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高橋由太著「猫は仕事人」

【あらすじ(終盤までのネタバレ有り)】
化け猫まるは、妖怪社会の仕置きを行う「仕事人」を引退し、普通の猫の振りをして暮らしていた。ある日、後輩化け猫と飼い主が、悪党に騙され不幸の内に亡くなった。かつての仕事人仲間たちは敵討ちに立ち上がり、そんな仲間の危機を救うため、不殺の誓いを立てていたまるも、もう一度仕置きを行う。

可愛らしい表紙に似合わない、「必殺仕事人」の昏く凄惨な展開ままの構成。
裏表紙解説には「痛快シリーズ」と銘打ってあったのですが、仕置きをするまでの事件の内容が酷いし、報われる善人がいないので、下手人が殺されるだけではスカッとできませんでした。人を殺しても誰も救われない、ということを示唆しようとしていたなら、成功しています。

化け猫という設定が、思ったほど活きていない気がしました。もっと猫らしく軒下で情報収集したり、独自の仕置きをするのかと期待していました。ほとんど人間たちの物語で終始していたので、それぞれ猫を飼い主に置き換えるだけで済む話だと思いました。
猫たちの暮らしや、飼い主の職業についての語り、ぬらりひょんが好々爺として人間にまぎれているなど、設定部分は目を引いただけに、残念でした。

予定外の視聴継続が相次ぎ、反対に、確実に視聴すると思っていた「響け!ユーフォニアム2」がまさかの脱落となりました。
過去最高となった視聴本数の問題もありますが、「響け!」が脱落した最大の理由は、「10月中の体調が悪かったため、重い話を見たくなかった」ということだったりします。結果、ギャグが含まれている作品を優先で見る形になりました。
録画はしているので、いつか見られたら良いな。

以下、簡単にまとめ感想です。5分アニメは除いています。

終末のイゼッタ(2〜5話)

http://izetta.jp

週後半に見るものが集中しているため、貴重な週末番組としてなんとなく継続中。
放送日の都合で、本作は5話まで済んでいるのですが、その割に展開が遅く、これを安定して丁寧と見るか、鈍くて訴求力がないと見るかは紙一重だと思います。
戦争物なので、ヒロインたちが「人を殺す」ことから逃げないところと、同時に人を殺す良心の呵責があるところは気に入っています。

SHOW BY ROCK!!#(2〜4話)

http://showbyrock-anime.com

2話が抜群に面白く、これぞ「SHOW BY ROCK!!」だ!と満足しました。宇宙人設定を生かしたトンデモ展開と「ぴゅるぴゅる」副音声仕様など、実にロックで狂気を感じる演出に、最後はライブで解決というストレートさ、大好きです。
しかし、登場キャラクターが増えた上、シアン以外の内面に踏み込むようになった都合上、散漫な構成になった感はやはり拭えません。ライブシーンの重要性も下がってますよね。2話以外のライブは、オマケでしかなかったと思います。
各バンドファンへのサービスも重要ですが、一視聴者としてはそろそろ本筋を明確にして欲しいです。

マジきゅん!ルネッサンス(2〜4話)

http://www.magic-kyun.jp

本気で格好良さを狙っているのか、渾身のネタなのか謎の演出が可笑しく、主人公がちょっと馬鹿っぽいところも含めて、笑って乙女ゲームの世界を楽しんでいます。「面白枠」だと睨んだ通りでした!
キャラクターに関しては、捻くれていないところが好印象。意外にも墨ノ宮くんが私にヒットしてます。自分がしてもらって嬉しかったことを、ストレートにお返ししてくる3話、可愛いと思いました。
また、一人ずつ攻略して委員会へ連れてくるのかと思いきや、庵條先輩と奏音は委員会に来るようになってから攻略回が来るのも、なかなか意表をつく構成でした。

ユーリ!!! on ICE(2〜4話)

http://yurionice.com

視聴の度に「単発で感想を書こう」と思い、けれどこの作品に対して語るべき言葉が見付からず、毎回見送っています。
「グランプリシリーズ」がメインに据えられているのは放送局の都合(笑)という話も聞きましたが、アニメ放送が終わった後、グランプリシリーズのCMに入るのは凄く心を掴んでくるな、と思いました。

私がモテてどうすんだ(2〜4話)

http://www.tbs.co.jp/anime/watamote/

一発タイプかと思いきや、意外と安定して面白かった作品。「シオンの仏壇」の破壊力は抜群でした(笑)。
特定のキャラクター回を作るのでなく、あくまで花依+求愛者集団という団体で、常にワイワイと賑やかに牽制しつつ遊んでいるのが微笑ましいです。
花依はチヤホヤされても、オタク道第一の姿勢がブレないので、誰か一人が選ばれるストーリーになる展開にはならなそうですね。安心して見ていられる反面、肉食系男子の五十嵐くんは、本気になるほど可哀想に感じます……。

ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校(2〜4話)

http://www.j-haikyu.com/anime/

  • 適宜、選手の心の声やギャラリー解説が入るので、スポーツ音痴でも高度な攻防を楽しめる
  • 試合展開というドラマと、キャラクター自身のドラマの二重のドラマが楽しめる

……という、スポーツアニメの良いところをギュッと詰め込んだような作品。
現実のバレーボールには興味がない私でも、一投ごとに集中して見てしまいます。アニメだし原作付きなので展開は決まっているのに、烏野のギャラリーの気持ちで、試合中のあれこれに一喜一憂させられるのが痛快です。

勝ったー!
レベルは区切り良く80まで上げて、再戦一発でアーヴィンに勝利しました。いや、正確には再々々々々々戦くらいですが。
メンバー構成は、右上は使わず、1枠3人の組み合わせとしました。

STARTING MEMBER

読子、ドロロ、舞衣、劉鳳

全員、守備・連携にブレイブ25割り振り。
アクセサリーは、最初から攻撃力を期待していないので数値重視の「ダイヤ」「パール」。守備430超えているメンバーの中、劉鳳だけ守備332と低かったものの、後衛のお陰か結構平気でした。

右(攻撃要員)

黒、カズマ、クルル、アメリア

黒は攻撃・ヒット・会心にブレイブ25、カズマは攻撃・威力・会心にブレイブ25、アメリアは魅力と威力にブレイブ25割り振り。クルルはブレイブ割り振りなし。
OCは黒がヒット、カズマが威力にセットしておきました。

上(HPアップ用)

碧、ガウリイ、ギロロ、ドレイク

HPを増量するためのメンバーなので、ブレイブ割り振りなし。ただ、素ステータスでもガウリイは結構強かったです。アクセサリーは「塊」系にしてましたが、「ルビー」でも良かったかも。

必殺技のアクションは、読子とドロロが「正義の味方」でターン始めに打つ攻撃強化用、他は「キメラ」でターン最後に打つ防御用にしておきました。
Cコンボが発動したら、以後は黒とカズマの二人で交互に攻撃するだけ。
黒はオーバーチャージすると通常技のヒット数が高いので、最終的な攻撃の軸になりましたが、APを喰うので、APを消費しなくても一発が強いカズマを相棒にして調整しました。

勝利の鍵は、APの持ち越しでした。
ある程度ダメージを与えて必殺技が繰り出されるようになったら、攻撃ターンを「行動終了」してAPを3ターン分ほど溜めた後、一斉攻撃に注ぎ込みました。たぶん1ターンで合計40万ダメージくらい与えたと思います。
ただ、見込みが甘くてそのターンでは倒せなかったのですが、アーヴィンは自分のHPが減ると、回復行動を入れてくるので、純粋に攻撃回数が減って、プレイヤー側も戦意喪失は出さずにすみました。最後のターンは、ここで回復にAPを費やすより攻撃した方が勝機があると判断し、結果撃破となったのでした。

割とあっさりしたエンディングでしたが、変に間延びしていなくて良かったのでしょう。
それより、最後の最後にハーティアが登場してビックリしました。

ハーティア

キャラクター情報で「魔術師オーフェン」に残る空欄が、ずっと疑問だったのですよね。なにか見落としたのかな……と思っていたところ、ラスボスを倒した今更なタイミングで異世界に迷い込んでくるという、時機を逸したおかしさが良かったです。

というわけで、総評です。

オリジナル部分の物語に訴求力がないとか、部分過ぎるボイスだとか、フィールドでの演出等が手抜きだとか、決して総合的な出来のいいゲームではないですが、サクサク動くし、ストレスのない作りになっています。

ダンジョンは非常に単純な構成で、終盤の2、3ダンジョンを除けば、仕掛けと呼べるものはなくマップを埋めていくだけでクリアできます。物足りないと評する面もあるでしょうが、これもサクサク感に繋がっていたと思います。
また、先頭表示キャラクターをケロン星人にすると足音がペコペコ音になったり、ケロロはジャンプ着地時に転んだり、意外な芸の細かさもあり、和みました。

クロスオーバー作品はSLGが多い中、RPGとして作られているのも、個人的には良かったです。
戦闘等システム面には奥の深さがあり、仲間の「激励」や奮闘で回復したり、一度戦意を失ってから復活する「英雄」モードなど、「ヒーローズ」というタイトルに沿った作りの部分が面白かったです。その割に、参加キャラクターはヒーローっぽくない人が多かったですが(笑)。
難点としては、単純なコマンドバトルでないため、雑魚戦闘でも手間が掛かりました。総プレイ時間が20時間程度のシナリオだったので気にしませんでしたが、もし1周が長かったら印象は変わっていたと思います。

そして肝心のクロスオーバーについて。
物語としては「スクライド」「舞-HiME」が優遇気味ですが、出番量自体の偏りはなかったと思います。もちろん、存在感の薄いキャラクターがいたことは否定しません。また、愛では埋め難い性能差もあると思いました。
しかし、最も肝心なキャラクター同士の掛け合い面は十分面白かったです。ガウリイとリウイがだいたい同レベル扱いされていたり、カズマとオーフェン、碧とクリーオウで合致するテンポ感、黒に憧れるタママ、ドレイクに張り合うケロロだとか、同作品だけでなく積極的に他作品のキャラクターと絡んでいました。
対象作品が半分以上わからなくて不安があった私でも、終わってみればどの作品のキャラクターも、愛着が湧いています。

全体的に光る部分も荒削りだし、プレイヤーの「行間を読む力」が試されるような部分がありましたので、万人にオススメはしません。
しかし、購入価格以上に楽しませてもらえたし、他では登場しない作品のクロスオーバーゲームとして楽しめる一本でした。

風のクロノア、アニメ化
http://www.gamespark.jp/article/2016/10/28/69573.html

TOKYO – U.S.-based animation production company Henshin is developing an animation feature based on Bandai Namco’s “Klonoa” game series.

TIFFCOM: Henshin Developing Film Based on ‘Klonoa’ Video Games (EXCLUSIVE)

嬉しいとかいう以前に、「今日はエイプリルフールじゃないよ?」という気分です。

以下、ゲームネタバレも含む過去作について語りますので、続きに隠します。

千野隆司著「出世侍」一巻

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
侍になりたいと夢を抱きながら、上州新田郡で下男奉公をしていた藤吉は、働きを認められ、永穂家の江戸屋敷で働くことを許される。中間、若党と出世し、永穂家が取り潰しの危機に陥った事件を、確執のある用人見習いと共に解決した藤吉は、遂に中小姓として取り立てられることになった。

裏表紙解説で藤吉という名前を見て、「木下藤吉郎秀吉」と勘違いして読み始めたのですが、江戸時代の百姓の立身出世話でした。

藤吉は、知識や所持金等を少しずつ積み上げ、チャンスを逃さない、努力型の出世スタイルで、好感が抱けます。
一気に特進するのではなく、段階を経て登っていく姿に、継続こそ力なりの精神を感じました。

物語のスパイスとして用人見習い・覚助との確執がありますが、これも非常に自然だと感じました。
身分制の時代なので、百姓を馬鹿にする武士がいることは理解できます。むしろ、事件が起きたときに犯人に仕立て上げられるのでないかと思ったのに、最初に疑われたくらいで、後は御家のため一緒に犯人探しに尽力するので、社会人として仕事はしていると思いました。その結果、藤吉しか評価されなかったことで、また確執が深くなるという流れも、至極当然と納得できます。
敵役が、ごく普通の生きた男として見えるのは良いですね。