• 2017年登録記事

仁木英之著「僕僕先生」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
引退した父の財産で安穏と暮らす穀潰しの王弁は、ひょんなことから僕僕と名乗る美少女仙人の弟子となった。玄宗皇帝の宮廷を覗いたり帝江を訪ねるなど、気儘な旅に付き合う内、人から病や植えを取り除きたいという僕僕に惹かれる王弁。しかし天変地異や妖怪変化に知恵で対抗するようになった人間と仙界は断絶し、仙人に蓬莱山へ引き上げるよう命令が下る。僕僕から薬丹作りを学んだ王弁は一人救済を続け、五年後、人間界に戻った僕僕の雲に乗り、二人は再び旅に出る。

第18回ファンタジーノベル大賞受賞作。
読書中、どことなく第1回受賞作の「後宮小説」と似通った空気を感じました。中国物だから、という単純な理由だけではないと思うのですが、少々言語化が難しいです。

面白かったです。
道教や唐代の中国に詳しくなくても、作中で飲み込めるようになっています。
全体的に、ゆるゆるふわふわと、雲に乗っているようなスムーズさで話が進んでいきます。それは大きな盛り上がりがないという意味でもありますが、それも「仙人」らしさと思わされます。
渾沌に飲み込まれる下りの部分だけ、前後のつながりが見えなくて意義があったのかわからなかったけれど、エピソードの羅列のようでいてゆるゆると関係が深まっていく構造は良かったと思います。

王弁は、なにも学ばず、無為に日々を消費するだけのいわば「ニート」だし、若くもない(最終的には三十路)という、かなりのダメ人間なのですが、悪人ではなく、ただ欲望に忠実な小心者なだけ。「親の財産で働かずに生きられると分かっているのに何故働かねばならないのか」という気持ちも、ちょっと分かる気がします。
そんな憎めない王弁と、常に王弁の上をいく僕僕先生のやりとりが可笑しく微笑ましく楽しかったです。

「ヴィーナス&ブレイブス」ブレイブス・レジェンドモード1周目クリア。
100年間で成立した人間関係は友情11組、結婚29組。討伐した魔物は196体でした。

予定通り、団長職は娘(四代目)に引き継ぎ。

共に伝説を作ろう!

就任挨拶の通り、本当に伝説を作ってしまいました。
それを示す、98年時点の編成画面がこちらです。赤枠で囲った攻撃力/防御補助合計にご注目ください。

編成画面

山賊亭支店の噂を使って、全員絶好調にしてみたところ、攻撃力合計がはみ出てしまいました。
このゲーム、ラスボスの体力が999なので、2回倒してまだお釣りが来る計算です。

バランス崩壊は、主に巫女(強者復活の孫+若返り+武者修行)の仕業です。
追加イベントである「武者修行」の効果は、戻ってきた修行者たちを一緒に出撃させると、修行年数に応じたボーナスが全能力に加算されるという内容でした。つまり「7(セブン)モールモースの騎兵隊」にあった「武者修行」イベントの再現だったのですね。
当分必要ないからと思って5年の修行に出して、98年に戻ってきた巫女とヴァルキリーの二人組が強力すぎて、2人だけでラスボスの1ターン撃破が確定しました。
なんせ、一切の支援効果なしでも巫女の攻撃力が「89×4」なので、手に負えません。ほとんどの魔物を単騎撃破できてしまうのでした。

最終戦に備えて80年後半からは結婚を控え、召喚精霊を5組も用意しておいたのですが、使う余地がありませんでした。

召喚精霊

召喚精霊

PS2版のクロニクルモードでもかなり強い団員を作れたけれど、PSP版はインフレ度合いがちょっと違いますね。
実は最終戦直前に「シロンの指輪」を拾ったのですが、有り難味が薄かったです(笑)。

テイルズ術技のゲストキャラは、最後にロイドと遭遇できました。
ロイドが特別好きなわけではないけれど、やはり一番思い入れがある主人公なので、最後に会えたのは嬉しかったです。
他のキャラクターは、「ここはアクラル大陸だ」と聞いて「異世界に来てしまった」と自分で悟るのに対し、ロイドは「地理の授業聞いとけばよかった」と反応をするところや、同じスピードなら二刀流の方が強いという理論が、彼らしくて笑いました。

ロイド

教えてもらえる術技は「散沙雨」。
どう言う原理なのか、我が騎士団で習得可能なキャラクターはヴァルキリーだけでした。接近戦で「突く」動作をする職種はヴァルキリーと騎士だけなので、そのためでしょうか。ロイドが「素早さ勝負」と言い出すから、サムライかと思ったのですけれどね。

もともと、「7 モールモースの騎兵隊」の「詰将棋」的な面白さを評価していた私ですが、V&B(クロニクルモードないしブレイブス・レジェンドモード)で味わえる序盤の厳しさと終盤のパワーインフレ感も結構好きです。
PSP版は、遠征中のセーブ機能やハード自体のスリープ機能など、全体的に遊びやすくなっていることもあり、延々と遊べてしまう危険度がありました。
テイルズキャラクターのゲスト出演は、大いに活用した今でも不要な追加要素だと思いますが、私の場合は元々テイルズオブシリーズが好きで、グレイセスまでは遊んでいるということもあって、彼等と会うのは楽しめました。キャラクターイラストはV&Bに合わせて統一して欲しかったと思うけれど、個々のイベント自体は双方の世界観を尊重していました。

やっていることは常に同じでも、毎回違う展開になるので、周回が楽しいモードです。
今回はここで一度電源を落としますが、また遊びたくなった時にプレイが始まるでしょう。

現在地:ドラクロア研究所攻略後

結局、マンドラーズ戦はやり直しました。今回最後に倒したのはオニオンクイーン。

オニオンクイーン

最後に倒したマンドラーズによって、演出が少し変わるので、余裕があれば5体それぞれ確認するのも面白いかもしれません。

宮殿を抜けると、直ぐ旧市街。そして帝都へ。

帝都アルケイディス

見たこともない大都市に見入り、それを指摘されても否定しないヴァンの成長ぶりや、バッシュ将軍の冗談といった会話自体も好きですが、ここで一番好きなのは殿下の表情です。

アーシェ

台詞は一言もないけれど、珍しく力が抜けた穏やかな表情でヴァンたちを眺めていて、彼女にとって二人の存在が「邪魔者」から「安らぎ」に変わっていたことや、バッシュの忠誠を疑っていないことが明らかになって、ホッとします。
この後は、決断を迫られ追い詰められていくだけに、貴重なシーンだと思います。

帝都のホワイトリーフは、サッと28枚集めてブラックフェザーにしてしまいました。
リーフ集めイベントは人気がないらしいですが、私は結構好きです。テキストを読むのが好きだからかな。

リーフ集め

基本的に同一エリア内で一対一の関係でしかないので、もっと複雑な条件があっても良かったと思います。

最後のゲストキャラクターとなる、レダスも登場。彼と会うと、終盤だなという気持ちが湧いてきます。

レダス

久し振りに姿を見て気付きましたが、二刀流ですね。確か「あるきかた」本でも指摘していたけれど、ラーサーやギースも二刀流だったから、帝国には「二刀流ライセンス」があるようです。羨ましい……。

先日通せん坊された、港町バーフォンハイムが解禁されました。
個人的に、街の佇まいがとても好きな町です。住民は筋肉質な男たちか老人が多いけれど、実は女性NPCのレベルも高いです。
可愛い賞は、武器・防具店の2階で「けんけんぱ」をしている少女。
最美形賞は、ヒップラインが魅惑的な旅のヴィエラに進呈したいと思います。

旅のビエラ

思わず切り抜いてしまった、素敵な後ろ姿でした。

そして全飛空挺航路も解禁されたので、キャビンチーフ七姉妹イベントを解決。途中で残りの航路がわからなくなって、3回ほど無断な移動をしてしまいました。
正直、定期便運賃は大した額でもないので、リシュレール兄弟の自信がどこから来ていたのか疑問です。ヴァンの格好って、よほど貧乏人に見えるのですかね。肌を覆う面積が少ないから?

モブもいろいろ追加。
「謎の男」は、まだ早いと思って保留にしておきましたが、「ベリト」は受けておきました。

ベリト

西ダルマスカ砂漠なんて、それこそ用事がなければ行かないし……。

ハントループも開始できるけれど、どのバンガにエンゲージアイテムを渡すか決めてから開始したいと思います。
エンゲージアイテムを手に入れると、そのレアモンスターとは再遭遇できないことも考慮しておかないといけませんよね。とりあえず、フェニレンスからはアダマンタイトを確保します!

観ようと思った新アニメが、全て週末夜に集中していたのでガッカリしました。
そんな一度に視聴できませんよ……。

アイドルマスターSideM

http://imas-sidem.com

Dramatic Starsに絞ったアイドル養成からの展開で、飲み込みやすい1話でした。
時系列的に、前日譚(Episode of Jupiter)の裏で進行していた形だという点も良かったです。同じ「3人ユニット」でも、既にバランスが取れているJupiterとはだいぶ違う感じで、これからどうまとまるのか見守りたくなります。
最後に人数が大幅増したので、名前と顔が一致するか心配になりましたが、プロデューサー諸氏は担当アイドルに早く登場して欲しいでしょうから、仕方ないですね。

鬼灯の冷徹(第弐期)

http://www.hozukino-reitetsu.com

少々パンチ不足な気がした1話でした。
パロディが多めで、1期ともノリが違う気がしたけれど、製作会社が変わったのですね。シロが登場する限り見続ける予定でしたが、新しいノリに付いていけるか不安になりました。1期も回によって面白さの度合いが相当違ったから、最初に過去話を持ってきた構成上、つまらなかっただけと信じておきます。
なお、座敷童子が画面の隅を横切って自己主張していたけれど、彼女たちについても1話では全く触れられなかったので、アニメ組には少し辛いなと思いました。

血界戦線&BEYOND

http://kekkaisensen.com

同じく2期物ですが、こちらは最初から騒がしく楽しくテンポ良いドタバタ活劇で面白かったです。「帰ってきた!」という印象で、直ぐヘルサレムズ・ロットに溶け込めました。技名前後はもう少し溜めがあってもいいかな、と思いましたが、これは好みの問題かな。
個人的には、クロスオーバー要素としてお馴染みの黒猫だけでなく、冒頭に保険屋さん@トライガンのマスコットが登場していたのが嬉しかったです。
そして、1期は後半オリジナル展開で賛否両論だった感じですが、それを否定せず飲み込んで2期に持ち込んでいる様子も伺えて、少し安心しました。

ここまでが当初から視聴予定の分。

宝石の国

http://land-of-the-lustrous.com

実は、原作はお試し1話を読んで、あまりピンと来なかった作品。アニメも世界観説明はほぼなく、状況から読み取るしかないのですが、多少わかりやすかった気がします。
草が揺れるシーンを観るまで気付きませんでしたが、3DCGアニメだったのですね。でも壊れやすい宝石の表現として、まったく違和感なく受け入れられました。
性別のない独特の世界観などは面白いので、少し様子見。
ただ、フォスフォフィライトの性格が苦手なタイプなので、展開次第では脱落するかもしれません。

魔法使いの嫁

http://mahoyome.jp

2クール放送の余裕か、非常に贅沢な時間が流れる丁寧な作りでした。
主人公が自分を売る、というセンセーショナルな導入ながら、イマイチ本人にそこまでの覚悟がないように見えて疑問でした。人身売買がごく普通の世界観なのか、そうでないのかも視聴を続ければわかるのでしょうか。
エリアスの顔は、仮面か何か?と思ったらのですが「人外×人間」ジャンルらしいので、ああいう顔なのですね。
人外との恋愛モノについて、私は「種族差をいかに乗り越えるか」を描くのがキモだと思っているので、エリアスが人間とどう違うのかを早めに提示して欲しいです。

有吉佐和子著「一の糸」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
箱入娘に育った茜は、父が贔屓にする文楽の三味線弾き・清太郎が弾く一の糸の音色に心を奪われ恋情を募らせ、契りを交わすが、彼には所帯があった。二十年後、独身を貫いていた茜は、徳兵衛を襲名した清太郎と思いがけず再会し、妻を亡くしていた彼から求婚される。後添えとなった茜は、九人の子の母として、昔馴染みの女や夫婦同然の大夫との付き合いに悩まされつつも、芸道一筋に生きる男を支え、戦後の動乱を生き抜く。

お嬢さん育ちな10代から、父を亡くし、母と二人暮らす20〜30代、徳兵衛の妻として苦労しつつも愛を貫く40代と、茜の一代記でありつつ、同時に文学の世界に生きる徳兵衛の三味線への情熱を描いた物語。
有吉佐和子先生には、毎回脱帽させられていますが、今回も凄まじい作品です。
500ページを超える長編だというのに、迫真の展開の連続で、一気に読まされました。

茜は、三十過ぎになっても母親に養われ贅沢暮らしを享受するような我儘娘ですし、徳兵衛にしても三味線以外はからきしの面倒な男で、人間的には全く感心できないのですが、不思議と応援したくなる魅力がありました。
自分の心に真っ直ぐで、嘘をつけないところを羨望するような気持ちもあるかもしれません。特に茜は、継子に背かれたり、周囲から悪妻と思われて苦労しているのに、根がポジティブで深刻にならないところも可愛いです。
戦後にあった文楽界の分裂や修行の厳しさを描いた第三部「音締」の熱量を考えるに、文楽の世界を描いた作品であることは間違い無いのですが、あえて門外漢である妻の一代記とすることでその世界から一歩引いた視点に作者の技巧を感じました。夫への激しい愛が描かれるから、それを徳兵衛に置き換えれば彼の文楽への愛の激しさにも納得がいきます。そして茜にしても、元は徳兵衛の奏でる音に惚れ込んだ前提があるので、二人の愛は「一の糸」に集約されるのでした。

筆力のある作者なので、三味線や文楽に詳しくなくても、特に困ることなく読んでいけると思います。
華やかな娘時代、父を亡くしてからの田舎暮らし、戦前の昭和、戦中・戦後の苦労や復興ぶりと、時代の移り変わりの描写も非常に鮮やかです。
また、両親やみすやの客、文楽界の人々など、大勢の人物にもそれぞれの味わいがありました。