• 2012年登録記事

東京NEXT「料理とワイン、音楽のマリアージュで体感する“フランス周遊旅行”」に参加して来ました。

シティリビング東京版より転載

コンセプトは、料理とワイン、音楽のマリアージュで体感する“フランス周遊旅行”。

料理は、地形や歴史、気候などに特色のあるフランス5地方(プロヴァンス、ロワール、ノルマンディー、アルザス、バスク)の伝統的な地方料理をアレンジした5皿8種をご用意。

それに合うワイン5種(料理に合わせてセレクトされたノンアルコールカクテルも選択可)を一緒に楽しめる贅沢な内容になっています。

この企画は第1回ということで、システム説明や段取りなどで良くない所もありましたが、食事はどれも美味しかったですし、参加費分は充分楽しめました。
今後参加される方の予習になるよう、感想を残しておきます。

参加者は、1人の方もいらっしゃれば纏まった人数のグループもいました。
フロアには2〜8人席くらいのテーブルが点在しているので、受付を済ませた順にウェルカムドリンクを受け取り好きな席に座ります。
料理と飲み物は、すべてブッフェ形式で提供されるので、好きなモノから選んでいきます。と言っても、好きな料理だけを何度も取って良いのではなく、1人ずつ割当量は決まっています(1地方1皿限定なのか、1料理1皿限定なのか、司会の説明では良く分かりませんでした)。飲み物は充分余っている感じだったので、複数回取りにいってもOKでした。

今回の企画の料理は下記の通り。

ノルマンディー地方

ぷっくりした平目とソースが際立って美味しい「平目のフォンダン・ムール」。
あわせる飲み物は「シードル(Val de Rance Cidre Biologique)」と「ポム・ア・ラ・モード」の両方を頂いてみたのですが、全体的に「当たり」の地方ではないでしょうか。ちなみに、後者の飲み口はアップルティーでした。

プロヴァンス地方

「ニース風サラダ」と「イワシのプロヴァンス風」。
「ロゼ(2011 Chateau Vieux Moulin Rose)」は結構度数強めでした。
ここは料理も飲み物も、無難であまり印象に残りませんでした。プロヴァンス風と言われて想像する通りの感じ。

ロワール地方

白身魚と海老をすりつぶして蒸したと想像される「白身魚のクネル グラチネ仕立て」。これが物凄く美味しくて、2皿食べられないのが本当に悔しかったです。ソースも非常に美味で、パンが欲しいと切実に思いました。
あわせる「白ワイン(2010 Domaine du Grand Mouton Muscadet)」は、私の好みより辛め。ついでに、かなり酔ったので以降はノンアルコール分しか飲んでおりません。

バスク地方

こちらは全体的にスパニッシュ風が漂う「仔羊のナヴァラン」と「バスク風オムレツ」。オムレツは生ハムが乗っていて嬉しかったです。結構野菜も入ってました。
飲み物は八角とライムとペリエで作られた「アニスウォーター」。凄いさっぱりする独特の味でした。

アルザス地方

逆にドイツ料理のような「シュークルート」「タルト・フランベ」。
「フレンチレモネード」は、クラッシュアイスが乗ったレモネードで、とても爽やかで美味しかったです。ただ、後半に2杯目を頂いたら、氷が溶けていて残念でした。

最後に、8地方9種のスイーツビュッフェが開催。
これはちょっと不満の残る内容でした。
まず第一に、主催者は女性のスイーツに対する欲を低く見積もり過ぎていたと思います。スイーツビュッフェが始まった途端、一度に狭いスペースに女性がひしめき合ってしまったのです。このレイアウトが悪くて、1度に2〜3人くらいしかケーキを取れませんでした。その上、色々な種類があるので、誰もが出来るだけ数多くを皿に乗せようとします。結果、回転率が悪くなるのは自明の理です。数も足りていなかったのか、私はある程度確保できましたが、出遅れてケーキが食べれなかったという方もいらっしゃいました。この混雑で、なんと皿が割れるというハプニングもあり、安全面も問題有りでした。もっと広いスペースを使い、ケーキ個数を増やすべきだったと思います。
ちなみに、珈琲またはカモミールティを注ぐのも1人ずつしかできず長蛇の列が発生し、後から給仕サービスが始まりました。
第二に、きちんと説明があった料理に反して、スイーツはただケーキを並べただけで、どれが何地方の何ケーキかわかりませんでした。折角のフランス周遊旅行というテーマが、最後に消失してしまいました。
肝心の味は……なにケーキかも判らず食べたので断言できませんが、ちょっとクリーム分が多くて食べ疲れる味でした。小さなサイズだったのは良かったです。美味しかったのは、恐らくシャンパーニュとレモンのガトーだったと思います。

ピアノ演奏は、会の開始前のBGMと、中盤に歌も加えてプチコンサート風に披露されました。
初めてスタンウェイのグランドピアノを聴けるということで期待していましたが、練習用ヴァイオリンとストラディバリのように音に如実に違いがある訳でないんですね。弾き手にとって違いがあるのかしら。
プチコンサートでは、ピアノ独奏で「愛の讃歌」、ソプラノ歌手を加えて「ラ・ボエーム」からミミのアリア、「オペラ座の怪人」から2曲。その後は、録音音源で「オペラ座の怪人」から1曲、バッハの「アベ・マリア」、アンコールにセリーヌ・ディオンとアンドレア・ボチェッリの「The Prayer」という流れでした。
ピアノ奏者とテノール歌手が同一人物のため、途中から録音音源になってしまったのは少し残念でした。

会場は会員制レストラン「ウラクアオヤマ」のウェイティングバー。
http://www.urakuaoyama.com/
こういう機会がないと入れない空間なので、その点はとても良かったです。全体的に重厚感がありましたが、お手洗いの手拭き紙が安っぽかったので、そこだけマイナス1点です。

色々文句も付けましたが、総合的に観れば贅沢で面白い企画でした。スイーツの件は初回ならではの見積もりの甘さということで、今後ブラッシュアップされることを期待しています。

有川浩著「シアター!」

バックヤードもの、且つ演劇もの。その時点で面白い要素しか見当たらない!と思った通り、エンターテイメントとして面白かったです。
個人的には、春川司というキャラクターの勝利だと思いました。
考えてみれば、本作のように主人公がデキル社会人である物語は、なかなか見当たらない気がします。言うこと成すこと理に適っていて頷けるので、気持ちよく読めました。互いにブラコン気味な巧との関係性も良し。
そうして家族愛要素が強い分、恋愛要素が軽いのも秘かに嬉しいのです。
久し振りに、続刊を読みたいと積極的に感じる作品でした。

ただ、折角の劇中劇が断片しか明かされず単体では楽しめない上、その断片自体が面白そうに感じられないのは残念です。また、「重要小道具が舞台上にない」という箇所で緊張感がなく、折角のアドリブも乗り切った感を受けませんでした。
……そうやって改めて考えてみると、演劇ものとしての面白さは薄いのかな。

世紀の駄作じゃなかった!――らしいです。

散々気を揉んでいた「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」は無事初日が終わったそうで、早くも東京公演が待ち遠しいです。
お披露目初日なので、現時点の感想は熱烈な宝塚ファンのものが大多数。評価が良くても原作ファンの視点とは違う可能性がある、と思っていますが、原作ファンの某Oさんから頂いた報告も好評な手応えだったので安心しました。

秘かに、人物相関図にスチル写真が追加されたので、こちらを眺めながら10月まで指加えて待っています。
http://kageki.hankyu.co.jp/ginga/correlation.html
……さすがにルビンスキーは禿げじゃなかったかぁ。

今更ですが、面白いと聞いたので、「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の体験版を遊んでみました。
http://danganronpa.com/

難易度EASYで、しかも学級裁判パートのみを選択。
裁判ものという括りから、逆転裁判的なゲームを勝手にイメージしていた通り、相手の発言の矛盾を指摘するという基本ラインは似ていました。
学級裁判が始まる前に、自分の手札となる「言霊」を入手しているため、ある程度問答の流れが想像できますね。体験版だからという要因はあるでしょうが、各ウィークポイントに対応する言霊がどれかは、まったく悩みませんでした。
裁判中に、特定のキャラと一対一で戦う「マシンガントークバトル」なる、ミニゲーム的な要素が入ってくるのは、学級裁判を単調にしないためなのでしょうが、操作に戸惑いました。
とは言え、あれだけ贅沢に音声がついて、半リアルタイムで裁判が繰り広げられるのはなかなか新鮮でした。

体験版では主人公の部屋で殺人が起きた状態のため、他のキャラクターから容疑を掛けられている所からスタート。そんな状態なので、友好関係は望めないとしても、犯人を主人公と断定してくる腐川冬子には苛々させられました。あの子、体験版のタイトル画面で主人公と並んで表示されていたのですが、ヒロイン扱いなんでしょうか……。
ちなみに、大山のぶ代さん演じる白黒の怪しいクマ「モノクマ」は、どう聞いても国民的アニメの猫型ロボットでした(笑)。

佐藤亜紀著「モンティニーの狼男爵」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
人見知りの男爵は、莫大な年金を持つ娘ドニーズとの見合いの席で彼女に一目惚れした。だが結婚後、ドニーズは伊達男ルナルダンに惹かれ、男爵は嫉妬から狼に変身するようになる。ルナルダンの策略で狼姿の男爵は売り飛ばされてしまうが、策略を知ったドニーズは男爵を迎えに行き、2人は元の鞘に収まる。

実に不思議で滑稽で優雅な小説。
男爵はなぜ狼に変化できるようになったのか、理屈はまったく明かされないし、最後まで読み切っても、これで三方丸く収まったと思えずスッキリしませんでした。
でも、家来や村人が変身した狼を男爵だと疑いもなく認識しているのが、この不思議な世界観にあっていて面白いのです。何度か「狼」を比喩なのかと考えましたが、見世物小屋のシーンもあるし、狼化しているのは間違いないんですよね。
語り手である男爵は、ヘタレだし他人の気持ちが汲める人でもないのだけれど、心情が読み手に赤裸々なので好感の持てる人柄でした。語りが足りないと思う箇所も多かったけれど、ちょっと独り善がりで他人との距離感が巧く取れないこの男爵なら、仕方ないかな、と思ったり。
キャラクターとして魅力的なのは、神父でありながら放蕩者という男爵の叔父と、狼と化した男爵を招き入れるブリザック夫人ですね。肝心のドニーズは、何処が良いのか良く分からなかったけれど、恋とはそういうものと思えば納得です。