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52年302日まで。
今回は、衰退期の隊員を抱えつつ、少しずつやってくる子供たちと入れ替えて行く運営期間でした。
まだ一人、ジェリカが残ってるのかな。

まず、前回最後に湧いた若返りの泉へ直行。
衰退期に入ってしまったハルカ含め、候補を5人ほど上げて泉を前に長考。
アルトとしては、ハルカを若返らせたいだろうし、実際ピークを過ぎたとは言えまだ若手に負けない彼女の能力値を考えれば、もう一度15歳にする価値はあったのですが、結局全体の事を考えて、まだ若返ると言う程年取ってませんけど、現在騎士団最強であるメレを選択しました。
妻を選ばない方がドラマ性があるよね、とSSに生かすつもりもあったので(笑)。

子供たちの入団は以下の通りです。
48年 魔女イシス(25-29)が入団。ヤナと入替。
50年 騎士ネロ(23-32)が入団。ビルガルと入替。
51年 祈祷師レイクバナ(22-25)が入団。ダッポルと入替。
他に志願者からヴァルキリーを入団させ、アルヴィレクと入れ替えました。

イシスは奥手。志願者魔術師のサラサリムと少しずつデートを重ねますが、思い切ってプロポーズした後からはギクシャクしてしまい、二度も喧嘩をする羽目に。そんな3年越しのお付き合いの末、52年302日に結婚。
ネロは、入団すると直ぐメノアに告白、52年46日に結婚。ネロの兄エスコバルがメノアの姉メレと結婚しているので、兄弟姉妹が揃って結婚と言うのも面白いですね。違いとしては、兄姉の時はメレから告白した点でしょうか。
入団以来人間関係から取り残されたまま、一人前衛の主力を勤めたユフィは、レイクバナが現れると急速接近。ユフィから告白し、52年302日に無事結婚。この日のカップル2組ではイシスとレイクバナが姉弟。今回のプレイ期間に出来たカップルは色々関係性が面白いですね。
アルヴィレクと別れたセリアは、弓手仲間のエルヴィルドといい雰囲気ですが、何故か人間関係は発展せず。前夫を想うセリアに遠慮しているのでしょうか。

そんなこんなで出来た人間関係の末、出産は下記の通り。
49年 聖騎士マリア・メルヴァイク(エスコバルとメレの第1子)
52年 騎士マール・ウェンガッタ(ネロとメノアの第1子)
いつも家系で名付け方を決めてるのですが、間違って、二家系ともマ行で付けちゃいましたよ! ああ、失敗した。
カップルは多いのですが、前回の出産ラッシュがあるため、子供が産まれ難くなってるようです。巫女は産まれないまま終わってしまったので、祈祷師と忍者が一人ずつ産まれれば御の字、期間に余裕がある他のカップルは暫し待て、と願います。

ハルカは、ピーク年齢34歳を過ぎた後なんと40歳でようやく志願者の新人と入れ替え。
能力値もなかなか衰えないし、中衛補助(隊長)が人間関係確定していないと、巧く御見合いさせにくいので残していたのですが、若返りもさせないのにこんなに引きずり回してしまうとは、申し訳ない事をしました。


 騎士団の共同墓地を歩いていたアルトは、ある墓の前で足を止めた。
「母さんは、この人を若返らせようと思ったんだ」
 彼の母とは、ハルカも良く知る、騎士団の初代隊長である。
 入団した当初、既に成人した子供がいるとは思えぬ若さに驚いたものだが、それが伝説にだけ聞く「若返りの泉」の効力によるものだと知り、また驚いたものだ。
 だが、若返りの泉は夢物語でなかった。その力を、ハルカもアルトも先年目の当たりにしている。
 墓の下に眠る人物、剣士アギの事も、人伝であるが知っている。親しかった友人サニミの父で、隊に長く仕えたが、退団後は急逝したと聞いていた。
 碑文には、こうある。
 ──彼は戦いの中で愛する者を失った。その悲しみは死ぬまで癒えることがなかった──
 それゆえ、初代隊長は彼を指名する事を止めた。そして代わりに、自分がもう一代の間戦い続ける事を選んだ。采配を誤り、彼の愛する人を殺した罪を償うために。
 たぶん、彼を愛していたから。
 不意にアルトは振り返り、大声で言った。
「ボクも、ハルカを選びたかった!」
 それは今まで聞いた事のない、血を吐くような叫びだった。
「選びたくて、選びたくて……選べなかった……」
 アルトはまだ若いけれど、ハルカがそれ以上に若返ってしまえば、結局遺すことになる。
 老いたハルカは、もう真っ直ぐに伸ばせない腕を差し伸べて、彼女の男の子を抱き締めた。


47年164日に堂々到達。
書き方変えて、時系列通りダラダラ書くのでなく同じ要素はまとめる感じにして、SSも挟んで……としていたら余計に長くなりました。


「僕は魔法使いだけどね、剣とかを馬鹿にしたりはしないから、安心してよ」
 クラナは隊長就任式で聞いたその言葉を反芻し、肉の薄い肩を竦めた。
 義弟は、決して悪意を持ってそう言ったのではない。同じ騎士団に在りながら、一隊員として剣のみで暮らす異父兄を慮って言ったのだ。
 ただ、気遣いの方法が完全に誤っている。
 兄弟と血の繋がらない関係を持つ彼女の目からすれば、弟の不用意な発言の真意も、夫がその言葉を受けて感じた思いも、硝子張りの瓶を覗くより簡単に見て取れる。
 寡黙な夫は、背を向けたまま次の遠征に向け刀を磨いている。クラナは背を合わせて座り、それに従った。
 妻としてより、不器用な剣の道を進む同志として。


と言うわけで、隊長の兄夫婦・侍アオイ&忍者クラナが揃って絶好調で剣の力を見せつけてくれました。
この遠征により、安全値マイナスから驚きの99まで回復。更に下記2組の夫婦が誕生しました。
・剣闘士(ビルガル・ミルラナス)と忍者(ヤナ・ミゼーリン)
・幻術師(ダッポル・ソウジン)と巫女(ジェリカ・キンディス)
成立するカップルがあれば、終わるカップルもあり。ヴァルアを新人アーチャーと入れ替えました。弓手同士の結婚で期待していたのですが、子供のないまま終わってしまいました。夫アルヴィレクは、まだピークまで間があるのでもう少し隊に貢献してもらいます。

隊の入れ替わりも順調で、40年にセリア(26-30)、41年にメレ(30-30)が入団。
それぞれメロとサニミと入れ替え、第三世代が主力になる年代になってきたようです。

そんな中、遅れて来た「第二世代」なアルト隊長は、少しずつ魔女ハルカに近付き、自分からは全く動いてくれない彼女にそっと寄り添う形で結婚しました。
更にヴァルキリーのセリアが、妻と別れたアルヴィレクに告白し、無事結婚。なんと私のこれまでのプレイで最多となる、6組カップルが成立しました。

モルガロンを倒しに行ったついでに、祈祷師のピークが近いのでナグゾルサールを討伐。なんと、祈祷師テンペを前衛1人で置き、後ろに弓隊を三人、と言うとんでもない作戦でしたが、生命力奪取の後に一度ローテして先頭に戻ったところで〆。アイテムなしの素早さ25.3と言う、第二世代祈祷師としては非常に優秀な彼の御陰で、列回復や補助防御が数える程しかなくてもナグゾ様に勝てるのだとちゃんと証明出来ました。
これ以降、魔物の湧き方もだいぶ落ち着いて、一度は魔物がまったくいない時も。

平穏な41年以降は、短期遠征を行ったため出産ラッシュになり、全部で下記の通り子供が産まれました。
41年
 侍ツルギ・ゼンメイ(アオイとクラナの第一子)
 幻術師ノロップ・ソウジン(ダッポルとジェリカの第一子)
42年
 魔術師アロン・シャンルン(アルトとハルカの第一子)
 忍者カタナ・シャルジュ(アオイとクラナの第2子)
 幻術師ポロン・ソウジン(ダッポルとジェリカの第2子)
 忍者ラクシュ・シゼーリン(ビルガルムとヤナの第一子)
44年
 剣闘士ライオット・ミルラナス(ビルガルムとヤナの第2子)
45年
 魔女アイ・セキグチ(アルトとハルカの第2子)
46年
 ヴァルキリーローズ・ウェンガッタ(アルヴィレクとセリアの第1子)
47年
 アーチャーステファーノ・ヒジャ(アルヴィレクとセリアの第2子)
このまま巫女の娘が産まれず幻術師だけだったらショック……。

産まれれば入団してくるわけで、引き続き第三世代が入団希望で登場。
44年はエスコバル(24-31)、ユフィ(20-28)をアオイ&クラナ夫婦と入れ替え。
クラナは先にピークに達し、アオイはあと一年猶予があったため、本来ならば既にピークを迎えたテンペと入れ替えるつもりだったのですが、老いたとは言え石化の術さえ渡るテンペは、今新人教育の為に隊に必要と考え、夫婦で隊を抜けて頂きました。


「えええ! 兄さん、本気なの?」
 老祈祷師の代わりに騎士団を抜ける、と言うその言葉が本心であったと知り、アルトは慌てた。年の離れた異父兄は、確かに老いの兆しが見え最近は遠征後に疲労で寝込むことがあったが、まだ剣の技は冴え続けている時期でないか。
「確かに年の順からいけばテンペ殿が先だが、あの御人の術の鋭さは失せておらん。まだ騎士団の力となろう」
 肉体に依存する剣の力と異なり、魔術の力は、老いても直ぐに失せるものでない。特に今年採用した新人たちに経験を積ませようとすると、石化の術は大いに役立つだろうことはアルトも分かっていた。
 しかし、呪の類を嫌う兄が同じ意見だとは想像出来ないことだった。
「もしかして、あのこと、まだ気にしてる?」
 アルトは、両手の指を組み合わせたと思えば外し、忙しなく視線を左右に走らせた。
 落ち着きのない弟を、鷹のような眼差しがじっと見据えている。
「ほら、ぼくの就任式の……義姉さんから聞いたんだけど」
「そんな昔のことは忘れた」
 思わぬ言葉で遮られ、アルトは口の開いた間抜けた顔で兄を見上げた。
 この兄には、忘れたなど精神の弛みと断じて認めないようなところがあった。それがこんな風に認めて言うものだろうか。それに、あれほど気にしていたことを忘れてしまえるものだろうか。
 ──不意に、アルトは気付いた。たぶん彼は、許すと言っているのだ。もう覚えていないのだから、気にしないで良いと。
「お主は隊長だ。情に流されずよりよき道を選べ!」
 それは同じ母から継いだ言葉である。
 だから、アルトは緩んだ視界を閉じ、頭を下げた。
「今まで、有難うございました!」


その後45年入団希望のメノア(26-33)とテンペをようやく入れ替え。同日にやってきたミレイ(17-25)は、ピーク期の微妙さが、志願者で採用した魔術師より劣るので入団はさせませんでした。
新人たちも順調に人間関係を築き、騎士同士話が弾むのかメレがエスコバルに告白、47年には無事結婚。
さらに、この47年に若返りの噂が発生!
さて、これは大至急回収するとして。誰を対象にすべきかと悩みつつ本日はここまでです。

 黒い早馬は訃報を運ぶ。
 知らせを受け取ったケマ部族の長カリョは、深く息を吐いた。哀しみの裏に安堵が忍ぶ、長い溜息だった。
 終わった──ようやく終わったのだ。
 頭脳明晰で武勇に優れ明るい息子は、彼の誇りだった。高句麗の王座も、夢ではないと信じていた。だからこそ、その栄光を掴ませるため、良心をも捨てたと言うのに。
 カリョは忘れない。息子が自らを偽物だと言い放った瞬間の昏い瞳を。その時、彼は犯した過ちを知ったのだ。
 だが、止められなかった。
 坂道を転げ落ちる鞠をどうして止められよう。ましてや、突き落としたのは自分だ。
 鞠は転がり落ちるうちに見る間に汚れ、遂に終焉という池に落ち、沈んだ。
 すべてが終わったことに安堵する自分は、結局王父の器でなかったのだ。そして、息子も。
 栄華を誇ったこの家も、息子が行き着いたのと同じ池に沈みつつある。鼻の効く鼠たちが逃げ出した邸宅は驚くほど静かな空気を宿し、カリョは久方ぶりに何物にも邪魔されない時間を手に入れていた。
 今、最後の幕を引くため、カリョは毒の杯を持ち上げ、亡き妻に乾杯した。


何作か書いた花組版「太王四神記」公演SSの中で、実は一番始めにネタ出ししてあったお話。感想がそこまで辿り着いてから、と思っていたら書くのが遅くなりました。
星組版で役者が変われば、(役者自身の解釈も違って)キャラクター印象も変わるかも知れませんので、東京公演が楽しみです。

尚、タイトルはわざとなので、ご了承下さい。

DVD感想が該当シーンまで進んだので、ちょっと思い付きで短いお話。


「ヨン・ホゲもお前に惚れている」
キハはその言葉を奇怪な気持ちで受け止めた。
彼が自分を見つめる視線に、愛はおろか、恋すら感じたことはない。一夜限りでも愛された身だから分かる。彼の視線はキハの身体を通り過ぎて、何処か遠い所を見ている。
それが分からないプルキルは、きっと人を愛したことも、愛されたこともないのだろう。
そう気付いた時、キハは長年彼女を苦しめた悪しき魔術師を、初めて哀れに思った。


実際のところ麻生は、プルキルはカジン様を好きだったのではと思いますが、本人は気付いてなさそうです。

 混乱する人々の喧噪を余所に、ヒョンゴは輝きの失せた神器を見下ろし、ひとり思索の中に沈んでいた。
 伝説に曰く、チュシンの王が憤る時、神器は光を発すると言う。
 そして今日、十数年前の夜と同じ真白い輝きがこの玄武の神器から発せられた。
 あの場に王がいたのだ。
 やはりヨン・ホゲか、それとも――
 天地神堂の巫女の手を取り雑踏の中に消えてしまった青年の横顔が、ヒョンゴの脳裏に浮かんだ。彼を知った時から密かに感じていた希望のようなものが、確かな期待に変わる。だが、真の王を護る使命を遠い熊族の祖から受け継いだコムルの民を、憶測や直感で導く事は許されない。
「お師匠様、どうする?」
 娘の問いに答える前に、ヒョンゴはもう一度導きの光を願い神器に視線を向けた。
 だが神器は黙して語らない。行き先を決めるのは、人の務めである。
「……タムドク様を追う」
「そうこなくっちゃ!」
 黒朱雀の徴を抱いて産まれた娘は満面の笑みで応えた。
 それが正しい選択であるのか、ヒョンゴには分からない。けれど神の心が分からないならば、せめて己の心に従いたかった。


タムドクとヒョンゴが知り合っていなかったら、お話が大幅に狂って大変な事になりますね。テジャ城で終わっていた可能性もあるのか。
それはヒョンゴ一人との出逢いに限ったことでなく、タムドクは自分の運命を切り開く為に必要な人材が偶然=必然的に集まってくるんですね。これぞ主人公補正。物語を紡ぐ為の登場人物たちは、互いに惹き合い、一カ所に集まるのです。