題名はふざけてますが、「スカーレットピンパーネル」のショーヴランのこと。
柚希礼音、初の悪役。
割とコメディ色がある演出なので、時々お間抜けだったりしますが、私がマルグリットで、あれだけ若くてギラギラしてる男に迫られたら、揺らいでしまうかもと思う程に、魅力的でした。
歌は不得意らしいですが、私個人としては何故かリピートしたくなるくらい好きです。ああ、あの歌を聞きにもう一度行きたいなぁ(ただし歌ったのが雪組「君を愛してる」の「僕はモテモテ♪」だったらハリ倒してた可能性があるので、作曲のワイルドホーン氏が偉大なだけかも)。
得意のダンスは披露出来るのがショー部分のみでしたが、一人キレが違いましたしね。
が、良かった、で片付けられればワザワザ日が経ってから書こうとしないわけでして……
革命時代にマルグリットと関係があった、と言う設定がちょっと腑に落ちないのです。
その理由は年齢。
パーシーとの間に感じる年齢差は、両役者の実年齢的に仕方ないとしても、マルグリットよりだいぶ年下に見えたのは如何なものか。マルグリットの今回の化粧や鬘だと、彼女とはかなり年齢差があるように見えました。
かつて恋人同士だった二人としては、せめて同年代に見えないと……。
マルグリットは、ショーヴランを「愛したことはない」と拒絶しますが、それは虚勢であって、やはり革命の熱病だったとしても愛情的なものがあったのではないかと思います。なんせ、遠野あすかはショーヴランの例の熱っぽいソロを聞いて、舞台袖で号泣するそうですから(実際の行為として泣いているかは不明ですが、そういう気持ちは確かにあるのだろうなぁと舞台を見て感じました)。
別に「年上の彼女」が悪いとは言いません。しかし歌詞中の「君の中に眠る少女」と言う言い回しが大人目線なので、ショーヴランの方が若いと変だと思ってしまうのです。
第一、宝塚版は原作より更に二年後の1794年を舞台としているので、革命が起こったのは5年前。
その時のショーヴランの年齢は? と言う事まで考えると、革命当時のショーヴランが若過ぎるので、愛と言うより、年上の女優への恋・憧れだったのでは、などと感じてしまうのでした。
しかし、若いショーヴランだからこそ、あの熱の発し具合を魅力と見せることが出来たのかも知れない。ジレンマですね。