• 2010年登録記事

今野緒雪著「マリア様がみてる」シリーズの続き。

「大きな扉 小さな鍵」(生徒会役員選挙直後)から「キラキラまわる」(三年生を送る会翌日・遊園地)まで。

  • 大きな扉 小さな鍵
  • クリスクロス
  • あなたを探しに
  • フレームオブマインド
  • 薔薇の花かんむり
  • キラキラまわる

このシリーズは一冊ずつに巻数が付いていないため、一々順番を確かめつつ読み進めねばならず、いつまで続くのだろう……と途中で少し滅入り気味。
Wikipediaによると、あと3冊で「ハローグッバイ」に辿り着けるようなので、頑張ります。

ようやく、2004年の「特別でないただの一日」から引き延ばされていた祐巳の妹問題が解決。
瞳子の抱えていた問題は、これまでと違って実際に重いと思えたので、割と共感できて、中庭で蹲る瞳子のもとに乃梨子が帰って来るシーンは、ちょっとうるっと来ました。初期は絶対巧くいかない二人だと思っていたけれど、これで彼女が救われるなら、祐巳の妹になれて良かったんじゃないかなぁ。
祐巳はすっかり聖女扱いですが、本当に「どっしり」してきたように思えるので、以前ほど不快感は感じませんでした。落ち着きが見られるようになったことには、祐巳以外の視点で進むことが増えて、周りから持ち上げられている祐巳と、祐巳内面とのギャップを感じる機会が減ったためではないかなと思います。
志摩子さんに今更養女設定が付け加えられた事には、ちょっと首を傾げましたが……。
ついでに、お寺の養女で、血の繋がらない兄弟(養父母の実子)がいて、名門女子校に通ってる、と言う設定は、どこかの誰かを彷彿とさせられますね。

「フレームオブマインド」は短編集だったので、読まなくても良かったかと思ったのですが、リリアンの姉妹関係が良い点ばかりとは言わない「三つ葉のクローバー」「不器用姫」の二作があったので、ちょっと目新しくて面白かったです。
キャラでは、「クリスクロス」で瞳子語翻訳人間と化していた可南子が面白かったです。それで同時に気付きましたが、瞳子って凄い典型的なツンデレキャラなんですね。
逆に、有栖川君にはちょっとガッカリ。肝試しと言っても、出入り監視してる他校に性別を偽って潜り込むのは犯罪じゃないかな。花寺の上下関係は厳しいと言う表現でしょうが、名門校であるからには、その辺の線引きはして欲しいなと思います。

恐らく次回でマリみて読んだメモは最終回。
もう送別会ですが、最終刊まで間があるので、3年生の話だけでなく、瞳子と同級生たちとの溝が埋まるようなエピソードも入ると期待していいでしょうか。

二周目現在地:聖堂地下(幼年期)

前回進めた期間に発生するチャット「アブラカタブラ」を見逃したことに気付いて凹みました。チャット自体は前周で見ているし、DSを持っていない時点で全チャットコンプは出来ないので、諦めましたが……。
リチャード王子のポリゴンは、本当に美少年だと改めて思いました。テイルズのポリゴンキャラは、目がアニメ調表現なこともあって、幼い子の方が合ってるんでしょうね。

二周目特典を買い込んでいる御陰で、かなり戦闘を避けているにも関わらず、さくさく進んでいます。
前周の時点でも弱かったけれど、ビアスは本当にガッカリな戦闘能力ですね。
最初のボスなのだから、もう少し苦しめてくれても良いのに、と思います。
そうでないと、アスベルが憧れる騎士ってこんな程度なの?とも思わされてしまうので。

今頃気付きましたが、なぜ友情の誓いで刻む名前が全部小文字なのでしょう。普通、名前の頭文字は大文字にしますよね。
それから、バロニアに向かう船で、ソフィが「向こうの街を見たら不安な気持ちになった」旨の発言をしているのを、伏線だったんだ、と思い出しました。
ソフィが不安になったのは、この時点で既にラムダの気配を感じていたと言うこと?
そもそもラムダがどうして聖堂の下にいたのか謎ですが、ソフィがラムダと前回戦った場所に、後から王都が出来たのかな? じゃあ前回のソフィvsラムダって、いったい何時の話だと言う事になるのですが……

あれこれ書いてますが、実は前回(11場)から1場しか進みません。

【第12場A 茨木、告白する】
綱を探す金時は、囚われの姫君たちの中に花園衛門を見つけ、彼女の救出を誓って勇気付ける。二人の姿を見た茨木は、三年前に大江山を逃げ出した時の出来事を思い出す――

すっかり鬼の世界に馴染んでる伊勢式部@鈴奈沙也が好きです。
藤の葉連れだったと言う問題があるにせよ、潜入初日に捕まった綱に比べると、数日かけて山を探索し、人質とも接触している金時の索敵能力は高いですね。

【第12場B 茨木、告白する】
茨木は、ある荘園の奴婢・萱野とこぞ丸と知り合い、三人で暮らそうと考えた。しかし萱野は盗賊に身を落とした恋人・六郎太を助け、荘園を抜け出す。茨木は嫉妬心から逃亡を密告し、二人は追っ手に殺されてしまう。こぞ丸は、茨木を鬼と罵る――

時間を確認したところ、このシーンは5分もありませんでした。原作で1話割いてるエピソードを、この尺に収めてるのは凄い荒技ですね。
六郎太が引っ立てられているシーン、一人でも役人を出してあげたら良かったのでは、と思います。死のシーンは当人たちの演技だけで充分なのですが、引っ立てられてる所はちょっと情景が分かり難いですよね。
密告後の茨木は、褒美を問われて、その瞬間こぞ丸の事を思い出したのかな。彼だけは助けようと思って、けれど当人から非難される。
その瞬間になって、茨木は初めて自分が仕出かしたことを理解したんですね。つまり、密告は衝動的な行為だった。その先にある二人の死まで彼が理解していたのかどうか……。茨木は、こぞ丸よりも子供だったのかもしれません。

【第12場C 茨木、告白する】
自分の中の鬼を知った茨木は、以来、大江山で生きて来たのだ。茨木はその過去を語ると、藤の葉が都へ帰るよう冷たく突き放す――

茨木自身が未だ答えられない「なぜあんなことをしたのか」。私は、茨木は萱野に淡い恋心があったと思います。その萱野が六郎太を選んだ事、そして藤子と巡り会えない自分と、萱野と巡り会えた六郎太。両者への怒りと嫉妬が、茨木の鬼を顕在化させたのだと。
「これが俺の真の姿だ」の三白眼っぷりが最高に格好良いです。
口付けられた藤の葉が泣きながら去るシーン、本気で泣いてるように見えて、さり気ないシーンだけれど凄い演技だなぁと改めて感心しました。

篠田節子作品を初めて手に取ってみました。

女たちのジハード

「女たちのジハード」は、保険会社に勤める5人のOLたちのそれぞれの生きる道の選択を描く長編。
女性作家が描く女性像らしく、要所で頷かされる性格付けで、共感したりムッとしながら読めました。
特に得意の英語力で自立しようとする紗織の、ちょっと性格がキツくてKYなところとか、そのくせ自分の生き方については案外認識が甘い部分は、身に詰まされる部分もありますね。
リサの結末は、割と想像通りだったけれど本人が可愛いので楽しく祝福できました。康子の結末は、冒頭の章ではまったく想像つかなかったもので、最後まで読めなかった分ハラハラしました。
全員、最後はそれぞれ進む道を定めて生きていく姿を見せてくれるので、読了感が良く楽しかったです。

天窓のある家

「天窓のある家」は短編集。
ちょっとホラーチックな話や、精神的に奇怪しな主人公がいるなど、やや後味は悪め。
「友と豆腐とベーゼンドルファー」は、主人公の最後の行動にカタルシスが得られるので不快感は残りませんでした。
「パラサイト」は、ちょっと説教的な面も感じるけれど、なるほどと唸らされます。
「密会」は、男性主人公から見た女性の3つの像、“水曜日の女”母親と、妻、部下の女性がそれぞれ個性的でアクが強く、楽しかったです。
他に6編ありますが、それらは再読したり感想を書く気がしません。

最近はハーゲンダッツ批評を書いていませんでしたが、相変わらずミニカップ系の新商品が出た時は欠かさず食べています。
毎度多大な期待をしては、「アイスクリームに固形物は入れない方が好き」との認識を改めていたドルチェシリーズも、毎回性懲りなく挑戦しています。

と言うわけで、今回は遅まきながらドルチェシリーズの春の新作「フレジェ」を食したのですが……あれ、美味しい!と言う驚きがそこに待っていました。

多少スポンジケーキが入っていますが、全体にアイス比率が高いので、層になってるアイスクリーム+ソース、的な感覚で食べられます。サーティーワンのアイスクリームケーキってこんな感じかな、と思いました。
ベリーソースが酸っぱいので、ハーゲンダッツらしい濃厚な甘さも割と控えめ。
麻生はショートケーキよりフレジェが好きだという点もありますが、これならリピートしても良いなぁと楽しく味わえました。

次は5月下旬のミニカップ新作クリームチーズラズベリーですね。
ラインナップから考えると、ちょっと酸っぱいアクセントが今年の流行なのでしょうか。