東京特別公演「シャングリラ―水之城―」2日12時回(楽)を観劇。
少し前まで、1公演を1回観る程度のファンだったので、初日・千秋楽を観劇をしたのは今回が初めて。この二回は「イベント」なんだなぁと実感しました。
初日は、演じる側も観る側も独自の緊張感があって面白いし、熟れた上に最終回だからと弾けてる千秋楽も面白い。
と言うわけで、千秋楽らしくサービスアドリブが。
豪天号のシーンは、ドラマシティの楽でもアドリブがあったそうで、多くの観客が注目。エンジンが掛からなかった時点で、ソラと座長が運転手を交代、車を押させた挙げ句、一人でジープの後ろを走らせました。コウ&ソウが走らされなかったのは今回が初めて?
座長、上着がはだけてよれよれになりつつ、偶にジープを追い越したりしながら(笑)、一生懸命走っていました。検問で車が止まる前に追い付いてしまったので、早いな、と思ったら通行証を持ってるのは座長だからなんですね!
で、後方のアドリブを時々振り返りながらも、観客に目一杯「俺の話を聞いて!」とアピールするルイが可愛かったです。抑揚もリアクションも過去最大に激しく、「(ミウの笑顔をソラが引き出して)癪だ」のシーンでは、初日は拗ねてる程度だったのが、今回は叫んだ挙げ句に正に「orz」と言う形で打ち拉がれていました。
アドリブ及びルイの熱演に大拍手が何度も起こって、後半の台詞が猛スピードで音楽に合わせていたのも楽しかったです。大劇場だと生演奏だから演技に合わせて貰えるけれど、録音だと音に演技を合わせないといけないので大変ですよね。
ちなみにルイと言えば、1幕で就寝前、袖に引っ込む前に「よし、今日も……」と言い出したら、皆が次の台詞を待ってしまい、ちょっと間があってから「歌うぞ!」と声を上げ、「最後なのに?」と突っ込まれていました。マイクなしのガヤ台詞のつもりで喋り出したら、台詞になっちゃったのかな?
九龍客桟の場面で、下手の蛇の眼トリオ席では、杯のイッキが行われていましたが、あれも前回は観なかった気がします。
今回は、後方席だったのですがなるべくオペラに頼らないように全体を観たので、ごちゃごちゃしてる九龍客桟での人の動きが飲み込めました。
それから、二幕最後の村人@風羽玲亜が、ミウにソラの小屋を教えてあげるシーンで「ほら、あのトラファルガーって書いてある看板の〜」と言葉を付け足して、次回公演の宣伝を織り込んでいたのと、「大人の知り合いもいたんだな」の後に「しかも俺の好み」と言い出したのは笑いました。
村人とソラの距離感が、印象として
初日「隣人だが交流は少ない。男は親しくなりたいと思っている(ので話し易いミウを使って食事に誘う)」
前回「隣人で、そこそこ親しく交流もある(ので、食事に誘うのは日頃の延長である)」
今回「隣人で、そこそこ親しく交流もある(が、食事に誘うのはミウ狙いだからである)」
に変化していったのは面白かったなぁ。
後は、アドリブではないと思うのですが、水源でソラが去る時に、泣き顔になってるソウをコウが慰めていたり、九龍客桟の客寄せで睡蓮@七瀬りりこが、ソラにアタックし始める前に、ルイの格好(※)を観て嘲笑しているなどの今まで気付かなかったポイントが見えてきて、なんだかんだで隅々まで役者が楽んでる面白い舞台だったなぁと思いました。
※見慣れたし、ルイだから普通に感じていたけれど、改めて補正なしで観るとダサイ。
初日と演技が変わった感があったのは、ブンジャクとランでしょうか。どちらもよりスマートなキャラになっていた気がします。ブンジャクなんて、初日は「チャラい」印象だったのに、少し冷笑家っぽい雰囲気が出て来たし、ランは、初日は「駄々」っぽかったフォグとの会話が、慟哭が深くなり絶望感が強まって感じました。
でも、初日付近が悪かったと言うわけではなく、そっちのバージョンにはそちらなりの良さがあったので、舞台って面白いですね。
主演挨拶でも言っていたけれど、キャラ名のせいか雹や霙が降ったり強風吹き荒れる嵐になったり、とんでもない公演でしたね。
DVDが出たら、思う存分突っ込み感想を書きたいと思います。