• 2008年登録記事

犬の眼が見えなくなった、らしいです。
らしいと言うのは、本人がそう宣言してくれる訳ではありませんから、医師の見立てです。
散歩中に真っ直ぐ電柱に向かって行って正面衝突したのを皮切りに、あっちへゴチン、こっちでゴチン、とぶつかることが多くて、冷や冷やさせられます。
実は、最近眼がクリッとして可愛くなったと思っていたのですが、視力が落ちた分、瞳孔を開いて補っているのかも知れません。知らぬとは言え不謹慎な愛で方だったと反省しました。


 刹は不愉快を隠さず表したが、彼は解さず少年の大きな瞳を覗き込み、仕舞いにこう言った。
「片方しか使わないから、眼が大きくなったんですね」
 人の子の成長に感嘆し頷く彼の後ろで、猫眼の青年が弾けるように笑った。


と言いつつこんなネタを書く辺り、真摯じゃありませんね、私は……。

ちなみに、ルクティ先生は天然ではなく、不思議ちゃんだと思います。

不二家の定番商品カントリーマアム。
スーパーマーケット・コンビニで取り扱っているクッキー類の中で、私が一番大好きなお菓子です。たぶん毎日食べても飽きないだろうと思ってます。
期限切れ原料騒動の際はしばらく店頭から消えて悲しい思いをしましたが、普通に買い求めることが出来る状況に戻って本当に嬉しいです。

さて、この商品、最近はパッケージで「レンジで温めてから食べると美味しい」と案内されていることが以前から気になっていました。ただ、これまでは機会がなく、普通に開封したらそのまま食べていました。
と言う話をしたところ、じゃあ試してみればと1枚頂いたので、大事に持ち帰りレンジに投入。
5枚で20秒目安のところを、1枚なので4秒。
取り出したカントリーマアムは……変わりない?
指先で触っても温かそうに感じないので念のため2秒追加し、結局6秒間温めたカントリーマアムを、思い切ってパクリ。
温かさはやはり仄かなもので、少し中のチョコ部分が軽く溶けかけている程度なのですが、甘い! とにかく甘い!甘さが25%(あくまで感覚)ほど増しているようでした。

ネットで観ると、「温め派」が結構多いようなのですが、今回実際に試して判定したところ、私はどちらかと言えば「温めない派」になるようです。
甘さは控えめで良いかなーというのと、あのチョコチップのごろごろ感が美味しいと思っている、の2点が主な要因。これが例えばフォンダンショコラならば、とろりと溶けているのが好きなので、温め派になるのですが。
温め派、温めない派、どちらの味覚が大多数なのか、統計を取っているサイトなどがあればちょっと見てみたいですね。

情報筋で囁かれていた通り、来年正月の花組公演「太王四神記」制作発表会がありました。

原作ドラマを見ていないため各役の比重などが理解できていないのですが、Wヒロインの一方を男役が演じるのでは、と言う噂を聞いてしまったため、今日は一日、仕事の合間に念を掛けていました。
勿論、大空祐飛が女装(笑)することがないように、です。
女役しても似合う方だと思いますけど、身長と肩幅が勿体ないとか、あと何年あるか分からない男役人生が惜しいとか、花組初見の友人を連れて行こうと思っているのでとか、まぁ複雑なファン心理ゆえです。
愛音羽麗の女装もマンネリ感があるので避けて頂きたいなぁと、こちらもついでに軽く念じつつ、帰宅したわけですが……

http://www.sanspo.com/geino/news/081029/gne0810291515000-n1.htm
取り敢えず念は通じました!
個人的に、ホゲ役って、何回見ても「ボケ役」と読んでしまうのが難点ですが、慣れようと思います。

難産と言うより、余りに一言一言に拘り過ぎて書き上がる目処が立たないリオン本ですが、多分3年後くらいにひっそり仕上げて、10冊くらい製本するんじゃないでしょうか。

以下、まだまだ手入れ部分ですがD2シーンより抜粋。


 白磁の面は、夢に描いた母の微笑を湛えているようにも見えたが、眼差しがそれを裏切った。
「儚く、哀れな魂よ、おまえに機会を与えよう」
 少なくとも、それは対等な人間を見る眼でない。
「今度こそおまえの望む未来を、英雄としての名誉、そして愛する者を掴み取るが良い」
 女の言葉は甘く、蜜を持っていたが、彼が望んだのは別の、もっと単純なことである。
 ゆえに彼にとって、神の眼を巡る戦いの結末はさほど重要でない。野望に憑かれた男は最早この世にない。姉は、彼が決して選べなかった父と戦う道を選び、そして勝利した。ただ、それだけのことである。それもすべては半ば予想していたことだ。
 答えは簡潔だった。
「断る。僕は、もう誰に操られるのもご免だ」
 拒絶に対し返されたのは、緩やかな瞬きである。能面は変わらず微動だにしない。だが、それまで偶然拾い上げた路傍の石を眺めていただけの視線が、初めて彼を見た。瞳は昇る太陽を映した湖面の如き琥珀の光彩を放ったが、心の臓には冷たい手となって触れた。
 女は片腕を挙げ、闇の一点を指差した。すると一隅が四角く切り取られ、そこから光が差し込んだ。眼の奥に痛みを感じるほど目映い陽の光が。
「ならば見て来るが良い。世界を」
 指し示された先の他に、道はない。彼は一瞬躊躇し、しかし決意して闇より世界へ踏み出した。視界が真白く塗りつぶされ、意識もまた白んでいく。
 最後に、確信に満ちた女の声が耳に残響した。
「おまえは必ず、神に救いを求める」


実は私、エルレインが大好きなのではないかと自問するくらい、彼女のセリフはスラスラ書けます。
でもリオン本ではここしか出番がないのですが。

宝塚花組東京特別公演「銀ちゃんの恋」15:00回。
映画「蒲田行進曲」を元とした、全編スミレコード警報が鳴っていそうな、およそ宝塚らしからぬ演目。しかし、出演者が体当たりで演じ、それに応える客席の拍手も熱く、やはり観て良かったなぁと思います。
正直、演出が特別良いとは思えないので、原作の威力でしょうか。ただ、ラストのオチはちょっと放り投げられた感がありました。

とにかく「オレが主役だ」の倉岡銀四郎@大空祐飛は、ろくでなし。破天荒とか自己中心とか、でも寂しがりとか、そんな説明で収まる男じゃありません。「ギン」という名前の男は、みんなどこか歪むんでしょうか?
柄々のド派手衣装に身を包みカメラ目線でキメキメ。自虐ネタ中心に笑い所も多く、「顔で踊る」には大いにウケました。あと、倉岡銀四郎としての役作りなのか、本人の素なのか、殺陣の棒立ちっぷりにも苦笑い。月→花組の経歴では、日本物は慣れてないのかな。
土方扮装は、ビジュアルを堪能できて非常に嬉しかったです。どんな奇抜な格好で笑われても格好良いと言わせるのは、これも一つのスターの才能。
知り合うことを全力で遠慮したい男なのですが、「上がってこい! ヤス!」で、犬のように付いて行ってしまうヤスの気持ちが分かりました。

主役と別に、物語の主人公はヤス@華形ひかると言える比重で、半年前「舞姫」にて死に演技に泣かされた華形ひかるに、今回も泣かされました。
十四場、銀ちゃんに真正面から抱き締められた瞬間、オペラグラスで覗き込んだヤスは硬直し、やがて浮いた手をどうしたら良いものか震わせて、やっとの思いで銀ちゃんを押し退けていました。
小夏@野々すみ花は、あいかわらず抜群の演技力でした。今度は本当の妊娠で、出産まであり。こんな若い子がこんな演技できてしまって良いんでしょうか。
個人的には、橘@真野すがたが驚く程ぴったりのキャスティング。竜馬の扮装がとてもよく似合っていて、格好よかったです。ただ、スーツだとちょっと印象が平凡。和物衣装が似合うのが良かったのかな。記念撮影シーンはアドリブですか? 子分達と一斉に背を向けてアホポーズを取るところが面白かったです。橘って、実はアホキャラですよね。
女秘書はなかなか目立つ儲け役。監督はパンフレット写真を見たら、顎割れメイクで気合いが入っていますね。
銀ちゃんの子分役者の一人だった日向燦は、こういう演目なので、もっと中心を喰うくらい弾けた演技をするかと思いましたが、自分の役の大きさをちゃんと保った役作りで、立派でした。
初演と同じヤスの母は、これまたリアルな演技。ところで方言指導って、やはり先生がついているのでしょうけれど、大変そうですよね。

元々ミュージカルではないので、歌はちょっと付け足し感があります。作中にダンスは殆どなし。
でもミュージカルとしては成り立っていなくても、芝居として充分面白いから、これで良いのだ!と思います。
怒鳴る演技が多いためか、声涸れが何人か気になりました。楽まであと少しなので、頑張って!

では、いつも通り最後に苦言です。
セットの移動に音を立て過ぎだと思います。青年館の床の問題などもあるのかも知れませんが、観劇中から気になりました。
あと、暗転も多用し過ぎでは。同じ場面転換方法ばかりなので、回想シーンに入ったとか、時間が過ぎたなどの情報が伝わり難かったように思います。
石田先生、演技指導以外もよろしくお願いします。