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日曜に、宙組博多座とバウ公演のメンバー振り分けが出てましたね。
前回の公演で目を付けた春風弥里が、またも逆転裁判組に取られちゃったのは残念ですが、北翔海莉の二番手役と言う楽しみが確定されたので、不満は申しません!
色々意見(何故アリスを逆裁判組にしない!とか、検事はゴドーなのか?とか)はありますが、今回はあまり先に細かい事は考えず、夏当日を楽しみに待ちたいと思います。

【第7場 ヨン・ホゲの帰還】
ヨン家ではホゲとキハの婚礼が公表され、宴が催される。
宴に潜り込んだスジニは、キハにタムドクと会ってヨリを戻すように頼む……

神器は見つからないものの、蛮族討伐と言う大義名分の方は成果を上げたので、祝宴なんですね。それなのに五部族の長達がいないのは、彼等がヨン家の独断専行に愛想尽いたことを表しているのかな。
上手下手から登場した二人は、同時に正面に向き直っているのだと思っていたら、キハがスッと視線を外した後、昏い瞳で彼女の顔をじっと観ていたホゲが遅れて向き直るんですね。情念を感じます。
「貴方こそ、他に好きな人がいるのでは」と問うて、「俺が愛したのは炎の巫女」と返されたキハ。彼女は、先程の質問がホゲを傷つけた事を自覚したでしょうか? 確かに、ホゲが想う相手はキハとは言い切れないのですが、それでもやはりキハ以外の誰でもないのですよね。
ポスター写真で使われているこの紫の鎧衣装、あまり色味に華やかさはないのですが、肩当ての為に立派な肩幅が強調されて、格好いいです。
ところで、「お前の子供の父になれば朱雀の神器は俺の物」と言う歌詞の意味が分かりません。プルキルは「王になられた暁に献上」と言っていたのに新たな条件をつけたのか、それとも妻の物は夫の物と言うことなのか……。
そう言えば乾杯の前後、ホゲとキハの真後ろにプルキルがいる事にDVDで初めて気付きました。凄い豪華な三角図に吃驚。と同時に、舞台で2度とも見逃してた事を知って更に吃驚。どれだけ偏った視界の持ち主なのでしょうか。
でも一度気付くとこの構図、凄く巧い演出だと感心しました。あくまでプルキルの掌の中、と言う状態を言葉を使わずに表現してますね。
キハとスジニが語らう後ろの人々アングルをDLCして欲しい!と思って悶々としつつ、此処もオペラで後ろだけ観た時の記憶を大事にしたいと思います。
尚、イルスも登場してるのですが余り映り込まないので、歓談タイミングになった瞬間ホゲ様のところに一早く飛んでいって「おめでとうございます!」と言ってる姿程度しか確認出来ませんでした。マイク入ってない筈なのに、かなりはっきり音声が収録されてるので、相当勢い込んでお祝いを述べてるんだなと微笑ましくなります。

【第8場 大殿】
スジニの手引きでタムドクとキハは密会する。
キハはタムドクの未練を断ち切るためお腹の子供をホゲの子だと偽り、代わりに王座につくため必要な朱雀の神器を差し出す。しかしタムドクは受け取れないと断り、キハを帰す……

この玉座、孤独ですね。
一幕でヤン王に対して「そんな王になりたくない」と言っていたのに、この時は「愛する人を疑ってばかり」になってしまってる。タムドクにはあまり魅力を感じない私でも、この歌と寂寥感には可哀想だなぁと思います。
キハがワザとらしく零した「お腹の子供」と言う言葉に目を剥いた後、「ヨン・ホゲ様の」と言われて口をパクパクさせているのが笑えます。オペラ使わなくても顔芸が目立つ真飛なので、DVDのアップはとんでもない事に。
別れ話に「それだけで良いんだ」と言うのは、表情をよく見ると、その台詞は自分にこそ言い聞かせているのが分かりますね。
会話は相変わらず小池先生クオリティで話が噛み合っていない物の、「(朱雀の神器を)お前からは受け取れない」と言い、神器はキハ以外から受け取ると言うフラグを立てている点はお見事と思いました。

そろそろ星組版公演が始まってしまうので、心持ち急いで花組版感想をまとめ中。

【第5場 マッカツ】
マッカツを占拠したホゲだが、白虎の神器を見付ける事ができず民衆を虐殺する……

なるべく雰囲気を出す為に地名を漢字表記していたのですが、マッカツと言う地名が漢字が出ませんでした。残念です。
非常に短い場なのですが、出だしの音楽聞くだけで気が高まります。
神器が見つからない事を報告するイルスは、まるで犬が耳と尻尾を垂らしてるように見えて、先の出番ではあんなに悪い顔をしていたと言うのに、凄く可愛い顔に変化しています。ホゲ様の前では借りてきた猫状態。
そのホゲ様は、完全に「目がイッてる」様子で、イルスの丸めた尻尾を踏みつける勢い。
ここで「賞金を出し、密告させるのだ」と言ってますが、一件もタレコミはなかったのでしょうか?
偽の神器を差し出す悪い村人が出て来るような展開があっても、面白そうだなぁと思います。ちょっとネタに出来そうです。

【第6場A 阿佛蘭寺】
キハはタムドクの子を身籠っていたが、ヤン王の遺言に従いタムドクから憎まれることを決めていた。
プルキルはキハをホゲに嫁がせる事にする……

下手銀橋近くからのアングル、格好良いです。プルキルのヒタヒタと忍び寄る巨大な悪と言う雰囲気が、カメラアングルとマッチしてると思います。それに、こんな一列目席は普通座れないので、興味深い視点です。
少女キハは何度観ても美少女ですね。風の噂によると、凄い大根らしいけれど、美しい事は素晴らしい武器なので、是否早く成長していい役者になって欲しいです。

ちょっと思い付きで短いお話をこちらに。

【第6場B 王宮内】
西百済から帰還したタムドクたちの歓談の中で、スジニが東百済の姫にして、黒朱雀の転生であることが判明する。
タムドクに想いを寄せていたスジニだが、タムドクからは兄妹のようでいて欲しいと言われる……

舞台では本筋に関係のない、スジニイベントの消化。
黒朱雀の転生と言われて、みんな大変な勢いで反応するけど、黒朱雀と言うものは一般人に普通に知られてるのでしょうか?
スジニは、かつらが微妙に大きいのか、頭が大きい幼児体形で、ビジュアル的にはあんまり好みではないのですけれど、さすがに愛音羽麗の演技は深いです。
ただ、二人の会話があまり噛み合ってない、如何にも「ドラマにあるから無理矢理入れました」なシーン、スジニの出身は7場で必要な情報だけれど、転生の話はこの後全く関係なくなる、と言う諸々の点を考えると、ドラマファンの方には不満でしょうけれど、スジニの恋はカットで良いのではないかなぁと思います。
星組では役の比重が更に軽くなるようなので、実際そうなりそうですしね。

DVD感想が該当シーンまで進んだので、ちょっと思い付きで短いお話。


「ヨン・ホゲもお前に惚れている」
キハはその言葉を奇怪な気持ちで受け止めた。
彼が自分を見つめる視線に、愛はおろか、恋すら感じたことはない。一夜限りでも愛された身だから分かる。彼の視線はキハの身体を通り過ぎて、何処か遠い所を見ている。
それが分からないプルキルは、きっと人を愛したことも、愛されたこともないのだろう。
そう気付いた時、キハは長年彼女を苦しめた悪しき魔術師を、初めて哀れに思った。


実際のところ麻生は、プルキルはカジン様を好きだったのではと思いますが、本人は気付いてなさそうです。

博多座チケットが、友の会で入手難だったと言う風の噂に戦慄してます。
雪組と全ツ&オグリを見送って夏一本に絞ってるのに、これから飛行機の予約するのに、肝心のチケットが取れなかったらどうしよう……。でも私が行けるのお盆だから、きっと空いてますよね?

【第3場 青龍・白虎】
神器の護り主を探して、タムドクは青龍の神器を求め西百済へ、ホゲは白虎の神器を求めマッカツを征伐する事にする……

まずはタムドクチーム。「(神器が)何処にあるか分かるのか?」と質問され、「いやいやいや」と笑顔のまま高速で首振るチュムチが可愛いですね。
タムドク達は西百済へ行く事にしたのが大正解でしたよね。ホゲも西百済行きを主張したのに、軍隊を運用する都合上、マッカツに変更したのが大失敗。
合流したコ将軍は、素敵な髭付き美男子なのに、一応同格の「将軍」に就任したばかりの若造=ホゲ様に実権を完全に奪われてしまうと言うのが、ちょっと情けなくて、どの程度力量があるのか判断に悩むところです。格下の筈のチョクファンから、一幕16場でタメ口を使われていましたしね。ちなみに、ホゲは2場で将軍に任命されるまで、高句麗軍には所属してなかったんですよね?(一幕4場で「ヨン・ホゲ様」と呼び掛けていた事から推測。軍人同士&格下なら階級付けて呼ぶと思うし、もし格下の軍人を貴族だからと様付けで呼んでいたなら、コ将軍の品格に疑問符を付けねばならない)。
星組版は彩海早矢がコ将軍だそうで、比重がもう少し重くなっていい役になるのかもと期待してますが、柚希@タムドクと揃うと相当暑苦しい師匠と弟子になりそうですね。
一方のホゲチーム編成、ホゲが自嘲する「私はチュシンの王ではないらしい」の台詞と、これに続くヨン・ガリョの「何を言う」が大変好きです。
カリョはこの時、息子が道を踏み外して、しかもそれを良しとしている事に初めて気付いて、己のしてきた間違いを知り衝撃を受けたのではないかと感じてます。本当は野心の薄い気の小さい性質なカリョ説、三度目の力説です。

【第4場A 関彌城へ(出立準備)】
タムドクは、スジニたちと共に関彌城のある西百済へ向かう……

SLGで言うと、装備と仲間を整える編成シーン。
フッケ将軍@悠真倫は、しっかりセドルの父親に見えますね。しかも、年老いてから出来た一粒種だったんだろう、なんて思ってしまう良い老け具合。真飛聖同期の81期生で、よく化けてます。でも訛りがセドルとは違う気がしますね。
タルビの鬘は、こういう作りだったかな、と少し違和感を感じます。髪飾りは日替わりだったそうなので、観た時と違うだけかな?
西百済への行軍の演出(照明が落とされた中、交互二列に並んだ一行が客席に背を向け、回転する盆の上を舞台奥へ歩いていく)が地味に好きです。

【第4場B 関彌城】
青龍の護り主である関彌城の城主チョロと見えたタムドクは、心臓から神器を取り出し彼の命を救う。チョロは神器をタムドクに差し出し、王に仕えることを誓う……

関彌城、チョロの槍さばきにハラハラ。大空&真野だけの問題なのか、月組出身だと殺陣経験が少ないのか、とにかく緊張の一場。東京はもう少し手慣れてましたよね。
対するタムドクチームは、コ将軍がダンス巧いですね。チュムチは独りだけ青龍刀なので、混戦の中でも目立ちます。
チョロの顔が永続天使性無機結晶症(笑)なことなどは、作中に説明が皆無のため、展開が分かり難いです。とは言えさすがにDVDだと、仮面と鱗の見分けがつかないような見た目の分かり難さはありませんでした。
刀身で顔を見せるのは、いかにもファンタジー物っぽくて良いです。でもどういう仕掛けなのか謎だ。カグン将軍がチョロを抱き起こす時に、糸を引っ張るかなにかで鱗が外れるようになるんでしょうか。
それにしてもこれ、ホゲ様が当初の予定通り西百済に来ていたらどうなっていたか、と考えると楽しいです。
チョロの心臓に神器がある事さえ分かれば、青龍の神器は手に入る。でも護り主を殺さずに神器を取り出せるのはタムドクだけだから、チョロは死んでしまう。
ここで疑問なのは、護り主は、そもそもどうやって判定するのか?と言う事。タムドクチームでは神器が発見される度に、ヒョンゴ村長がすかさず飛んで来て神器判定してますけど、あれも、神器が光らなかったら判定出来るのか疑問なのです。護り主に何か徴だとか特別な力が備わるのでなければ、チョクファンを「青龍の護り主でした」と仕立て上げて終わりかな。イルスは白虎でお願いします。

DISK2に進み、二幕の開幕です。

【第1場 コムル村〜阿佛蘭寺〜ヨン・ガリョ邸】
タムドクは、コムルの民に真の王として迎えられる。タムドク、キハ、ホゲは互いの心が読めず彷徨っていた……

語り部としては久し振り、且つ最後の登場となるヒョンゴから二幕も開始。同世代の登場人物に語り部の役目を当てるのは、難しいですね。振り返って締める事が出来ないので、開始の語りは出来ても、投げっぱなしで終わってしまう。ルキーニ@エリザベートが、登場人物と語り部を兼ねる役として至上の使い方だと思っていますが、あれは死者の視点だから出来た事なんでしょうね。
このシーンの幕の絵柄は、公演中、この一場でしか使われない貴重な玄武の紋の筈ですが、DVDではなんと映ってないと言う不憫さ。玄武って、どんな作品でも大体扱いが微妙ですよね……。
コムルの民は、スジニ以外全員男設定のようですが、本来は娘役だと思われる子たちがチラホラ混ざってますね。花組の娘役は可愛い子が揃ってるんだなぁ。
三重奏は、キハパートだけ酷い字余りで早口言葉化していて、何度も聞いても笑いが零れてしまうのですが、その彩音の歌が一番上達してるような気がして吃驚しました。ここは、楊淑美先生の歌唱指導が入ってるのかなと勝手に想像。
タムドクは、相変わらずすみれコード抵触発言が目立ちます。艶やかな肌や潤んだ瞳は、キハの人間性とは関係ないと思うんですよ。

【第2場 天地神堂】
天地神道ではヤン王殺害の裁判が行われていた。ヨン・ガリョ等は、タムドクが部族長の息子達を殺し、王位簒奪のためヤン王も殺したと言い立てる。タムドクは、心臓に剣を刺して無実を問うカウリ剣の儀式を受けることになる。キハにチュモシン剣で刺されたタムドクは、息を吹き返し無実を証明する。
大神官は、タムドクを仮の王、ホゲを将軍とし、残る神器の護り主が認めた者をチュシンの王とする事を宣告する……

舞台上の人口密度が高いシーンって、生だと楽しくて良いのですけれど、映像だと観たいところが映っていなくてストレスが溜まりますね。
此処では群衆もある程度フォローせねばならないし、メインはタムドクとキハだしと言うことで、ホゲ様はあんまり映ってません。仕方ないので、位置をちょっとずつ変えるイルスを必死に探してチェック。
カウリ剣の儀式の瞬間、お気に入りの娘を抱いてニコニコ顔だった頃からは想像も付かないような、悪い顔してますね。タムドクがカウリ剣の儀式を承諾し、刺し殺される瞬間に笑ってる! 一方、タムドクの蘇りは覗き込んで確認し、かなり衝撃を受けてますね。ホゲをチュシンの王だと信じてるだろうイルスは、この結果をどう思ったか、大変興味深い命題です。
タムドクが近衛隊に命じて王を殺害した、と言うチョジュドの証言は、近衛隊が護るべきはヤン王の方なのに、と無理を感じるのですけれど、巫女が王を殺したと近衛隊側が証言してる以上、当人達を犯人扱いせざるを得ないんですね。誰もその辺を突っ込まないと言うことは、ヤン王は近衛隊から背かれてもおかしくないと認識されるくらい人望がなかったのか、とも穿ってしまいますが。
キハを連れて来たプルキルが壁にもたれて睥睨してる姿が、とんでもない色男ぶりで、一々ギョッとします。正直、雪組時代に壮を美形と言われても首を傾げてたんですが、この公演で良く理解できました。
肝心の裁判は、小池先生らしく会話が成り立ってないので、星組版では改善してあげて欲しいですね。最低でも、タムドクから何故ヤン王を殺したのかと問われたキハが、王は自害したと答えるのは絶対改稿が必要。「何なりとお答えします」以降を変えて、ホゲが割って入ってカウリ剣の儀式に持ち込ませるのが適当でしょうか。
あと残された謎として、カウリ剣の儀式で予定通りホゲが刺していたら、タムドクは復活しなかったんでしょうか? チュモシン剣で刺しても真の王は死なない、と言う言い伝えが本当なら、キハが刺す必要はなかったと思うのです。もしかすると、タムドクとキハを引き裂こうと考えてるヤン王の亡霊だから、嘘を言ったのだったりして。