• 2015年登録記事

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現在地:巨神胎内へ向かう目前

割と頑張ったのですが、まだクリアできません。無念です。マップが広すぎる上に、道が分からず同じ場所をグルグル回ってしまったのが敗因です。
でも、確実にラスボスだといえる敵が遂に登場したし、これ以上物語を引っ張ることはなさそうですね。

ガドが登場し、割と足早に退場して行きました。
生存をほのめかす台詞があった時点で、きっと登場すると思っていましたが、結局こういう結果になるのであれば、登場しなくても良かったなぁと思います。
自分としては、カルナの株が下がり、ラインの株が上がっただけでした。
カルナがガドを取り戻そうとするのは、そもそもこのチームの軸的存在であるシュルクがフィオルンを取り戻そうと行動していたことを踏まえると、当然のことです。ただ、日頃は姐さん風に振る舞う彼女が、この件に関しては駄々っ子のように振る舞うことにはガッカリしました。フィオルンとメリアは非常に落ち着いて知的なのに、カルナはパニック映画のヒロインみたいな描かれかたで、見た目年齢から言うと逆みたいに感じます。でも、21歳なんてこんなものかもしれません。
振り返ってみると、カルナは会話もあまり巧くない人ですね。
ガドに関する回想の「死に意味があったのか」という問答は、確かに発端はガドの失言だけれど、彼を追い詰めるような聞きかたをするカルナも如何なものかと思いました。

ガドとの最初の戦闘は、超遠距離から始まるというこれまでにない演出で最初はワクワクさせられましたが、味方は近付かないと攻撃できない以上、移動が面倒なだけだったのが残念。なぜ、攻撃した後の成果を見届けもせずガドが退散するのか謎の演出もありました。

機神界フィールド以降、シュルクは上半身裸(ミルキーオイル装備)だったので、撃たれた演出は却って分かり難かったです。
掠っただけに見えました。鮮血が必ずしも必要とは思わないけれど、血を流さずに死を表現するのは難しいですね。

メイナス様が美人だったことと、彼女のモナドを受け取ろうとするエギルの表情の切なさは心に残りました。
正体を明かしたディクソンにはイライラさせられましたが、同時に、ダンバンがいかに戦友に恵まれない人か分かって、なんだか苦笑してしまいました。怪しい台詞もあったし、何よりロウランと知人という時点で敵ポジションの可能性は考えていたのですが、こんな最終盤のボスになるとは意外でした。華がない!

林望著「イギリスはおいしい」

イギリスの食生活を中心としたエッセイ。
タイトルに突っ込みたくなりますが、確かに食材は悪くないんですよね。料理方法が根本から間違っているという点が、イギリス料理の致命傷だと私も思っていますが、自分でも料理をする作者が、いかにイギリス人が不味く調理をするかということを丁寧に説明しているので、面白かったです。

田中芳樹・土屋守著「『イギリス病』のすすめ」

両氏が大学の同期であったことから実現した、イギリスに関する対談本。
毎回テーマを決めて語っているので、さほど脱線もせず、それなりにまとまっています。1997年発行の本であるため、感覚が古いところはありますが、イングランド、ウェールズだけでなく、スコットランドのクランなど、イギリスに関する雑学本としてさらっと読めます。
個人的には、土地の問題は面白い提言だと思いました。

ただ、私自身はイギリス好きですが、両作とも、そこまで日本を悪し様に言わなくても、と思う面もありました。

感想は6月分でまとめる予定ですが、「血界戦線」11話を見て考えた別件について。

原作の「血界戦線」ファンは複雑でしょうが、私は原作をちゃんと読んでいないこともあって、今回のアニメオリジナル要素も十分楽しめました。
だから、ホワイトが本名で呼ばれる度に私の肝が冷えたのは、オリジナル部分の出来とは関係ありません。「メアリー」という彼女の本名が「メアリー・スー」に繋がるせいで、一々オリジナルキャラクターだと意識してしまったせいです。

(メアリー・スーに関する簡単な定義)
二次創作の作り手に贔屓され、原作のキャラクター以上に活躍するオリジナルキャラクターのこと。

しかし、私の「メアリー・スー恐怖症」はいったいなにが原因なのか、自分でも疑問です。
私が見ていて、メアリー・スー的なオリジナルキャラクターに乗っ取られた作品というと「スレイヤーズTRY」がありますが、私は「TRY」好きなので、これをトラウマとは言えません。いや、企画に対する疑問は持っていますけれど、ヴァルガーヴが好きなので批判できません(笑)。

では、私は遭遇したこともない「メアリー・スー」に怯えているのでしょうか。
それもまた違う気がします。
彼女への恐怖心は、身近く、常に潜んでいます。彼女は、言わば私の中にいるのです。
オリジナルであれ、ファンフィクであれ、物を書いていて、思い入れのあるキャラクターを持ち上げすぎてしまった経験。
そこに、私は私のメアリー・スーの影を感じ、怯えているのだと思います。
とすると、良くも悪くも私の作品に爆発力がないのは、そういう自制の結果なのかもしれません。

田中芳樹著「タイタニア」全5巻

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
全宇宙を実効支配するタイタニア一族。だが、タイタニアの有力者を奇策で破ったファン・ヒューリック提督の出現を引金に、一族の長たる藩王の後継を巡る争いが表面化した。藩王の煽動で若き公爵同士が闘い、抗争の末、タイタニアはすべての有力者を失い、宇宙はタイタニアの支配から解放され、秩序なき時代へ突入する。

一見似たようなパーツを使って、「銀河英雄伝説」とは逆の方向を目指したと思われる作品でした。
途中、刊行が途絶えた時期があり、その境目が3巻なわけですが、この巻が滅法面白いんですね。2巻までは割と地味な話という印象だったのが、3巻で焦点が決まり、ついにアリアバードとジュスランがイドリスと全面対決することになる。
……というところで、再開の見込みなく二十年も放置された当時の読者は、堪らないですね。
二十年ぶりに出た続刊である4巻は、3巻からの流れがちゃんと生きているし待ちに待った艦隊戦で引き込まれましたが、完結となる5巻は、終盤に辻褄の合わない箇所があったり、ゼルファの処理が適当だったりと、風呂敷を畳むことに集中し過ぎて色々手抜かりがありましたね。

新しい時代を作るエネルギーがあった「銀河英雄伝説」に比べると、破滅を描いた作品であるため、主要人物であるジュスランが自虐的で熱量を持たないキャラクターであることが面白いなと思ったのですが、最終的にはすべて藩王の狂気としてタイタニアの滅亡をまとめてしまったのが残念でした。内部崩壊を願うものが頂点だったら、滅亡するのは当たり前というか……。
タイタニア一族はほとんど全員が、誰かの足を引っ張ろうとしていたり底意地の悪さを持っているので、アリアバード、バルアミー、リディア姫といった、清涼剤のような面々が余計に好ましく感じられました。
アリアバードに関しては、元々誠実で地味というポジションがキルヒアイスやミュラー的で好きだったのが、3巻の「きどるな、ばかっ!」で頂点に達しました。
バルアミーは、青臭さが良い。
リディアは、最初はこまっしゃくれた子供かと思いきや、とても聡明ないい子で、けれどただの純真無垢ではなく、自分と祖国を高く売りつけようとする計算高さも持ち合わせた、素晴らしい王女様でした。
ちなみに、ジュスランには「将軍にならなかった慶喜」という印象を持ちました。