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所沢市民文化センターミューズにて開催された「もょもと交響楽団Premium Concert III」を聴いてきました。
http://moyokyo.com/index.html

ドラゴンクエスト好きなアマチュア演奏家有志によるオーケストラコンサートの第三弾。
参加無料(チケット発券料は必要)というので、失礼ながらそれなりのクオリティかと思っていましたが、市民文化センターミューズはパイプオルガンまで設置された立派なコンサートホールでしたし、演奏者は全員黒のフォーマルで、ちょっとビックリさせられました。
肝心の音は、打楽器と金管楽器が強過ぎて、バランスが悪いように感じました。ただ、80人以上の大編成ということもあり、音に厚みと迫力がありました。

開演前に、ロビーコンサートで2曲披露。申し訳ありませんが、曲目はメモし忘れたので不明ですが、一つはVIIの曲だったと思います。
(4/30追記)2曲目は「王宮のロンド(III)」だったと思い出しました。

第一部

楽器紹介を兼ねたD.Q.シリーズ曲のアラカルト。

  • 決戦の時(IX)
  • 謎の城(IV)
  • ダンジョン〜塔〜幽霊船(III)
  • 戦いのとき(III)
  • つらい時を乗り越えて〜急げ!ピンチだ(VIII)
  • 小舟に揺られて〜海原の王者(VII)

木管楽器がメインの「ダンジョン〜塔〜幽霊船」は、懐かしさもあり良かったです。

第二部・第三部

交響組曲「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を全編演奏。
DQVは、私にとって最も長いプレイ時間をつぎ込んだDQ作品なので、どの曲も情景が眼に浮かび楽しめました。
全体的に、切ない楽曲が多いですよね。「さびれた村」に至ったときなど、少し前に「街は生きている」で懐かしいサンタローズを思い出していたのに、もう焼け野原になってしまったと思って、少し泣きそうになったくらいです。
なお、組曲の途中に拍手を入れるのは違和感がありましたが、途中休憩や、司会の物語解説などが挟まれるので、仕方ないかな。個人的な好みで言えば、物語解説も省いて、最初から最後まで一曲として弾くコンサートも面白いと思います。

アンコール
  • ずっこけモンスター(DS版V)
  • そして伝説へ(III)

前者は初めて聴く曲でしたが、バイオリンを使わない構成で面白かったです。
後者は、最高に音が乗っていました。はっきり言って、これが一番良かった曲かも知れません。

公演時間はおよそ2時間40分。
好きだから演奏する、というメンバーの集まりだけあって、最初は少しバラついている感じがしましたが、後半に行くほどまとまりが良くなり、段々良くなった印象です。
司会は落ち着きがあって聞き取りやすく、話の脱線もなかったので、おおむね好印象。「もょもと」の由来である復活の呪文を、大真面目に読み上げる箇所では笑わせてもらいました。
 ※復活の呪文は、はてなキーワードを参照。
全体的にはとても楽しませて頂きました。参加者の皆さま、お疲れさまでした。

五十音順キャラクター・ショートショート【へ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


「陛下」
 弟をそう呼び、膝を着き、頭を垂れた。
 それが国に帰るにあたり、俺が下した決断だった。
 元々、王位なぞ欲しくはない。王は国民の奴隷だ。俺はあの日、樽の中から這い出て自由を手に入れたあの時、もう二度と誰かの奴隷にはなるまいと決めていた。
 だが、王位に手をつけてそれを捨てる行為は、余人には理解し難いらしい。ことに、兄が弟を殺し、弟が兄を害すこの国の歴史を知る者や、誰にも敬意を見せなかった俺の子供時代を知る者ほど驚愕は激しかった。
 驚かなかったのは俺自身と、弟と、彼だけ。
 つまり、俺を最も良く理解する子分たちは、少しだけ寂しさを加えた静かな微笑みで頷いた。

ヘンリーの帰還
……ヘンリー(ゲーム「ドラゴンクエスト5」)


苦難の時代はあったけれど、最終的に主君(弟)がいて、親友がいて、妻子がいるヘンリーの充実っぷりは凄いですね。
ただこの人、ゲームだと王宮で暮らしてる訳ですが、仕事してる様子もないし、果たしてどういう身分に収まったのですかね。
王兄で後に皇太子の実父なんて、好きなだけ国政に関与できる立場だけれど、あえてブラブラしている水戸黄門みたいなヘンリーというのも、面白そうかな。
だったら主人公に同行してよ、というお叱りは承知の上で。

王族ネタが2作続いたので、次はもう少し軽い感じでいこうと思います。

五十音順キャラクター・ショートショート【ね】
→ルールは2012年12月17日記事参照


「ねぇ、これただの鋼の剣でしょ。3000ゴールドなんてぼったくりじゃない!?」
 声を荒げた客に詰め寄られているのに、カウンターに腰かけたまま店員は微笑んだ。
 有名店だけに、時折こういう手合いがいるのだ。
「はい、お客さま。そちらは鋼の剣でございますが――」
 それも、全国の武器屋が2000ゴールドで売っている量産品に、この店の刻印を掘っただけの代物だ。ちなみに、刻印代は一本あたり10ゴールドとなる。
 しかし――
「他店にはない、勇者さまがお使いになっているのと、同じ型でございます」

 お客様に満足を与える付加価値を。
 著名人とのコネを活かした商品作りで、一都市の武器屋から世界有数の商社となったトルネコ・コーポレーションでは、創設者の経営ブレーンだった妻ネネの教えがいまも社是となっている。

ネネの武器屋経営術
……ネネ(ゲーム「ドラゴンクエストIV」)


トルネコの店って、他から仕入れて売るだけでしたよね。
たぶん、選ばれし者たちの1人であることを大いに生かして、それまでこの世になかったブランド戦略を取ったのではないか、と思っています。
で、ネネさんと言えば銀行(預り所)を始めてましたよね? そういう所からして、ただ夫の店を預かるだけに留まらない、かなりの先見性の持ち主だったろうと思います。

東京六本木の「ルイーダの酒場」に行って来ました。
http://www.paselabo.tv/luidas_bar/index.html

御存知「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する「ルイーダの酒場」をイメージしたバー。
入店してまず驚いたことに、通された席に椅子がない! 完全立ち飲み形式で、飲むのは良いけれど食事は取り分けたりし難くて少し面倒でした。
75分の時間制で、混雑していない場合は制限解除できるのですが、立ちっぱなしが辛くて2時間くらいが限度ですね。
店内は基本シンプルな作りで、割と手狭。ロトの剣や天空の剣が飾られているほか、店内モニターで「テリーのワンダーランド」「DQ10」のプロモーションビデオが流れています。店員は、1人を除いてシックな給仕服。
オーダー用紙に記入する形で注文し、会計すると料理が運ばれてくるシステムは、ちょっと独特ですね。

料理の種類は思ったより少なめ。でも、ドラクエの世界観と関係がないモノは置かない、という確固たる姿勢は偉いと思いました。

オムライス

ブラウニー

やや割高感がありますが、パセラ系列のため不味いと思う料理はありませんでした。
呪文の名前が付いた飲み物をオーダーすると、席で注いで完成させてくれますが、そのときは店員と一緒に呪文を唱えさせられます。同行者が「マヒャドブルー」を頼んだら、カクテルを混ぜた時点でドリンクが青くならず、店員が「僕のMPが足りなくて……」と謝っていました(笑)。

来店客は「旅人」、食器は「武器」、円は「ゴールド」、精算レジは「愛と信頼のゴールド銀行」と呼ぶなど、単に魔法やアイテム名の料理を出すだけでなく世界観を統一しようとする工夫がありました。
童心に返って楽しむのが一番。
コンセプトバーとして繁盛するにも、やはり営業努力があるんだなと感じた六本木の夜でした。

先達てテイルズの演出のことを取り上げたので、他のRPGゲームにも渡ってもう少し突っ込んだ話を。

イノセンスのプロモを見て「演出!」と思ったのは、FFに代表される映画的な演出のことです。
客観的に一番魅せるカットをどう撮り、その連続をどう繋ぐか。間も重要ですね。最近のゲームは、ムービーでないイベントだと、次の台詞へ送った時に音声ローディングで間延びししてしまうことがあって、意外と難しい。リメイク版デスティニーには台詞の自動送り機能があって、これだと次の台詞への間が割と綺麗に繋がっていて、最近お気に入りです。

SFC版TOPのプレイ時は、テイルズには演出力があると思っていました。品のある色使いのドット絵、揺れる水面や飛び立つ鳥、距離感のある音楽の使い方、フリーズキールでのステンドグラスの魅せ方等、感心したものでした。
思い返すと、2D作品でのイベントは、テイルズでもFFでもDQでもさほど大差はなく、棒立ちで台詞と若干の動きがあるだけなんですよね。後は派手なエフェクトを掛けるとか、アニメ絵やキャラを通常より大きなドットで動かすなど、操作画面と違う絵を用意するなどの手法でしょうか。2D時代のFFで私が演出を凄いと思ったのは、FF5タイトル動画の疾走感のあるチョコボと、本編オープニングの夜明けの表現ですから、概ねこの辺の表現ですね。
ドットの書き込みが細かいTOPは映像自体綺麗だったし、イベントシーンでも、エモーショナルバルーンを多用するため、単純な効果ですがキャラの演技を分かりやすく出来て、一歩抜きん出てみえたのでしょう。
ちなみに、2Dのイベント演出で一番効果がある手法は、暗転とパンだろうと思います。タクティクスオウガで良くある「ギロチンの刃が落ちた瞬間に暗転」「絶叫してパンアップ」などはベタですが好きです。オウガはそれに加えてドットの描き込みとアニメーションも凄かったですけれどね。

映像の映し方、グラフィック面に言及してきましたが、堀井雄二氏には映像美とはひと味違うセンスでの演出力があって、これまた2Dならではと思わされる絶妙の工夫があります。
それが、SFC版DQ5サンタローズの、少年時代と青年時代で村の大きさが違うというマップ作り。
青年時代になってから訪れて、宿屋の跡地のサイズに「こんな手狭だったか?」と違和感を覚えたものですが、実は実際にマップ自体も幼年期は大きく、青年期は小さく作ってあるという巧みさ。
この部分、3D化したPS2リメイク版ではどうだったのでしょうか。気になります。