オルツィ著 村岡花子訳「べにはこべ」

→中田耕治訳での感想は、2010年6月23日記事参照

1954年に三笠書房から刊行された村岡花子訳版の「スカーレットピンパーネル」が、今年文庫化されたもの。底本は1967年刊行の三笠書房版。
河出文庫は既に中田耕治訳の「紅はこべ」を刊行しているのに、わざわざ発行したのは、NHKの連続テレビ小説「花子とアン」での需要を見越してかな。
表紙イラスト(田尻真弓)も可愛いし、読み比べてみようと思って読んでみた……のですが、訳による大きな印象の変化はありませんでした。原書は読んでいないけれど、村岡訳・中田訳共にオルツィの文章を忠実に訳してるのではないでしょうか。
でも村岡訳の方がもっと古いのに、その古さを感じない、分かりやすい文章であることには驚きました。
また、主人公であるマーガリートの女性心理の動き等は、村岡訳の方がすっと入ってくるかも知れません。なぜ愚鈍な金持ちと欧州一の才女が結婚したのか、等と言われつつも、パーシィへの愛は最初からマーガリートの中にあったのだということが飲み込めました。

機会があれば、原書に挑戦したいですね。

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)