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三浦しをんのエッセイに「漫画の名言で日めくりを作る」という話がありました。その際、誰もが直ぐ思い当たるような有名台詞は避けるルールになっていたのが粋だと思いました。
ということで、テイルズオブシンフォニアの台詞から、あまり有名でない名台詞をチョイスして毎週語ってみようと思います。
……行き詰まったら、最初からなかったように、こっそり止める予定です(笑)。

【除外ルール】

  • 公式サイトでキャラクターの紹介に使われている台詞は除外。
  • 小説版、漫画版、OVA等の台詞は除外。
  • その他、そのキャラクターを代表すると思われる台詞は除外。

初回は、主人公ロイド・アーヴィングから。

まず、除外される台詞を確認しましょう。
公式サイトに掲載されているのは、下記2点でした。
「コレットが…神子が世界を救ってくれる!」(GC)
「ふざけろ! 正義なんて言葉、チャラチャラ口にすんな!」(PS2)
TOS-U(PS3)には台詞記載はありませんでした。
GC版の台詞選択がとても意外。PS2版は、ロイドを代表する台詞の1つですね。が、実は公式サイトは「、」抜けと語尾が「するな」になっていて、ゲーム中と微妙に違うので勝手に直して記載。

他に、ロイドの代表的な台詞と言えば下記2点が直ぐ思い当たりますので、これも除外します。
「目の前の人間も救えなくて、世界再生なんてやれるかよ」
「どこでもいいさ」

以上を除いた上で、私が選ぶのはこの台詞です。

でも俺…みんなが仲良くしなきゃいけないとは思わない。
嫌いな奴は嫌いでいい。むかつく奴もいる。でも…そこにいることをお互いに許し合えればいいんだって思うんだ

イセリア人間牧場攻略後、ダイクの家で、去ろうとするクラトスへの台詞(クラトス好感度1位の場合のみ)。
クラトスルート狙いでないと聞けない台詞なので、あまり知られていないかも知れません。

嫌いな相手を相手を排除するのでなく、そこにいることをお互いに許し合うのは、現実の世界においても大事ですよね。
例えるならば、シンフォニアファンも、シンフォニアアンチも、興味ない人も、みんな存在するのが自然なのですから。
この結論を自然と導き出せるのが、人間(差別側)であり、ドワーフの養子で余所者(被差別側)であり、多様な仲間を持つロイドならだと思います。

ロイドは名言の宝庫みたいなキャラクターなので、有名な台詞を除いても、割と選びやすかったです。
来週はコレットで選んでいきたいと思います。

DNAメディアコミックスから発売された「テイルズオブシンフォニア ユニゾナントアンソロジー」

本屋4軒巡って見当たらず、結局ネット通販で購入しました。
10周年でシンフォニア関連の書籍が増えるのは嬉しいけれど、入手方法で毎回苦労してます。近所にあった、サブカルチャー書籍多めの本屋が閉店してしまったのです。

ユアンさまサーチの登場作品情報確認用でしたが、今回は登場していませんでした。
その代わりと言ってはなんですが、登場キャラクターの偏りは少なかった気がします。
ネタはTOS7本、TOS-R8本でTOS-Rの方が多いですが、TOS-RにはTOSキャラも登場するので、オールキャラクター本といって良いのでは。
個人的には、ミトス視点の作品が気に入りました。

小説「テイルズオブシンフォニア 贖罪のクラトス」(感想は2013年11月12日記事参照)にて、オゼットが焼き討ちされた原因もクラトスにあったと明かされました。
そのことを指摘されて、そういえば公式に語られていなかったことに気付きました。
既にどこかで読んだ気がしていたのに、と思ったら拙作「重なる罪」でした。
“ED後のユアンさまの去就”や“古代勇者チームの加入順”など、ゲーム本編発売後に出た公式設定と合致しない話ばかり作る私ですが、珍しく公式と合致したんですね。

そもそもゲーム二次創作の場合、クリア以降に新情報が出ることは稀であり、個々のプレイヤーが想像で補完するものだと思います。
ところが、シンフォニアの場合は、ゲーム発売後にもファンダム、TOS-R、公式小説など新しい情報が時々出て、その都度「自分の考えていた設定との齟齬を飲み込む」という贅沢な苦しみがありました。が、そういう機会があまりに多過ぎて、逆に公式設定は気にしなくなったのも、シンフォニアで創作をしていた影響だなと思います。

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実弥島巧著「テイルズオブシンフォニア 贖罪のクラトス」
全7章、本文313ページ。

【あらすじ】
世界は二つに分かたれ、互いに搾取し合う歪な関係を4000年維持してきた。その罪の一端を担う天使クラトスは、オリジンの封印の前でロイドを待ちながら、これまでの道程を思い返す――

主にクラトスの視点から、ゲーム開始から一騎討ちに至るまでを綴った小説。

“主に”と断ったのは、実際はプロネーマ、ユアン、ミトス、ゼロス、マグニスなど他のキャラクターの視点も含まれているためです。よって、「クルシス側から見たシンフォニア」とでも銘打った方が正確かもしれません。
特に、中盤まではプロネーマが活躍しています。それだけに、彼女の最期が伝聞で済まされてしまったのは残念でした。
ミトスが、クラトスを姉様と同じくらい大切に想っていたこともよく分かったし、それだけに裏切りが許せない気持ちも感じ取れて辛かったです。
もっとも、ファンとしては、クラトス小説を名乗るなら全編クラトス視点でまとめて欲しかったという気持ちがあったり、タイトルの割に贖罪を済ませていないように感じて複雑だったりしました。10年もあると、思い入れが大きくなり過ぎちゃって難しいですね。

シルヴァラント編は、本文のおよそ半分が割かれているだけ濃密で、クラトスから見た再生の旅の様子が分かり、純粋に面白いです。救いの塔で、なにも対策を考えてなかったんだな!?と発覚したときはどうしようかと思いましたが(笑)。
難点を言えば、再生の旅のどの局面でロイドに希望を託す気になったのかが見えず腑に落ちませんでしたが、息子(アンナの子供)だということが最初の理由と受け取ってしまって良いんでしょうか。
テセアラ編も、各エピソードの合間にクルシス側がどう動いていたのか分かり、色々と発見がありました。ただ、プレイヤーが把握している“ロイドたちの動き”は細切れに示されるため、時系列が少々分かりにくかったですね。
長い物語なので、世界再生編は少々ダイジェスト編集に感じました。「ファンダム」の内容が盛り込まれているので、その辺はファンダムをプレイしてね、ということかな。

ちなみに、ユアンさまはいい感じに弄られてました。
私はユアンさまのファンでもあるので、ニマニマしながら読みました。実はこの小説内で、唯一ユアンさまだけがクラトスのことを責めないんですよね。そういう意味でも、清涼剤でした。

シンフォニア10周年企画「いまさらだがシンフォニアを語ろう@天の響」
第3回の議題は「なぜ味噌は高くなったのか」です。
……とても些細な議題を取り上げてみました(笑)。

《注意》
・リアリティーより個人的ロマン優先な場合があります。
・基本的にゲーム本編のみを根拠とします。
・あくまで麻生流解釈ですので、準公式作品や他の方の解釈を批判する意図はありません。

下記は、適当に抜粋した消費アイテムと食材の買値リストです。

品目TOSTOS-R
アップルグミ 100ガルド 96ガルド
オレンジグミ 200ガルド 288ガルド
ライフボトル 300ガルド 512ガルド
チキン 120ガルド 38ガルド
トマト 60ガルド 8ガルド
ブレッド 70ガルド 12ガルド
パスタ 80ガルド 14ガルド
メロン 100ガルド 86ガルド
みそ 60ガルド 168ガルド

総じて、食材は安くなっています。

理由として考えられるのは、シルヴァラント側でマナ不足が解消され、食物が育ち易くなり、需要と供給が釣り合ったということです。
もっとも、物資は豊富にある筈のテセアラも、シルヴァラント同様の変動を見せます。統合前のテセアラ側はバブル経済だったのかもしれません。

一方、回復アイテムはアップルグミ以外は高額になっています。これは、平和だったテセアラがヴァンガードの破壊活動の影響で回復アイテムを消費するようになり、需要と供給バランスが崩れた為だろうと推察しています。
アップルグミは逆に少し値下がりしていますが……恐らく一番ポピュラーなグミなので、需要に応えて供給量を増やし過ぎ、TOS-Rの頃には値崩れしていたのかも知れませんね。

さて、食材の中で、味噌は売値が上がっているということは、供給が減ったか需要が高まったかのどちらかだと思われます。
需要を計るのは難しいですが、下記の点を踏まえると、味噌の需要が増えたとは見えません。
・みそが必須食材の料理はTOSの「みそおでん」のみ
・TOS-Rで世界的に和食が増えた様子はない
(新登場の「つけもの」はレシピがミズホ入手なのでミズホ製品)

供給に関しては、TOSではサイバック1ヵ所だったのが、TOS-Rではイセリアとミズホの2ヵ所で扱っているので、発売場所は増えています。
しかし、“サイバックでの取り扱いがなくなった”という点は着目に値します。
ミズホの民が、味噌を卸さなくなったのではないでしょうか?
ミズホで味噌を取り扱うようになったのは、もともと此処が味噌の生産地だと思われますので奇怪しくありません。そして、イセリアはロイドたちの故郷ですので、ミズホから味噌を融通してもらうことも可能でしょう。
要するに、味噌を扱っているのは、生産地または付き合いのある場所に限られているのです。
ミズホが味噌の商取引を止めたので、供給が減って、価格が上がった。
これが真相だと思われます。

商取引を止めた理由も、想像がつきます。
TOS-Rより更に先の未来の一つと考えられるTOPでは、忍者の里はトレントの森の奥深くにあり、外界との繋がりを断っています。
ミズホの民も同様に、世間に知られてしまった今の里を引き払って、隠れ住もうと考え、外界との繋がりを断ち始めたのでしょう。
しいなやロイド、コレットたちがいる間は、まだ繋がりが残るのでしょうが、次の世代の頃には、ミズホの民は世間から消え失せているのかもしれませんね。