• 2009年登録記事

やまざき貴子作「っポイ!27巻」

しばらく離れていたのですが、帯に鷹丘がいるという快挙に、辛抱ならず購入してしまいました。
私は、鷹丘が恋に破れて真っ当な道に戻るところまでこの作品に付き合いたいと思っているのですが、恐らく有耶無耶なまま高校進学するのだろうと諦めていました。
でも、今回の巻を読み、道ならぬ恋の結末がちゃんと描かれるのかも、と淡い期待が蘇りました。

同時に、今回は読んでいて鷹丘が本気で可哀想で不憫でなりませんでした。
確か私が読んでた頃には既に告白してたと思うんですけれど、相手が真に受けず考えてくれないとしたら、頭にきますよね。それでも平と友達付き合いしていた鷹丘は、それだけ平が好きだったと言う事だし、それだけ怒りも溜まって当然。
一方通行で妄想入りの片思い期間は、あれはあれで滑稽で可哀想だったとは言え「面白がる対象」として描かれていたけれど、今度はちょっと違いますね。女子二人並のシリアス扱いで、次巻まで引っ張られてるので、28巻も買わねばならなそうです。

その28巻内容になると思われる本誌では、平と鷹丘がバスケ対決してるそうで、頼むから鷹丘を勝たせてあげて下さい、と四方に念を飛ばしています。
私が鷹丘好きだから、と言う点はあります。でも、平の主人公補正がそこまで行き過ぎると、万里へのコンプレックスが何だか白々しいと言うか、万人に好かれ、勉強はできないといっても補正で何とかなり、社会問題まで解決してしまうスーパー中学生っぷりが、少々鼻につくと思うのです。鷹丘はあくまでも「オフェンスキング」でいて欲しいなぁと願ってます。お遊びで負けるのは良いけれど、勝負で負けてはいけないよ!

で、本来メインである女の子たちの恋は、ちょっと成立しようがないのではと思います。
ヒナもマコトも、お互い同士が一番過ぎて、ヒナは告白する気持ちがわかなそうだし、マコトは振られてしまったようなので……。
如何に「本当は両想い」とは言え、ここまでフラグが消えた状態から成立は、ご都合過ぎるので、むしろナシでお願いしたいところです。

それにしても、ようやく合格発表まで漕ぎ着けたんですね! 受験目前より先に時間軸が進む事はないのでは?と思い始めていたので、そこは快挙だと思います。
あと、この作者の漫画って、白髪かトーン髪のキャラクターしか存在しませんね。偶に見分けがつかないので、艶ベタも投入して欲しくなります。

銀ちゃんの恋の感想では、毎回取り上げる場の粗筋をまとめて書いていましたが、今回の部分だけは敢えて前半後半に分けます。

【18〜19場】
階段落ち当日、横柄に振る舞うヤスを、遂に激怒した銀ちゃんが殴りつけると、ヤスの蟠りが氷解する。
遂に「池田屋階段落ち」が撮影がされ、階段から落ちたヤスは絶命する――

銀ちゃんがトメたちを抑えると、橘も子分を下がらせる二人の関係が好きです。「銀ちゃんが、ゆく」で敢えて銀ちゃんが自分の死を橘にだけ知らせた事からしても、最大のライバルは最大の友人なんですね。ヤスを追い掛けようとする銀ちゃんを止めるのも、橘にしか出来ない事でした。結局、この映画に橘が配されていたことは、銀ちゃんにとって複雑な反面、楽しく嬉しい事だったろうなぁ。
スポンサー@紫峰七海の「チョイ悪親父」扮装がハマっていて、花組ヒゲ部の人材豊富さにトキメキを覚えます。カメラマン役と同じ人とは思えませんね。しかし、写真撮影の瞬間に橘チームの意地悪(ワザと変なポーズを決める・後ろを向く等)がなくて、とても残念でした。
ライターの火は本物ですね。そう言えばドラマシティは火気OKの劇場でした。でも煙草の火はどう処理したんでしょう。殴られた後、ヤスは手に持ってないですよね。

当たり前のことですけれど、本当は、ヤスだって落ちる事が怖かったはず。蹲るような寝方は、その恐れを凄く現していると思います。
「晩飯の後にしてください」は、理屈付けてるけれど、死にたくない、と思う本音が出たのではないかな。
でも十年間銀ちゃんに付いてきて、その集大成として落ちる覚悟を決めたんでしょうね。ずっと銀ちゃんの付き人をしていた自分の価値を認めるために。
階段落ち撮影開始直前、銀ちゃんとヤスはお互いを見合って、でも何も語らなかった。ヤスは、銀ちゃんの言葉を待っているような様子が見えたけれど、何と言って欲しかったのだろう。結局、何を言われてもヤスの覚悟はブレたかも知れないですね。

小説版では生き残った事でヤスは逆に人生に失敗してしまったけれど、ここで銀ちゃんに同格と認められて、その腕の中で死ねた舞台版ヤスは、幸せだったんだなと思います。

【20場】
ヤスの葬式が行われている。と突然、銀ちゃんが棺桶から飛び出し、死んだ筈のヤスも現れる。その場に響く監督の「カット」の声。
なんと此処までが映画「蒲田行進曲」の撮影だったのだ。大団円――

粗筋の締め方はちょっと悩みました。私はこう解釈している、と言う事でお願いします。要は映画版準拠ですけどね。
フィナーレでとても可愛い笑顔の日向燦を見て、とても切なくなりました。その他のメンバーも全員笑顔全開で、良いカンパニーだったなぁと改めてこの公演に参加できた奇跡に感謝です。
DVDには終演後挨拶まで入ってるんですね。危ない遊び(降りかけの緞帳前に人を押し出す)をしてるあたりに、学年の遠慮がなくて驚きました。でも華形は裏で土下座していそうなイメージがあります。

「太王四神記」→「銀ちゃんの恋」と来たら、段々過去に遡ってますので、次は「HOLLYWOOD LOVER」でしょうか。
あの公演は、主催イベントと日程が被ってるのに危うく見に行こうとした魔力ある作品なので、買おうかなと思うだけでドキドキします。

もう一度、ギャッツビーに関する話。

作中、ギャッツビーが口癖として使う「オールド・スポート」という言葉を、村上春樹氏はそのまま「オールド・スポート」と訳しています(※)。

これについて、氏は解説の中で下記のように述べています。

もちろん僕としても「何か適当な日本語の訳語」があれば、喜んでそれを使っていたと思う。しかし適当な訳語はとうとう見つからなかった。ご理解いただきたいのだが、僕はこのold sport問題について、もう二十年以上にわたって「ああでもない、こうでもない」と考えに考えてきたのだ。決して努力を怠り、安易に原語に逃げたわけではない。「オールド・スポート」は「オールド・スポート」でしかなく、「オールド・スポート」以外のものではあり得ないのだ。
—村上春樹 訳者あとがき

しかし、「日本語訳グレート・ギャッツビーという読み物」を書いている以上、日本語として読んで分かる言葉に置き換えて欲しかった、と言うのが私の感想です。
もちろん誤訳は困りますが、たとえば映画スター・ウォーズで、最初の訳者はフォース→理力と訳しました。後日再訳される時には既にフォースという言葉が定着していたので、そのままフォースでも問題ありませんでしたが、引っ掛かるよりは理解できる言葉に置き換えるという判断をした最初の訳者は、素晴らしいお仕事をされたと私は感じています。
100人中90人が片仮名のまま読んで理解できる単語ならば、それは自分が無知なだけだと諦めますが、はたして「オールド・スポート」を理解できる読者がどれほどいるのでしょうか?
私は、英語が堪能な読者でなければわからないと思います。

では、そもそも「オールド・スポート」ってどんな意味なのでしょうか。そして、どう訳せば適当なのでしょうか。

old 【形】〈話〉親しい~ちゃん、親愛{しんあい}なる~
sport【名】《男性間の呼び掛け》君

前述の訳者あとがきでは、英国人の当時の言い回しで、気取った感を与える呼び掛けだと解説しています。
「君」とか「貴方」なんてのも気取って感じるし語自体の意味としても適当かなと思いますが、個人的には「我が友」なんてどうだろうと思います。

ちなみに、「我が〜」思い出しただけでこの件と無関係ですけど、銀英伝の「我が皇帝(マインカイザー)」は、「我が君」と脳内で読み替えてました。
我が皇帝って、確かにその通りなのだけど、日本語としては違和感を感じます。そのままマインカイザーと読め!と言われればその通りなのですが、だってカタカナより漢字と仮名が好きな日本人だもの。

※正確には、初出セリフのみ「あなた(オールド・スポート)」とルビを振っています。

先日「猫カフェ」にいきました。

猫カフェ(ねこカフェ)、猫喫茶(ねこきっさ)とは、室内に猫を放し飼いにし、猫とふれあう時間を提供する業態の喫茶店である。猫に扮した店員が接客を行う喫茶店はネコミミカフェ(喫茶)と呼ばれるコスプレ系飲食店の一業態であり、猫カフェとは区別される。
(Wikipediaより)

普通、ドッグカフェと言えば「犬同伴OKの喫茶店」ですが、猫カフェだと「店に猫がいて戯れる喫茶店」になるのが不思議ですね。

30分ごとに時間制の料金が課金され、それと別にワンドリンクオーダーと言うお店でした。
猫の為の遊び場フロアが喫茶スペースと別にあますが、猫は好き勝手に動いてるので、遊び場フロアで猫じゃらしを追っていたり、喫茶スペースのカウンターで寝てたりと、自由気まま。まぁ午後に来店した為か、ほとんど寝ておりましたが、事情があって自宅で飼えないような猫好きには夢のような場所だろうなぁと思いました。
私は正直に言ってしまうと犬派で、猫はあまり興味がないので、友人の付き添いで来店し、ケーキなぞ食べたりしておりましたが、猫の餌を購入しておびき寄せると、何匹も「餌おくれ〜」とやってくるのはなかなか壮観で楽しかったです。

最近、美味しくても記事にするほど熱意を持てるお店がなかったのですが、ひさしぶりのヒット!でした。

レストラン マノワール・ディノは、渋谷からほど近い住宅街の中にある一軒家のレストラン。シェ・イノの井上旭氏のお店です。
久し振りにフレンチでお値段に見合う良い食事が出来た、と満足のいく美味しさでした。
フォアグラのフランと言う、言わばフォアグラの茶碗蒸し的な料理がこのお店のスペシャリテの一つですが、よく料理漫画等に出て来る「まったりとしていて、それでいてしつこくない」と言うフレーズが良く理解出来ました。ちなみにランチでも提供しているそうですが、そちらは肉抜きで少し味わいが変わっているそうです。

ウェディング等も行っているようで、晴れていれば庭も使える立地なので、こじんまりした結婚式なら素敵に演出出来るのではないでしょうか。
ただ、暖かい雰囲気な分、店のグレードにしてはフレンドリーなスタッフが多い点は好みが分かれそうです。