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電撃コミックス「GOD EATER -side by side-(2)」(最終巻)

→1巻の感想は、2015年10月2日記事参照

想像通り、全2巻構成でした。
2071年以前の時間軸で防衛班結成を描くというテーマ通り、綺麗にまとめ、ちゃんとゲームに繋げたと思います。

非常にサクサクとエピソードを消化するし、先が読める王道展開なので、お話としては特別感銘を受けるところはありませんが、安心して読めます。班長がヒバリちゃんを一目惚れではなく、段階を経て好きになったのは納得できたのですが、今度は逆に「ヒバリちゃんに対する猛アタック」がポーズのような気がしてきました。
1巻のときは、10歳時点から変化していないと思った童顔の班長ですが、2070年は自然で格好いい笑顔も出てくるし、2071年時点の顔は、色々と乗り越えた大人の顔に成長していて良かったです。

ゲームでお馴染みの防衛班が全員揃ったこともあり、サブキャラ漫画として満足できました。
カノンの「神機を持つと豹変」が、入隊当初は違ったのは意外でしたが、戦いを通しての成長を描くには邪魔な設定なので、そのためかな、と思います。もちろん、終盤にはゲーム中同様の勢いでブラストを打っ放す面が描かれてますので、カノンちゃん信者なドM読者も満足できるでしょう。
3班メンバーは個性が強いので、どんな小さなシーンでもしっかり主張していました。

口絵は1巻(2071年防衛班勢揃い)と逆に、マルコと班長のツーショット。
後書きにおまけされている防衛班ランキングは「胸囲ランキング」でした。

上位6位にギリでランクインしたのはジーナさん!……おめでとう!!

とシレっと酷い解説が付いていたことに笑いました(笑)。おめでとう!

長篠の戦い前日に戻って、「切腹を命じる」を選択し直し。
とはいえ、さすがに重臣達から異論反論が飛び出て、切腹は免れたようです。しかし未来を知っている信長からすると、重臣たちも皆裏切り者ということで、疑惑が生じ、裏切りの動機を探る「動機怨恨説」ルートへ到達。
家臣達の恨みを色々洗い出すところは、ボリュームもあって、もはやゲームを遊んでいるというより、歴史小説を読んでいるのかという感じ。勝家と秀吉しか確認できなかったので、別途、丹羽長秀辺りは確認したいですね。家康は、長男の件でしょう。

柴田勝家の怨みとは?

その後、秀吉側の視点や、光秀側の視点にお話が移ったのは、一人称形式のノベルゲーとしては少々禁じ手という感じがします。
結局、このルートでは「本能寺を襲ったのは光秀ではない(桔梗紋を掲げた別人)」ということになり、その上、超現象で信長が光秀の元に現れてエンディングという、半分寝ながら遊んでいたことを差し引いても意味不明な展開に落ち着きました。

最後はスクリーンショットの如く清々しい幕切れだったので、もしや良いエンドなのか?と思ったのですが……

信長は、天を仰いだ。

まさかの「」で終了して、目が点になりました。

黒幕を足利義昭・本願寺顕如・毛利輝元・羽柴秀吉・徳川家康・織田信長から選択させられるところは、非常に悩んだのですが、織田信長を選んだらどうなったのか、凄く気になります。
まさか、鯨統一郎著「邪馬台国はどこですか?」で展開された“信長の自殺”説に到達してしまうのでしょうか!?

そんなわけで、展開はとても気になるのですが、再プレイを促すシステム面の助けが乏しいので、いっそゲームブックの形で出してくれないだろうか……と思いながら遊んでいます。

北原亞以子著「東京駅物語」

東京駅(中央停車場)を舞台に、明治から昭和の終戦後までの歴史と人の営みを描いた、九つの連作小説。
誰かの人生と、別の誰かの人生が一瞬だけ重なって、物語が起きる。そして、時代の変化とも繋がっている、という構成が素晴らしかったです。
ただ、六話までと、第二次世界大戦に入った七話以降で人の繋がりが断たれてしまうのが残念でした。繋がっている箇所はあったのかもしれないけれど、私には読み取れませんでした。老いた出雲渓三が登場して、安心したくらいです。

以前から、機会があれば東京ステーションホテルに泊まってみたいと思っていたけれど、その気持ちが強まりました。リニューアル後の今でも、室内から改札を見下ろせるのでしょうか。

PS4版「ゴッドイーターリザレクション」体験版を遊んでみました。
今更感満載なのに、長文です。
http://ger.godeater.jp

GER

序盤まるごと…を超えたボリューム

「ゴッドイーターバースト」(以下“GEB”)の体験版と同じ、難易度3最初のミッション「蒼穹の月」まで……と思いきや、難易度3のほぼラストとなるミッション「冬の夜明け」まで遊べてしまいます。
アリサが完全復活するイベントまで見た後、リザレクションPVが流れて本編シナリオは終了。その後は「体験版特別難易度」が解放。やり込みプレイへと進んで行きます。
初代「ゴッドイーター」のストーリ—は難易度6までなので、シオ編は半分以上体験できてしまうことになります。
これは、もはや「序盤」とは言えません。大盤振る舞いを喜ぶべきかもしれませんが、個人的には、まだ遊ばせるのか!と呆れてしまうほどでした。

向上したグラフィック

プラットフォームが旧世代の携帯ゲーム機であったPSPからPS4に変更されたことで、美術面は大幅強化。キャラクターも勿論綺麗になっていますが、個人的には背景と影に満足しました。
訓練所内は、弾丸跡や爪痕が見えて色々な人がここで激しい訓練を行ったんだな、と感じます。嘆きの平原の雑草に埋もれてみるのも楽しいです。
影は、シユウ等の背が高くてスラッとしたアラガミのシルエットが凄く格好いいと思いました。

キャラクターは、髪型・フェイス・ボイス増加に加えて、アクセサリー関係で個性も出せるようになりました。
パーツ選択制のキャラクタークリエイトとしては、初期段階でこれだけあれば十分だと思います。あとは、胸の大きさを控えめにできると……(笑)。

キャラクタークリエイト

戦闘システムの複雑化

戦闘面の変化では、まずダメージが数値で見えるようになったことに驚きました。「GE2体験版」までしか遊んでいなかったので知りませんでしたが、これは「GE2レイジバースト」からの変更点だったのですね。
部位ごとの差や、結合崩壊するとダメージの通りが良くなる事が如実に分かって、意識が変わりました。

戦闘ダメージ表示

それから、無線音声がコントローラーから発されたので、臨場感がドンっとアップしました(設定で変更可能)。
良いと思った追加要素は、捕喰アクションの増加。GEは戦闘中に管理すべき要素の1つに「バースト状態の維持」がありますが、この維持方法に幅が出てくるんですね。もちろん、スタイリッシュな魅せプレイの幅も広がりました。穿顎で急降下しながら捕喰&敵の攻撃範囲外に逃げる、というプレイが楽しい!

その他、「ゴッドイーター2レイジバースト」から逆輸入された要素もあって、NPCの育成等、やれることは増えているのですが、個人的にこの辺はなんだか面倒に感じました。内容が分からないスキル名も多く、その辺もストレスでした。
気になったのは、リンクエイドの回数制限となる「耐久度」ですね。GEBでは、高難易度ミッションを、米粒大の体力バーをリンクエイドして分け合う「ゾンビ」状態で戦い抜いた私にとって、死活問題になりそう。
体感では、走る速度が遅くなった印象があり、爽快だったGEBに重さが追加された気がします。
ちなみに、操作性は変わっていないと思うのですが、ガードの仕方をまったく覚えておらず、装甲を展開できなくて困りました。

良くも悪くも変化のない物語

イベントの差異は、主人公が適合試験で苦しまなくなった程度。それ以外は純粋なリマスターでした。難易度1〜3のお話は、3回目の体験なので正直飽きました。
ミッションには、ヤクシャが登場するミッションが追加されていたり、一時的に発令される「緊急任務」という要素も増えましたが、本筋に影響しないので印象に残りません。
初代発売から5年でリマスターというのは、やはり少し早過ぎるのでは……と思ってしまいました。

その他雑感

OPは、初代「ゴッドイーター」をアレンジしたGEBの再アレンジで、既存アニメに新規アニメを追加した、少し長い作り。いささかネタバレが強いのは、リマスターだから仕方ないですね。
エリックのあのシーンまで盛り込まれているのは笑いました。
ただ、新録アニメ部分は惹き込まれたけれど、既存の部分は画質を上げても元が粗いし、スローモーションと巻き戻し多用で見ていて疲れました。とはいえ、これが初見なら違和感ないと思います。

その他、作戦支援スキルでコウタを選んだら、一緒にゲームを遊ぶイベントが起こったのですが、他の機会に別のキャラクターを選んでも発生せず、ランダム発生なのか、発生すると良いことがあるのかないのか、よく分からないままです。

Vita

でも、この明らかに「GE仕様のVitaで遊んでる」絵面は好き。コウタの部屋をこういう角度から見るのも新鮮でした。