったキャスト評。
ダニー@蘭寿とむは、生粋の指導者タイプ。やっていることは犯罪なのに、突っ込む隙がありませんでした。全編スーツなので、安定のビジュアル。蛇のダンスは、いつものキレ味のある踊りだったため、蛇のぬめりを感じなかったのが残念。
テス@蘭乃はなは、少しふっくらしたでしょうか? 痛々しい痩せ方から脱出して、可愛く感じられました。大人の女性ではなくお嬢さんという感じだけれど、テスが若くても破綻はしないので問題ありませんでした。
ラスティー@北翔海莉(専科から特別出演)は、もうとにかく笑わされました。役の軽さが、良い方に作用していました。彼がチャラい男に徹している分、ダニーが良い男に見えたようにも感じます。
アドリブは、やり過ぎ感のある医者芝居より、リビングストン勧誘シーンが好きです。
初演の狂気感に対し、正気の実業家ベネディクト@望海風斗。1人だけコメディに走らず(その真面目さが滑稽さになる)演じているのが大変そうでした。演技や歌の巧さは完全に望海に軍配が上がるのですが、ベネディクトの存在感は初演(紅ゆずる)の方が強かったので、意外と難しい役だなと思いました。
バシャー@春風弥里は、立っても座っても踊っても色男過ぎて、群舞になるとずっと追ってしまいました。本人努力で仕込んだらしいさり気ないマジックの御陰で、マジシャンという設定が認識し易く、ダイアナとの関係も分かり易くなりました。
一方、イエン@華形ひかるは可愛すぎ。小動物のような可愛らしさで、一瞬研究生何年だっけ?と考えてしまいました。
ライナス@芹香斗亜は、初演では「ライナスの成長物語」だと思うくらい美味しい役立ったのですが、花組版では11人の内の1人程度の存在感に収まっていました。ヘタレっぷりが足りないのかなぁ(笑)。
ソール@悠真倫は、最高に良かったです。初演が「未沙のえるのソール」だったのに対し、今回は「ソールという人物」を見た気がします。テスが離婚届を出して、他の10人が何とか引き延ばそうとする中、1人だけペンを出してやるのは、ダニーにもテスにもこれ以上の時間は無意味だと判断できる冷静さと大人の優しさを感じました。それだけに、テスが離婚届を破り捨てた時は、嬉しかっただろうなぁ。

男役は下級生にも結構台詞が当てられていて、ベネディクトのSP2人がエル・チョクロから退散する時の芋虫動作だとか、身体を張って頑張っているのが良かったです。
反面、娘役はテス以外はダイアナ@桜一花しか印象に残りませんでした。ダイアナは初演も今回も、小股の切れ上がったいい女ですね。
非常に残念な事に、花野じゅりあ休演のためポーラ@華雅りりかは、新人公演キャストが繰り上がり。台詞は充分こなしていたけれど、華が弱いなぁと思ってしまいました。正直に言えば、花野じゅりあのダイナマイトボディを拝見したかった!

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