• 2017年登録記事

朝井まかて著「すかたん」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
夫が急死して婚家を出され、一人慣れない大坂で暮らす知里は、青物問屋の若旦那に噛み付いた縁で、お家さんの上女中として働くことになった。“すかたん”な若旦那の思いがけない気遣いや青物への情熱に触れるうち、知里の中に若旦那を支えたい気持ちが生まれるも、互いに想いを口にせず意地を張る性格の二人は、拗れてしまう。やがて江戸へ帰る決意をした知里に対し、若旦那は初めての競りを成功させた後、雛壇から大坂の青物の口上を述べ「帰るな」と呼び掛ける。

実にエンターテイメントな作品で面白かったです。
最初は知里の状況が追い詰められていて、少し息が詰まる感があったのですが、青物問屋・河内屋で働き始めてからは、生来の負けん気と明るさが出て、テンポが良く軽やかに読み進められます。

要所で登場する食べ物が、巧い具合にお話を彩っています。
主人公自身は女中なので、青物問屋の商品自体にはさほど触れないものの、日々の食事の描写を読んでいると、きちんとした食事をしたくなりました。

ただ、主人公のどこに前夫・数馬や若旦那が惹かれたのか、ちょっと疑問が残ります。もちろんいい子なのですが、それほど魅力があるようにも感じません。
序盤は大坂を見下しているような感じの悪い部分があるし、女中仕事に対しても自分の気持ちが優先で不誠実に感じるところがありました。もちろん、次第に大坂に馴染んで好きになっていく、お家さんの厳しさも理解して真面目に取り組むようになる、という展開なので、序盤が悪い状態であることは構わないのですが、好かれるならば、知里の姿勢が改善されて以降であって欲しかったです。

そんな不満はありつつも、全体的には生き生きしたキャラクター揃いでした。
悪役の伊丹屋が、嫌な男ではあるのだけれど、散らばった小銀粒を畳の縁の間から搔きだすところで、なんだか急に憎めなく感じたのが印象的でした。

現在地:Chapter03・寄り道中(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

サボテンダーと走る

更新前に、タイムドクエストをもう一周して、写真撮影。
戦闘中というより、サボテンダーの後を追ってランニングしているようなイグニスの写真が撮れました。

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

取り敢えず、レスタルムに行く前にダスカ地方を制覇。
相当遊び呆けていても、グラディオから「次はそろそろレスタルムか?」の質問が飛んで来ないので、今回のグラディオは気が長いな、と思っていました。「チョコボに会いたい」「聖地巡礼」を攻略していることが条件なのかな。
遂に急かされたときも、思い切って「もうちょっと いろいろ見たいわ」を選んだら、呆れつつ許容してくれました。

好きなトコ回れよ

キレられなかった!と驚いたんですが、そもそもグラディオが「キレやすい男」という設定はなく、単純にプレイヤーの印象によるものなのでした。

以下、Chapter03で聞けるラジオ番組です。進行状況によって、放送番組に変動があります。
※番組のカテゴリとタイトルは。公式のものではありません。

ニュース:新将軍就任

男性アナウンサー
ーー新たに レイヴス・ノックス・フルーレ氏が
将軍に就任しました
将軍は襲撃事件で負ったケガの治療のため
一時 帝国へ帰国し 治療が終わり次第
ルシスに戻り 国内の混乱の回復に
努めるとしていますーー

正直、ゲーム中に義手なしレイヴスのモデルが用意されていないだけだと思っていますが、Chapter03冒頭のイベントで、レイヴスは既に義手を着けています。
そもそもケガを負ったのがChapter01なので、今は装着後、調整している期間でしょうね。
ラジオ情報は、帝国の情勢については基本報道が遅いと思います。

ニュース:野獣情報(1)※「チョコボに会いたい」クリア前

女性アナウンサー
ーー野獣の情報です
アルスト湿地帯南で確認されている
野獣ベヒーモスについて 新しい情報です
片目を負傷しているベヒーモスーー
通称『スモークアイ』ですが
昨日また チョコボポスト付近に姿を現し
畑を荒らすなどして 薄霧の森方面へ逃走しましたーー

ニュース:野獣情報(2)※「チョコボに会いたい」クリア後

女性アナウンサー
ーーダスカ地方で 集落や畑を襲っていた野獣
通称『スモークアイ』が退治されました
スモークアイは 野獣ベヒーモスの中でも
特に凶暴で力が強くーー
これまでにも何度か ハンターによって
大規模な駆除作戦が行われていましたが
なかなか成功せずに
周辺地域の住民には 不安が広がっていました
メルダシオ協会の発表によると
今回退治に関わったのは熟練ハンター4人でーー
特に地域への被害の報告もありませんーー

畑を荒らしていたということは、ベヒーモスって雑食なの?
そして、勝手に熟練ハンターにされてしまった王子一行。いや、世のハンターがその辺で負傷したりドッグタグを残して亡くなっていることを考えると、数日生き残った時点で熟練なのかも?
個人的には、Chapter01の時点で、ハンター登録するイベントがあって然るべきだったと思います。

ニュース:テネブラエの状況

女性アナウンサー
ーーテネブラエのフェネスタラ宮殿には
ルナフレーナ様の訃報を知った人々が
続々と詰めかけている状況です
オルティシエから鉄道で
今朝 宮殿に来たばかりという女性はーー
神凪一族唯一の生き残りとなった レイヴス様から
今後のことを聞きたかったが会えなかった
調印式の襲撃事件以降 レイヴス様のお姿も見られず
心配だ と暗い表情で語ってくれましたーー

わざわざ「暗い表情で」と描写が入るのが、ちょっと面白い報道です。

ワイドショー:ガーディナのグルメ

女性キャスター
ーーお魚料理ならガーディナのレストラン
コーラルワールがおすすめです
新鮮な魚介は
オルティシエだけじゃないんですよね
私も取材の際 シェフおすすめの
メニューをいただいたんですが、
朝釣れたばかりのお魚は
本当においしかったですーー

この段階で食べられるコーラルワールの料理は、下記の4品。

  • ガーディナグラチィネ
  • 白身魚のトマトソース煮込み
  • 海の幸リゾット
  • 蟹の岩塩蒸し

朝釣れたばかりの、と言っているので、キャスターが食べたのは恐らくトマトソース煮込みですね。
あまり鮮度が云々という料理には見えませんが……。

白身魚のトマトソース煮込み

イグニス料理の方が、「天然バラマンディのグリル」や「天然トラウトのあぶり串」など、普通に魚料理らしいメニューが豊富です。ガーディナのオーナーは、イグニスを雇うべきでした。


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参考記事

現在地:テオとの戦いまで

今回の攻略範囲から戦争イベントが始まりましたが、初陣にて、ルックが戦死しました。
「NO」と言えない日本人の性なのか、セーブしたいと思っていても「いまこそ進軍すべき」と言われると、「待った」で水を差すのは気が引けます。結果、準備不足で初の戦争イベントに進み、三竦みがよくわかっていないプレイヤーの指揮の下、散っていったのでした。
水輪さんに怒られちゃうわ、と思ったけれど、これも運命なので進めます。

その後、予定通りのグレミオの死。
競った末のパーン敗北。
そして一騎打ちでのテオ撃破、と主要キャラクターの死亡が続く展開になりました。

幻想水滸伝I&IIは、「リーダーの資質を問う」お話だなと感じます。
エルフの里を救えなかったときのキルキスの問いには答えずに済むけれど、答えられないという時点で重さを感じます。

なぜですか!ぼくらはがんばったじゃないですか!

グレミオが死んでも行軍し、ベストエンドのためには仇であるミルイヒを許す必要がある。指導者である以上、自分が命を投げ打つことは許されず、脱出のためにお守り役を捨て駒にすることもある。そして父も倒さねばならない。
選択肢で嫌がることはできても、違う展開には進めません。もちろん、それはそう設計されたゲームだからです。でもメタな視点を外せば、リーダーとしての振る舞いを受け入れねばならない、という世界の意志があるのだと思います。

まあ、パーンが死んだのはプレイヤーの責任ですけどね。あと一歩で勝てそうだったのに、テオが「こうげき」のとき、誤って「こうげき」を指示して負けました。

……

しかし、自身では台詞を喋らない主人公の坊ちゃんだけに、グレミオの死における「無言」という演出は非常に大きな心境の吐露なんだなと改めて感じました。

仲間が多いので、どのキャラクターも使ってみたいところなのですが、入れ替えに伴う操作が面倒で、もう固定化してきています。
シーンによっては強制加入もあるので、そういうときは、そのキャラクターを中心に組み立て直していますが、前衛は大体足りてるのですよね。リュウカン先生の庵に行くときなど、強制加入4人(前衛二人)に、後からゲンとカマンドールの前衛二人が加わって、自由枠“0”でした。多数の仲間から厳選して、装備、アイテム、紋章を設定して連れてきた二人を返すことになってビックリだし、そもそも前衛四人とか無駄だし、と笑ってしまいました。
常に埋まっていたグレミオの枠が空いたことで、Mレンジから誰を入れるか悩めて嬉しい、……と言ってしまうと問題発言かな。

村上龍著「希望の国のエクソダス」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
パキスタンに日本人の少年兵がいたニュースが列島を駆け巡ったその年、全国の中学校で集団不登校が始まった。学校での教育を否定した中学生たちは、ネットビジネスを開始して巨額の金を入手し、政界や経済界を脅かす。やがて彼らは、独自通貨の発行、北海道への集団移住などを経て「希望のない国」日本を捨てて理想の国を作る。

中学生たちの反乱と、日本人の性質、政治・経済への批判で綴られた長編。
面白かったです。TwitterやLINEといったツールはもちろん、各種動画サイトがない時代に書かれた近未来小説なので、現代と照らし合わせるとまた話が変わるなと思う箇所もありますが、同時に今読んでも先見の明があると唸る部分もあり、その辺は小説の妙だと思います。
主人公の雑誌記者・関口は、これという活躍もしないのですが、大人を「分かり合えない」ものとして切り捨てる中学生たちに対して、ただ「聞く」だけの関口だからこそ、曖昧な交流を続けることができたのかなとも思います。

この作品の特に興味深い点は、中学生たちを正義として書いていないことです。
確かに彼らの快進撃は爽快だけれど、関口が指摘しているように社会通念を無視しており、善悪の境が曖昧です。それゆえ、勢力を広げる様に気味の悪さも感じます。なにより、革命を成功させた後のポンちゃんたちが格別幸せそうには見えない、という点です。彼らは単に戦って生き延びただけといっても、そこに喜びがないのは異様に感じます。
彼らに「勝った!」というカタルシスがないため、最後は少し締まらない印象を受けました。それは連載物の弱みかと思いましたが、わざと曖昧にして読者に評価を委ねているのかもしれません。

なお、作者は後書きで、この作品を書いた切っ掛けを下記のように語っています。

「龍声感冒」というわたしの読者が作るインターネットサイトの掲示板で、今すぐにでもできる教育改革の方法は?という質問をした。(中略)
わたしが用意した答えは、今すぐに数十万人を越える集団不登校が起こること、というものだった。そんな答えはおかしいという議論が掲示板の内部で起こり、収拾がつかなくなった。

労働者のストライキは労使交渉で有効な一打です。それを学校にあてはめれば、確かに不登校とは学生のストライキ行為でしょう。
しかし、不登校を行使しながら、作中の中学生はなにも要求しませんでした。不登校で得た時間を、自分たちで自由に使っただけです。そして、最終的には日本から事実上脱出してしまいました。
そこから考えると、作中においても教育改革は果たされなかったのでは、と読み終わったいま悩んでいます。

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池袋のBistro Wine Cafe「ルコックロティ」でランチ。
http://www.lecoqroti-ikebukuro.com

軽食のつもりで「ガレットランチ」を頂いたのですが、意外なボリュームがありました。

まず、前菜のサラダ(またはスープの選択制)。
これが、葉野菜だけでなく、パプリカ、豆類まで入った、なかなか内容も量もしっかりした一皿でした。

そしてメインのガレット。薄さの割に食べ応えがあります。
よく考えてみたら、ガレットのサイズはMサイズピザくらい。薄いナポリピザでも、1枚食べるとお腹がキツくなります。ガレットに置き換えても同じですよね。
私が食べた「ノルマンド(スモークサーモン)」は、クリームに玉ねぎの甘みが滲む優しい味でしたが、同行者が頼んだ「ブレス」は、盛り沢山のキノコにチーズが絡んだ塩気の効いた味で、単に「ガレット」と言っても、トッピング次第でまったく違うと驚きました。

デザートも、恐らく単品で提供しているデザートそのままで、十分なボリュームがあります。
ただし、クレマカタラーナが中心部以外固まっておらず、ほぼクリームブリュレと変わらない甘味になっていたのは残念でした。

デザートはややハズレでしたが、料理は美味で、なかなか満足。
ビストロワインカフェと銘打っているし、このお店の推しはロティサリーチキンだそうなので、次の機会があれば夜に利用してみたいです。