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時代劇アドベンチャーゲーム「猫侍」
→猫侍 ソフトウェアカタログ

味のあるゲームです。スタッフの熱意と総力も感じます。
が、同時にとても門戸の狭い、人を選ぶゲームだと思います。
「下町で暮らす猫になったぶらぶら気分」と、「追手に追われる人斬りのハードボイルドな日々」が1本のゲームに同居しているので、どちらか一方に惹かれても、他方が苦手だと遊び難いでしょう。逆に、両方に興味が持てた麻生は存分に楽しませて頂きました。
企画・監督の河野一二三氏は「鉄騎」のプロデューサーなのですね。私としては、それを知って大変納得いたしました。

ゲームシステムは「同級生」系で、色々な場所を探索してキャラクターと出逢い、会話を積み重ねて好感度を上げていくとイベントが発生、と言うシンプルな形です。
操作で迷うところはなく、発生しないと困りそうなイベントは誘導があったので、見た目ほど取っ付き難いゲームではありません。まあ、正直言って見た目が一番取っ付き難いですよね!
明確な目的は設定されていませんが、「何をやっても、やらなくても良い」と言うところから積極的に関わりを求めて出て行く。これがこのゲームを楽しむ為に必要な要素ですね。受け身でいるとイベントがなかなか発生しないし、うろついているだけだと、淡々と時間が過ぎるだけで面白くないです。
ストーリーは深いのですが、イベント同士にあまり連続性がないので、短編集を読んでいるような雰囲気があります。

クリアして一番驚いたのは、過去の記録(発生したイベントのリスト)とミニゲーム欄が、全然埋まっていない事です。
更に、攻略サイトを覗いたところ、見た事もないキャラクター名が複数あり、まだまだプレイが足りなかったと分かりました。
長く遊べる1本には間違いありません。

2周目以降のお供にリンク。

ねこざむや

何種類もある扉イラストがどれも可愛くて素敵です。偶に観た事がない絵に行き当たったりして、何種類あるのかわからないところがとても「猫侍」的です。

一周目クリアしました。

猫侍・完

まずは、長月に入ってDISK3に移行。

猫侍

少しゲーム画面から目を離していたら、ムービーが始まっていました。
遂に御神楽党の党首、斬馬弥四郎が登場。
呼び出しに対しては直接会う道を選択し、陣五郎の前から立ち去ると、秘かに期待していた通り壱之新が同行を申し出てくれました。続くムービーでも壱が登場する演出には、テンションが上がります。弥四郎に呆気なく投げ飛ばされてしまい、同行した意味はまったくありませんでしたけれどね!
弟を斬らされた件がある限り、弥四郎とは和解できないと言う事で、会談は物別れで終了。

弥四郎と会ったら終わりなのかと思いきや、江戸での生活は普通に続きました。
まずは、太一の父親、鬼八郎が修行の成果を見にやってくるイベントが発生。
太一は8段まで進んでいたのですが、それでは鬼八郎のお眼鏡に適わなかったようで、5日後の親子対決で決着をつけることに。
台詞が変わらなくなるまで通って準備をした御陰か、鬼八郎にはノーミスで完全勝利できました。
鬼八郎が登場する前に太一を免許皆伝まで育てたら、違う展開が見られたのでしょうか。次周は頑張ってみたいです。

と、ほのぼのした後は、御神楽党による陰惨な出来事が十兵衛に迫り始めます。

猫侍

まず、これまでも数回登場したお間抜けな刺客・天真が、大八車に曳かれて死ぬと言う、笑うべきか、悲しむべきか分からない最期を遂げました。
(ところで、猫又は「人間から猫に見えるよう変化している」とされていますが、死んでも猫に見えると言う事は、実は猫又同士がお互いを人型と認識しているだけなのでは?)

続いて、十五日。
刺客・花鳥ノ介を見付けて後をつけるも、街中で巻かれ、自宅に帰ったところを殺されてしまいました。
これは完全にゲームオーバーだったので、事前のセーブからやり直し。
虱潰しに街を探し、また時間切れになりそうでしたが番屋で花鳥ノ介の部下を発見し、そこから再び尾行する事ができました。
しかし、誘導された木澤邸でまたも窮地に。まさか再ゲームオーバーか、と憂鬱になりましたが、ここは十兵衛の機転で脱出しつつ逆襲に成功。花鳥ノ介の最期は血に濡れた立ち往生で、壮絶でした。
長い一日でした。
ここで十兵衛の命を救った吉松は、余り町中で会う機会がないのですが、なかなか良い味を出してる男です。吉松と知り合っていなかったら、市蔵が来てくれるのかな。そのパターンも見たい気がしますが、吉松が好きなので難しいですね。

花鳥ノ介率いる火車衆を全滅させたために、御神楽党で内紛が起きてるらしい状況に。
この機に独立しようとする陣五郎の強かさが良いし、一方で十兵衛がそれに心穏やかでないことから、弥四郎を憎んでいると言うわけではないのだな、と言う複雑な感情も読み取れます。似ていないので、兄弟ではないでしょうけれど、道場で良き同期だったとか、家族同然に育った幼馴染みだとか……と勝手に想像しておきます。
この期間は、柚子に会いに行っては、道端で落書きをする会話イベントに癒されました。

二十九日に、弥四郎から果たし状が届きました。
江戸の街の見納めと思い、壱を筆頭に、会っておきたい面々を回っておきました。十兵衛が何も言わないので、みんなもごく普通の日常を過ごしていましたけれど、うのだけは歌を止め、話し方も普通のお嬢さんに変わっていたのが最後のサプライズでした。

果たし合いは避けられないようで、自動的に移動して長い決闘ムービーに突入。
どこでコマンド入力が求められるのか、手に汗を握りながら見守ることになりました。
ゲームの期限が長月三十日と定められている理由が、分かってしまいました。切ない終わり方なのですが、多分これ以外のエンディングはないんでしょうね……。
半年間の江戸生活が、十兵衛にとって楽しい掛け替えのない日々だったなら、これまでのプレイが無駄でなかったのだと信じます。
エンディングで家に来ていた三毛と黒猫は、猫又だと思うのですが誰でしょう? 三毛は壱だと思っておきたいです。

長くなってしまったので、総評は次回に回します。

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前回、ディスクの入れ替えがないと語っていたら、直後にDISK2に進めました。どうやら3ヶ月経つとディスクが進むようです。

オープニングで出会った上州屋夫婦の店を、今更発見しました。
以来、足繁く通っているのですが、怯えられるだけでまったく人間関係を築けません。天真が浪人猫又と組んで上州屋を騙すイベントでは、十兵衛が秘かに夫婦を救ったことも知らず、それどころか天真がいてくれれば十兵衛が来ても安心だと語り合っている始末。それを聞いてしまった十兵衛の寂しさを思って、一瞬テキストを送る指が止まってしまいました。
十兵衛が漏らした言葉「うたたこの世は……」の後に、彼は何の気持ちを飲み込んだのでしょう。
背景がとても澄んだ青空だったこともあり、空虚な空白が残りました。

うって変わって、源七のお守りを探すイベントでは、見た目は可愛いのに言動が素っ頓狂な女猫又うのに1日振り回されました。
うのは女性キャラの中で一番好みの顔です。お気楽暢気な言動も、憎めなくて好きです。
当たり籤ではなかったと言うオチも、いかにも長屋物な感じで、楽しいエピソードでした。

人間絡みのイベントでは、市蔵に続いて、十手持ちの吉松にも正体がバレました。
市蔵のイベントは、バレを警戒して水を頼まないでおいたのに、まさかの寝言で正体バレ。吉松の方は自分から首を突っ込んだせいですが、あそこで助けないのも目覚めが悪いし、仕方なかったのかな。
いつもクールで格好良い十兵衛が、お人好しでちょっと格好悪い面を見せてくれるので、ギャップに戸惑ったり微笑ましく思ったりしますね。

そんな感じで進めていたところ、五十緒・鹿之介の仇討ちの日が到来。相手は、十兵衛行きつけの蕎麦屋(どんぶりや)の亭主でした。
当日は、立ち会うつもりで州崎弁天に行きましたが、時間が遅かったのか、勝負が始まっているところからでした。六右衛門と姉弟がどんな対面を果たしたのか、見たかったです。
仇討ちは果たせても、達成感はなく、これもまた哀しみが残されるイベントでした。
猫又世界も、辛いものですね。
ところで、六右衛門は最初から死ぬつもりだったようなので、姉弟を免許皆伝まで育てる必要はなかったでしょうか?

いままで何度訪問しても特にイベントが発生しなかった「萬徳」で、十兵衛がかつて情を交わした女性、志津に瓜二つと言う猫又が登場。
落とし物を拾ったのですが、行き先を突き止めることができず、3日程経って先方から探索されて拾い物を返す羽目になりました。以後、「萬徳」に時間帯を変えて訪問しても梨の礫。返してあげないと、イベント失敗で以後登場しなくなってしまうのかな。
このイベントだけは、完全に失敗しました。

それから、たまに訪れていた剣術道場で、太一青年との稽古がようやく始まりました。姉弟の修行イベントと似たようなミニゲームですが、今回プレイヤーが操作するのは太一なので、動作の遅い太一の操作性に最初は戸惑いました。時間制限がないのを利用して、相手の動きを避けてから攻撃するのがコツでしょうか。

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突然ですが、高利貸しの吉衛門を、殺してしまいました。

そもそもの発端は、壱の舎弟・半次が浄心寺から失踪したと言う出来事でした。
以来、半次を探してうろついていたところ、蕎麦屋(どんぶりや)で今度は吉衛門の用心棒に声を掛けられました。吉衛門が命を狙われているので、十兵衛に護衛を依頼したいと言うのです。引き受けてみたものの、その後のイベント時に選択肢を失敗したらしく、吉衛門は殺されてしまいました。
で、その下手人が半次だったのでした……。

選択肢をやり直して、吉衛門が殺される前に半次を止められないものか?と言う誘惑に耐え切れず、データをロード。
これが、まさかの展開の幕開けでした。
先ずは改めて吉衛門の依頼を受けようとしたところ、ロード前と日が違ったのか、前提フラグを落としていたのか、どんぶりやで用心棒に出会えませんでした。
そこで少し日を進めようと思って法禅寺へ一眠りしに行ったところ、ロード前に散々探しても会えなかった半次が、此処で待ち構えていたのでした!
そこから色々と話を聞いていった末、半次を殺しの仕事に関わらせないため、代わりに十兵衛がこの依頼を受けることになってしまいました。
それでも、何らかの条件で逃してやれるのではと温い期待を抱いていたのですが、結局、用心棒たちごと吉衛門を殺してしまったのでした。十兵衛が刺客として現れたことに唖然とする吉衛門に、こちらも申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
でも、半次を守ってやりたい気持ちが勝ってしまった……。
個人的には、イベントの最後にあった吉衛門の妻子の話よりも、何気なく訪れた堀川町地内に残る、吉衛門の店が荒らされた跡が辛かったです。

それにしても、1つの出来事に対して2通りのイベント展開パターンがあるとは思いませんでした。
想像以上に力の入った作品ですね。

そんなわけで、展開に消沈したり感心したりする内に、続けて御神楽党に追われる練蔵と言う猫又を助けるイベントが発生。
彼が、十兵衛の亡き弟・又次郎に瓜二つと言うことから、十兵衛の過去を垣間見ることができました。弟に果たし合いを求められ、剣を抜いてしまったようですね。詳細は御神楽党のイベントが進めば分かるのでしょうか。
十兵衛の思い入れがあるし、練蔵自身もきちんとした若者なので、マメに面倒を見てやっていたのですが……。
実は刺客だった練蔵に寝込みを襲われ、泣く泣く返り討ちにしました。
また「弟」を殺すことになった十兵衛の哀しみが重く、すっかり「猫侍」に浸っております。

ところで、このゲームはDICK3枚組なのですが、まだ1度もディスクを入れ替えていません。
構成はどうなっているのでしょう。「アルナムの翼」のように、DISC3はエンディングムービーだけだったりするのかしら?

少しずつ進めるつもりが、止め時を忘れて没頭しています。
「渋い」と言っていた主人公の十兵衛が、最近は可愛く見えてきました。

操作性や進め方は、遊んでいる内に分かってきました。
一点だけ困るのは、○ボタンを連打していると、先頭の選択肢を選んだ状態で進んでしまうことです。落ち着いて操作しないといけませんね。

色々な猫又と知り合って、イベントも多々発生し始めました。
一番のお気に入りは、反御神楽党派の若者集団「無頼衆」の頭・壱之新。義侠心の厚さが、いかにも頼れる兄貴分と言う感じ。こういう身体も心も大きい男には惚れますね。それに、同じ「壱」繋がりで、なんとなく親近感もあったりして(笑)。
長屋に帰るのが億劫で、法禅寺をねぐらにしていたところ、壱の舎弟・半次とも、ボチボチ仲良くなれました。
見た目重視だと、医者の源庵先生と、呑み屋(ひげ屋)の女中たかが可愛くて好きですね。仁右衛門も良い奴なのですが、彼はウザさも込みなので、一週間に1回くらいの付き合いが良いかな。
後は、太一と言う若い猫又と知り合い、頼み込まれて剣術道場の師匠になったのですが、道場に行っても指南するイベントが発生するわけでなく、このイベントの進行だけ謎です。

江戸に着いて一月ほど経ったある日、父の仇討ちをするという姉弟、五十緒と鹿之介に出逢いました。
姉弟を手伝う選択肢を選んだところ、十兵衛が不吉なことを言うので失敗したか?と冷や汗。とりあえず、一ヶ月付きっきりで州崎弁天に通い、二人の剣術の腕を免許皆伝まで上げてみました。
ちなみに、姉弟の為に州崎弁天にいると、時々散歩に来る金貸しの吉衛門とも話をする機会が増えて、第一印象が悪かったのが少し好転しました。
逆に、縄元「鐘突き堂」陣五郎は第一印象は良かったのですが、八幡宮に訪ねていくと迷惑そうなので好感度を上げ難く、最近は疎遠になっています。でもなかなか抜け目のない老猫で、こういうキャラがいると深みがあって良いと思います。