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DVD感想が該当シーンまで進んだので、ちょっと思い付きで短いお話。


「ヨン・ホゲもお前に惚れている」
キハはその言葉を奇怪な気持ちで受け止めた。
彼が自分を見つめる視線に、愛はおろか、恋すら感じたことはない。一夜限りでも愛された身だから分かる。彼の視線はキハの身体を通り過ぎて、何処か遠い所を見ている。
それが分からないプルキルは、きっと人を愛したことも、愛されたこともないのだろう。
そう気付いた時、キハは長年彼女を苦しめた悪しき魔術師を、初めて哀れに思った。


実際のところ麻生は、プルキルはカジン様を好きだったのではと思いますが、本人は気付いてなさそうです。

博多座チケットが、友の会で入手難だったと言う風の噂に戦慄してます。
雪組と全ツ&オグリを見送って夏一本に絞ってるのに、これから飛行機の予約するのに、肝心のチケットが取れなかったらどうしよう……。でも私が行けるのお盆だから、きっと空いてますよね?

【第3場 青龍・白虎】
神器の護り主を探して、タムドクは青龍の神器を求め西百済へ、ホゲは白虎の神器を求めマッカツを征伐する事にする……

まずはタムドクチーム。「(神器が)何処にあるか分かるのか?」と質問され、「いやいやいや」と笑顔のまま高速で首振るチュムチが可愛いですね。
タムドク達は西百済へ行く事にしたのが大正解でしたよね。ホゲも西百済行きを主張したのに、軍隊を運用する都合上、マッカツに変更したのが大失敗。
合流したコ将軍は、素敵な髭付き美男子なのに、一応同格の「将軍」に就任したばかりの若造=ホゲ様に実権を完全に奪われてしまうと言うのが、ちょっと情けなくて、どの程度力量があるのか判断に悩むところです。格下の筈のチョクファンから、一幕16場でタメ口を使われていましたしね。ちなみに、ホゲは2場で将軍に任命されるまで、高句麗軍には所属してなかったんですよね?(一幕4場で「ヨン・ホゲ様」と呼び掛けていた事から推測。軍人同士&格下なら階級付けて呼ぶと思うし、もし格下の軍人を貴族だからと様付けで呼んでいたなら、コ将軍の品格に疑問符を付けねばならない)。
星組版は彩海早矢がコ将軍だそうで、比重がもう少し重くなっていい役になるのかもと期待してますが、柚希@タムドクと揃うと相当暑苦しい師匠と弟子になりそうですね。
一方のホゲチーム編成、ホゲが自嘲する「私はチュシンの王ではないらしい」の台詞と、これに続くヨン・ガリョの「何を言う」が大変好きです。
カリョはこの時、息子が道を踏み外して、しかもそれを良しとしている事に初めて気付いて、己のしてきた間違いを知り衝撃を受けたのではないかと感じてます。本当は野心の薄い気の小さい性質なカリョ説、三度目の力説です。

【第4場A 関彌城へ(出立準備)】
タムドクは、スジニたちと共に関彌城のある西百済へ向かう……

SLGで言うと、装備と仲間を整える編成シーン。
フッケ将軍@悠真倫は、しっかりセドルの父親に見えますね。しかも、年老いてから出来た一粒種だったんだろう、なんて思ってしまう良い老け具合。真飛聖同期の81期生で、よく化けてます。でも訛りがセドルとは違う気がしますね。
タルビの鬘は、こういう作りだったかな、と少し違和感を感じます。髪飾りは日替わりだったそうなので、観た時と違うだけかな?
西百済への行軍の演出(照明が落とされた中、交互二列に並んだ一行が客席に背を向け、回転する盆の上を舞台奥へ歩いていく)が地味に好きです。

【第4場B 関彌城】
青龍の護り主である関彌城の城主チョロと見えたタムドクは、心臓から神器を取り出し彼の命を救う。チョロは神器をタムドクに差し出し、王に仕えることを誓う……

関彌城、チョロの槍さばきにハラハラ。大空&真野だけの問題なのか、月組出身だと殺陣経験が少ないのか、とにかく緊張の一場。東京はもう少し手慣れてましたよね。
対するタムドクチームは、コ将軍がダンス巧いですね。チュムチは独りだけ青龍刀なので、混戦の中でも目立ちます。
チョロの顔が永続天使性無機結晶症(笑)なことなどは、作中に説明が皆無のため、展開が分かり難いです。とは言えさすがにDVDだと、仮面と鱗の見分けがつかないような見た目の分かり難さはありませんでした。
刀身で顔を見せるのは、いかにもファンタジー物っぽくて良いです。でもどういう仕掛けなのか謎だ。カグン将軍がチョロを抱き起こす時に、糸を引っ張るかなにかで鱗が外れるようになるんでしょうか。
それにしてもこれ、ホゲ様が当初の予定通り西百済に来ていたらどうなっていたか、と考えると楽しいです。
チョロの心臓に神器がある事さえ分かれば、青龍の神器は手に入る。でも護り主を殺さずに神器を取り出せるのはタムドクだけだから、チョロは死んでしまう。
ここで疑問なのは、護り主は、そもそもどうやって判定するのか?と言う事。タムドクチームでは神器が発見される度に、ヒョンゴ村長がすかさず飛んで来て神器判定してますけど、あれも、神器が光らなかったら判定出来るのか疑問なのです。護り主に何か徴だとか特別な力が備わるのでなければ、チョクファンを「青龍の護り主でした」と仕立て上げて終わりかな。イルスは白虎でお願いします。

DISK2に進み、二幕の開幕です。

【第1場 コムル村〜阿佛蘭寺〜ヨン・ガリョ邸】
タムドクは、コムルの民に真の王として迎えられる。タムドク、キハ、ホゲは互いの心が読めず彷徨っていた……

語り部としては久し振り、且つ最後の登場となるヒョンゴから二幕も開始。同世代の登場人物に語り部の役目を当てるのは、難しいですね。振り返って締める事が出来ないので、開始の語りは出来ても、投げっぱなしで終わってしまう。ルキーニ@エリザベートが、登場人物と語り部を兼ねる役として至上の使い方だと思っていますが、あれは死者の視点だから出来た事なんでしょうね。
このシーンの幕の絵柄は、公演中、この一場でしか使われない貴重な玄武の紋の筈ですが、DVDではなんと映ってないと言う不憫さ。玄武って、どんな作品でも大体扱いが微妙ですよね……。
コムルの民は、スジニ以外全員男設定のようですが、本来は娘役だと思われる子たちがチラホラ混ざってますね。花組の娘役は可愛い子が揃ってるんだなぁ。
三重奏は、キハパートだけ酷い字余りで早口言葉化していて、何度も聞いても笑いが零れてしまうのですが、その彩音の歌が一番上達してるような気がして吃驚しました。ここは、楊淑美先生の歌唱指導が入ってるのかなと勝手に想像。
タムドクは、相変わらずすみれコード抵触発言が目立ちます。艶やかな肌や潤んだ瞳は、キハの人間性とは関係ないと思うんですよ。

【第2場 天地神堂】
天地神道ではヤン王殺害の裁判が行われていた。ヨン・ガリョ等は、タムドクが部族長の息子達を殺し、王位簒奪のためヤン王も殺したと言い立てる。タムドクは、心臓に剣を刺して無実を問うカウリ剣の儀式を受けることになる。キハにチュモシン剣で刺されたタムドクは、息を吹き返し無実を証明する。
大神官は、タムドクを仮の王、ホゲを将軍とし、残る神器の護り主が認めた者をチュシンの王とする事を宣告する……

舞台上の人口密度が高いシーンって、生だと楽しくて良いのですけれど、映像だと観たいところが映っていなくてストレスが溜まりますね。
此処では群衆もある程度フォローせねばならないし、メインはタムドクとキハだしと言うことで、ホゲ様はあんまり映ってません。仕方ないので、位置をちょっとずつ変えるイルスを必死に探してチェック。
カウリ剣の儀式の瞬間、お気に入りの娘を抱いてニコニコ顔だった頃からは想像も付かないような、悪い顔してますね。タムドクがカウリ剣の儀式を承諾し、刺し殺される瞬間に笑ってる! 一方、タムドクの蘇りは覗き込んで確認し、かなり衝撃を受けてますね。ホゲをチュシンの王だと信じてるだろうイルスは、この結果をどう思ったか、大変興味深い命題です。
タムドクが近衛隊に命じて王を殺害した、と言うチョジュドの証言は、近衛隊が護るべきはヤン王の方なのに、と無理を感じるのですけれど、巫女が王を殺したと近衛隊側が証言してる以上、当人達を犯人扱いせざるを得ないんですね。誰もその辺を突っ込まないと言うことは、ヤン王は近衛隊から背かれてもおかしくないと認識されるくらい人望がなかったのか、とも穿ってしまいますが。
キハを連れて来たプルキルが壁にもたれて睥睨してる姿が、とんでもない色男ぶりで、一々ギョッとします。正直、雪組時代に壮を美形と言われても首を傾げてたんですが、この公演で良く理解できました。
肝心の裁判は、小池先生らしく会話が成り立ってないので、星組版では改善してあげて欲しいですね。最低でも、タムドクから何故ヤン王を殺したのかと問われたキハが、王は自害したと答えるのは絶対改稿が必要。「何なりとお答えします」以降を変えて、ホゲが割って入ってカウリ剣の儀式に持ち込ませるのが適当でしょうか。
あと残された謎として、カウリ剣の儀式で予定通りホゲが刺していたら、タムドクは復活しなかったんでしょうか? チュモシン剣で刺しても真の王は死なない、と言う言い伝えが本当なら、キハが刺す必要はなかったと思うのです。もしかすると、タムドクとキハを引き裂こうと考えてるヤン王の亡霊だから、嘘を言ったのだったりして。

今日帰りにドリームジャンボを買った際、当選抽選会場が東京宝塚劇場であることを初めて知りました。
抽選会と貸切公演のセット、みたいですね。宝くじの抽選会がそんな面白いことになってるとは知りませんでした。
宙組さんは、二回公演日なのにお疲れ様です。

【第17場 王家の大殿】
連れ戻されたキハは、招聘されヤン王と対面する。火天会のスパイである事を突き止めていたヤン王は、二人の仲を糾弾し、タムドクにキハを憎ませるため、キハの仕業と見えるよう自死する……

非常に些細な疑問ですけれど、サリャンは何時から大殿に潜んでいたのでしょうか。16場でチョクファンが国内城にキハを連れ戻した所で、途中から付けていた?
火天会士たちは、上手の二人が階段で側転しながら登場するパフォーマンスで、下級生と娘役で構成されてるチームなのに、なかなか魅せ方を心得てますね。サリャン@華形の殺陣は、安心の出来だし、火天会の人材は優秀ですね。
そして、かなり周囲がどたばた動いているのに、ぴくりとも動かないヤン王の死体@星原先輩に感動しました。

【第18場 テジャ城】
タムドクはテジャ城に辿り着くが、部族長の息子たちは既に殺されていた。タムドクも殺され掛けるが、駆け付けたスジニ達や近衛兵に救出される。
近衛隊長カクダンは、タムドクにチュモシン剣を渡し、王がキハに暗殺された事、「チュシンの王になれ」と言った遺言を伝える。タムドクの怒りと嘆きに呼応し、チュモシン剣と玄武の神器が目覚め、ヒョンゴはタムドクこそチュシンの王だと宣言する……

一旦王宮に戻った筈のチョクファンがもう軍勢の中に戻っていることに関する、時間軸とか距離関係の疑問が払拭出来ません。しかし原作ドラマだと本当に「時を超えて」行動できるそうなので、そういうことなのかな……。たぶん、ホゲ様の行動だけ遅いのは、軍勢を率いているから時超えが出来ないんでしょう。
さて、先の場でヤン王の死体に触れたので、やはり四部族の息子たちの死体にも言及しなければなりますまい。しかしこの4人は立って正面を向いた状態の死体なので、ちょっと難易度が高過ぎたかなと。遠目なら問題ないものの、近くのアングルだと呼吸してるのが分かります。それにこの状態で長いこと晒されているのも気の毒。あ、ファンにとっては、オペラで顔をゆっくり眺めるチャンスだったのかな?
タムドク危機一髪となるものの、彼の仲間から「やめろ!」と言われて、剣を引いてしまうホゲ様に、やはり本心ではタムドクを殺したくないのでは、と勘繰りたくなります。乱入された瞬間イルスは部下に目配せして陣形を変え、チョクファン部隊も一斉に剣を抜いてるんですよね。でも、ホゲの号令が出ないので、手を出すなと言う一つ前の命令をそのまま守ってる、と言うことなのでは。
そして、チョクファンが「カクダンに惚れてる」設定で役作りをしていたと巷の噂で聞いたのですが、DVDを観ている内に、本当かも知れないなぁと思いました。瀕死のカクダンが担ぎ込まれた段階から、激しく動揺した様子の上、遂に事切れた後は一旦宙を見上げ涙を飲み込んでいるように見えました。イルスがどういう反応してるのか、位置の都合で映り込んでないのは残念ですが、私の記憶だと、ずっと戦闘態勢を崩してなかったはず。他の兵士も、特別反応はなし。……騎馬隊長、敵から目を離しちゃ駄目ですよ(笑)。
結局、突撃号令を出したのはチョ・ジュドですよね。時既に遅かった訳ですが。
チュモシン剣=ライトセイバーは、仕掛けがちょっと大き過ぎて、17場及び二幕の剣と同じ物には見えません。どうせなら全編仕掛け剣で統一すれば良いのに。但し、柄がアルミ箔っぽい質感でチャチなので、そこは衣装部さんに頑張って、他の剣同様のクオリティにして頂きたいところです。刀身の太さも、せめて半分くらいにして欲しいなぁ。
剣の覚醒で一斉に倒れ伏した後、スジニ@愛音が女の子座りをしているのが、密かに可愛いと思ってます。そう言えば、弓装備なのは、セオの生まれ変わりだからでしょうか。二幕は剣使いだったので、矢筒を背負ってた事なんて忘れてましたが、折角の女の子戦闘員なので、原作がどうであれ弓使いで通しても良いかもしれませんね。

これにて一幕終了。お話が盛り上がった所で、30分の休憩です。

今回は軽めに3場まとめてアップ。

【第14場 謀略】
武道大会で負けた部族長の息子たちは捕らえられ、密かにテジャ城へ連れ去られていた。プルキルたちは、息子たちをタムドクが殺害したと罪を着せ、そのタムドクをホゲが討つと言うシナリオを練る……

歌台詞でのやりとりが大好きなので、このシーンも非常に短いですが大好き。台詞として歌ってる分には、歌が得意分野ではない役者でも気にならないですし。
ここを大空アングルで観ると、父親達が色々語り合ってる間、母親に置いて行かれた迷子の子のような顔でじっと佇んでる。で、キハと言う言葉に反応してハッと振り返るんですね。なんとも物悲しいです。
が、その後のホゲとプルキルの「あの巫女はタムドクの恋人か?」「どうせタムドクの片思い」「だが手を取って逃げた」「相手は王子、恥はかかせられない。仕方なく付いて行っただけだろう」と言うやり取りは、あしらってる感たっぷりで、ニヤニヤしちゃいます。
水晶玉は、どこまで詳細に視えているんでしょうか。水晶玉を見てるホゲの様子だと、肩を露にした事は分かってるような気がしますが、烙印まで鮮明に視えてたら火天会の繋がりもバレますよね。そこは、プルキルの魔術でモザイク掛けたのかな(笑)。

【第15場 タムドクの生誕地】
タムドクとキハは、タムドクが産まれた山小屋に辿り着く。キハは火天会のスパイであった事を明かすが、タムドクはそれを許し、二人は結ばれる……

二人のラブラブシーンは、正直語る事がないので割愛します。
それにしても、タムドクの「僕はもう一度生まれ変わりたい」台詞や目つきがちょっとエロいのは真飛だからでしょうか? 星組版で、健康優良児イメージの柚希が同じ事をやったら、私は笑っちゃうかもしれません。
あと、火天会って秘密組織なのに、「あの秘密組織か」とか言われてることに笑います。聖なる母の結社@ルナルサーガくらい隠れた組織でないと、秘密組織とは言えないぞ。

【第16場 高句麗内あちらこちら】
部族長たちは偽情報に騙され、タムドクが息子を誘拐したと思い込み、ヤン王を廃そうと兵を挙げる。ホゲは軍を率いてタムドクの下を訪れ、火天会が部族長の息子たちを誘拐したので救出に手を貸すよう要請する。それを請けたタムドクはホゲとともにテジャ城へ急ぐ。
一方、ヒョンゴたちはヨン家の動きからタムドクの危機を察し、テジャ城へ一行を追っていた……

とにかくどんどん歌い継いでシーンが切り替わっていく、実に感想が書き難い16場。場タイトルも「あちらこちら」って適当ですし(笑)。と言うわけで、語りたい所だけピックアップします。
まず、ホゲがタムドクを迎えに来た翌朝のシーン、なぜ大空アングルが収録されてないのですか! DLCで大空アングル販売して! と思うくらい悔しいです。オペラで追い掛けた時の自分の記憶を大事にしなければ。
「炎の巫女よ、もう一度舞を見せてくれ」に対するキハの回答は、私にはしらばってくれるように聞こえるのですが、キハは操られている時の記憶があやふやで本当に何の話か分かってない、のかも。どちらにせよ、10場の解釈を採用すると、その言葉に従って進む道を変えたホゲにとって、最大の裏切り。
ホゲが、タムドクを本気で殺そうと決めたのはやはりこの瞬間だな、と思います。
「別れの儀式」の後、軍勢が歩き始めているのに、ホゲはタムドクから目を逸らしたまま動かない姿に、なんだかきゅんとします。
そして、後ろのイルスとチョクファンが、密かにホゲの台詞に合わせて個々の反応してるのが面白いです。不思議と、イルスは一貫して無表情に近い真面目顔ですね。「俺はからかわれていたのか」の台詞の時だけ、痛ましい泣きそうな表情をする。チョクファンは、性格が謀略に向いてないんでしょうね。終始座りが悪そうな感じ。
息子達の誘拐を火天会の仕業だと説明するのは、凄く巧い言い訳だと思います。これは誰が言い出したのかな。ホゲ自作の言い訳とは思えないので、プルキル自身か、お茶会情報によるとプルキルの正体を知っていて利用してると言う演技解釈らしいチョ・ジュドのどちらかと考えるのが妥当でしょうね。
……それにしても、駆け落ちしたのに、呼び戻されてあっさり帰るタムドクは、もう少し自分の行動を省みるべきじゃないでしょうか。