• 2015年登録記事

3DSの協力プレイアクション「ゼルダの伝説トライフォース3銃士 試勇版」で、インターネットプレイを体験してみました。
http://www.nintendo.co.jp/3ds/ea3j/
(試勇版でのインターネットプレイは、11月27日までの期間限定)

3人で組んで、「ビリビリ洞窟」「バクダン保管庫」「炎の神殿」のいずれかのマップを攻略できます。
どこを選ぶかはメンバーの投票制。
ビリビリ洞窟は選ぶ人が少なくて、ほとんどバクダン保管庫か炎の洞窟にばかり行っていました。みなさん、ビリビリ洞窟は攻略済みだったのですかね。

最初に遊んだときは、通信エラーが頻発したり、途中で抜ける人がいたりで、あまり満足に遊べませんでした。
夜遅くなると、恐らくゲーマーだろうなと思われる方々と一緒になり、お互い通信も安定していたので問題なく遊べましたが、結局ボス撃破までは至りませんでした。

「4つの剣」で協力プレイをしたときと同じような面白さがあったし、3人でハートを共有しているので、お互いのことを配慮し合うという、なかなか新鮮なゲーム体験ができます。
ただ、意思疎通の手段が「コミュニケーションアイコン」という8種類の顔文字しかなくて、単に「やったね」とか「失敗してごめん!」という気持ちを伝えるだけなら問題ないのですが、例えばバクダンを空気ツボで吹き飛ばさなくてはいけないのに、巻き込む位置に立っている人がいるとき、その場所を動いて欲しいと伝えたくても、そんなアイコンは用意されていないのですよね。いくら待っても動いてもらえず、仕方なく謝ってから一緒に吹き飛ばしちゃった時があります。ごめんなさい。
恐らく、自由な文字チャットを解禁するとプレイヤー同士の間でトラブルが起きるかもしれないから、敢えて不自由なアイコン制にしているのだろうとは思います。体力満タンの時にハートの出るツボを壊し尽くしてしまう人を注意したかったけれど、そういうことを言い出すと、自分もいっぱいミスするので、責め合いになっちゃうでしょうしね。
もちろん、巧く意図が通じたときの嬉しさはバッチリありました。

力を合わせないと進めない箇所が多いので、ローカルプレイで、友達と3人で喧々諤々しながら遊ぶのが一番楽しそうかな〜と思います。
「トライフォース3銃士」で遊んでくれる友達2人と、3DSを持って集まる場所が必要ですが……。

M.C.ビートン著 桐谷知未訳「メイフェアの不運な花嫁 英国貴族の結婚騒動」

ジェイン・オースティンが描く英国貴族の世界を、使用人たちの視点から覗き見ているようなラブコメディシリーズの2編収録。
ジャンル的には「ヒストリカル・ロマンス」ですが、このジャンルによくあるエロ小説とは一線を画す、格調高く、でもシニカルな笑いに満ちている、純粋な「お屋敷もの」小説でした。

表題作「メイフェアの不運な花嫁」は、お馬鹿を装っている美女が、孤児院出身かつ文無しの身を隠して名士を掴まえる、計略に満ちた話。
2作目「メイフェア勇敢なシンデレラ」は、溌剌とした少女が好奇心から殺人事件に首を突っ込み、同じ謎を追う放蕩児と意気投合して駆け落ちする話。
若干、展開が急だ、と思うところはあったけれど、どちらも読み応えがありました。
ヒロインは屋敷の借り手なので社交シーズンことに変わり、使用人たちはレギュラーキャラクターという形式です。だから、実際に不運なのは、花嫁候補たちではなく、この屋敷に縛り付けられている使用人たちですね。

物語としても楽しんだけれど、階級社会のあり方や当時の英国の風俗が克明に描かれているので、大変勉強になりました。

PSゲームアーカイブスのサバイバル・シミュレーション「DESERTED ISLAND」を開始しました。
→DESERTED ISLANDソフトウェアカタログ

デザーテッドアイランド

新発見された無人島に調査隊として上陸し、探索するゲーム。
まず4カ国から探検チームを選択。ステータス優位だという大英帝国にも惹かれましたが、一回目はやはり大日本帝国を選ぶことにしました。
隊長(大菅博士)のステータスは、体力・反射力・知力・筋力に20ずつ振り分けてみます。
島は調査隊が勝手に命名。デフォルトネームは「しょううん島」なのですが、漢字が大量に用意されているのに間抜けな表記なので、「祥雲島」にしてみました。

探索の初日は混迷を極めました。
まず、食料も持っていないことに気付かないまま、探索し始めてしまいました。後ほど、夜にキャンプに戻った時点で、ようやく食料を持っていなかったことが判明しました。
そもそも、探索中「食事をしよう」等と仲間が言い出した時点で、食事にするためメニューを出そうとしたのですが、操作説明書のコントローラー説明を信じて「○ボタン」を押したのにメニュー画面に移行せず、右往左往することに。必要になったら勝手に移行するのかも、と諦めて探索を続行してしまったのですが、日が落ちてもキャンプしないので違うと気付き、仕方なくボタンを総当たりしました。なお、最終的に判明したメニュー表示は「□ボタン」でした。

探索では、初っ端に空飛ぶ皿「カーグラン」を発見。軍医が「目の錯覚かな。疲れとるのかもしれん」と言い出した時点で、ああ、なるほど「バカゲー」なんだなと理解しました(笑)。

空飛ぶ皿

その他、不気味な生物「グレーグレー」やら、言いたいことは分かるけれどネーミングがおかしい普通の木「並木」だとか、ヤシの木やダイヤモンド等の実在する物質をあれこれ発見。
目の大きな「うるる猿」というのは、「漂流記」のあの子なんでしょうか!?
また、マップ上での発見物はローポリゴンですが、博物誌の記録写真は実写風のCGで、妙にリアリティがあって良いと思いました。

カーグラン

しかし、夜中に森の中を彷徨いていたら、突如謎の獣に襲われ、箕田、小森、加藤の3名が死亡。結果、探索不能になってゲームオーバーとなりました。
……一度もセーブしていなかったことに気付いたのは、そのときです。

自分としては結構な時間を遊んでいたつもりでしたが、終わってみたら、ゲーム中時間は2日しか経過していなかったようです。
全発見率は7%。
島自体は小さいし、手持ちの食料数から考えても、探索可能期間は数週間といったところかな。

隊員たちの会話や地のテキストが面白いし、どういう珍妙な動植物が登場するのか、まったく予想ができなくて面白いです。気味の悪い発見物も結構多いですが。
進めかたは分かったので、次は巧くやります!

ボーモン夫人著 鈴木豊訳「美女と野獣」

15編のフランス童話集。教育者であったボーモン夫人の作品だけあって、どれも子供に読ませるのに最適の教訓が含まれた、道徳的なお話ですけれど、面白味もあって、優れた図書だと思いました。
収録作の中では「美女と野獣」と「三つの願い」が有名だと思いますが、原典はこういう話なんだな、と勉強になりました。例えば、美女と野獣の商人の家には、ベルと姉2人だけでなく兄3人がいて、意地悪な姉2人は石像になってしまうなんて、本書を読むまで知りませんでした。

基本的に愚かな者は報いを受けるのですが、「美しい娘と醜い娘」(原題“Bellotte et Lalderonette”)は少し違う展開で面白かったです。
美人だがオバカな姉ベロネットは王妃になるも、あっという間に王の寵愛を失って離縁されてしまう。醜い妹レードゥロネットは年上の大臣と結婚するが、非常に聡明なので夫からも王からも大事にされる。——と、ここまではよくある童話なのですが、このあとベロネットはレードゥロネットの助言を受けて勉強し、賢さで王の愛を再び手に入れるという逆転物語なのです。
一度間違っても、やり直しがきく優しさがあって、素敵なお話だと思いました。

カバー装画(東逸子)も素敵ですが、本文中の挿絵は、19世紀初頭の版で使われていた石版画ということで、お伽噺の雰囲気を盛り上げてくれます。
ただ、訳に若干引っ掛かって、浸りきれなかったのが残念です。