• 2017年登録記事

「銀河英雄伝説」新アニメプロジェクトがようやく本始動のようです。
http://gineiden-anime.com/index.html

初報は舞台「銀河英雄伝説 第四章後篇」なので、2014年2月。3年3ヶ月も待たされるとは、田中先生の遅筆っぷりがアニメにも影響を……(笑)。

リニューアルされた公式サイトのビジュアルを見る限り、藤崎竜版を踏襲する訳ではなさそうですね。個人的には、安心しました。藤崎竜版の感想は頓挫していますが、良くも悪くもあの「封神演義」を描いた作者のコミカライズという印象があります。
とはいえ、過去にも語っている通り、原作に忠実なアニメは既にあるのだから、違うアプローチをしても構わないとは思います。そもそも田中芳樹先生の作品は、長編構成であるために、導入部は退屈な部分もあると思います。となると、なるべく早期に視聴者を引き付けねば打ち切られてしまうアニメや漫画の場合、やはり展開を独自に考えないといけない部分はあるのでしょう。
でも、2年前も指摘した「あらすじ」が直っていない点は、まさか本当にこの設定でいくのか?と思わされて危惧しています。

「戦争の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラムと、「黒髪の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリーである。 

「常勝」「不敗」という矛と盾のキーワードを入れないなら、単に「魔術師」でもいいのに、なぜ別ベクトルの単語が入るのか不思議です。
らいとすたっふ様、監修をお願いします!

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荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」7巻

これまでの表紙絵に比べると、塗りが明るく感じるアルフリードの表紙です。
特に、暗い色合いのダリューン(2巻)やエラム(4巻)に比べると、光源を背負っているような眩しさを感じます。

7巻は41章から46章まで収録。
ページ数は前巻と変わらないのですが、少し薄く感じました。紙が変わったのかな。
おまけがなかったのは残念でした。

今回は完全にシンドゥラ編ということで、ラジェンドラ王子の、軽薄で信用ならないけれど憎めない感じが生き生きと描かれていて、王子が一層好きになりました。
ナルサスの絵を覗いたジャスワントが放心するなどのオリジナル要素も含めて、結構ギャグが多め。ペシャワールの奇襲で、前進か後退かで右往左往するシンドゥラ軍に揉まれるラジェンドラなんて、コントみたいでした。
基本的な展開は原作通りですが、プラダーラタとの一戦という消化試合にバハードゥルの伏線を織り込むなど、先への展開へ引っ張るのが、連載マンガならではの手法だなと思いました。新年の儀で将兵の代表をバフマンに務めさせるところも、アルスラーンとバフマンの微妙な距離感と、バフマンの矜持や人柄がよく現れていて、原作より濃い描写が多いと思います。
サリーマが早々に登場して、キャラクターを立てて来ているところも、次巻の一騎打ち後の展開に色々加味されそうで楽しみです。

なお、折り返しコメントによると、田中先生が最終巻執筆中とのこと!
「タイタニア」が完結した時に「完結したということ自体が素晴らしい」と思ったのですが、「アルスラーン戦記」第2部も無事完結するなんて、田中先生、どこかで心を入れ替えた模様です。
私も諦めずに、連載を進めねばなりませんね……。

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現在地:6章終了
「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島」前編は4章で終わり、後編に入っています。それにしても発売当時、この状況で後編発売まで待たされたプレイヤーって大変でしたね……。

湖の底から戻ったら、女の子が消えていることに気付いたあの瞬間、親とはぐれた子供のような、非常に心細い思いに襲われました。
前編の男の子が、女の子の半分くらいしか背丈がない上に言葉も満足に喋れない幼子なのは、この一人ぼっちの寂しさを味わわせるためなのかな。その後、一人で関所を切り抜けた後は少年に成長するのも、親離れしたことを示しているのかもしれません。

非常に感慨深かった4章ですが、謎解きはひたすら難しかったです。最初から最後まで、ほとんど攻略ヒントに頼ってしまって、自力で解いたのは関所の弁慶くらい。
湖の中は詰むポイントらしいので致し方ないとしても、「かちかち山」の渡船場は悔しかった! 一度使ったのに、「たいまつ」が持ち物欄から消えていないことから、ここで火を使うと推測すべきだったのですね。全然気付きませんでした。タバコからたいまつに貰い火という発想も、泥船を炙って丈夫にするという知恵も、まったく出てきませんでした。
5・6章は適正難易度で、普通に楽しめました。あ、でも仏像のノーヒント具合はやっぱり許さない(笑)。

お話としては全体的に、子供向けと言えないダークさが露わになってきました。
そういえば任天堂って微妙にホラー気味な作品作りがうまかったような……と思い出し、ちょっとお話を進めるのが怖くなっている今日この頃です。

現在地:Chapter09・水都オルティシエ(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

ホテルでのひと時

今回はホテルロビーでのワンカットについて、熱く語ってしまいました。

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

Chapter09は雨降るオルティシエにて、帝国要人の会話から始まります。

雨のオルティシエ

この第一声も、若干引っ掛かる内容です。

アーデン
花嫁姿 見られなくて残念だったな

最初、私自身もどこが引っ掛かったのか気付かなかったのですが、「見られなくて残念」だと、結婚式は行われたのに花嫁姿を見逃した、と誤解できることに気付きました。
ただし「見られなくなって残念だったな」などと言わせるのも冗長ですし、前後に影響しないので無視しましょう。

このシーンで指摘したいのは、下記の部分です。

アーデン
ルナフレーナ様には会えた

レイヴス
いや

アーデン
あの女も食わせもんだな
適当なこと言って

ここで言われている「あの女(あのひと)」は、カメリア首相のことだと思いますが、直前にルナフレーナの名前を出していることと、Chapter08でラジオ番組を聞いていないプレイヤーはカメリア首相の存在を知らないため、ルナフレーナが「食わせもの」だと誤解される危険があります。
小手先の対処ですが、言葉はそのまま、当てる文字を「首相」とすれば誤解が減りそうです。

一方、ノクトたちは海に繰り出して、アコルドへ入国。

海だー

少し長い移動ですが、FF15はそういう部分も含めて「旅行」の雰囲気をよく出してるなと思います。

到着後、マーゴでオルティシエの現状を聞き、カメリア首相とも顔を合わせたら、一旦ホテルへ誘導されます。ここで、ゲンティアナから唐突な発言が飛び出ます。

ゲンティアナ
この先の厳しい戦いに備えーー
時を戻すことを望むなら 叶えましょう

アンブラの能力により『過去の記憶』を辿れるようになりました。
宿泊メニューから選択することができます。
※4人のステータスは現在のものが反映されます。
※現在に戻るとき、レンタル中のチョコボは自動で返却されます。
※『宿泊地に戻る』は、アンブラを利用した拠点が登録されます。

……望んでませんので、プレイヤーは「!?」という状態です(苦笑)。

ホテル

まず、この時点での「時を戻す」とは「過去のルシスに戻る」選択肢が選べるという意味ですが、この説明ではそれがわかりません。
そもそも、Chapter09の時点で戻れるルシスの状況は、「過去」と言われるほど以前の状態ではありません。
10年後の問題があるから「過去のルシス」という選択肢になっている理屈もわかりますが、現時点でゲンティアナがノクティスにいう台詞としては、不適切です。

【変更案】

ゲンティアナ
この先の厳しい戦いに備えーー
ルシスへ戻ることを望むなら 叶えましょう

という形で、時を操れる云々をやめておけば、この時点での混乱は起きないでしょう。
Chapter10以降に関してはイグニスの失明問題が関与してくるので、この方法では回避できません。しかし、仕事ではないのでこれ以上は考えないことにします(笑)。

テクニカルライティングとは関係ない言及になりますが、そもそも過去に戻る能力は、安易に登場させてはいけない能力です。問題が起きた時にプレイヤーに「過去に戻ってやり直せばいいじゃないか」と思わせてしまうからです。
もし過去に戻る能力を出すならば、その能力は物語に組み込むべきです。

また、ビブのサブクエストを進めているプレイヤーは、オルティシエで写真を撮ってくる「呪われた絵画」クエストを請け負っています。当然、プレイヤーは「写真を撮った後でルシスに帰るタイミングがある」と思っていたはずです。時を戻さないとクエスト完遂できないとわかった時は、私も憤慨しました。
過去に戻る仕様で進めるなら、「呪われた絵画」は、Chapter15で発生するようにすべきだったと思います。

ちなみに、同じくスクウェア・エニックスの作品であるPSP「タクティクスオウガ 運命の輪」も、システム的に「過去に戻る能力」を登場させていましたが、あれは本編クリア後に解禁される能力の上、過去を変更した後に未来に戻っても、別の世界線ができるだけでした。
FF15も、Chapter15で初めてクリア特典的に10年後に戻れるようにするなどの処置であれば、メタ要素として無視できたかな、と思います。


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参考記事

海外のゲーム大手メディアとして、結構な信頼度と人気を誇るIGNが、「Top100 RPGs of ALL TIME」すなわち「歴史上最も良いRPG100選」を公開。
http://www.ign.com/lists/top-100-rpgs/

私は、もともと自分が好きか嫌いかで評価するタイプということもあって、ランキング制に意味を感じないのですが、錚々たるタイトルのなかに9位「Vagrant Story」があるという点に燃えました。
10位「The Witcher 3: Wild Hunt」より上位って、これは相当の松野氏ファンがIGN内部にいるな!(笑)
選考のコメントは半分がゲーム内容の説明でしたが、頷きつつ気になったのがこのくだりです。

Heavy stuff for a PSX game, but it's handled masterfully through beautiful art direction and some extremely impressive localization.

ローカライズの具合は日本語版プレイヤーにはわからないので、北米版が非常に気になりました。
調べてみたところ、ベイグラントストーリーのローカライズ担当者は、FF10のローカライズ担当者だったようです。FF10北米版といえば「ありがとう」を「I love you」と意訳した巧さに膝を打ったものです。氏の翻訳なら、ベイグラントストーリーの謎と重厚さがきっちり盛り込まれていたことでしょう。
でも日本語でも難解なセリフ回しだから、私の英語力では全くわからないだろうなぁ……。
逆に、55位「Shadow Hearts: Covenant(シャドウハーツII)」はローカライズの出来が良くない旨が書かれていて、非常にもったいないと思いました。

テイルズオブシリーズでは、43位「Tales of Symphonia」と57位「Tales of Vesperia」がランクイン。
シンフォニアが意外と高いです。いや、海外人気があるのは知っていましたが、なんと52位「Final Fantasy VII」より上位。初めて海外で評価されたテイルズオブシリーズなので、歴史的背景も含めてこの位置なのかな、と思います。PS版デスティニーのときは、なけなしの小遣いで海外ゲーム雑誌を買ったら酷評されていて凹んだので、ランキングにいるだけで感慨深いです。

ただし、コメントは……

The basic thrust of Tales of Symphonia's plot sometimes veered toward cliche, but the little chats between the colorful characters did much to make up for that.

と語っているところは「ところどころの展開は陳腐だが、キャラクターの魅力が満載」と読めばいいのかな。少し驚きました。日本だとシンフォニアの物語性ってかなり評価されていると思うのですが……。
まぁ、ヴェスペリアも「FF7(他多数のRPG)と基本プロットが一緒」と言われているくらいだし、確かにシンフォニアはご都合主義な箇所があるので、こう言われてしまうのも仕方ないのかな。
あと、終盤の救いの塔地下の「俺に任せて先に行け!」の展開連発などは、確かに陳腐としか言いようがありませんでしたね。

……まさか、作中でユアンがclichedと揶揄されているセリフと引っ掛けてないですよね?

評価と関係ないですが、掲載されているのがOVAのイラストという点は、残念でした。