• 2010年04月30日登録記事

3月はうっかり「シャングリラ」で消費し、次公演も関西遠征を決めてしまったことで、DVD感想を書いてる暇はないと思っていました。が、実際に「トラファルガー」に注力するのは東京公演(7月)になってからと予想できるので、今の内に可能な範囲で進めることにします。
と言う前振りで「カサブランカ」感想かと思わせておきながら、今更「大江山花伝」です。
なお、「Apasionado!!II」のDVD感想は2009年12月辺りをご確認下さい。

大江山花伝

【第1場 プロローグ—夢の藤波—】
藤の花の下で、鬼と人の男女が舞う――

半年近く前の話になりますが、このDVDが届いて最初に見た時点の第一印象は「茨木、痩せてるなぁ」でした。月組時代は丸顔だと思っていたのに、宙組に異動してからは少し面長になったような気がします。
それにしても人間の記憶とは面白いもので、観劇したのはお盆なので、DVD通りに鬘が整え直された後だったはずですが、写真や出版物では初日の髪の毛がボサっとしてる茨木が主流で、それを見慣れてしまったため、綺麗な鬘姿に違和感を感じます。
でも後半日程に撮影されたDVDって、嬉しいですね。

【第2場 酒呑童子、襲う】
大江山の酒呑童子率いる鬼が都を襲い、姫君たちが攫われる――

舞台初見のとき、重厚な日本物のつもりで観劇していたのに突然特撮風の、有り体に言えばチープな演出(+エレキギター音)に変わって、どう反応したら良いのかよく分からなかったシーンです。
呵々と言う笑い声、録音だと思うのですが誰の声でしょうか。酒呑童子とは違う、どちらかと言うと茨木の声のような……。
四天王たちは、卜部季武@鳳樹いちと碓井貞光@澄輝さやとの違いが分かっていなかったのですが、DVDだと顔が良く判別できて、見分けられるようになりました。一方、鬼の皆さんはメイクが濃過ぎて、DVDでもこの段階では誰が誰だか分かりません。

【第3場 勅命、下る】
源頼光の「四天王」と呼ばれる渡辺綱、坂田金時ら武人に鬼退治の勅命が下る。綱は大江山の鬼との因縁を思い出す――

若武者と言う感じの渡辺綱。ルノー(カサブランカ)や海(シャングリラ)の後に見直すと、男前で吃驚。メイクが歌舞伎風で、かなり目尻が切れ上がっているので、猛々しく見えます。
ところで、源頼光って、この作品のように実際に「みなもとのらいこう」と呼ばれていたんでしょうか? 少し疑問です。

【第4場 戻り橋で、斬る】
一月前、一条橋で綱は女郎に呼び止められた。女郎を鬼と見破った綱は、妖術に苦しめられつつも鬼の片腕を切り落とす。鬼は大江山の茨木童子と名乗った――

茨木に遣える宙組93期コンビを完全に認識している現在見直すと、女性声で演技している春風と秋風が愉快でなりません。でも、茨木の声がシナを作ってる男にしか聞こえないことの破壊力は更に上でした。
刀と短刀の打ち合いは少し怖いですが、茨木は妖術を使う分、あまり動かなくても強く見える辺りが良い役ですね。勿論、やられ役の綱が凄く巧く妖術に掛かってくれている御陰でもありますが。
春風と秋風が大急ぎで装束を着替えて出て来ていることをDVDで初めて知りました。直ぐ暗転しちゃうのに、意味はあるのだろうか……。

【第5場 茨木、取り返す】
鬼の腕を持ち帰った綱の元に、魔除け祈願の行者が遣わされる。しかしその行者は茨木が化けた姿であった為、腕を取り返されてしまう――

藤の葉が登場。野々がきちんと美人に見えます。率直な感想を言うと、素顔は普通のあまり垢抜けない少女なので、美人に見えるのが不思議だなぁと思います。和物が似合うと言う要素もあるでしょうけれど、化け方が凄い。
四天王より衣装持ちだった春風と秋風ですが、左近少輔の従者を装っている時のこの衣装が一番好きです。
同時に、正体を現した茨木の金色の忍者風衣装は、何回見ても見慣れない、これだけはないなぁと思う衣装です(笑)。しかもポージングしたまま横スライドで消える演出が笑いを誘うんですよね。