• 2015年登録記事

現在地:21日目(日)

涙岬にて、前回の感想が大当たりしそうな展開になりました。
追ってきたのが精神保健指定医という時点で、完全にレッドカードですね。
その後、メールは何度かあったものの、会えていません。確実に斎藤姉妹ルートに入っているはずですが、このまま受け身で大丈夫なのか不安です。でも、どこに行けば会えるのか分からないので、今は良い記事を求めて道北寄りを探索中です。

告白のタイミングがとても早くて驚きました。冬は最初から好意を抱いていると思ったけれど、主人公の気持ちは少々急展開だなと思います。

キス

このゲームの主人公は馬鹿じゃないと思っていたのですが、やっぱり恋愛に関しては鈍いんですね。
恋愛ゲームの主人公は鈍くないといけない不文律でもあるのでしょうか。

あと、今更ですが「死んだアイツ」が女性だったらしいことに気付きました。2人で探検とかしているので、当然のように男だと思っていたのですが、男女の関係だったという風に捉えた方が正しそうですね。
年齢設定は若いのに、このゲームの登場人物はみんな経験値が「大人」だな、と思いました。

作成した記事に関しては、最近コメントが増えないのと「退屈」といった辛口の批評が付いていて寂しいのですが、ランキング自体は上がっています。
こういった、人気と掲示板の書き込み数が一致しないところも、結構当時のWebの雰囲気に近い気がして、面白いです。

鯨統一郎著「新・世界の七不思議」「新・日本の七不思議」

「邪馬台国はどこですか?」のシリーズ作品。
1作目と比べると、正直見劣りしました。

「世界」は「邪馬台国」と同様、バーの中での歴史バトルですが、今回は最初に仮説を持って来るのでなく、静香たちの話を聞きながら宮田が新説を提示していくという形式で、前巻との差異を打ち出しています。
展開の都合上、まずは基本的な知識が提示されます。世界の謎というだけあって取り扱いが広範囲で、1作目ほど「誰もが知っている定説」を覆す展開ではないことから、このような構成にしたのかなと思います。実は私もストーンヘンジやモアイ像については全然知らなかったので、勉強になりました。
また、バーテンダー松永の代わりに語り部を務めるジョゼフ教授が無事京都に行けるのか?という観点でも楽しめるところがありました。

一方、「日本」では静香と宮田がバーの外に出て、これまでの仮定を立証していくようなフィールドワーク形式をとっています。一部、バトル相手が登場する話もありますが、静香のような激昂する人物はいないので、非常に大人しい印象でした。
非常に残念だったのが、静香と宮田が勝手に——すなわち読者に断りなく、親密になっていたことです。2人の人間関係は、前巻までは歴史バトルを成立させるために用意された、ある種「舞台装置」でした。それが変化したのに、肝心の理由が描かれておらず、「京都である事件に巻き込まれたから」というフリだけで終わってしまっているのです。変化の必要がない装置に変化を加えるなら、そこを物語で見せてこその小説でないのかな、と思います。
また、扱う話題も微妙です。万葉集(柿本人麻呂)の話と、空海の謎は、「言われてみれば」と疑問点が出てきて興味深かったですが、他に奇抜な内容はありません。真珠湾攻撃や原爆投下の是非に関しては、もはや「キャラクターが歴史の謎を解く」のでなく、単なる作者の私見披露になっていて、少々辟易しました。

個人的に一番問題だと思ったのは、1作目「邪馬台国」を宮田が書いた本だと設定したことです。
そもそも「邪馬台国」はバーテンダー・松永の視点で書かれています。本の中で松永は静香への憧れを抱いていましたが、その「マドンナ」をモノにした人間が、顔見知りの男を主人公に、彼女への慕情を抱いているが相手にされない、という設定で作品を書くというところに、なんだか嫌な気持ちを覚えました。フィクションといっても、作中の登場人物同士はお互いにとって実在の人物です。松永がその本を手に取って読んだら、どう感じるでしょう。

2巻とも、巻頭の一文は面白かったので、引用で示させて頂きます。

この作品がノンフィクションであるという保証はどこにもありません。
「新・世界の七不思議」

フィクションなのか、ノンフィクションなのか、それが問題だ。
「新・日本の七不思議」

ハムレットのパロディは使い古された手法だけれど、「世界」はお決まりの文句だと一瞥した後、「んん!?」と思って読み直させられました。

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花とゆめCOMICS「かげきしょうじょ!!」1巻

ヤングジャンプコミックス「かげきしょうじょ!」の続編。
連載誌だった「集英社ジャンプ改」の休刊により、白泉社「メロディ」に移籍しての再出発です。
今回の収録は、メロディ連載での4話分。移籍直後に付録で掲載された読み切り短編は入っていません。旧連載部分から出し直しするかと思っていましたが、「!」が一つ増えた新作として、1巻からという形になりました。過去の例で例えると「トライガン」と「トライガン・マキシマム」の関係性ですね。
漫画単行本の紙質は変わってしまいましたが、高さは一緒なので、本棚に並べて置けて嬉しいです。

お話は、引き続き爽やかな青春物です。
今回は演技の授業を始めたので、演劇物としてもしっかり楽しめました。ちなみに、安道先生の講義で「スタニスラフスキー・システムとメソッド演技法について」とあった瞬間、私がこの座学を受けたいわ!と思いました。

歌舞伎をやっていたさらさは、「コピー演技」に徹してしまう役者だと判明し、今後は、自分なりの個性を見出そうと七転八倒する展開になりそうですね。
宝塚の新人公演で上級生をコピーした下級生は、コピーできるだけの技術があるということで、決して悪く言われないと思うけれど、コピーしかできないのでは話が違いますものね。
しかし、一皮剥ければ覚醒しそうなさらさに比べ、あのクールな奈良っちが「愛され娘役」の演技を身につけるのは難しいと思うので、そちらの悪戦苦闘にも期待しています。
前巻までの内容では、少し意地悪そうに見えていた星野薫も、根は良い子で、真面目に取り組んでいるが故に周囲に辛口で当たってしまうだけだと分かって、一層同期メンバーを応援したい気持ちになりました。

現在地:14日目(日)
ゲームアーカイブスで遊ぶ場合、スクリーンショット機能(一部ゲームでは非対応)が使えます。しかし本作の場合はゲーム内に「撮影する」という操作があり、記事作成に必要なので一通りの光景を撮影します。そうしていると、スクリーンショットも撮った気になります。
……というわけで、自分のプレイ感想記事の方に載せるスクリーンショットを撮り忘れました。

北海道に到着後、ヒロインキャラクターは斎藤姉妹としか遭遇できていません。
2人は居場所を連絡してくれるので、初心者救済用ヒロインなのかな、と感じています。
今週は、姉・冬から釧路川のカヌー川下りに誘われて出掛けたのですが、そこでのイベントで、双子は同一人物(二重人格)なのかなという気がしてきました。
だって、2人が同時に主人公の前に姿を現したことは、ないのですよね。
メールも同じアドレスを使っているし、プロローグ中の夏が冬に呼ばれて帰るシーンも、主人公には呼び声が聞こえていませんでした。あの時は、双子の感応力で、主人公には聞こえないくらいの声量なのに聞こえた、という演出かと思ったけれど、そもそも声なんてしていなかったと考えた方が自然な気がします。
また、アゼチの岬で冬の殺人クッキーを食べた後に、夏が看病してくれるイベントも、非常に不自然でしたよね。あの時は、直前に夏と遭遇した後、冬に会ったので、2人が同時にアゼチの岬にいると思わされたけれど、今思えば、それは彼女達の小芝居だったのでは。

Webマガジンランキングは8位に上昇しました。
ゲーム内のことであっても、少し嬉しいですね。

スティーヴンソン著 村上博基訳「ジーキル博士とハイド氏」

【あらすじ】
弁護士アタスンは、友人との会話で凶暴な男ハイドの存在を知る。それは、アタスンの友人である高潔な紳士・ジーキル博士の相続人の名であった。アタスンが男の調査を始めたある晩、ハイドは殺人を犯し、失踪する。その後突如として博士が人前に姿を現さなくなり、使用人に応える声も別人のようになる。アスタンが博士の部屋に押し込むと、自殺したハイドの遺体のみが残されていた——

初めて読みました。
と言っても、人間の二面性や二重人格のことを慣用句的に「ジキルとハイド」と言ったりもする有名なタイトルなので、ジーキル博士とハイド氏が同一人物であることは最初から分かっていましたが、後半の手紙から伝わってくる自分の理性が失せる恐ろしさは、真相を知っていても迫ってくるものがありました。

私は、ミステリーやホラーというジャンルが不得意で避けてきました。本作も怪奇小説だと思いますが、人物や街並の丁寧な描写から、薄闇に包まれた19世紀のロンドンを覗くような、ドキドキする体験ができて面白かったです。
短編といっても良いくらい短い作品だったので、サラリと読めたのも良かったのでしょう。

訳は、全体的には原典通りのようですが、若干悩まされる箇所がありました。例えば、ジーキル博士とラニヨン博士をどちらも「医師」とだけ示すことがありましたが、その直前に両者の名前があった時は、どちらのことを指しているのか悩まされました。