• タグ 『 展覧会 』 の記事

190320.jpg

汐留ミュージアムの「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/16/160116/
※上記入場券のイラストは、マーガレット・ミーンによるもの。

ボタニカルアート(植物画)の歴史展、と言うべき内容。
私は模写対象として植物が一番好きなので、楽しく閲覧しました。
全体的に水彩画が多かったですが、一本一本の筆の細さや強い立体感表現に驚かされます。特に18世紀代の、ゲオルク・ディオニシウス・エーレットやピエール=ジョセフ・ルドゥーテが印象に残りました。
基本的には植物だけを描いた作品が多い中、ピーター・ヘンダーソン等は、景色の中に浮き上がる植物という形で、奇妙に不安感を煽る絵だなと思いました。

ボタニカルアートに関連する重大な人物についても紹介されているのですが、その中の一角に笑えるものが。
ジョセフ・バンクス卿の肖像(ニッコロ・シャボネッティ)と、芋虫から生まれたばかりの蝶の顔がバンクス卿という風刺画(ジェームズ・ギルロイ)が並べてありました。肖像画の風格ある顔が、隣では憎々しい表情に変わって半分蛹の蝶にくっ付いているという展示の仕方は、イギリス流の洒落でしょうか。

後半は、ウィリアム・ド・モーガンなど、デザインとしての植物の扱われかたに移っていきます。
「カーペットのためのデザイン」と銘打たれたチャールズ・フランシス・アンズリー・ヴォイジーの作品は、恐らく織るための図案ということでしょうが、絵としては完全に「大きなドット絵」状態だったのが面白かったです。

141109.jpg

汐留ミュージアムの「ジョルジョ・デ・キリコ展 変遷と回帰」
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/141025/

習作も多いですが、1人の人物の展示にしては点数が多くて見応えがありました。
とはいえ、人物や馬等を写実的に描いている作品がある一方で、デ・キリコ独自の「形而上絵画」も並んでいる図に、同じ人物の作品と思えず、正直困惑しました。
ピカソに対しても思うことですが、どうしてこういうシュルレアリスムに行き着いてしまうのか、凡人たる私には理解できません。それが芸術だと言われればそうなのか、と思う反面、精神の病ではないかとも思ったり……。

美術館が用意されていた「ジュニア向け鑑賞ガイド」が秀逸だと思いました。デ・キリコがどういう作品を作った芸術家なのかという情報や、奇妙な作品に対する謎掛けがされています。小学校3・4年生向けの手引きとなっていますが、大人でも面白く、参考になりました。

Bunkamuraザ・ミュージアムの「進化するだまし絵 Into the Future」展覧会を観てきました。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_deception/index.html

だまし絵(トリックアート)が好きで、名古屋でもわざわざ渡辺健一トリックアート美術館に行ったことがあります。

この展覧会では、本物と見紛うような絵だとか、逆に本物をシュールレアリズム化したような作品も展示されていて、「だまし絵」の定義が、私が考えていたよりずっと広いと知りました。
現代美術の多くや映像作品は、正直ちょっと理解できなかったかな……。
もちろん、角度によって違うものが見えるとか、一見すると違うものに見えるとか、そういった分かりやすい古典的なだまし絵も多数あり、楽しめました。

現代作品で面白かったのは、2点。
一つは、ケリー・ライガンの「トカゲ」。ある一定の角度で光を当てた時だけ、影がトカゲの姿になるオブジェ。どうしてそういう計算ができるのでしょうね。同じ作りの「蚊」は、観るだけで痒くなってくるリアルな造形でした。
もう一つは、ダニエル・ローズィンの「木の鏡」。仕掛けは凄く単純でコンピューター仕掛けという時点で狡いのですが、あの単純な木片が、非常に細やかに人を映すので感心しました。