6/5公演アドリブネタです。


男はもう一度、手にした書状を読み直した。

――なお、本会は黒服以外の装いでご出席ください。

その一文は、プリンス・オブ・ウェールズ主催の仮面舞踏会の招待状の末尾に確かに記されていた。
事実を認めた瞬間、手にした招待状は、革命政府に対する挑戦状に変わった。
彼が負う極秘任務のためにも、祖国を代表する大使としても、この舞踏会を欠席する訳にはいかない。だが、公安委員である彼を招待しておきながらその制服を暗に拒絶する英国の卑劣さに、歯噛みしないでいられようか。
革命により国家としての体力を著しく消耗した祖国を、舞踏会に相応しい衣装も用意できないと嘲笑うつもりに違いない。そう思えば、耳の奥で嗤い声まで聞こえる。その声に眦を裂けば、あの不愉快な英国貴族の顔がはっきりと思い浮かんだ。
激しい怒りが全身を震わせたが、招待状を引き裂く寸前に理性が勝った。
英国と事を構えるのは今ではいけない。
いっそ、英語が理解できなかったふりをすることも考えられたが、それは彼自身の自尊心が頷くことを許さない。
ならば、誇りある制服を脱ぎ、場に相応しく、彼奴らが口出しできない衣装を選ぶことこそ、成すべきことだ。
ついに、彼は決意した。


かくして、総スパンのタキシードに羽根を背負った革命政府全権大使は、「あなた、本当にそんな服持ってたのね」とマルグリットから生暖かい眼差しを受け、パーシーの羽根の方が大きくて豪華なことに一層対抗心を燃やし……と言うもう一つの展開が思い浮かんだ貸切公演アドリブでした。
これに限らず、龍ショーヴランin英国はいじりたくなるキャラですね!
殿下絡みのネタもあるのですが、千秋楽までに書けるかな?

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)