• 2015年登録記事
酒井順子著「トイレは小説より奇なり」

ベストセラー「負け犬の遠吠え」の著者によるエッセイ。
著者の狙い通り、下品だけれど、下劣ではないという線を突いています。とはいえ、全体的にシモの話という時点で、読み手のタイミングや心理状態によってはやはり辟易します。
また、エッセイは時代感が強く出るので、今現在読むには、本書が発行された時期と当時の世論を踏まえて読む必要があると思いました。

O・ヘンリー著 芹澤恵訳「1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編」

「賢者の贈り物」「最後の一葉」等、ザックリした粗筋は知っていましたが、実際に読んで、なるほどこういうお話だったのかと色々驚かされました。
星新一作品が好きなので、同じようにどんでん返しが効いていて、少しホロリとさせる短編集ということで、全作品とも面白かったです。
描写は少しクドいところもありましたが、これは翻訳の問題ではなく、原書がそうなのだろうと思われます。

TVアニメ「アルスラーン戦記」最終回25話「汗血公路」
http://www.arslan.jp

完全オリジナル展開だった前話「決戦」は、どう書いても酷評になることが予想されたので、感想をパスしてしまいました。
さすがに最終話は「トンデモ」展開ではなかったので、その点は安心しました。ラブコメ展開だと、原作の台詞もところどころ活かされていて、それなりに見ていられました。問題点は、アルスラーン戦記はラブコメでないということですが。しかも結局は「2期へ続く!」と言わんばかりの最終話感が薄い終わりだったので、無理にオリジナル展開の戦闘を作らなくても良かった、と思わざるを得ません。
半年かけて「アニメ化するなら漫画版のストックがないと駄目だ」と分かったので、2期があるとしても、8年後くらいが妥当ですね(苦笑)。
同じ原作者の小説原作を9割方再現して好評を博した偉大な前例があるのだから、アルスラーン戦記も倣えば良かったと思うのですが、TV放送ではそれは許されないのでしょうか。

ギーヴも含めて主要キャスト総出演で、エトワールも可愛かったし、単体で見れば楽しい1話でした。

24話のことは蒸し返したくないのですが、一点だけ。
23話と24話の間で、地下水路にいたキシュワードがいつのまにか軍に戻っているというワープが発生した件は、脚本家が異なるため、展開の詳細がきちんと伝わっていなかったのだろうと納得しました。
しかしファランギースにイアルダボード教を「邪教」と呼ばせた脚本家と、25話では共存を解く台詞を持ってきた脚本家が同一人物ということに、酷く混乱しています……。

ユアンさまサーチのサイト検索機能提供終了日が近付いているため、その準備をしています。そうしたところ、「北米版台詞集」に、パルマコスタ人間牧場(ロイド達とレネゲードが協力体制を結ぶイベント)を収録できていなかったことが分かりました。
このイベントは、ユアンさまが登場するイベントの中では「マナの守護塔」「アルテスタの家」に次いで台詞量が多く、ちょっとしんどいのですが、折角なので完全収録を目指すことにしました。
久し振りの英語書き取りで色々不安ですが、少しずつでも書き溜めていきます。
以下、とりあえず収集できた部分のみ転載。


Lloyd
Renegades!

Genis
So that's it. Neil and the others couldn't tell the difference between the Desians and the Renegades.

Botta
We've been waiting for you.

Regal
Are you saying you were expecting us to come here?

Botta
Does it really matter? We have more important things to discuss, such as joining forces.

Raine
…Unbelievable. You actually expect us to trust you after all you've done to Lloyd and Colette?

Yuan
The circumstances have changed.

Sheena
Yuan!

Yuan
Do you know of the Giant Kharlan Tree?

Zelos
The legendary Giant Tree said to have existed in the Holy Ground of Kharlan, right?
It's the tree of life, which produces infinite mana.

Colette
Isn't that just a fairy tale?

Yuan
The Giant Kharlan Tree indeed existed. But the Kharlan War exhausted its mana supply and the tree wilted away.
And now all that remains is its seed left in the Holy Ground of Kharlan.


ここまで書き取って、今更ながら、ゼロスでもジーニアスでもなくコレットが「大樹カーラーンはおとぎ話じゃないのか」と問うことに驚きました。
天使の子供と呼ばれ、神子の使命を受けて旅立った少女が、聖典に記載されている大樹カーラーン(マナを生む樹)をおとぎ話だと疑っているのは、再生の旅の中でクルシスの正体を知って生じた疑問なのか、それより以前から抱いていた疑問なのか、と想像するとコレットの複雑な心理が伺えます。

全体的には日本語台詞の直訳という感じですが、ボータの台詞回しは面白いと思いました。
リーガルから痛いところを突かれて「さぁ、どうだろうな」とトボケてから「それより我々と組まないか」と持っていく台詞が、まず「Does it really matter?」で「そんなことどうでも良い」というニュアンス。続きの「We have more important things to discuss, such as joining forces.」は「もっと重要な話がある、例えば我々が手を組むというような」という感じでしょうか。1文ずつ読むと雰囲気が違うけれど、両方組み合わせると日本語と似てくるのが面白いです。
それから、リフィル先生が「ムシがいいとは思わなくて」と呆れるニュアンスは消えていますね。「actually」と言っている辺りは、ネイティヴっぽさがあります。どう訳していいのか分からない単語ですが(苦笑)。

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現在地:3年目の4月5日

ようやく、収穫できました!
キャットニップ、ソープワート、ミント等々、実りはさほど多くありませんでしたが、やはりできると嬉しいです。特に目を見張ったのがサフラン。ドライサフランに加工すると、凄い価格で売れますね! 次のサフラン植え付け期が来たら、庭をサフラン地獄にして荒稼ぎしようかな。
収穫物を売り払って手に入れたお金で、10月にベンチを購入。体力回復のツールがあるとないとでは大違いで、特に「手入れ」をするには必須だと思いました。

そう、今まで「手入れ」は雑草を抜く操作だと思っていたのですが、種や苗を植えた箇所に何度も「手入れ」をすることで成長を進めることができるのでした。これが分かって以降は、安定しています。ただ、つぼみを付けた翌日に突然枯れてしまうという現象が2回ほど起きたけれど、これは水の量が不適切なのかな。まだ試行錯誤すべきことは色々ありそうです。

コンテストはスイセンということで、秋に早速球根を植えましたが、なんと11月に花が咲いてしまいました。
慌てて追加の球根を植え付けたのですが、結局これも3月に咲いてしまい、5月を前に全滅……。
花を咲かすこと自体ではなく、コンテスト当日に咲かせておくことが難しいと分かったので、次回は植え付けの期間中毎日一株植えるというやりかたで、なんとか1輪でも咲くように工夫しようと思います。

ちなみに、2年目の夏は台風が2回も来ました。台風になると、さすがに庭仕事ができず1日消費されてしまうのですね。天気予報を聞いていたので対応できましたが、もし風避けを掛けていなかったら全滅だったのかしら? さすがに、それは試す気がしません。

檀ふみ編「映画狂時代」

映画(俳優、監督含む)にまつわる短編小説やエッセイ16編。
もっとも、俳優についての内容は、映画狂というテーマに則していないと感じたものもありました。
年代・幅が広く、何作か読んでいる作者も含まれていましたが、具合良く知らないものばかりで楽しめました。
以下、印象に残ったものだけピックアップ感想です。

谷崎潤一郎著「人面疽」

いかにも谷崎作品という印象。私の嫌いなホラーストーリーですが、呪いめいた謎の映画にぐいぐい惹き込まれました。

北杜夫著「活動写真」

映画好きの男が酒と映画に酔って、ある種幸せな終わりを遂げるお話。いかにも映画狂というに相応しい内容でした。

西川美和著「x=バリアフリー」

映画監督である氏が抱く、視覚障害者または聴覚障害者向けに映画を修正することに対しての所見を含めたエッセイ。
聴覚障害の方は字幕でなんとかなるとしても、視覚障害の方が「映画が見られる」ということに、失礼ながら驚きました。

恩田陸著「ある映画の記憶」

映画を基に現実に起きた事件を解く一人称小説だったのですが、アンソロジーの性質上、エッセイだと思って読み始めてしまったせいで、終盤の展開に少し鼻白みました。

筒井康隆著「ハリウッド・ハリウッド」

軽く笑えるコメディ。
この作品のように、高尚に見せようなんて野心が見えない、エンターテイメントに徹する姿勢は、映画でも小説でも好きだなと思いました。

三浦しをん著「思い出の銀幕」

「まほろ駅前多田便利軒」からの一編。三角関係の構成が男一人女二人の場合は長引き、男二人女一人の場合は決着が早いという曽根田のばあちゃんの言は参考に成りました(笑)。

松本清張著「顔」

ミステリ嫌いだったので、これが初の清張作品となりました。さすがに別格感があります。
石岡貞三郎を京都に呼び出さなければ、ミヤ子の一件を忘れたままで、映画を見ても気付かれなかったのか、どちらにせよ発覚していたのか……と何度も考えてしまいます。