• 2013年登録記事

五十音順キャラクター・ショートショート【ほ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 本気か?
 ホークはまずそう疑い、その瞳に決意の輝きがあることを確認すると、次に正気を疑った。
 小さく華奢な少女だった。
 場違いなフリル付きの衣装に身を包み、ミスマッチな乗馬鞭を手にしている。
 その少女が、戦闘班に志願するだけでなく、長の座を賭けてホークに挑むというのだ。とんでもない馬鹿か、頭がイカれているかに違いない。いかに人材不足とは言え、そんな少女を部下にしなければならないのか。
 ホークは緩く頭を振った。
 工作班に振り分けられた連れの男は、多少剣を使うようだから、せめて二人を入れ替えて欲しいところだ。
 そう思ったホークがふと視線を向けると、その男は巨大な応援旗を掲げて声をあげたところだった。
「アリスちゃん!君の王子、デクスが付いてるからね!」
 旗に書かれたLOVEの字が翻る。
 可愛い、最高だ、と狂ったラッパのように言葉を続ける彼の様子に、ホークと少女の考えは初めて一致した。
「うざーい」
 やはり、二人とも戦闘班には入らないで欲しい。
 そう思いを改めると、ホークは遂に剣を手にした。
 少女だって、血生臭い戦いの場に出るより、色仕掛けでもしている方が、余程似合うだろう。つまりこれは親切というものだ。
 ホークが戦うつもりになったのを察したか、少女も目を細めた。
「さぁ、かかってらっしゃい♥」

 結果――負けました。

本気の彼女はマジ強い
……ホーク(ゲーム「テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士」)


ヴァンガードは、ブルート総帥とアリス&デクスの印象が強過ぎて、ホークの存在感がなかったなぁと思います。

五十音順キャラクター・ショートショート【へ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


「陛下」
 弟をそう呼び、膝を着き、頭を垂れた。
 それが国に帰るにあたり、俺が下した決断だった。
 元々、王位なぞ欲しくはない。王は国民の奴隷だ。俺はあの日、樽の中から這い出て自由を手に入れたあの時、もう二度と誰かの奴隷にはなるまいと決めていた。
 だが、王位に手をつけてそれを捨てる行為は、余人には理解し難いらしい。ことに、兄が弟を殺し、弟が兄を害すこの国の歴史を知る者や、誰にも敬意を見せなかった俺の子供時代を知る者ほど驚愕は激しかった。
 驚かなかったのは俺自身と、弟と、彼だけ。
 つまり、俺を最も良く理解する子分たちは、少しだけ寂しさを加えた静かな微笑みで頷いた。

ヘンリーの帰還
……ヘンリー(ゲーム「ドラゴンクエスト5」)


苦難の時代はあったけれど、最終的に主君(弟)がいて、親友がいて、妻子がいるヘンリーの充実っぷりは凄いですね。
ただこの人、ゲームだと王宮で暮らしてる訳ですが、仕事してる様子もないし、果たしてどういう身分に収まったのですかね。
王兄で後に皇太子の実父なんて、好きなだけ国政に関与できる立場だけれど、あえてブラブラしている水戸黄門みたいなヘンリーというのも、面白そうかな。
だったら主人公に同行してよ、というお叱りは承知の上で。

王族ネタが2作続いたので、次はもう少し軽い感じでいこうと思います。

前回、満足と言った舌の根も乾かぬうちに、見落とした住民を救出してEXTRA VISION「バルーの塔」を出現させました。
ということで、記念すべき1回目のタイムは05'53''70でした。やっぱり終盤のフラムゥを二段ジャンプで乗り継いでいく箇所が難所ですね。何度も落下死しました。
夢のかけらは、意識しなかったので79個(最高150個)。
「バルーの塔」を攻略すると「ミュージックプレイヤー」を手に入れることができます。
これで、初代クロノアのすべての要素が解放された事になるので、後は時々思い出した時に遊べれば良いかな、と思っています。

……と言いながら、「バルーの塔」の中途半端な夢のかけら回収率が悔しくて、「バルーの塔」&VISION1−1〜5−1の夢のかけら150個を集めることにしました。
VISION5−2以降は難易度が跳ね上がるので、その内本腰を入れてから挑むつもりで。
ところが、VISION3−1だけ、なぜか147個しか集まりません。3個という数から、「透明たまご」を見落としているのだろうと推測できますが、果たして何処に隠されているのでしょう?
記憶に頼らず、自分の目で見つけ出す必要がありそうです。
ちなみにその頼りにならない記憶では、鏡の精の使いかたで150個以上夢のかけらを獲得できるVISIONもあったと覚えているのですが、もしやそこは修正されているのでしょうか? 今のところ150個以上をマークしたVISIONはありません。

好きなVISIONを何度も遊んでいると、VISIONとボス戦を切り離した「クロノア2」は良い進化だったな、と今更思いました。
2−2、5−2、6−2はVISIONだけなら遊びたいのに、ボス戦が付いてくるのが憂鬱なんですよね……。

ゲームアーカイブス「風のクロノア door to phantomile」VISION CLEARしました。
→風のクロノア ソフトウェアカタログ

結局、先日購入した5本の内一番初めに遊んだのは、プレイ経験ありの「風のクロノア」でした。
なお、とても残念なことに、本作はスクリーンショット機能に対応していませんでした。私としては、折角の機能なので、すべてのアーカイブスタイトルで対応して欲しいと思います。

2日間でエンディングまで一気にプレイ。
何十回と遊んだ初代クロノアなので、危なげなくプレイ……と思いきや、VISION3−1辺りからミスって落下死することが出て来たり、住民を2人見過ごしました。特にVISION6−1は落下事故が多発しました。
さすがに、ノーミスという訳にはいかないですね。
クロノアの台詞やファントマイル語、風玉の射程距離や色の風味など、やっぱり初代が好きだ!と再認識しました。

前述の通り、住民は見落としてしまったため、全住民を助けることが条件であるEXTRA VISION「バルーの塔」は出現していませんが、好きなVISIONを選んで遊べる状態になったので、取り敢えず満足です。

五十音順キャラクター・ショートショート【ふ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 不幸な女だ。
 王冠を戴いた若き王はそう思いながら、花嫁の手を取った。
 聖堂の参列者が浴びせる万雷の拍手に呼応して、外を取り囲む民衆たちも歓声をあげた。喜びに和する音はどこまでも続いて、終わりがないほどだ。
 皆が喜び祝う、王の結婚。
 その花嫁ほど不幸な女はいない。
 白い手で剣を握り、帝国を倒し、亡国の遺児を玉座に付けたのは、すべて愛する男のためだった。星の導きでも、民を強いたげる帝国への義憤でも、所縁のない王への忠義でもなく、ただ愛されたいが為に。
 だがその功績と民衆の支持はあまりに高く、彼女は新たな王国に欠かざることのできない存在になった。彼女をこそ王にと推す数多の声も聞こえた。
 最早、自由にしてやることも出来ない。
 王は、花嫁の微笑みが彼や民衆を通り過ぎ、愛する男に向けられているのを見た。
 彼女は男を愛し、彼の望むまますべてを捧げた。男は、愛の代わりに永遠の忠誠を捧げた。
 不幸な女だ。
 さて、その不幸な女を愛する王とは、最も不幸な男でないか?

不幸の結婚
……フィクス・ トリシュトラム・ゼノビア(ゲーム「伝説のオウガバトル」)


プリエステスED。
今回初めてランスロット×女オピニオンリーダーというカップリングを書いて、ハーレクインロマンスが出来る2人であることに気付きました。世の支持が強い理由も分かりました。