• 2011年11月03日登録記事

帝国劇場にて「ニューヨークに行きたい!!」17:30回(帝劇100周年感謝デー)観劇。
http://www.tohostage.com/newyork/
本日のフロリアン役は石川新太。
上演中に少し揺れがありましたが、芝居は一瞬止まっただけで問題なく続行しました(2幕父子シーン)。

公演前には、オケメンバーによるロビーパフォーマンスがありました。
東宝ミュージカルの名物指揮者、塩田氏を観たのは実は今回が初めてです。裏方に徹するのではなく、積極的に舞台を盛り上げようと言う意欲を感じました。
今日のような演目では、良かったのではないかと思います。

ドタバタ喜劇ですが、テンポが軽妙で大笑いもしたし、沢山のナンバーで歌い踊るのが楽しい3時間強でした。
正に娯楽作品。
強いて言うなら、1曲が長くて冗長になる時があるのと、エピソードが多くてテーマが散漫になってることが気になりました。例えば、ゲイカップルのエピソードは2つも必要なかったと思います。馴れ初めはカットして良かったのでは。
エピソード数の割に、アクセルがリサに惹かれた過程が分からないのも難点かな。
基本的に場面は飛び飛びだし2幕は間延びしてるし……って、脚本には結構ケチ付けるところがありますね。
ただ、ハッピーミュージカルに理屈を捏ねるのも野暮ですし、楽しんだ者勝ちなのでしょう。
楽曲は、ドイツの国民的ヒットメーカー、ウド・ユルゲンス氏によるもの。全体的にポップ調のためか、名曲揃いとまでは思わなかったけれど、聞いていて楽しいリズム感に溢れる曲ばかりでした。私の好みとしては「地獄からのメッセージ」が非常に良かったです。

以下、キャストごと感想です。

リサ@瀬奈じゅん
観終わってから気付いたのですが、女優姿は実は初見でした。
バリバリのキャリアウーマンということで、全体的に颯爽として格好良かったです。ただラストの赤いドレスのみ、勝負服の筈なのにイマイチな印象で残念。
私は彼女の声を攻撃的だな、と感じるのですが、役には合っていて良かったように思います。

マリア@浅丘ルリ子
まさかの初ミュージカル。実は目当ての半分くらいが彼女でした。座席からずり落ちる覚悟もしつつ行ったのですが、ほとんど囁きのような吐息混じりの歌い方で、しっとりと聞かせました。
声量はないのでマイクに完全に頼っていたし、歌詞を聞き取るのは苦労したし、正直歌われる度にハラハラしましたけれどね(笑)。
衣装がどれもこれも少女趣味で仰け反ったのですが、本家版は普通にマダム風だったので、ルリ子さん仕様でそうなってるのかな?
母親と言う感じはしなかったけれど、リサと噛み合ない感じとか、頑固さとか、上品なのにぶっ飛んでる不思議キャラ具合は面白かったです。

アクセル@橋本さとし
包容力があって強そうな男なのに、ちょっと愛すべきヘタレ。愛おしいキャラでした。
ただ、いい奴過ぎて、父親との確執はあんまり感じませんでした。
リサが女性として可愛らしく見えた功績は、彼のガタイにあると思います。枕で叩き合うシーンとか、2人の凄く息の合った掛け合いにニマニマしました。

オットー@村井国夫
どこか頼りない立ち姿で、恋人(マリア)に対してのオットーとしての人物は良く分かりました。
が、息子(アクセル)に対する、家庭を顧みない音楽家の姿は感じ取れませんでした。脚本も問題だけれど、ちょっと猫背気味であることも相俟って、ただの小心者に見えてしまいました。

フロリアン@石川新太
アクセルの出来た息子。脚本の段階でも出番が多いし可愛いしの儲け役ですが、凄い巧くこなしていました。
子役って侮れないですね。ガブローシュ(レ・ミゼラブル)役で観てみたい、と思いました。

その他、アンサンブルが踊りも歌も大活躍して客席を乗せてくれたのが良かったです。