• 2014年登録記事

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AW kitchen系列のお店「Grill and Bar エーダブリュエレメンツ」で夕食を頂きました。
http://www.eat-walk.com

「エスペターダ」という串刺しグリルが名物のお店。
写真は、薄暗い店内を、ガラケーのカメラ機能で撮影したものなのでご容赦ください。

メインの串刺しと鍋は、肉と魚介の選択制。今回は元々肉パーティの予定だったので、両方肉を選ぶという暴挙に出てみました。

最初に登場したのは、8種類の前菜盛り合わせ。
全体的に味付けは辛め。
パプリカのピクルスが、浅漬け感覚で美味しかったです。
飛び抜けて味が美味というものは見当たらなかったけれど、チキンが驚くほど柔らかく、印象に残りました。オリーブが、種が抜いてあって食べやすい点も、心配りですね。

続いて、串刺しグリル(肉)。
ソースは酸っぱい味のものとわさび醤油の二種類。
下にはクスクスや野菜が盛られているのですが、カボチャがホクホクしていて美味でした。また、これまで嵩増し程度の存在だと思っていたクスクスが、意外な美味しさを持っていることを発見しました。

鍋(肉)は、カタプラーナという、独特の中華鍋を上下に付けたような銅製鍋で出てきます。
煮込んだお肉がホロホロ柔らかく、簡単に削げることに感心。
ただ、肉とキノコだけでどこを観ても茶色い鍋なので、ちょっと見た目は良くないですね。これに関しては、魚介の方が、種類も豊富だし色鮮やかで美味しそうに見えました。
鍋のシメには、フォーまたはリゾットを選べます。
肉汁リゾットというのも変な気がしたので、あまり頂く機会もないフォーを選びましたが、これはさっぱりしていて美味しかったです。

デザートは意外とボリューム感たっぷり。
フルーツ、アイス、ブラウニーが盛られたプチパフェ風。若干、生クリームが多いと思ったけれど、まさかこんなにあれこれ楽しめるとは思わず、最後まで満足しました。

非常に涼しくなりました。
日誌に載せるつもりで、猛暑をネタにしたAKC小咄を書いていたのですが、オチが決まらないまま夏は過ぎ、肌寒くなってきたので、お蔵入りしました。
せっかくなので内容の一部を残しておくと、「行動シミュレーション」の一貫で、「ルクティ教室の面々が猛暑日の日本に合宿にきたが、合宿場にエアコンはない。どう過ごすか」というお題。


 外出から戻ったイクスが扉を開けると、廊下に行き倒れがいた。
 一人は天を仰ぎ、もう一人は顔を地に伏せ、苦しい呻きをあげている。
 このような局面では、二次被害を防ぐため原因を探りつつ、退避または救護をするのが教本通りの対応だと思いつつ、イクスは左手に提げた荷を軽く持ち上げた。
「……アイス、買って来ましたよ」
 途端、廊下で涼をとっていた二人は生き返った。
 寝そべった体勢から存外元気に上半身を持ち上げたフォウルへ買い物袋を渡すと、横着にも手だけ持ち上げたロアンを引っ張り上げてやる。一瞬だけ姿勢をただした後輩は、しかし手を離すと壁に寄り添う形でずるずると沈んでいった。
 その代わりに、言葉だけ投げてくる。
「教室長ってば、朝の体操に見せ掛けてコンビニ寄ってたの?」
 イクスは出席スタンプを取り出すべきか一瞬だけ考えて、唇の端で笑った。
 失礼な物言いも、単に不満を溢したいだけだと分かっていると、腹は立たないものだ。
 その不平屋の後輩は、買い物袋の中身を確認すると、信じられない、と呟いた。
「これはアイスって言わないよ。試験管で凍らせた氷じゃん」
「いらないならオレが全部喰う」
 言うが早いか、フォウルは二本目の包装を破っている。慌ててロアンも体を起こし、アイス——あるいは氷——を手に取った。
「あ、リートの分は残してくださいよ」


半ば、耐久レースの様相を呈しています。

ちなみに、リートはイクスと一緒にラジオ体操に行った後、近所の子供たちに誘われて遊びに行ったので不在。意外と元気です。レイヴは図書館に避難。詩乃は現地到着した瞬間、リタイアしました。
ルクティ先生? きっとその辺で溶けています。

以下は、やり取り部分だけ。


「イクスは暑くないのか?」
「心頭滅却すれば火もまた涼し」
 と答えた瞬間、イクスは隙を作ったことに気付いて身構えた。
 案の定、二人は跳ねる勢いで起き上がった。
「よーし、火を起こせ」
「アイサー」
「やめてください」
 日頃は意見が合わないくせに、人の嫌がることをするときだけ結託するのだから困ったものだ。
「半分冗談ですよ。痩せ我慢は死に至りますからね」
「半分、本気かよ!?」
 ロアンが悲鳴を上げると、再び床に引っ繰り返った。
「自分の世界や院に閉じ籠っていては味わえない空気を、楽しもうと思っているだけだよ」
「それ、帰ったら詩乃に言えよ」
 よほど悔しかったのか、フォウルが恨めしそうに呟いた。


詩乃がいて、イクスの受け答えに割と余裕があって、なんだか全体に楽しそうなので、たぶん長編終了後の時間軸ではないかと思います。

真保裕一著「アマルフィ 外交官シリーズ」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
ローマに派遣された外交官黒田は、邦人女性・矢上紗江子の娘まどかが誘拐された事件に対応するが、身代金受け渡しに失敗。大使館も警察も信用しない紗江子の独自捜査に協力するうちに、大手警備会社へ辿り着くが、実はそれこそ犯人の狙いであり、セキュリティデータがハッキングされてしまう。真相に気付いた黒田は、犯人のテロ対象を護り、まどかを救うと、次の任務地へ旅立った。

映画未見。
予告映像は見たことがありますが、あまり主人公のキャラクターと織田裕二氏はダブりませんでした。
アマルフィとは、地名だったのですね。寡聞にして存じませんでした。
そして、紗江子の思い出の地であり、作中で訪れる場所であり、犯人達の作戦名でもあり、だから題名になるのだという事もわかったけれど、それでも正直このタイトルには魅力を感じないと思いました。
wikipediaで調べてみたら、映画版シナリオはだいぶ違うんですね。あらすじを見た限りでは小説版の方が断然面白そうですが、映画の目的が「観光映画」だったなら納得。ただ、なぜ日本がイタリア観光映画を作らなきゃいけないのか分かりませんけれど。

かなり分厚い小説でしたが、サクサク読めるので、厚みは感じませんでした。
基本的には敵も味方も有能だという点も、読みやすい理由でしょうか。

あまり読まないタイプの作品ですが、推理、ハードボイルド、社会派といった多様な面がある娯楽小説として、普通に面白かったです。
でも、犯人の計画はかなり遠回りですよね。巧くいったから「巧妙」と称されるだけで、紗江子がここまで働き者じゃなかったら、期日までに辿り着かなかった可能性もあり、いささか行き当たりばったりな気がしました。

中村航著「トリガール!」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
工業大学1年生の鳥山ゆきなは、鳥人間コンテストに「二人乗り人力飛行機」で出場するサークルT.S.L.に参加する。1stパイロットの怪我のため、2ndパイロットになったゆきなは、訓練を重ね、遂に本番当日「機体のエンジン」として、全員の夢と共に空を飛ぶ。

さらっと読める爽やかな青春小説でした。
主人公視点でかなり軽い文体のため、全体的に若々しく、思い悩むよりも勢い重視で飛び込んでいく感じ。
「鳥人間コンテスト」の舞台裏を描いているのですが、機体作りの作業もある程度描かれているし、みんなが個別の作業を進めることで1つのプロジェクトを完成させるのは、正に「気持ちいいー」。その心地よさを擬似的に味わえます。
トレーニングの描写等はなかなかリアルでしたが、実際に女子でプロペラを回す出力が出せるのかしら。個人的には、人力プロペラ機より滑空機で飛んでみたいです。

鋼鉄城の三博士

現在地:鋼鉄城

囚われの姫君ならぬホテイ丸を助けるべく、鋼鉄城へ侵入中です。デューク・ペペとは2回分連戦しましたが、技力が減少する罠を踏んだので、一旦地上に戻りました。トラップ床を防ぐ術「清水」の存在を忘れていましたよ。
卍丸たちに負けることで人間の姿への未練を捨て、体の改造を進めていくペペは、初登場時からは予想も付かないくらい凄いキャラクターになりました。
少しだけセリフを抜粋させてください。

ところでね 頼みがあるんだよ 卍丸
ご覧の通り 俺は 博士たちに
腕を中心に 体を 戦闘用に
改造してもらった!
だが こんなもんじゃ おまえたち
火の勇者の 化物じみた力には
通用しない! わかっているよ…
俺は まだ 甘いんだ!
どこかで 人間の姿に 未練が
残っているに ちがいない…
俺を もっと いじめてくれ!
グチャグチャに してくれ!
人間を捨てられるようにな!!

改造速度が早過ぎるせいで、半分くらいギャグっぽさも感じるけれど、気が重く、物哀しくなります。
卍丸が、仲間である根の一族を倒して喜んでいる辺りなど、もう執着が変な方向性に行っていて、笑い飛ばせません。

暗黒ランを伐った後の土地で、色々とイベントが起こるという展開は新しいですね。
それに、ホテイ丸がこんなに長い期間同行することも、予想外でした。ダンジョンにも付いてくるなんて、度胸がありすぎです。そのせいで捕まってしまったわけですが、超重要乗り物「速鳥」を作れたのはホテイ丸が同行していたお陰なのだし、今回の冒険では、一番の功労者だと思います。
敵である根の一族と、外国人であるホテイ丸の身を張った格好良さに痺れる反面、姫路の殿様と配下には、「掌返し」という言葉のお手本のような言動を見せてもらいました。
自力で根の一族に勝てると思っている間は火の勇者を馬鹿にしていたのに、軍勢が壊滅した途端、卍丸頼りになるので、見捨てても良いかな、と少し思ってしまいましたよ。

そういえば、エビス丸は本当に亡くなってしまったのでしょうか?
火の勇者が津波ごときで死ぬはずなく、むしろ漂流によって行動範囲が広がり助かったのですが、エビス丸を巻き込んだことは申し訳なく思います。知り合った直後で、まだどういう人物か分かってもいなかったのに……
一緒に漂流したホテイ丸はピンピンしているので、余計にやるせなくなります。