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TOHOシネマズ新宿にて、「早霧せいなラストデイ」ライブ中継に参加。
これは、雪組「幕末太陽傳」「Dramatic “S”!」東京宝塚劇場千秋楽、およびサヨナラショーを生中継したライブビューイングです。

今回は、ラストデイ中継初参加となる友人に誘われたためという、やや気楽な立場での参加。懐かしい「宙組88期トリオ」の最後の一人となった鳳翔大を見送る気持ちはありましたが、全体的には、本気のファンな方々の邪魔にならないよう、小さくなっておりました。
そんな軽いスタンスで参加したことで、改めて実感したことがあります。それは「サヨナラショーは、そのスターのファンの為のものだ」ということです。当たり前だけれど、ファン以外を楽しませることは想定していないと思いました。

全体的には、最後まで客を笑わせようと頑張る早霧せいなのキャラクターが出た、明るいラストデイでした。

ミュージカル・コメディ「幕末太陽傳」

初見は、色々な話の寄せ集めで、少し混雑している感があると思ったのですが、2回目だと本筋と枝葉が分かっているので、スッキリ見られました。中継だと、鍵のすり替えなど見落としていた箇所も気付けて、色々納得できました。

コメディなこともあって、アドリブが多数挿入されました。特に、起請文が衝突した後のシーンで、倉造@悠真倫が選別の包みを2つも3つも出してくるのは笑えました。

名作とは思わないけれど、たまにこういう破茶滅茶でも必死に生きてるお話を見ると、小さいことで悩んでいられないなと思います。若干、宝塚らしからぬ点も含めて「銀ちゃんの恋」を彷彿とさせられました。

Show Spirit!「Dramatic “S”!」

退団仕様の作品なので、中盤以降はグッとくるシーンが多かったです。歌詞を噛み締めると余計に響きますよね。絆の場面では、舞咲りんや早霧せいなが涙しながら歌っていて、こちらももらい泣きしそうでした。
しかし、前回観劇時も気になったけれど、ショーは全体的にテンポが早すぎだったのでないでしょうか。

早霧せいなサヨナラショー

幕開けの「ルパン三世」から、一通りの主演作メドレーが続く早霧せいなのソロで開始。
この冒頭以外も、全体的にトップスター就任後の作品でまとめていたと思いますが、全公演は見ていないため、7割くらいしかわかりませんでした。原曲を知らなくても聴かせる歌唱力をもつスターなら、選曲はあまり気にならないのですが……。でも、これは冒頭で語った通り、聴き手たる私の知識不足の方が問題だと思います。

咲妃みゆのソロも「伯爵令嬢」で未見でしたが、小芝居も含めて楽しめました。
彼女は娘役トップスターの才能を持った役者だったと思っています。それは、声です。ヒロインとしての説得力がある声に、最後まで聴き惚れました。

後半は男役群舞やデュエットダンスにデュエットソング、最後は「グレイテスト・ヒッツ」で元気よく終幕でした。

経歴紹介時にスクリーン映像があると、あの役を演っていた子か、とビジュアルでも認識できて嬉しいです。鳳翔大の時に「華やかなりし日々」の映像が使われていて、テンションが上がったのは秘密です。
香綾しずるの経歴紹介と鳳翔大の挨拶では笑いが起きていました。「我が宝塚人生に悔いなし!」だとか「この瞬間よ永遠に!」とか、鳳翔大本人は至って真面目に言っているのでしょうが、笑いが起きてしまうのが人柄ですね(笑)。

早霧せいなの経歴紹介で、沙央くらまとの競演「雪景色」のエピソードに触れられていて、少し嬉しく思いました。
同期からの花は夢乃聖夏。在団中と変わらぬ元気な笑顔が見られました。
最後の歌は「FOREVER TAKARAZUKA(この愛よ永遠に)」でした。「永遠に男役をやっていたかった」という心情の吐露に重なるような選曲です。それにしても、宝塚は自画自賛ソングの宝庫だわ。

男役・娘役トップスターの二人が同等の厚い拍手を受けていて、二人は本当にコンビとして愛されているんだなと実感しました。それだけに、“ちぎみゆ”での緞帳前挨拶が一番盛り上がっていたように思います。
全体的にカーテンコール回数が多く、終演アナウンスが流れたのに、さらにもう一度早霧せいなから挨拶が行われ、終演アナウンスが2回流れるという、非常に珍しい体験をしました。

久しぶりに、「なんだこれ」と言いたくなるゲームアプリが登場(7月配信予定)。

レジェンヌ BE A STAR
http://legenne.jp

元宝塚スターを起用したリズム&アクションゲームということで、市場として良いところに目をつけたな!と思ったのですが、まったく宝塚ファン界隈では話題になっていませんでした(苦笑)。
起用OGが宙組娘役に偏っている、もっとハッキリいえば、明らかに大空祐飛トップ時代の歌姫が起用されているところに、このゲームの開発者は同じ穴の狢狐なんじゃないかと……思わずに入られません。

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TOHOシネマズ新宿にて、「北翔海莉ラストデイ」ライブ中継に参加。
これは、星組「桜華に舞え/ロマンス!!」東京宝塚劇場千秋楽、およびサヨナラショーを生中継したライブビューイングです。

泣かせてくるかと身構えていたのですが、綺麗さっぱり、明るい千秋楽でした。なんせ、客席へ残した最後の言葉が笑顔の「まったねー!」だったのですから、凄いです。
妃海風は泣きっぱなしでしたが、それも悲しいというより、諸々が昇華されて感極まったという感じでした。
また私の方も、かつて、自分の贔屓の退団は、身を斬られるような想いだったのですが、3か月前に同じ映画館で見送った龍真咲が、退団直後からSNSでハイテンションな姿を発信しているせいで、なんだか、受け取りかたが軽くなったかもしれません(苦笑)。
もっとも、先日の千葉日報にて下記の発言があったので、「舞台に戻ってくる」という信頼感がある点も大きいです。

応援してくださったファンのためにも舞台のエンターテイナーとして活動していきたい
http://www.chibanippo.co.jp/news/local/365668

近年、北翔海莉は宝塚や男役という型で収めるべきでないように感じていたので、退団後の活躍の方が楽しみかもしれません。

グランステージ「桜華に舞え -SAMURAI The FINAL-」

芝居のネックであるかごんま弁は、観劇2回目だからか、音響の違いなのか、前回より多少わかりやすく感じました。
桐野@北翔海莉が、西郷@美城れんと共に鹿児島へ帰郷することを決断する辺りから、瞳に涙が溢れていて、こちらも何度も揺さぶられました。
アドリブは控えめで、ウィリス医師が半次郎を迎えるのが大仰な程度でしたが、「明日はない」という全開の熱量が、スクリーン越しにも伝わってくるようでした。

なお、前回、芝居自体はよく出来ていると評しましたが、相手の台詞をおうむ返しするやりとりが多く、そこは一々気になりました。構成・斎藤先生、脚本・上田先生or正塚先生、演出・小池先生というハイブリッド演出家は、どうして生まれないのでしょう……。

ロマンチック・レビュー「ロマンス!!(Romance)」

「ロックンロール」のシーンにて、アフロで登場するアドリブに、月組DNAを感じました。個人的に、この黒アフロは通常公演用のリーゼントよりシーンに合って良かったと思います。
「友情」はもちろん良かったけれど、やはりこういう群舞メインのシーンは、生で観る方が感動しますね。

北翔海莉サヨナラショー

ショーの前には、組長から、真心が籠った優しいコメントと経歴紹介。
紹介映像に微妙なシーンが含まれていて、一々笑わされました。一番客席が沸いたのは花組「オーシャンズ11」の医師扮装かな。また、宙組時代の映像も多く、特に「カサブランカ」「シャングリラ」「トラファルガー」「銀ちゃんの恋」と続いた箇所は、大空&蘭寿&北翔トリオの時代への思い入れも相俟って、全部知っている映像なのに喰い入るように観てしまいました。

そしてサヨナラショーの開演。
今回は、セットリストを一切知らずに参加したため、少し驚かされました。

  • 宝塚メドレー
    初舞台ロケット曲から始まって「シトラスの風」「アマール・アマール」「桜夢幻」「君に伝えたいことがある」と一気に消化。そんな名曲メドレーの中に「風の次郎吉・演歌アレンジ」という異色感は笑えました。
  • THE ENTERTAINER!から1曲
  • 「My Heart Will Go On」(美城れんソロ)(英語)
    上手いけれど謎の選曲だ!と思ったら「One Voice」で歌っていたようです。
  • Love & Dream「夢はひそかに」(シーン再現)
  • メリー・ウィドウ(ダニロの節のみ抜粋で「唇は語らずとも」等)
  • こうもり「シャンパンの歌」
  • 南太平洋から1曲(妃海風ソロ)
  • ガイズ&ドールズ「女神よ今夜だけ」
  • ガイズ&ドールズ「はじめての恋」
  • ノートルダムの鐘「Someday」(英語)
  • サウンド・オブ・ミュージック「すべての山に登れ」(英語)
    これも大好きな曲だけれど何故?と思ったらビルボードライブで歌っていたとのこと。

最初から最後まで歌で構成されている上、文句の付け様がないほど耳に優しい30分でした。
ただ、ディナーショーやビルボードライブ等、レア公演からの選曲が多く、事前に調べておいた方が良かったな、と思いました。一度どこかの公演で歌っているとはいっても、全体的に、宝塚の枠からはみ出たサヨナラショーだったと思います。最後の衣装は緑の袴、ラストソングは「すみれの花咲く頃」という、最も正統派な選択だったのに、歌は妥協せず良曲を選んだ結果でしょうか。
また、英語曲が多いのも、個人的には気になりました。原語で歌いたいという気持ちもわかりますが、歌詞がわかる日本語の方が、素直に感動できたのではと思います。

挨拶は、全員用意した挨拶文ではなく、その場での素直な気持ちを述べている感じで、この辺は星組らしさなのかな、と思いました。ファンを第一とする姿勢も含めて、爽やかな印象でした。
本公演で全員退団する84期のお花渡しは、北翔海莉が隼颯希(元花組娘役)、美城れんが遠野あすか(元星組トップ娘役)。ちなみに、美城れんへの専科からのお花は、もちろん本公演に出演していた夏美ようでしたが、芝居しか出演していない為、私服でのお花渡しでした。お花渡しをする二人ともが私服、という姿は結構レアな気がします。

カーテンコール3回目では、次期トップコンビを呼んで挨拶。
月組に引き続き星組でも行われたことで、新しい伝統になりそうですね。アドリブに強いはずの紅ゆずるが動揺して、挙動不審になっていたのが面白かったです。
更に、カーテンコール6回目で銀鏡に出てきたトップコンビが、お互いへの感謝を口にする際、上級生の北翔が「ありがとうございました」と頭を下げたのが、彼女らしい良さだと思いました。

明るく清々しい千秋楽でしたが、中継に関しては、カメラワークに不満が残りました。誰もいない地点を映すという、カメラ切り替えミスもありましたし、全体的にアップが多く、せっかくの芝居が見えない箇所が気になりました。中継で初めてこの舞台を観る客もいるのですから、アングルはもう少し頑張って欲しいです。
恐らく、星組は番手が明確に定まっているために、それに従って撮っているんですよね。一方、前回ストレスなく観れた月組は、二番手以外をボカすために、引きの映像が多かったのかも。もちろん、単純に私が月組生徒の方が判別できるからとか、好きだという理由かもしれません。