• 2009年登録記事

DVD感想の前ですが、本日の花組集合日で、退団者が下記の通り発表されました。

日向 燦
紫陽レネ
聖花まい
嶺乃一真
2009年11月22日(花組東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団

全員、「銀ちゃんの恋」出演メンバーではありませんか! 何より「太王四神記」のイルス役でときめいた日向燦の名前があることに号泣です。
専科に異動して末永く脇を支えてくれる未来を疑いもしなかったと言うのに、なんてことでしょう。どうせならヤスを、パーチェスターを演らせてあげたかったです。

前回は12場の話に終始したのにかなり長くなったので、2幕も二回に分ける事にしました。

【13場〜17場】
銀ちゃんの為に階段落ちを引き受けたヤスだったが、孤独を恐れる銀ちゃんはヤスが死ぬ可能性に怯えていた。
どう接して良いか分からずヤスを殴る事もなくなった銀ちゃんと気持ちが擦れ違い、鬱屈したヤスは小夏にも暴力を振るってしまう――

結婚式は、曲が差し変わってるのですが、舞台で掛かっていた曲を忘れてしまったので、そこまで違和感は感じませんでした。
小説版によると、銀ちゃんは結婚式に間に合わなかったらしいので、当然これはヤスの悪夢と言う事になりますが、ヤスの母の眼が死んでいて、ギョッとします。

ヤスと銀ちゃんの関係って、不思議です。何度も見れば分かるかと思っていたのですが、見る程わからなくなりました。
殴り、殴られることを、ヤスは「遠慮のない特別な関係」だと信じていたのかな……。

出逢いシーンの銀ちゃんが、しっかり若く見えるのが役者ですね。
「舞台ってのはよ、多少台詞素っ飛ばしても居眠りしちまってもストーリーがわかるくらいで丁度いいのよ。娯楽なんだからよ」と言う台詞には、ある程度複雑・難解な芝居が面白いと思って見ている人間には少し耳が痛い気がしつつ、真理だなぁと思います。
予習なし一回の観劇でも楽しく見れないと意味がないですものね。
小説書きにそのまま適用するわけにはいかないですけれど、サッと読んで面白い作品にするスキルも大事ですよね。

ヤスの小夏に対する罵声と暴力は、映像で見ても本当に辛いです。
舞台では小夏@野々がヤスを愛してるから一層悲しく感じます。責められた小夏が本当に愕然とした顔で、ヤスを見上げるのが可哀想で。本来の小夏はかなり性格がキツいけれど、宝塚娘役の演じる役としてちゃんと成立させているんですよね。

フィッツジェラルド著、村上春樹訳「グレート・ギャツビー」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
東部へ引っ越したニックは、友人夫妻のトムとデイジーと再会する。だがトムは、ウィルソン夫人マートルと愛人関係にあった。
ある日、ニックは豪邸に住む隣人ギャッツビーのパーティに招かれる。連夜盛大なパーティを開くギャッツビーは、客たちからその素性を悪意を含めて噂されていた。
実はギャッツビーは貧しい出身を隠して成り上がり、出征中に結婚してしまった初恋のデイジーと偶然再会できることを期待してパーティを開いていたのだった。
ニックの紹介でデイジーと再会するギャッツビー。二人は愛を蘇らせるが、やはてそれはトムの知るところとなる。
動揺したデイジーは、ギャッツビーの車を運転している内に、飛び出したマートルを轢き殺してしまう。怒るウィルソンは、車の持ち主を突き止め、ギャッツビーを射殺する。
ニックはギャッツビーの葬儀を行うが、生前彼が饗したパーティに押し掛けていた客たち、仕事相手たち、そしてデイジーも現れる事はなかった。

村上春樹翻訳で読む事が出来ました。
ちなみに、最近は原著通り「グレートギャッツビー」と訳されてますが、邦題「華麗なるギャツビー」の方が、作品には合ってる気がします。
「長編」にしては、あまり長さを感じず、むしろアッサリと読み終わった印象でした。
3章になるまでギャッツビーが登場しないので、最初は散漫な印象を受けました。しかし最後の破局に向かってバラバラのピースを一つに繋ぎ合わせる構成力は素晴らしい組み立てでした。
具体的には、マートルはギャッツビーの車を“トムが運転してる”と思い違ったから道に飛び出したのだと理解した瞬間、なるほど、と膝を打って感心しました。
有名作品ですので筋は知っていましたが、読むと単純なあらすじ通りの筋だけではなくて、人間心理等が行間から読み取れる不思議な味わいの作品だなと思います。
ただ、やはり「面白い」か?と言われると、ちょっと悩んでしまいますね。
外国製純文学は、英文で読んだ時に感じる美文がそのまま日本語になるわけでないので、ある程度展開が面白い等の要素がないと、楽しく読む事は難しいのでないかなぁと思いました。

19日の「フレッシュプリキュア!」を観ました。
新シリーズは既に半年放送してるようですが、初視聴です。前作までに比べると随分頭身が上がって、大人っぽくなりましたね。個人的には、なぜかウェディングピーチを思い出したりもしました。
ちなみに、新仲間キュアパッションの衣装が他の三人と少し毛色が違うので、今後新衣装が登場するのではないかなぁと想像してます。OPも変わっていないようですしね。
さて、そのパッション嬢は、敵から味方に転じた模様。今回観た話では敵側のメンバーが彼女を連れ戻そうとするので、これは魔法少女モノでは珍しい展開では? 裏切って正義側に付いた元悪役は、大体あっという間に敵から目の敵にされ攻撃を受ける印象だったので、新鮮でした。
と言っても、私が転向キャラで思い出すのはデューイ@りりかSOSくらいなので、一般論として語るには母数が少な過ぎますね。
なんにせよ、敵にも敵のコミュニティの中での交流がある筈ですから、場合によっては裏切られても戻ってくるように呼び掛けるのは当然だよなぁ、と思い、そしてシンフォニアのクルシスメンバーの関係に想いを馳せるのでした。

つかこうへい著「蒲田行進曲」「銀ちゃんが、ゆく」

DVD感想の途中ですが、小説版を読みました。

芝居「蒲田行進曲」をつかこうへい自身が小説化したもの。第86回直木賞受賞作品。
表題作「蒲田行進曲」は、ヤス視点による小夏を引き取るまでを描いた「ヤスのはなし」と、小夏視点による階段落ちまでの「小夏のはなし」の二部構成。それに完結編として、更に階段落ちから5年後を描いた「銀ちゃんが、ゆく」を含めて読了。

まず、展開の違いで一番驚いたのは、最序盤、即ち「銀ちゃんの恋」で言えば1場Dの時点で、もうヤスは階段落ちをすると言い出している事でした。
それが、銀ちゃんの名指しと言う点も吃驚。しかも名指しされたヤスが「胸がキューンとした」と書かれているあたり、気持ち悪過ぎます(笑)。
舞台では割愛されている部分に、ほう、と思う事も多々ありました。「新撰組」が銀ちゃん初主演作だとか、舞台の「専務」は副社長と、同じく「朋子」はめぐみと合体してるなとか。それに、ジミーは大部屋の仲間じゃないんですね。沖田総司役と言えば主役級の役者ですから、当然ですよね。
しかし、何と言って良いものか、「蒲田行進曲」2編を読み終えた時点では呆然とした、としか言い様がありません。
これ程しんどい物語だったのか。あまり良い言い方ではないけれど思ったまま言ってしまえばゲスな物語だったのか。と、驚きました。
舞台「銀ちゃんの恋」で華形が作り上げたヤスは、終始一貫して銀ちゃんを愛していたけれど、小説のヤスは違う気がしました。愛が捩じれて憎悪に移行している。そして、銀ちゃんそのものに成り代わるかのように振る舞う。
小夏に対する暴力や、周囲へ吐き散らす悪意など、ヤスがどんどん人間的に嫌になって、しかも階段落ちが行われたと言う時点で終了してしまうので、正直座りは良くありませんでした。

ところが、この調子で続くのだろうかと滅入りながら読み始めた「銀ちゃんが、ゆく」は、これが驚くほど面白く、一気読みしてしまいました。
初めて銀ちゃんの魅力が分かった気がしました。
私は、「悪意のある行動を取る為に登場する」人物が苦手なので、銀ちゃんの父親と言うキャラクターには大変嫌気が差しましたが、その他は大変楽しく、時折クスリと笑わされ、銀ちゃんが死ぬまでと言うお話なのに読了感も良く、なかなかお奨めの作品と相成りました。
作中で撮影している映画「新撰組魔性剣」は、沖田が女性で、土方に惚れていて、竜馬も近藤も、最終的には土方も斬ってしまうと言うトンでもなく荒唐無稽な作品ですが、見てみたいなぁと思う力に溢れていました。銀ちゃんや、作中の人物が入れ込んでる「キネマ」って、こういうものなんだろうなぁと感じます。

ちなみに「銀ちゃんがゆく」で、一番株を上げたのは橘でした。冒頭の葬式での行動に、泣きたいような笑いたいような、不思議な愛を感じました。
大株主の息子と言う設定が良いですね。「銀ちゃんの恋」の真野すがたが橘でぐんと一皮剥けたのは、どこか地に足が着いてない、泥臭さがないと言う部分で役が合っていた為かもと思いました。
また、語り部を担ったマコトが銀ちゃんのことを本当に好きなので、読んでいてほっこりしました。

そんな次第ですので、お読みの際は「蒲田行進曲」のみでなく、完結編「銀ちゃんがゆく」も併せて読まれる事をオススメ致します!
もっとも、どちらも入手難な本ですが……。

名古屋に行っていました。
名物は、ひつまぶし@やっ古の他に、味噌かつ@矢場とん、それと、あんかけスパも食べました。
味噌かつは、結構好みかも〜と思いました。ただ、沢山食べると大変な事になりそうなのと、もし丼で注文した場合は御飯にも味噌が付いてしまうので、ちょっと重そうだなぁとは思います。
ひつまぶしは、関東で食べる鰻と違って表面が比較的カリッとしていて香ばしく、驚きました。薬味だとか、つゆをかけて食べると言うのは初めての経験で、これはこれで美味しいですね。
名古屋名物で最も好き嫌いが分かれると聞いていたあんかけスパは、まぁ味はそんなに悪くなかったのですが、パスタが凄く柔らかくて、それが個人的には厳しかったです。

でも思い返して一番美味しかった食べ物は、李さんの台湾名物屋台だったような……
店長氏がマスコットキャラとそっくりで、思わずニヤっとしてしまいました。