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星組「太王四神記 Ver.II」、主要役とポスターが出ました。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/131/index.shtml

先行の二人映り写真がポスターで良いのでは、と思う出来でしたが、それに負けない綺麗なポスターが出ました。今回も花組同様3人映りですね。位置関係の都合か、なんとなく花組よりキハ&ホゲの比重が大きく見えます。
サブタイトルが「新たなる王の旅立ち」な分、ホゲの比重は下がると予想していました。こんな大きくポスターに載ってきた事に驚きます。
本当に、凰稀かなめが二番手なんですね。相変わらず麗しい人だなぁと感心。ただ、またもホゲがビジュアル担当なのって、武芸者と言う設定からするとどうかなと思ってます。個人的な趣味とイメージで述べるなら、星組版タムドク役の柚木礼音でホゲが観たかったかも。
花版はタムドクが癖毛で、ホゲがストレートと言う形で同じ長髪でも分けていましたが、今回はあんまり差がなさそうですね。花組の衣装を使い回す場合、二人は似たような稽古着や鎧甲冑を着るので、分かり易い違いを付けた方が良いのでは……まぁ、鬘は本人たちで公演までに調整してくるでしょう。
今年は宙組公演を追っかける為、他の観劇予定を縮小しているのですが、花組で楽しんだだけに、星組版もちょっと気になります。
贔屓のやった役を、同年中に別人が演じると言う点に対し、若干複雑な気分があるのは事実であり、初演エリザベートの雪組と星組ファンの対立はこうして生じたんだなと納得してます。でも凰稀かなめだからなぁ。むしろハラハラしてますよ。私の中では、彼って今も「へたれ」属性なんですもの。
そんなへたれっぷりを再確認する為にも、明日のBSHi雪組公演放送は見逃せませんね。

題名はふざけてますが、「スカーレットピンパーネル」のショーヴランのこと。

柚希礼音、初の悪役。
割とコメディ色がある演出なので、時々お間抜けだったりしますが、私がマルグリットで、あれだけ若くてギラギラしてる男に迫られたら、揺らいでしまうかもと思う程に、魅力的でした。
歌は不得意らしいですが、私個人としては何故かリピートしたくなるくらい好きです。ああ、あの歌を聞きにもう一度行きたいなぁ(ただし歌ったのが雪組「君を愛してる」の「僕はモテモテ♪」だったらハリ倒してた可能性があるので、作曲のワイルドホーン氏が偉大なだけかも)。
得意のダンスは披露出来るのがショー部分のみでしたが、一人キレが違いましたしね。

が、良かった、で片付けられればワザワザ日が経ってから書こうとしないわけでして……
革命時代にマルグリットと関係があった、と言う設定がちょっと腑に落ちないのです。
その理由は年齢。
パーシーとの間に感じる年齢差は、両役者の実年齢的に仕方ないとしても、マルグリットよりだいぶ年下に見えたのは如何なものか。マルグリットの今回の化粧や鬘だと、彼女とはかなり年齢差があるように見えました。
かつて恋人同士だった二人としては、せめて同年代に見えないと……。
マルグリットは、ショーヴランを「愛したことはない」と拒絶しますが、それは虚勢であって、やはり革命の熱病だったとしても愛情的なものがあったのではないかと思います。なんせ、遠野あすかはショーヴランの例の熱っぽいソロを聞いて、舞台袖で号泣するそうですから(実際の行為として泣いているかは不明ですが、そういう気持ちは確かにあるのだろうなぁと舞台を見て感じました)。
別に「年上の彼女」が悪いとは言いません。しかし歌詞中の「君の中に眠る少女」と言う言い回しが大人目線なので、ショーヴランの方が若いと変だと思ってしまうのです。
第一、宝塚版は原作より更に二年後の1794年を舞台としているので、革命が起こったのは5年前。
その時のショーヴランの年齢は? と言う事まで考えると、革命当時のショーヴランが若過ぎるので、愛と言うより、年上の女優への恋・憧れだったのでは、などと感じてしまうのでした。

しかし、若いショーヴランだからこそ、あの熱の発し具合を魅力と見せることが出来たのかも知れない。ジレンマですね。

宝塚星組「スカーレットピンパーネル(THE SCARLET PIMPERNEL/邦題:紅はこべ)」15:30回。WOWOW貸切。
初の星組本公演、初の二階B席観劇でした。
二階に上がること自体が初めてだったのですけれど、高低差が凄いですね。セットによって死角も出来てしまいますが、全体の動きを見るには悪くない位置。席の定価自体も安いので、リピートするなら狙い目だと思いました。

海外ミュージカルの初演、潤色・演出に小池修一郎先生、冠はVISA、という3つの符号からは第二の「エリザベート」を作ろうという劇団の気持ちを感じますが、それに相応しい内容でした。
正直、星組ファンってズルいな!と思うくらい全体のレベルが高く、驚きました。
現トップ内最も歌えるスターだと思う安蘭けいの歌唱は、期待通り安定していましたが、前回「KEAN」で気になっていた二番手・柚希礼音が堂々と初の悪役を演じていて、しかもソロが複数回あり、役として歌い込んでいて若いのに凄い役者になっていってるなぁと感心。
彼女に限らず、星組全体のレベルアップに今公演が役立っていそうですね。群衆での最初のナンバー「マダム・ギロチン」から、大変な迫力でした。

驚いたと言えば、この作品のテーマと言うべき「ひとかけらの勇気」が宝塚用新曲であると言う事実に、口が開きっぱなしです。
この曲はお話の展開にもしっかり組み込まれているので、曲がないシナリオが想像付きません。ブロードウェイ公演はどんなシナリオなんでしょう。ちょっと見てみたいですね。
ちなみに、ショー構成は「エリザベート」と全く一緒。ただ、デュエットダンスにリフトがなくて残念でした。男役も娘役もお互い大変だろうと思うのですが、リフトはやっぱり華ですよね。

全体的に、柚希をオペラグラスで追うショーヴラン視点寄りの観劇だったので、革命に抱いていた夢、それが崩壊しつつある嫌な感触、嫉妬など、重い内容でした。笑い所では凄く笑わされましたけれどね。
そういえば、この作品を再演する場合、グラパンのハードルが高いなと思ったけれど、よく考えたらグラパンを格好いい小父様として演じても良いんですよね?
あと、8人の仲間は多過ぎだろうとちょっと突っ込みたい。しかも全員に恋人が出来てしまう辺りもどうなのか。そのせいで個性がなく、せっかく役名が付いているのに、全然顔と役と役者が一致しません。まぁ遠かったからそもそも判別出来てないのですが……。
いや、文句の付け所があんまりないので、ついつい突っついた重箱の隅でした。

轟悠+宝塚星組選抜メンバーによる日生劇場・ミュージカル「KEAN」マチネ観劇。

キーン@轟が、さほど滑舌が良くないのに凄まじい早巻き速度で大量の台詞を喋るので、最初は何を言っているのか全然分かりませんでした。一幕の途中からは、聞き取りに集中してなんとか話の展開に追いつきましたが……。事前に話の筋を把握していなければどうなっていたか、自信がありません。
そう言った難はありましたが、それも全て「キーンと言う男」の表現だと見なす事が出来るくらい、轟には吸引力を感じました。
偉そうで、借金まみれで嫌み垂れでだらし無くて、へらへらと歩く姿は軽薄が服を着て歩いていると言う言葉の見本。でも友誼に厚くチャーミングな面がある。面白い役だと思います。ちなみに明確なミスが一回あり、二幕で台詞をトチって言い直しましたが、後は特に失点なしでした。あれだけの台詞量をこなすだけでも凄いです。

この話を宝塚として見て面白いか?と言う疑問点はあるんですが、芝居自体も面白いから、私にとっては十分アリ。コメディなシーンが多く盛り込まれていて相当笑いました。ただ、街角などの星組生だけのシーンは、舞台装置の入れ替え時間稼ぎだから仕方ないのですが、もう少し引き込んで欲しかったですね。同じ曲をくり返されるので、若干中たるみしました。
星組なので、共演メンバーは全員初めて観る顔。やや下級生が多めかなと思われる構成でした。眼を惹いたのはエレナ@南海まりと、プリンス・オブ・ウェールズ@柚希礼音。エレナは声量があって魅力的。プリンスは、身長が高くて舞台映えしますね。今後トップを目指すなら減量が必要な気もしますけれど、まだ研8の身で、轟の相手役抜擢ですから、相当な健闘。一方もう一人のメインであるアンナ@蒼乃夕妃は、声が甲高くて苦手に感じましたが、役自体も私の好きな類ではないので、これだけでの評価は早計でしょう。
脇の役に関して少しだけ。
ソロモン@紫蘭ますみは、美味しい役。公爵@にしき愛は残念ながら威厳を感じず、他の端役に埋没してました。一人で出て来ると「誰だっけ?」感。ネヴィル卿@一輝慎も一幕は全く印象に残らなかったのですが、二幕で帽子を取り眼帯して出て来たら急にダンディになって別人かと思いました。貧乏役者三人組は真ん中の一人(恐らくバーナビー)の芝居が大きく、目立ってました。

そんなわけで、「KEAN」は十分楽しんだのですが……やっぱり、宝塚かと言われると違いますよね。
役者の孤独に焦点を当て、内面へ内面へと進んで行く物語進行は、宝塚の愛溢れる舞台とベクトルが逆。演出は、「轟の芝居」を見に来ている我々を、「キーンの芝居」を見に来ている観客役にしたいのだろうと思って観ていたので、キーンの観客非難の下りには、かなり毒気を感じました。
なんにせよ、ある程度シェイクスピア演劇の知識があった方が、もっと面白いでしょうね。私はシェイクスピアはあまり得意でないので、台詞の引用はほとんど分かりませんでした。英語圏の舞台観客は相当シェイクスピアに親しんでいるはずなので、この劇のウケ方は本場と日本でだいぶ違うのでは。

そう言えば、日生にはオーケストラピットがなく心配していたのですが、ちゃんと生オケでした。
実は開演前に一回後方にテレビモニタが着いている事に気付き、まさかプロンプターではあるまいな、と疑っていたのですが、劇中に一度振り返ったら指揮者が映っていたので、生演奏と合わせるために設けているのだと納得。最後にホリゾント幕を上げて、オケメンバーを出してくれたのも良かったです。