• 2017年登録記事

PS4のローグライクゲーム「不思議の幻想郷 TOD -RELOADED- 本編まるごと体験版」を遊びました。
https://www.aquastyle.org/fushigentod_r/

不思議の幻想郷

本作は、同人ゲーム「東方Project」を題材にしたファンゲーム「不思議の幻想郷 -THE TOWER OF DESIRE-」(以下“TOD”と表記)のDLC入り完全版。
体験版は、なんとTODのメインストーリー「異変解決の途」をクリアまで遊べて、続く「届いて、地獄からのSOS!」を15階まで探検できる、破格の内容になっています。

異変解決の途

これだけ成長させて、40階に到達し、ボスを倒してもまだ続く圧倒的ボリューム!
この体験版だけでも十分ローグライクの面白さを堪能できてしまうので、製品版を購入しないと申し訳ない気持ちになるくらいです。5/10までは「PlayDoujin!スプリングセール2017」の対象で15%引きですね。うーむ……。

最大のネックとしては、「東方Project」を知っていることが前提のファンゲームなので、世界観等の説明はありません。また、キャラクター同士は既知の関係としてどんどん登場するので、ストーリー面や会話は分からない部分も多いです。
もっとも、個性的なキャラクターによる軽妙な掛け合い自体は、彼女たちをよく知らなくても楽しめます。何と言っても、可愛いという点はポイントが高いです。

博麗霊夢

少々癖のある主人公・博麗霊夢については、「スレイヤーズ」のリナ・インバースを少し幼くしたようなキャラクターだな、と解釈しました。
霖之助の「僕の金の玉」発言には、「スクライド」の橘あすかを思い出したりして笑っていたのですが、エンドロールで直球の「玉」の話になって、大いに突っ込んでしまいました。

肝心のゲーム部分は、ローグライクゲームの基本を押さえた上で、通路ダッシュや道具をまとめるなどの便利な機能があり、一枚絵演出付きの派手な技(スペルカード)があり、意外と丁寧な初心者向けの作りになっています。

スペルカード演出

全体的に雰囲気が明るいためか、ダンジョン探索の辛さより楽しさを感じます。

アイテム管理については、「スキマ」と「にとフュージョン」が便利すぎて、ちょっと難易度を下げているようにも思いますが、これはプレイヤーが好みで縛るべき部分でしょうか。

もちろん、チュートリアルも完備。

チュートリアル

別途、テクニック紹介とパズル的に解くダンジョン「華扇道場」があるお陰で、プレイヤースキルがしっかり鍛えられます。

とにかく同人ゲームとは思えない驚異的なクオリティで、人気がある理由もよくわかりました。
携帯機ゲームの方が向いているゲームジャンルなので、Vitaを持っていたら確実に購入だな……と思うのですが、セール期間中はもう少し検討します。案外、買ってしまいそうな気がしています。

体験版クリアイラスト

現在地:盗賊団エイタロン退治まで
スタール村は、帰ってきたら壊滅しているだろうと覚悟して出掛けたので、なんだ無事助かるのか!と拍子抜けしました(笑)。

スタールの英雄

前回書いた3D酔いの問題は、カメラ感度を下げることで1時間くらい耐えられるようになりました。しかし完全解決とはいかず、長く遊ぶと気分が悪くなってしまいます。ゲームプレイ時間を強制的に制限できると考えれば、悪いことでもないかな……。

序盤が終了したと思われる現時点では、特に大きな不満もなく遊んでいます。
当面は、リリアの素性を明らかにするためにフィオーネの後を追って、国境の戦争にも顔を突っ込むことになるんでしょうね。
エイタロンの首領が銃を持っていたように、隣国トレクールの新兵器というのも、おそらく科学兵器でしょうから、他の星からやってきた人間が、レスリア王国の敵対勢力に兵器を流しているのかな。
ちなみに、そのエイタロン首領は「北斗の拳」に登場する雑魚みたいな風貌が予想外すぎて笑いました。

エイタロン首領

一人だけ世界観が違う!

仲間キャラクターたちは、一通り顔見せされた感じ、好感触です。
特に、ミキが妹系幼馴染ヒロインとして、古典的なまでに自己主張してくるところがなかなか可愛いです。ミードックの街に泊まった時のやりとりなど、その可愛さに見惚れていて、スクリーンショットを押し忘れました。

ミキ

逆に、フィデルは優等生主人公という印象だったので、急ぎの旅の最中に朝寝坊するタイプだとは思わなかったですね。「AKIBA’S BEAT」の主人公(2017年4月20日記事参照)を思い出して、そのタイミングだけ、ちょっとイライラしました。彼個人の物語としては、今後、父との確執がクローズアップされそうで、その辺は期待しています。
ヴィクトルは「いい人」枠ですが、他国民や一般市民に戦況を教えていいのか、とか一番突っ込みたくなる相手でもあります。
凄い格好でプレイ前から注目していたフィオーネは、意外と性格は落ち着いたタイプで、エロ担当というわけでない部分に好感が持てました。
エマーソンとアンヌは、モブとしてこっそり配置されていたので「こんなところに!」と驚きました。2人とも、見た目やポジションから想像していた性格とは、ちょっと違うようでした。物語に関わってくるときが楽しみです。

エマーソンとアンヌ

ただ、仲間キャラクターと知らなければ、後日加入した時は更に驚くことができたと思います。昨今は仲間になるキャラクターを全公開してしまっているゲームが多いですけれど、個人的には、少し驚き要素を残して欲しいなあと思います。

戦闘は楽しむ範囲まで進めていないというか、三竦みで「強攻撃」>「ガード」という構造が馴染めません。頭でわかっていても、体が反応できず、強攻撃の動作を見ると反射的にガードボタンを押してしまう操作ミスを連発していて、ストレスが溜まります。
あと、どうしても乱戦が多いため、どの敵に攻撃が当たっているか、いまいちわからないのも三竦み制と合わないと思います。

イベントシーンでも、ほとんどはマップの会話の延長で、特別に長い演出がないのはサクサクしていて良いと思います。ただし、カメラが引いた状態が多いのは、物足りなさを受けます。シリーズの売りだと聞いていたPAも、シームレスに会話するだけのせいか、味気なく感じますね。
また、マップ画面上でそのままイベントに移行する都合か、頻繁に、移動範囲を制限されたり、走れなくされたりするのも少し気になりました。

移動禁止

ただし、これだけ露骨に進路妨害されると、これはこれでアリだと思いました。

現在地:Chapter08終了(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

アンブラ

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

スクリーンショットを撮ったら、ちょうどアンブラが目を瞑って、笑っているようなタイミングになりました。
ルーナが貼って来たステッカーは、オルティシエのバディーリ噴水ですね。
1回目のテネブラエを発つ連絡は、神凪就任記念コインと同じ横顔の意匠にジールの花があしらわれたステッカー、2回目の無事を祈る連絡はイチネリス鉱業の工場ステッカーでしたので、返事を書いた時にいた場所を示しているのかな、と思われます。

記念撮影

あっという間に出航です。
集合写真は、一周目だとカーバンクルが写り込んだので、必ずそうなるのかと思っていました。二周目の写真に写らなかったということは、あれは奇跡の全員集合だったのですね。ゲンティアナを入れて撮ることができるのかも気になるところです。

出航の前には、コル将軍から、国王の死の責任について謝罪があります。

すまなかった

その後のやりとりも含めて重要なシーンですが、ゲーム内時間としてもプレイ時間としても、調印式からだいぶ経っているので、「いまさら?」と思ってしまいます。
出航直前まで謝罪をとっておいた理由は、重要な伏線となるシドの台詞を引き出すためでしょう。でもそれは創作上の都合なので、責任感の強そうなコルがChapter02の時点で謝罪しなかったのはなぜか、個人的にはなんらかの理由を付けて補強して欲しいところです。
これまでの行動を見守って、ノクティスを王として認めた、というのが一番簡単でわかりやすい理屈です。しかしコルはChapter02の時点で「新王」と呼んでいたので、ここで「認めた」と言い出すと「認めていないのに王と呼んでいたのか」と新たなツッコミ材料ができてしまうのが難点ですね。

見送りで心温まったところで、今回は短いですが次回へ続きます。


記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
Copyright (C) 2016-2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

参考記事

宮下奈都著「よろこびの歌」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
志望の音大付属高校に落ちて新設校に進んだ御木元玲は、著名な音楽家である母へのコンプレックスや挫折感を抱えていたが、二年生の秋、校内合唱コンクールの指揮者に選ばれ、再び音楽に向き合った。熱の入った指導にクラスの生徒はついて来れず、伴奏の失敗もあってコンクールは散々な結果に終わる。だが後日、マラソン大会で最終走者になった玲を応援しようと、クラスから自然発生した合唱を聞き、「歌わせよう」としていた自分の失敗と、音楽の喜びに気付く。

あらすじを記載した表題作を含めて、複数人の視点で綴る、7話の連作短編構成。
女子高生たちのお話ですが、割と静かに淡々と進みます。

あらすじを極限まで圧縮すると、「好きだった音楽を封印して孤立していた少女とバラバラのクラスメイトが、校内合唱コンクールでの指揮を切っ掛けにまとまる」という話になったはずですが、コンクールは切っ掛けでしかなく、それからの日々の方が長く重要な構造。
でも最後は、迷いや諦めを抱えていた少女たちが、再びの合唱でそれぞれの思いに区切りをつけていく、爽やかな成長物語になっています。

なお、4話目の「サンダーロード」で同級生の牧野史香は幽霊が見えるという設定が明らかになり、急なファンタジー要素に驚きました。彼女が気づく「玲を見守っているお爺さん」の存在が、最終的な玲の物語に大きく影響を与えたとも思えず、この点だけ、ちょっと引いてしまいました。
それ以外は、挫折と再生という普遍的なテーマでありながら、諦めずにがむしゃらに頑張るだけが正解ではないリアリティと、それでも一生懸命に頑張った時に放たれる青春の輝きが美しいお話でした。

3DS版FCバーチャルコンソールにて「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島(前後編)」をプレイ中です。

ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島

現在地:3章終了
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000014632

本作は、1987年に発売されたファミコン・ディスクシステムのADV。
時折、読み込み中を示すメッセージが表示されるのがディスクシステムならではの要素ですね。

タイトル通り、日本の昔話から引用されたキャラクターたちによる「昔話」風の物語が展開されています。
主人公の二人は「桃太郎」と「かぐや姫」がモチーフですが、そのほかにも序盤から「かさ地蔵」「金太郎」「鶴の恩返し」「おむすびころりん」と様々な物語由来のキャラクターたちが現れる、ハチャメチャなオールスター風の愉快さがあります。それでいて、川から桃が流れてくると思いきや、蓋付きのお椀(カップ麺)が流れてきて、お湯をかけて3分経つと男の子が誕生する(笑)とか、ちょっとした「ハズシ」の要素もあっておかしいです。
現在は、桃太郎の鬼退治をなぞる展開で進んでいますが、かぐや姫要素がどこで関わってくるのか楽しみです。

ADVとしては、調べられるもの、話せるもの、使えるものを当てていく、古典的なコマンド総当たり形式。不要になったアイテムは、理由をつけて消失するようになっているのが、なかなか親切かつ上手い作りだと思いました。
「ひとかえる」のコマンドで、男の子と女の子を切り替えるというシステムがいいスパイスになっています。特に、入手できた側が必ずしもそのアイテムを使うとは限らない点が肝だと思いました。

3章になって難易度が上がり、「せんじんだに」で谷底を覗いて墜落死と、「おにのとりで」で銅鐸を持って逃げようとして殺されるという2度のゲームオーバーを体験しました。試行錯誤は許されるけれど、警告されているのに不適切な行動をとった場合は容赦なく死ぬシビアな部分にギョっとしました。しかも、説明書を流し読みしたせいで、途中セーブの存在を知らず、2度も3章を「はじめから」でやり直す羽目になりました。
三度目の正直で、「隠れ蓑の灰」までは自力でたどり着いたものの、銅鐸を持った状態で鬼から逃げる方法がわからず、任天堂公式Q&Aに頼ってしまったのが悔しいです。

せんじんだに

まあ、さすがに「硫黄玉」はノーヒント過ぎだと思います。一度余計なことをして死んだ地点で探索しようと思わないし、温泉が吹き出したエリアならまだしも、谷に硫黄玉が落ちている理由も納得できないし……。

そんな難しさも含めて、楽しんでいきたいと思います。