• 2009年登録記事

司馬遼太郎著「燃えよ剣〈上〉」

取り敢えず上巻のみ読破しました。

明治維新以降の近代史というものは、日本史の授業で駆け足気味に触れる程度なので詳しくありません。新撰組も左幕派の人斬り集団程度の理解でした。
元々は攘夷を掲げていた事を知り、成り立ち等は眼から鱗でした。勿論、歴史「小説」なので創作性が高いことは承知していますが、この辺の経緯自体は史実に沿ってる筈ですよね。
司馬遼太郎作品自体は、高校時代に「竜馬がゆく」を途中まで読んだ記憶しかありません。そんな訳で、司馬先生の文章には大変久し振りに触れましたが、その前に読んでいた小説が翻訳物の「武器よさらば」だったこともあり、歴史に疎くてもある程度背後関係を説明してくれますし、読み易い文章で面白かったです。下巻は貸出中でまだ読めてませんが、続きも楽しみです。

ただ、改めて司馬作品に触れて不満に思った事が2点ありました。
まず、インテリ嫌いなのかなと、と感じた点。「竜馬」でも武市半平太の評価が辛くて、人物に対する好悪が激しい人だなと思った記憶がありますが、「燃えよ剣」でも山南敬助や伊東甲子太郎には興味がないのかなーと思いました。
それから、女性の扱い。基本的に、出て来る女性は主人公と懇ろになるか、指針・安らぎになる存在の二択(後は主人公に関わらない友人の妻)で、主人公の付属品的に感じてしまいました。
別段ラブロマンスが読みたいわけじゃないので良いのですが、なんとなく物足りないのも事実。女性として、女性の使い方に不満なのかな。

前回の「太王四神記」感想は長過ぎたかなーと思ったので、なるべく纏めてサクサクっと感想です。
今回も文章練習を兼ねて、簡単な粗筋を付けさせて頂きましたので、見てない方にも作品を何となく楽しんで頂ければ幸いです。

【第1場〜第5場】
撮影所では映画「新撰組」の撮影が行われている。
主演・土方役の銀ちゃん(倉岡銀四郎)は、共演スター橘に出番を取られ、最大の見せ場「池田屋階段落ち」も危険の為カットすると言われて落ち込んでいた。銀ちゃんの子分で大部屋役者のヤスたちは、浮き沈みが激しい気分屋の銀ちゃんに手を焼かされる。
そんなある日、ヤスのアパートに銀ちゃんが妊娠した恋人・小夏を連れて来て、二人に結婚するよう命じた――

ドラマシティの開演ベルが長過ぎて、いきなり出鼻を挫かれつつ開幕。
専務@眉月凰と秘書@初姫さあやのコントとしか言いようのないやり取りで、観劇時は初っ端から唖然とした記憶がありますが、DVDだと……一層サムかったです(笑)。
眉月は、私好みのロマンスグレーの小父様。初演には存在しなかった役だと知って、吃驚しました。この役がなかったらこの芝居はこんなに暖かい内容になっていないのでは、と思います。眉月自身からも、宛書かな、と思うくらい根の人柄の良さを感じました。
初姫さあやは、DVDで見ていると芝居が大仰過ぎるかなぁと思いますが、この芝居全体がそういう演出なので、問題と言う程ではないかな。

シルエットから、大見得を切って登場した銀ちゃん@大空祐飛。
観劇時は気付きませんでしたが、鬘のモミアゲ部分の糊付がなんとなく浮いて見えますね。本来の和物やるほどの着替え時間がない&作中劇である印象を全面に出す為にわざと、かしら。
新撰組扮装が大変似合ってるので、勿体ない気もします。
あと、舞台だと銀ちゃんと橘@真野が同期と言われて納得出来ましたが、DVDのアップだとちょっと年齢差を感じちゃいますね。

観劇の時の感想にあまり触れなかったので、銀ちゃんの子分チームについて。
見ているこちらは、銀ちゃんが放埓過ぎて付いていけないのですが、M度が常軌を逸してるヤスは別格としても、トメも意外によく付いてきますよね。日向燦が、ちゃんと脇役に徹しながら、役自体は相当作り込んでる辺り、目立ち過ぎてた「舞姫」からすると成長したなぁと思います。今後も全力で応援したい別格役者です。
ジミー@望海風斗は、作中の幕末純情伝ネタを意識してか、声が可愛いですね。しかし、なぜ大部屋役者が沖田総司なんてちゃんとした役を貰ってるのかなぁ。マコト@夕霧らいは、「ししとう」での銀ちゃんに呆れてる度合いから、子分になって日が浅いのかなぁ等と思います。ヤス&トメが濃い分、この二人は可愛い感じですね。

前回書いた通り、DVDがヤス@華形ひかるを中心に映す事が多く、やっぱりヤスが主人公だなぁと思います。
1場Dで階段をチェックしてるヤスは、この時既に階段落ちを考えてたのでしょうか?
小夏@野々すみ花はDVDアップで見ても巧いですね。若いのに、落ちぶれた女優って感じが漂ってることに感心します。ダンスは特別巧くないので、大空とのデュエットダンスがどうなるのか不安です。
スナック「ししとう」のシーンは、生だと抱腹絶倒だったけれど、DVDで見ると少し強引過ぎる感があると思います。
そう言えば、DVDテロップで驚きましたが、ママ役が月野姫花だったんですね。台詞が2、3ある程度の出番なので、これだけで判断は出来ませんけれど、噂で聞いてたほど大根役者でもない気がしました。

作中の楽曲は3つくらいしかないのでは、と思っていたけれどソングメニューはあるんですね。一応8曲9シーンありました。歌として良いと思うのは「悲しい日々」ですけど、好きなのは銀ちゃんの「主役は俺だ」。
・俺の芝居に合わせてくれ
・俺より二枚目出さないでくれ
・俺のアップに割り込む奴は許さない
・俺より出番が多い奴らは蹴落としてやる
・脇役、助演者遠慮してくれ
いやはや、こんな奴と芝居したくないなぁ! と心底思いますが、そんな卑怯で情けない銀ちゃんを格好よく思わせる大空祐飛のスター性と、そんなに参っちゃってる自分のファン脳に苦笑しつつ、次回へ続きます。

主に「たまごスクランブル」の材料としてですが、自作ゲーム用に出したアイディアで、どのネタにも組み込まなかった没システム案などを拾ってきました。
結局完成してない作品の没ネタなので、ある意味没の没……。

1.コマンド制戦闘システム
攻撃時に選べる行動は下記の4種。

  • 通常攻撃
    防御中の敵に小ダメージ、全力攻撃の敵に中ダメージ、フェイントの敵に中ダメージを与える。
  • 全力攻撃
    通常攻撃の敵に大ダメージ、フェイントの敵に大ダメージを与える。
  • 防御
    全力攻撃の敵に大ダメージを与える。
  • フェイント
    防御の敵に大ダメージを与える。

三竦み(ジャンケン)の法則を元にした戦闘システム。
「限定ジャンケン」みたいな巧い三竦みを創作しよう!と意気は壮大だったのですが、バランスの調整で頭がパンクしそうになったので早々に破棄。

2.属性変化案
   火←→水
 光←|――|→闇
 └─風←→地

フィールド属性と、攻撃属性により
 フィールド:風+光→雷化
 フィールド:風+火→全体効果。恐慌判定
 フィールド:水+地→敵素早さ低下
 フィールド:地+火→攻撃力上昇
など効果が変化する。ただし、対立関係(←→)にある属性同士は反発するため、威力が弱まる。
線で繋いだ属性は融和関係にあり、効果が変化する。
更に追加で、負と生、木製と金属製によって宿る属性が異なる等、一時期属性ネタを凄く凝った事があるのですが、複雑怪奇になって敬遠されそうなので没。

3.EQU(要検討)
装備制限は基本的になく、どんな職種がどんな装備をしても良い。但し、アイテムには必要EQUが設定されており、各キャラクターのステータス「EQU」を割り振って装備する事になる。
例えばEQU15のキャラクターと、必要EQUが10の剣、5の斧、10の鎧、5の服がある場合、剣と服(計15)、斧と鎧(計15)、斧と服(計10)は同時に装備出来るが、剣と鎧(計20)はレベルアップしてEQUを上げないと同時に装備できない。
これは「たまごスクランブル」に取り入れても良いかもと思ってたのですが、検討段階のまま保留に。もしEQUを設けるならば、早期に高レベルたまごが入手出来ても、バランスが崩れず良いかな〜とは思います。

今日は職場で健康診断を受けたのですが、ちょっとゾッとする程視力が落ちていて、真剣に眼鏡購入とPC&ゲーム制限で悩んでいます。
その視力、0.6と0.3(前年は0.8)。
完全に近視のようで、作業したり本を読んだりするには問題がないため、こんなに悪くなってるとは思いませんでした。免許更新が出来れば良いやと今まで思っていましたが、これでは引っ掛かりますよね。
診断を受ける直前まで仕事してたので、調節緊張の影響で悪くなってるだけ、と自分を信じ込ませたい所ですが、実はこれまでも、人と会っても、相当近付いて頂かないと顔をはっきり確認出来ないとか、色々不都合はあったのです。放っておいたツケですか……
周囲にレーシックを受けた方が何人かいて、薦められたりもしてますが、絶対安全と言える手術ではないので、決断は出来ず。コンタクトも不安となると、眼鏡しか選択肢は残ってないので、その内お会いした麻生が眼鏡ッ娘に変わっていたら、皆様、慰めてください。

麻生は字書きを自称していながら、きちんとした文学を読んでいません。
当初は至極真っ当な文学少女だった為、児童文学は大体読破しているのですが、背伸びしたくなった年頃が早過ぎて「老人と海」「失われた時を求めて」「赤と黒」等を小〜中学生頃に読んでしまい、何が面白いのかさっぱり分からず、その頃からライトノベルに脱線してしまったのです。
その後は「有名作に手を出したくない」と言う例の天の邪鬼性格が追加され、増々文学から遠離る事になってしまいました。

が、最近色々な要因があって、唐突にS.フィッツジェラルドの小説が読みたくなりました。
生憎、実家本棚に存在するアメリカ文学小説は数える程のため、意欲と購入に関する面倒を天秤に掛けて検討していたのですが、家人から図書館に行けと追い出されたので、数年ぶりに公立図書館へ行ってきました。
代表作である「華麗なるギャッツビー」が無難かなと思って書架検索をしたところ、なんと館内所蔵の3冊がすべて貸出中。
仕方ないから「夜はやさし」で良いか、と思ったらこちらは1冊のみで貸出中。
凄く意外だったんですけれど、今、フィッツジェラルドって、局地的流行でもしているのですか?
結局フィッツジェラルドの本は短編集しか残っておらず、長編を書く事に心血注いでいた作家なのに、短編から入るのも悪いような気がして、断念。
で、代わりにフィッツジェラルドとは縁深いヘミングウェイの「武器よさらば」を読む事に。
純粋な知名度ならフィッツジェラルドよりヘミングウェイの方が上では、と思うのですが、こちらは書架にたっぷり残っていたので、二種類3冊(訳者違い)借りてしまいました。
取り敢えず、二種類を読み比べて原文を想像しながら牛歩の読書開始です。
「老人と海」の印象は全く記憶に残っていないのですが、改めて接すると、ヘミングウェイの文章は非常に淡々としてますね。今のところ、情景描写と会話しかない印象です。特に吃驚するのは、主人公の一人称なのに、主人公が何を考えてるのかさっぱり分からないと言う点。
これが“ハードボイルド”かと開眼しつつも、「面白いか」と聞かれたら、「私は面白くない」と答える自信があります。アメリカ文化やアメリカ文学に慣れてないと、真価が分からないのかも知れませんね。E.ヘミングウェイと言う人間自身が、私から見れば実にアメリカ的でもありますし……。
そんなわけで、予約した村上春樹訳の「グレートギャッツビー」が来たら、放り投げるかも知れません──ので、放棄防止のため日誌に読んでる事を書いてみました。

ところで、性格の不一致だとか、著作での実名批判等の問題から、フィッツジェラルドとヘミングウェイは絶縁していたのだと勝手に思っていましたが、実際は死ぬまで文通をしていたんですね。
二人の手紙をまとめた「フィッツジェラルド/ヘミングウェイ往復書簡集」が読みたくなりましたが、図書館に入っていませんでした。買うと……後悔しそうな気配がする(苦笑)ので少し間を置こうと思います。