• 2014年登録記事

140521.jpg

現在地:谷間の遺跡
進むほど状況が悪くなるのに、先が気になってプレイが止まりません。

城を呪縛から解いた功績で所有権を貰った獅心剣はエニスに奪われ、そのエニスは人形に肉体を奪われ、ということで人形を追って辺境へ。
人形=ひこから継承者として認められるも、カイエスが黒の剣の継承者に必要な魔の力を拒んだため、第二の封印が解かれ、遂にバルクルーサを除く全土が壊滅。貴族たちは民を黒竜の餌役に置いてクライツェンから逃げ出したのでした。
……黒の剣で黒竜を倒したとして、その使い手が魔王になるのでは、黒竜が復活した時点で「詰んだ」状況に変わりないですよね。シノブは魔の力を手に入れたカイエスには黒の剣を渡さないというけれど、黒竜を倒す他の方法案があるのでしょうか。

分かりやすい説明をしない作品なので多少推測が混じっていますが、三使徒たちは、辺境の民=先住民だったようですね。黒竜の復活は、先住民の一部急進派が復讐の為に行っていると。でも、ガルサ(ルチア)は先住民は波動の中でも人のまま生きられると思っていたようだし、全体的にヴィイが黒幕で、ルルスとガルサは騙されているような気もしますね。
そして、辺境の民について知ると、元々バルクルーサの民=移民たちが彼らの土地に侵略し、数々の非道を働いたという経緯があって、同情的になってしまいます。
実際、海辺の街で会った剣作りの名人グリンウルドなど、感じのいい人物もいます。バルクルーサの兵士たちが侵攻してきた時には、辺境を守るために剣を抜こうと思ったくらいでしたが、残念ながらこのイベントでは手が出せず、その後に至っては完全に魔物化してしまった辺境の民を自分で殺す羽目になりました……。

辺境で行くことになる「貴族の塔」は、トラップや謎解きが含まれるダンジョンで、ちょっと苦戦しました。
特に、壁を持ち上げて移動するエリアでは、密室にある「銀のこて」を手に入れた後、部屋から出る方法がなく、詰んだと思って慌てました。結局、部屋の下の方に落とし穴があり、下の階に脱出できたのですが、安堵した直後に雑魚戦で全滅。まぁ、このゲームでは間々あることです。

辺境から戻った後、マッカロックの遺跡でリールに2回話しかけると、ちょっとした会話イベントがあり、明るさがあって久々に救われましたが、カイエスとシノブの意見が割れるイベントの後だと思うとなんだか変な気がしました。

恩田陸著「上と外」

【あらすじ(上巻ラストまでのネタバレ有り)】
離婚した家族が集まる恒例の夏旅行で中米を訪れた中学生の練は、軍事クーデターに巻き込まれ、妹の千華子と共に移動中のヘリから密林の中へ落ちた。道具と知恵を駆使して救出を待つ2人だったが、遂に千華子が脱水症状を起こし倒れたところを謎の少年ニコに助けられる。しかしニコは千華子の安全と引き換えに、「マヤの成人式」に参加するよう練に要求する。その成人式とは、王=ジャガーと3日間対峙し生き延びるという内容だった——

前半は説明が多くて歩みが遅い上、この先どう展開して盛り上げるのか想像も付かず、正直退屈だったのですが、兄妹がジャングルの中を動き始めてからは一気読みでした。

この作品は、読み進めるごとに印象が変わりました。
まず最初は、1つの家族というコミュニティが崩壊する、人の心の抉るような社会小説という印象。時系列が時々引っ繰り返る不思議な書き方で、スタンリー・キューブリック監督の映画が小説として生まれ変わったような感じです。
でも最後は、千鶴子と千華子がちゃんと抱き合えてホッとしました。
それだけに、練と家族の再会が描かれなかったのは残念ですね。そこまで描かれていれば、4人は再び「家族」になれたと実感できただろうし、賢と練がお互いの存在をどう受け止めたのか気になりました。

上巻の後半になると、密林の中でなんとか生き抜いていく兄妹に、マヤの遺跡や闇から覗く謎の人影の存在がのしかかる、どこか不気味なミステリーに変貌。ここには、「ガダラの豚」2巻のアフリカ取材のオドロオドロシさに匹敵する、忍び寄る怖さがありました。

下巻は、成人式を乗り越えるために知恵と体力を使う練、地下水路から抜け出そうとする千華子という、少年少女が困難を乗り越える冒険ものとして分かりやすく楽しめました。
面白いことに、ジャガーは確かに目に見える怖さがあるけれど、上巻での闇の中になにがいるのか分からない恐怖に比べると安心して読めました。読者である私にとっては、というだけで、練は生きた心地がしなかったでしょうけれど。

十代前半で、こんな知識量と解決能力がある子供がいるか!とか、ややご都合な部分はありましたけれど、面白い読書体験でした。

140519.jpg

南葛西を歩いていて見付けた、環状七号線の路面店「Patisserie LE AMARETTO」。
http://amaretto.co.jp
外観に惹かれて入店。店内はディスプレイも凝っていて、ケーキからコンフィチュールまで幅広いラインナップで、なかなかお洒落な作りで驚きました。

店で一番人気の商品ということで、写真の「東京フロマージュ」と「ふわとろショコラ」を頂いてみました。
本当にふわふわのスフレケーキ。1つ食べた後、「もう一つ食べたいな、食べても良いかな」と思うくらい軽いです。実際、類似製品に比べて小振りな気がするので、2個は許容範囲かと……。
フロマージュは、チーズの塩気が利いていて味は強め。ショコラは優しい味わいでした。

個人的に評価したいのは、POSシステムを使っていて、レシートに製品名が記載されていたこと。いつもこういうお店のケーキ屋さんだと、製品名をメモしておかないと何を頂いたのか分からなくなるのですが、このお店だとその心配はありませんね。
今度は生ケーキを頂いてみたいです。

現在地:バルクルーサ城(銀の鈴入手)

地点情報だけだと、前回の日誌から全然進んでいないかのようですが、数時間のプレイ時間を経ています。
シノブとも合流したし、シノブ編で登場した用心棒(ゼフュードル)と因縁があったことも判明しました。
で、下記のとんでもない展開になりました。

  • 徴発された人々が体内に爆弾を埋め込まれ自爆。
  • 黒竜の咆哮で村1つ壊滅。その後、毒師の手でゾンビ村に生まれ変わる。
  • 町を魔物が占拠。人間が次々喰われる。

順番に語っていくと、まず何気なく入った牢屋で閉じ込められ、壁越しに隣の牢と話していたら、会話中にその相手が魔物に喰われてしまいました。後で覗いた隣の牢には壁に寄りかかった死体が残っているという描写に、まず唖然。
その後、潜入した王城は、人々が眠らされているのに眠りながら敵を排除しようと襲いかかってくるというカオスな状況。
どうやら、三使徒を名乗る美女3人が、黒竜を目覚めさせようとしているようです。
さらに例の黒髪の人形から黒竜を倒す「剣の継承者」になる勧誘を受けたところをシノブの式神に助けられ、ようやくシノブとカイエスが一緒に旅することに。
この後はゴーレムを使役する少女や毒に傾倒している薬師とのやりとりなど、多少コミカルな展開を挟みつつ、兵士たちが暴きに行った黒竜洞の危険性を知ったので、中止させるため追いかけることを決意。
ちなみに、黒竜洞で3つの扉を選ぶところは、右の入り口を選択しました。学者たちが右は強い敵が出ると言っていた記憶があったので、敢えて挑戦。ボス戦の代わりに、ダンジョンをショートカット出来たようです。

で、ここからが冒頭に書いた通り大変な事態になりました。

自爆

喰われる

必死の思いでバルクルーサに戻ったら、戒厳令が敷かれており、関所破りをする羽目に。街の中でも兵士に話しかけると戦闘になるのですが、この国の貴族と兵士の腐敗っぷりはどうしようもないので、憂さ晴らしに全員倒してしまいました。全員倒した後になって、カイエスの台詞を聞いて問題が生じたらどうしようと思ったけれど……。酒場で小銭を貰えたから良いのかな。

酒場で再会したゼフュードルはとんでもなく強かったですが、意地で一騎討ちしました。
幸い、王城前を出入りするとたまにエンカウントするので、レベル上げできました。このゲームは、レベルを1つ上げるだけで、目に見える数値以上に体感で回避しやすくなる気がします。

サマセット・モーム著「夫が多すぎて」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
戦死した夫の友人と再婚した美女ヴィクトリア。ところが、戦死は誤報で夫が戻ってくる。ヴィクトリアとの結婚生活にうんざりしていた夫2人は、自己犠牲的精神を装ってお互いにヴィクトリアを譲り合おうとする。ヴィクトリアは大金持ちを射止めて2人と離婚し、三方が丸く収まる。

3幕ものの戯曲。
1幕はヴィクトリアが自分の妻だと思っている1人目の夫に再婚を伝えるところ、2幕はヴィクトリアの奪い合いに見せかけた譲り合い、3幕は離婚裁判に関する風刺が山になっています。
ストーリーも登場人物もシンプルでコンパクトなお話でした。

翻訳物の喜劇戯曲は、傑作と謳われている作品でも、台詞だけ読んだだけでは面白いかどうか私はいまいち実感できません。コメディ作品は、演じる俳優の力に左右される部分が大きいと思うからです。
しかし、本作では、妻の自己中心的な我が侭にうんざりしていた2人が、「友情」と「愛情」で誤摩化しながらお互いに妻を押し付け合う2幕はウィットが利いていて、ト書きならではのリズム感もあって面白かったです。
逆に、3幕は当時の風俗が影響するので、現代日本人が当時の民衆と同様に嘲笑できるか微妙ですね。離婚裁判のため、夫の浮気相手を弁護士が用意する(しかもそれを専門に請け負うご婦人がいる)という辺りなんかは、協議離婚がない国だけあるなと興味深く感じましたが。