• 2009年11月14日登録記事

宝塚宙組(宝塚大劇場)公演「カサブランカ」11時回観劇。

13日夜、仕事帰りに新幹線に飛び乗って、14日は観劇とオフ会とで二重に楽しんできました。
長くなるので、まずは観劇の感想から初めて、別記事でオフ会の感想を述べたいと思います。

と言うわけで、遂に行ってきました、本拠地・大劇場。
13日に初日の幕が開いて、まだ2回目。事前に舞台写真や評判等を聞いていない状態で本公演を観るのは、ファンになってから初めての経験で、そこからワクワクしました。
梅田に前泊(25時頃就寝)して、起きたのが、5時18分だったんだぜ。

肝心の芝居は、丁寧に映画の雰囲気を踏襲している作りでした。
原作映画のファンなので、「こうくるか」と思いながら観て、映画ファンが感心する作りになってると思いました。が、これは初見は映画未見の方が楽しめるかもしれません。

演出

スーツ物なので、パッと見の宝塚らしい派手さはあまり感じませんでしたが、多国籍人がひしめく様を、色々な国籍の衣装で。
また、専用劇場の機構をフルに使い、場面を見事に転換することでスケールを出していたと思います。盆回しの技術は本当に凄い。
芝居の大部分を占める「リックのカフェ(入口・カフェ・カジノ)」は、盆を回して2面で3舞台作りあげていました。予想通りですけれど、裏方が大忙しですね。
二階にあるリックの部屋(オーナールーム)は、銀橋や盆の上で代用したり、ラブシーンはカフェ内に場所を変更する等して、セットを組まずにやり繰りしていました。
また、「歌劇」の座談会で、「カンカン」があると事前に知っていましたが、カンカンで人の壁を作ってリックとイルザを下がらせ、場面と時間転換に使うのは、巧い構成だなぁと思いました。
群集芝居の迫力は凄いです。目が幾つも必要!
映像を使うことも確信していましたが、投影してる壁が少し凹凸があって、その効果でまるで絵画の中のように視えました。「太王四神記ver.II」での鮮やかな映像とは違う、また別の映像使いですね。
投影した飛行機の扉部分が、ちょうど扉になっていて出入り出来る仕掛けも、おお!と唸りました。
でも一番私が感心したのは、1幕のラストにリックが銀橋で歌う間に本舞台で2回行われるストップモーション。大人数がビシっと動きを止めていて、ミュージカル映画みたいで興奮しました。

小道具関係は、パリのシーン等で本当に水が入っていたように視えましたが、これは東京で確認で。
煙草も、本物でしたよね? ドラマシティなど一部劇場は火器OKですが、大劇場で火を使ってるのは初めて見ました。

フィナーレは、太王四神記が良過ぎて期待値を上げ過ぎていたかもしれません。
芝居部分ですっかり魂が抜けていたので、細部まで覚えてないと言うか……。
ラインダンスの衣装は可愛かったように思います。
蘭寿とむ中心の男役ダンスが二回有り、1本物にしては尺長め。
デュエットダンスに、小池先生の1本物では珍しくリフトがあり、綺麗に回転出来ていたので安心しました。博多の時は危なっかしく感じたのに、大空氏はまた一つ階段を昇ったんですね。

宙組はさすがにコーラスが良く、勢いを感じました。
ただ、一番の盛り上がりところと目していた「国歌合戦」は、コーラスが逆に巧く纏まり過ぎていたので、もっとぶつかり合いのような迫力を出して欲しいですね。
リック@大空祐飛の歌は、キーが全然合ってないソロがあり、「太田先生、頼みますよ……」と言う気持ちに。祐飛の歌唱力は褒められた物じゃないのですから、技術をカバー出来るキャッチーな曲にしてあげて欲しいです。
太田先生はクラシック畑だから、難しいのかな。壮大な作りだけど、メロディが頭に残らない事が多いと思います。
「As Time Goes By」がなかったら……どうなっていたんでしょう。
すみ花にソロがなくて驚きましたが、良く考えたらキハもソロ曲は持ってなかったですね。男役重視の小池先生指示でしょうか。
尚、オーケストラ指揮は佐々田愛一郎先生で、今まで映像でしか観た事のない指揮者の登場にワクワクしました。
オケ自体も、東京より巧かったような気がします。トランペットのパートが少なかったから?

ストーリー

前述の通り映画踏襲ですが、幕開きにリックがカサブランカにやってきた1年前の出来事を追加。それと、事前情報通りパリの回想を大きく膨らませていました。
この、パリの回想が実に私好みのシーンでした。
特に「パンドラの匣」のナンバーで通えます!(画像 byデイリー撮って出し
基本的に、気障な台詞も原作通り。訳者親族から使用許可を頂いた名訳「君の瞳に乾杯」は、3回(前振りありで)出て来るのですが、余りの気障さに2回目はちょっと笑いが起きかけていて、今後が心配になりました。
一幕の方が、華やかなシーンがあり、大ナンバーが続く群衆劇で見所が多いかも。
ただし、お話が進む(&通し役に見せ場がある)のは全部二幕ですね。日が経って練り込まれる程、二幕の面白さが上がって行きそうです。

……長くなり過ぎました。キャスト感想は次の記事に回します。