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宝塚宙組「翼ある人々 -ブラームスとクララ・シューマン-」2/27感想の続き。

終演後にミニトークショー(抽選会付き)がありました。
出演者は、緒月遠麻、朝夏まなと、澄輝さやと(司会)、すみれ乃麗、美月悠、伶美うららの6人。
澄輝さやとは、いきなり挨拶から噛みまくって、客席を温めてくれました。全員着席した時点で「もうダメだ」と溢したのがマイクに拾われたのも、申し訳ないけれど笑わせてもらいました。
話題は、役についてと、シアタードラマシティ公演から東京初日までにあった失敗談、共演者同士の関係、オフで打ち込んでいることなど。
生徒たちは喋りは本業でないので、説明は巧くないし、話している内容も文字にして特別面白い話でもないのですが、素顔が垣間見える緩い会話で和みました。朝夏まなとと緒月遠麻は、鳥目なので袖の段差に躓くとか、早変わり室から舞台に戻るときは朝夏まなとがエミール役の秋音光に手を引いてもらい、逆の手で緒月遠麻を引っ張って行くなどという話は、実演も入っていて面白かったです。

個人的には、「銀河英雄伝説」のときの話がちらっとあったのが嬉しかったかな。他の公演の話としては、「風と共に去りぬ」新人公演にトップ以下スター5人が鼓笛隊として特別出演したときのことも。朝夏のフルートは、実際に演奏していたんですね。
下級生のすみれ乃麗と美月悠は会話への参加率がやや控えめでしたが、美月は好きだという「スキューバダイビング」のことを語った時は熱が入っていました。25時間もかけて小笠原諸島へ行ったという話には、他のメンバーが吃驚していました。もっとも、私としては、朝夏まなとがあのスタイルで「泳げない」という発言の方にもっと驚きました。

以下、キャスト評です。
なお今回は、歌の善し悪しは個別には言いません。メインキャストほぼ全員、歌劇団という名に含まれている語を考えて欲しいレベルでしたわ。

ブラームス@朝夏まなとは、格好良くなりましたね! 子供たちの面倒をみてあげるところは優しいお兄さんという感じで、素敵でした。
ロベルト・シューマン@緒月遠麻は、静かに心を病む様がさすがの演技でした。シューマン夫妻に関しては、役者のキャラクターと役のイメージが合っていて、配役時点で勝利していたと思います。
クララ・シューマン@伶美うららは、とにかく白眉。美貌と落ち着いた物腰と気品。役と完全に合っていました。

ヨアヒム@澄輝さやとは、美味しい役。軽薄な一面はあってもいい男だと思います。殴り合いシーンの「明らかに殴ってない」感は、ちょっと苦笑してしまいましたが、殴る練習をしろというのも難しいですしね。
ユリウス@美月悠は、こんなに出番のある役で観るのは初めて。特別巧い方ではないけれど、台詞回しが出来ているので邪魔にはならないかな。それより、フィナーレの黒燕尾の踊りで惹かれました。
ルイーゼ@すみれ乃麗は、これまでもよく見た若い娘の役。ところが冒頭とラストには老女として登場します。これが、本人が演じていることが吃驚の老け具合で、思わずオペラグラスで確認しました。いい芝居でした。

リスト@愛月ひかるは、少し嫌味だけれど悪い男ではないですよね。まぁ、役者のせいか、ナルシストな面は多分にあると思ったけれど(笑)。額を出す髪型のせいか、頻繁にオーベルシュタイン@銀河英雄伝説新人公演を思い出しました。
ホーエンタール伯爵夫人@純矢ちとせは、独特の存在感で社交界に君臨している感がありました。
ベートーヴェンのようなもの@凛城きらは、割と盛大に笑われていました。難しい役だったと思いますが、ほぼすべて怒鳴っている台詞でも、台詞がクリアに聞こえるのは凄いと思いました。