• 2015年登録記事

松岡圭祐著「ミッキーマウスの憂鬱」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
フリーターの後藤は、東京ディズニーランドのアルバイトに採用され、夢を膨らませるが、担当は着ぐるみの着付け等を行う裏方仕事の上、社員同士の格差を目の当たりにして戸惑う。しかし、紛失したミッキーマウスの着ぐるみを追う内に、夢の国を支える裏方に誇りを抱くようになる。

最初は、「夢の国も働く現場である」という現実が見えていない主人公にイライラしました。しかし、次第に成長し、その青さを嗜められつつも周囲に良い影響を与えるという流れがあったので受け入れられました。
舞台設定に関しては、あの「ディズニーランド」の裏側を覗き見るような感じで、面白かったです。どこまで事実に即しているのか、想像なのかはわかりませんが、小説という物は巧く嘘をつくことだと思うので、私は楽しめました。
もし、ディズニーランドの暴露本と期待して読んだ場合は、期待はずれだと思います。あくまで、レジャー施設を舞台としたお仕事系娯楽作品と認識して読むことがオススメですね。
断っておくと、主人公は、非常に苦手なタイプでした。

ところで、この本は世界一厳しいと作中でも言っているディズニーのライセンスを得ている……のですよね?

TVアニメ「アルスラーン戦記」7話「美女たちと野獣たち」
http://www.arslan.jp

これまでの話から一変、ファジーなタイトルが付きましたね。実際、最初から最後まで笑いが多かった話でした。
展開を早めた分、カットは多数。アルスラーン一行はいつの間に山を下りたんだとか、原作未読者が疑問に思ったり前後が繋がらなくならないか少し心配ですが、展開が遅くて退屈なよりは良いでしょう。ファランギースの「どさくさにまぎれて神殿の財をかすめとり〜」の台詞の間に、ギーヴが素知らぬ顔で金を隠すのは、巧く視聴者に推測させたなと思いました。
話が進んだので、次回でカーラーンとの決着も着きそうです。

ということで、今回はタハミーネ王妃、ファランギース、エトワール、そしてエラムと綺麗処が勢揃い(笑)。
もっとも、この世界では切れ長の目と豊満が美人の基準のようなので、目が大きいエトワール以下は、美女と呼んでもらえないでしょうけれどね。
男性だし低音ボイスだったので大丈夫かと思ったら、女装エラムはビックリするくらい可愛い女子声でしたね。声優の底力を垣間見た思いです。

イノケンティスの入城を見た際、午前中に「うたわれるもの」7話を見た直後だったので、語尾に「にゃも」が付きそうだなと思ってしまいました。

イノケンティス インカラ

(初めて載せるキャプチャ画面がこれとか……)

エンドカードは押見修三先生のファランギース。ちょっと幼く可愛い系の印象で新鮮でしたが、脇から背中まで素肌だったので、教育委員会が素っ飛んできそうでした。

畠中恵他著「作家の放課後」

新潮文庫作家陣による、22編の体験エッセイアンソロジー。
体験といっても、お茶会やそば打ち等のいかにも体験教室らしいものもあれば、断食、散策や古本屋巡り、工場見学的な内容まで、バラエティに富んでいます。
裏表紙の紹介文には「爆笑エッセイ」とあったけれど、全体的には真面目なレポートが多かったです。とは言え、やってみたいと興味を持っていた分野であれば、作家が熱く語っていて面白いし、そうでない場合でも多くはレポートとしてキチンと纏まっています。

良かったのは、万城目学「高みをめざす」(ロッククライミング)と森見登美彦「この文章を読んでも富士山に登りたくなりません」(富士登山)。どちらも、ちゃんとオチが付いたお話になっていて面白かったです。
体験談としては、西加奈子「占いいかがでしょう」(占い)は、占いに対する分析や良い捉えかたが素敵だなと思いました。

逆に、退屈だと思ったのは青山七恵「浴衣と私の新しい歴史」。
読んでいて企画に対してやる気を感じないし、もし実際はやる気があるとしても物臭過ぎます。浴衣を作って着ようという企画なのに、途中で投げ出して先生に作って貰うという時点で、私とは性格が合いませんでした。

高杉良著「不撓不屈」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
税理士・飯塚毅は税法解釈を巡り国税局を相手に訴訟を起こしたが、報復として税理士免許の取り上げが示唆され、事務所や顧問先への弾圧的な捜査が始まる。職員が逮捕され、絶体絶命の窮地に陥る飯塚だったが、支援者により国会での論戦が始まり、遂に無罪判決を得る。

株式会社TKC創業者の話……ということも知らずに読みました。そのため、プロローグの段階でビックリさせられました。

現在ある「賞与引当金」が生まれる過程にこのような事件があったということは、大いに勉強になりました。
また、「自利利他」という語にも感銘を受けました。
しかし、小説としては、事態の推移を並べられているだけで盛り上がりに欠けます。また、下巻は、事件よりTKCの理念や飯塚氏がいかに活躍したかという話にシフトしていくため、率直に言えば提灯記事を読まされているような印象を受けたのが残念でした。
国家権力と闘った男を支える家族の絆を描くならそれを中心に、事件自体の推移を追うならそれを中心に、もう少し焦点が絞られていたら、話自体は非常に力強いプロットですし、飯塚氏の人物像も強烈なので、より面白くなりそうなお話だったと思います。

現在地:大剣の渓谷到着まで

クエストは諦めました。
エルト海で手に入るという「マリンマーブル」が1個も出ない!
ルーナ・グラディから入手する「グラディの光沢扇」も1個も出ない! 腐りかけの赤身はもう要りません。
それから、パーティを平均的に使おうとしていましたが、当面シュルク・ライン・カルナで固定して先に進めることを優先することにしました。キャラクターとしては、二軍メンバーの方が好きなのですけれどね。

以下、ストーリー順にざっと。

監獄塔では、急いでるはずなのに、皆が逐一オブジェクトに反応したり、メリアが名所案内的な説明をしてくれるお陰で、物見遊山な雰囲気があるので笑えました。
お陰で、クエストで時間を相当浪費したことに対する罪悪感も薄れました。

そしてようやく、「顔付き」の機神兵の中身が人であることがキャラクターにも明かされました。
Wii版のCM時点でネタバレしていたことですが、個人的に、操縦タイプだったことは驚きでした。機神兵のビジュアルからして、血液と脳だけ流用しているのかと想像していたのです。
ただ、フィオルンの「中の人」だけ別人なのは何故かとか、疑問が増えただけのような気もします。

フィオルン奪還のため機神界を目指すということになり、話の流れ的にメリアは離脱するかと思いきや、斜め上の身代わり展開に顎が落ちました。まさか、このための仮面だったとは言いませんよね?
とりあえず、カリアン殿下の株が私の中で暴落しました。
だって、帰還したメリアが「皇太子の名を騙る不届き者」として処罰されるフラグにしか見えません……。
殿下は善人だと思っていたけれど、早計だったのでしょうか。逆に、もしこれが善意の申し出なら、殿下の能力に疑問が湧きます。もし懸念した事態に陥らないとしても、これから連合軍を作ろうというときに、肝心のハイエンターの代表が身代わりでは、どのみち問題じゃないですかね。
あと、システム的には一瞬でコロニー9まで帰れるのだから、顔繫ぎくらいしてあげても良いのでは、と思った(笑)。

ヴァラク雪山は、大変な急勾配に視界も侭ならないことがあり、これまでとはまた違う雰囲気で目新しかったものの、ランドマークできる箇所が少なくて疲れました。攻略に多大な日数が掛かったのは主にこのエリアのせいです。
バジーナ雪原にようやく着いたと思ったら、ランドマークを発見する前に死んでゾックヘッド峠に戻された時は、しばらく再プレイの気力が失せましたよ。この出来事があって以来、攻略は一軍メンバーに固定したのでした。

ここで期間が空いたため、封印の塔は、なんのために立ち寄る必要があったのか忘れてしまいましたが、モナドが安置されていたという物語の始まりの場所に到達して、ようやくお話が折り返しは過ぎたかな、という気持ちになりました。
シュルクの両親たちは、こんな上層の、機神界に近い場所に来ていたんですね。
ただ、モナドを持ち出されてしまった以上、アルヴィース以降の予言官は生まれないということになるのかしら。このままホムスと繋がりがないままだったら、ハイエンターたちはどうする予定だったのでしょう。