• 2010年03月登録記事

藤本ひとみ著「ハプスブルグの宝剣」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
ユダヤ青年エリヤーフーは、ドイツ語訳律法を作った事でユダヤ社会から排斥される。更に恋人を巡る決闘で貴族を殺してしまい、私刑で片目を失う。
エドゥアルトと改名した彼は、オーストリア帝国で地位を確立しようと働き、「ハプスブルクの宝剣」と謳われる。やがて、マリア・テレジアが女王として即位。エドゥアルトの献策が度々帝国を窮地から救うも、彼がユダヤ人と知ったテレーゼは、敬虔なクリスチャンである為に彼を憎悪し、冷遇する。改宗したことでユダヤ社会からも裏切り者と罵られ、居場所のないエドゥアルトは、オーストリア人として認められようと奮闘するが、ある時家族と再会し、ユダヤを捨てられない自分に気付く。
どの国にも属せない事を知ったエドゥアルトは、シオンでユダヤの国を作る道を見出すが、彼を仇と狙う夫人の凶弾に倒れる。

なるべく簡潔な粗筋にしたら、フランツの存在が消えました……!
それでも350文字あります。
ユダヤ離反を招いた自分のドイツ語律法が、巡り巡ってユダヤに還る切っ掛けになる下りとか、フリードリヒの事も要素なので盛り込みたかったですが断念。
やはり長編の粗筋は、巻ごとに書きたいですね。
でも枝葉を削ぎ落としたことで、核は恋愛面ではなくエリヤーフーの居所を求める生き様であることがハッキリしました。

読み始めたら、エリヤーフー(エドゥアルト)の行く末が気になって、最後まで一気に読んでしまいました。藤本ひとみ先生は初読ですが、キャラクター心理が鮮やかで、コンビとかグループの造り方に惹き付けられました。
しかし、上巻を読み終わった段階では、立身出世モノと言う印象で普通に面白かったのですが、下巻は何ともやりきれないお話でした。
エリヤーフー自身は魂の帰るべき場所を取り戻して救いを得たでしょうけれど、読者的に救いがないので、読み直しは辛いなと思いました。解説では、エリヤーフーが生還したと考えているようだけれど、私はそう受け取れなかったので。

凄いなと思ったのは、マリア・テレジアの描き方。
ユダヤ人への嫌悪・差別が激しく利己的で、人間的な魅力を感じられませんでした。その代わり、女性心理としては凄く「有り得そう」と思えて感心しました。革新的で心優しいアーデルハイトは理想的なヒロインだけれど、ファンタジー的な存在であるのと対比的に感じます。
エリヤーフーの出生に関しては、そう言えば拾われ子だった、と思い出しましたが、あの設定の顛末はテレーゼの身勝手さが強調されただけのような。カロリーナ夫人への皮肉もあるんでしょうけれど、エリヤーフーの立場で読んでいると、今更どうでも良い話だ、と思えてその事が面白かったです。

ハプスブルクの先例・権威主義で自分の献策を無駄にされるエドゥアルトの姿に、銀英伝で門閥貴族側で戦っていたメルカッツ提督の苦労を想像しました。
宝塚版は観ていないけれど、エドゥアルト、フランツ、テレーゼの持ち味やビジュアルは合ってるのではないかな、と当て嵌めて頭の中でイメージ化することが出来ました。

設定資料のページを改稿中です。
内容が大幅に変わる事はないのですが、見せ方などを変更しているので結局意外に手間取ってます。
新規としては、自分用に使っていた学年・所属教室早見表を追加予定です。
細々した設定を見直していると、小石を積み上げるように、院の世界がもう一度自分の中に構築されていく気がします。これも一次創作リハビリの一貫かな。

そうは言っても、早く本編を書けと言うことですよね。
次話が5年生のターンになることは決定済で、場所や出だしも決まっているのですが、その先に巧く続く展開に広がらなくて、難航中です。
まだまだキャラが自由に動いていかないなぁ……。

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「Je Chante」のジジ@花影アリス。
似ないのはデフォルトですが、雰囲気程度は出ているでしょうか。
公演前に、先行写真のイメージで描き逃げです。
実は、胡蝶@大江山花伝でも何枚か描いたのですが、彼女は凄く難しく、いかに似顔絵でないと言っても恥ずかしくて公開出来なかったのです。今回は18日になる前にアップしてやる!と決意し、最短記録で描き上げました。

第五回人気投票開始。
http://www.bandainamcogames.co.jp/cs/list/taleschannel/ch_ranking_5th/
今回は、全部で4部門あり、それぞれの部門で投票する形式。
マスコット部門で、こんなにマスコットキャラっていたのか〜とまず驚き、その中にラピードがいることに再度驚きました。
……ラピードはマスコットじゃない、仲間だよ!
順位は関係なくクルールに応援の一票を、と思っていたのですが、ラピードがこの部門に参加してるとなると、考え直さねばなりませんね。
さて、GC版発売から10年目に突入するシンフォニア勢は、どのくらい健闘するでしょうか。

同時に、「テイルズオブファンタジア なりきりダンジョンX(クロス)」のディザーサイトが公開。
http://topndx.namco-ch.net/
本当に最近、ディザーサイトが流行ってるんですね。
PSPの時点で、自分が直接遊ぶ可能性は限りなく低いですが、どんな仕上がりになるかは、ちょっと気になります。

先日梅田に行った際に、東京で見掛けない店名だったので購入。帰りの新幹線で頂きました。

「ももいちご」と書いてあるので、最初は「桃と苺」のタルトだと思い込んだのですが、そういう品種の苺なんですね。初めて知りました。
そんなに大きくないのに、1切れ735円(税込)という、なかなか贅沢なお値段。
旬の果物が良いかなと思い、あまおうのタルトに目を付けていたら、注文直前にこちらの方が高額な事に気付き、折角なので買いましたが、遠征先じゃなかったらさすがに思い切れなかったかも知れません。
生果物の上にはゼリーが掛かっていて、甘めの作り。タルト生地は、私の好みではもう少し固さがあった方が嬉しいかな。でも、甘さの割に飽きずに食べられて、タルト専門で店を出すだけの工夫を感じました。
身近に出店していれば、常食向きのもう少し安い定番タルトを幾つか食べて、吟味してみたいところです。