• 2010年登録記事

院のキャラクターは、各世界の時間軸が異なる都合上、作中の年齢を明確にしていませんが、麻生の中では大体の設定があります。
初期のAKCに訪問されていた方は、QAで公開していたのでご存知かも知れませんね。
大体は皆さまのイメージと一致している筈です。が、一つだけ、意外かもしれない設定があります。
それは、詩乃が20歳、ラメセスが19歳以下で、詩乃の方が年上だと言うこと。
しかも最近では、ラメセスは実年齢17歳くらいの気がしてきました。双子(18歳)より年下と言うことになりますが、その方がしっくりくるような気がして来たので、その内これは新・公式設定になりそうです。
書き手の方が歳を重ねていますので、一緒にキャラの年齢も引き上げたくなる面がありますが、若さ=成長の余地と言う考えで、成長幅が大きいキャラほど年齢が下がる傾向にあるようです。
逆に、院の登場時点で人間性が比較的完成しているメンバーは、学生でもイクス(25歳前後)やエファ(23歳)と言った設定になっています。

なお、以前の設定から変わりそうなもう一つの要素として、フォウルの身長が脳内設定でどんどん低くなってます。ごめんね、フォウル(笑)。
刹は成長速度が遅いので当面問題ないでしょうが、成長期且つ将来背丈が伸びそうなリートには、直ぐ抜かされることでしょう。

珍しい事に、だいぶ間が開いてしまいました。
仕事が忙しい事もあって、日誌に書くべき話が思い付かず放置してしまいましたが、ネタはなくとも物を書く力を失わない為に、好きなキャラの話でもなんでも良いから書こうと戻って参りました。
何か活動再開するか次の観劇日まで、思い付き語りになるかと思いますが、よろしくお願い致します。

読書と言うほどのものでないので「読んだメモ」にしませんでしたが、先日数年ぶりにルナルサーガ・リプレイを読みました。
未読だった「ルナルサーガリプレイ天空の蹄篇」。この後の「月に至る子」でシリーズ完結してるそうですが、今から入手できるものかしら。

ルナルサーガは小説とリプレイを一通り、続編扱いのカルシファード(小説版)も途中まで読んでました。元々、友野詳氏はコクーンワールドで知って、導入の巧さや会話の軽快さなど好きだったのですが、中編以上になると中弛みさせてしまうようで、シリーズの途中で飽きてしまう傾向が続いたので、遠離っていました。
それなのに今回手に取ったのは、――表紙にアードがいた為。
従来ゲームマスターの扱うNPCとして登場していたアードがPCとして参加していることが嬉しくて、読んでみました。

巻末のキャラクターシートは、アードってこういうキャラだったのか、と新鮮な気持ちで眺めました。
知力13と言うのは、初登場時のリプレイで言われていたので覚えていたけれど、ほかの数値は初めて見た気がします。
PCと一緒に成長させてもらっているのか、175CPもあるので、相当自由に成長できそうな気がしましたが、魔法持ちキャラはスキルに多くのCPを消費するせいか、ニートやタッタなど一芸に特化したキャラほどは強くない印象ですね。何より、戦闘キャラなのに「我慢強さ」を持ってないのが意外でした。
あんなに不利な特徴一杯持ってるくせに、どこに消えてるんでしょう……。あ、基礎ステータスか。

リプレイの内容は、アードの言動がPCに委ねられた為かいまいち納得いかなかったので、少し不満が残っています。
キャラクターシートだけ見てロールすると、こうなってしまうんでしょうか。でも有能な密偵であると言う気持ちは、ロールのどこかに残しておいて欲しかったです。
ガープスは、他のTRPGルールと違い、プレイヤーの素でなく作ったキャラを演じることが大きな要素だと思っているので、そのキャラを巧く演じて貰えないなら、今回もNPC参加で良かったのかも。
そう言う意味では、セッションの間があいても、常にキャラが崩れないエフィは凄いですね。

進行自体も、今回のゲストPC2人の物語への関わり方が弱かったのと、説得や作戦も行き当たりばったりな面が多く感じました。
1部のプレイヤーたちは、なかなか面白いロールプレイや戦術を出していたし、2部のプレイヤーたちは、巧いルールの活用などを見せてくれたように記憶していますが、今回はてんでバラバラのプレイヤーたちを、マスターが纏めてなんとか進めてるような感じを受けました。
これより前に読んだリプレイ物と言えばソードワールドの「デーモンアゲイン」ですが、あれもバブリーズ以外は初プレイみたいなリプレイでしたよね。同様にグループSNEも、TRPGに詳しくない人が増えてるんでしょうか?

ところでこのリプレイ、過去の(ブログ化前)日誌を探したところ「アードファンは回避で可と言う話を伺ったので読まない」と言ってた本でした(笑)。10年経って、忘れてしまってました。
実際、アードファンとしてもルナルファンとしても納得のいかない一冊でしたが、久し振りにリプレイ物が楽しめましたし、リプレイの展開しか覚えてないので、もう一度ルナル小説版を読み直そうかな?などと思いました。

ジェローム・K・ジェローム著「ボートの三人男」

「ユーモア小説の古典」と言う謳い文句ですが、英国作品なので、どちらかと言えば皮肉的なブラック・ユーモアなのでしょうか。
一章の「医薬品広告や医学書を読むと、そこに書かれている徴候が自分に当てはまっていると思い込む」と言う下りなどは、成程なぁと面白く感じました。その後の医者の処方箋も凄く機転が利いてて良いですよね。
また、十三章でスチーム・ランチを悪し様に言って進路を妨害しておきながら、十六章で友達のスチーム・ランチに曳いてもらうと、邪魔なボートを罵ってると言う、ほんの数十頁前に言ってたことと全く真逆の下りに気付いた時なども、もの凄く身勝手だけれど、頷かされる変わり身でニヤリとさせられました。
ただ、分かり易い面白さでない部分の方が多く、しかも主人公含めて身勝手な人々が他人に迷惑をかける話が多いので、ちょっと疲れました。こういうのがユーモアなんですかねぇ。文化の違いかな?

私は最初、河に行こうと言いつつ、部屋の中で計画を話すだけで終わっちゃうのではと疑っていましたが、ちゃんと敢行したあたり、英国紳士は実行力がありますね。
行程の描写が、まんま旅行案内のようだったので、解説で「着手段階ではテムズ河の歴史的・地理的な展望の書として目論まれた」と言う旨に「やっぱり」と感じました。

月組公演「スカーレットピンパーネル」11:30回観劇(チケットセディナ貸切回)。
ショーヴラン役:明日海りお、アルマン役:龍真咲。
有難い事に、突然ですが観る事が出来ました。前日の公演SSが、実はこの前振りでした。

明日海ショーヴランは、マルグリットへの未練はあまり感じさせず、あくまで道具として彼女を利用する辺り、恋より革命、そして己の野心を見据えているように見えました。冷酷さの方が際立って、滲み出るような情念まではない、体温の低いショーヴラン。
やはり明日海は原作を読んで役作りに影響させているのかな?と勝手な印象を深めさせられます。
革命と恋を混同している龍ショーヴランより大人で、革命も恋も手に入れようとする柚希ショーヴランよりリアリスト、或いは諦めが良い。そんな印象でしょうか。
線は心配していたほど細くなかったですが、小柄なので、背を向けていると民衆に埋没しそうでした。かといって顔が見えると、今度は実年齢の若さが透けて見えて、序盤ロベスピエールと並んでの観劇シーンは、率直に言うと父子に見えました。
本人の実力、容貌に問題がなくても、一人芝居でない以上、カンパニー内の関係性って重要ですね。

Wキャストと言う事でどうしても比較になりますが、歌は全体に明日海の方が安心して聞けました。
歌唱力だけの問題でなく、キーの違いが出た結果かと思いますが、「マダムギロチン」「鷹のように」「栄光の日々」は明日海、「君はどこへ」「ひとかけらの勇気」は龍の得意範囲でしょうか。
逆に言うと、それだけ広い音域が求められる役だったと言うことで、難役だと改めて思います。
一方、台詞の声は不思議と龍の方が好きでした。何より「はっ」と言う低く深い受諾の一言が好みだったので。とは言え明日海も台詞は聞き取り易く、これは完全な好みの世界ですね。
この事で、話す声と歌う音域は必ずしも一致していないのか、と気付かされました。確かに、喋る声は低いのに歌うと高い、またはその逆と言うのはありますものね。勉強になりました。
動作は、明日海が歩く時は腰のサーベルを片手で固定して動かないようにしていましたよね。途中で指導があったのかも知れませんが、龍の時はブラブラさせてしまっていたような記憶があるので、その辺の細やかな気配りは観ていて嬉しいと感じました。全体に抑制が効いていたのは龍の方のようにも思えましたが、不思議ですね。
他の違いとしては、オペラボックスから出てくる時の身のこなしでしょうか。龍は長い足でひょいと一跨ぎした感じでしたが、明日海は登った塀から滑り落りるような印象。最後の蹴りもパーシーに届いていなかったから、この辺は身長差の問題ですね。
持って産まれたハンデは、今後諸先輩方を見習って克服して貰いたいです。

さて、役替わりで比重が大きいのは明らかにショーヴランですが、実は明日海ショーヴランより龍アルマンが面白すぎて、そちらに夢中でした。
全体の印象としては、同行のこたつきさんと「革命の最中に流れ弾で死んでいそう」だと合意。姉マルグリットが、あの馬鹿力でいつも弟を守っていたのかな。ピンパーネル団で唯一の平民なのに、なぜか一番貴族っぽい優雅な雰囲気がまた優男度を上げていました。
最高だったのは、2幕で鞭打たれたシーン。「あっ」と可憐な声を上げて物凄いオーバーアクションで床に倒れ伏したのには参って、思わず吹き出しました。明日海アルマンは、気を失うだけで、倒れはしなかったですよね。苦鳴も男らしかったし。
龍アルマンは台詞声が砂糖菓子のように甘く、弟全開で、ショーヴランを演じていた時のあの低音ボイスはどこへ消えたのか、と驚きました。
女装時はやはり三つ編みでしたが、明日海アルマンとは違うかつらに見えました。極太で男の女装感が強かった明日海に比べると、普通に可愛い娘仕様。
しかし、アルマンの髪型でフィナーレのサーベルは似合ってませんね。
また演技と関係ありませんが、サーベルダンスの途中、上手に待機するシーンで越乃リュウ組長と随分長いこと会話していて、今日の二人――ロベスピエールとアルマンでにこやかに話されると、その内容が気になりました。
それにしてもこのアルマン、気丈で自立したマリーと大変お似合いに見えました。娘役には、相手の男役の男ぶりを上げる娘役スキルなるものが取り沙汰されますが、同時に男役にも、組んだ娘役を可愛く見せるスキルがあるとすれば、正にその技を観た感です。

劇団の思惑に乗せられて、役替わりを思い切り楽しみましたが、やはり気になる事も。
パーシー@霧矢大夢が「ショーヴランを恋敵とは思ってない」という主旨の発言をしているインタビューがありましたが、確かに月組版ショーヴランは、ピンパーネル団の活動上の敵、というスタンスに納まってると思いました。
もっと存在感を出しても良い、出せる役だと思うのですが、パーシーとショーヴラン役者の経験値の差、そして役替わりと言う点からして、そこまで深まらなかったのかなぁと思ってしまいます。
機会を与えると言う意味では、役替わりも意義があると思いますが、ショーヴランはちょっと大役過ぎでは……。
どうせ役替わりするなら、星条海斗ショーヴランを観てみたかった気がします。

その他、役替わり以外で気になった事。
パーシー@霧矢大夢はちょっと声に掠れが。最終週突入ですから、最後まで喉の調子を労り整えつつ頑張って欲しいです。
一方マルグリット@蒼乃ゆきは、高音がもの凄く綺麗になってますね。ただ、一番肝の「貴方を見つめると」「忘れましょう」がまだ手子摺ってるので、もう一息と言う感じ。演技は前回感じたのと同様、キュートで好みです。
シャルル@愛希れいかは歌声の素朴さが味ですね。演技は初演と変わりありませんが、間違いない解釈で良いかと。
靴屋の妻ジャンヌ@美鳳あやが芝居巧者ですね。凄い恐さがありました。
結局個体認識できていませんが、ピンパーネル団の恋人たちがみんな可愛くなっている気がしました。
ラストシーン、グラフの写真等ではパーシーが黒手袋をしたままデイドリーム号に乗っていましたが、東京公演では手袋を取ってますね。二人が素手で握り合う様子は心温まるので、変更されて良かったと思います。

6/5公演アドリブネタです。


男はもう一度、手にした書状を読み直した。

――なお、本会は黒服以外の装いでご出席ください。

その一文は、プリンス・オブ・ウェールズ主催の仮面舞踏会の招待状の末尾に確かに記されていた。
事実を認めた瞬間、手にした招待状は、革命政府に対する挑戦状に変わった。
彼が負う極秘任務のためにも、祖国を代表する大使としても、この舞踏会を欠席する訳にはいかない。だが、公安委員である彼を招待しておきながらその制服を暗に拒絶する英国の卑劣さに、歯噛みしないでいられようか。
革命により国家としての体力を著しく消耗した祖国を、舞踏会に相応しい衣装も用意できないと嘲笑うつもりに違いない。そう思えば、耳の奥で嗤い声まで聞こえる。その声に眦を裂けば、あの不愉快な英国貴族の顔がはっきりと思い浮かんだ。
激しい怒りが全身を震わせたが、招待状を引き裂く寸前に理性が勝った。
英国と事を構えるのは今ではいけない。
いっそ、英語が理解できなかったふりをすることも考えられたが、それは彼自身の自尊心が頷くことを許さない。
ならば、誇りある制服を脱ぎ、場に相応しく、彼奴らが口出しできない衣装を選ぶことこそ、成すべきことだ。
ついに、彼は決意した。


かくして、総スパンのタキシードに羽根を背負った革命政府全権大使は、「あなた、本当にそんな服持ってたのね」とマルグリットから生暖かい眼差しを受け、パーシーの羽根の方が大きくて豪華なことに一層対抗心を燃やし……と言うもう一つの展開が思い浮かんだ貸切公演アドリブでした。
これに限らず、龍ショーヴランin英国はいじりたくなるキャラですね!
殿下絡みのネタもあるのですが、千秋楽までに書けるかな?