• 2012年06月登録記事

ゲイル・キャリガー著「アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う」

【あらすじ】
吸血鬼や人狼等の異界族と共存する19世紀イギリス。異界族を無力化する「魂なき者」である英国貴婦人アレクシアは、ある夜謎のはぐれ吸血鬼に襲われ、思わずパラソルで刺殺してしまったことからある事件に巻き込まれて行く――

面白かった!
ちょうど「ヴァンピール」を遊んでいた頃に、吸血鬼モノを読んでみようかなと思って目星をつけていた中の1冊でした。
ただし、ホラー系は苦手分野だということもあり、その時には読まなかったのです。
その後、あるファンサイトさんでダブルパロディの題材として本作の設定を使った作品を拝見して、やはり面白そうだと思って今回読んでみたのですが、正解でした。

こういう作品を書くのは楽しいだろうなと思わされる、ハーレクイン小説調のドタバタラブコメ。
ストーリーとしては、実は事件はエッセンスで、最大の要素はアレクシアとマコン卿の恋愛成就なんですね。もっと硬派な、或いは耽美な物語だと思っていたので、読み始めた途端にあれ?と思いました。特に中盤以降は、Hシーンが多々あるので電車の中で読むには適していませんでした。
とにかく人外が人間と共存している世界観と、会話のテンポが楽しいです。アレクシアとマコン卿のキャラクター造形が成功しているので、それがこの作品の勝利ポイントじゃないかと。
アレクシアの家庭環境にジェイン・オースティンの「高慢と偏見」の面影を感じていたら、解説でも「オースティンの家族劇とウッドハウスのユーモア」と評されていて納得。でも、読んだ感触はとてもライトノベルでした。

ところで、この作品の最大の謎は「タコ」ではなく、アレクシアの父親と母親がどうして結婚したのか、だと思います。

死者の宮殿100階に到達し、無事生還しました。

最終的なアタックチームのレベルは23でした。
レアトレジャーを保有する高レベルユニットが登場した際、我が軍で最大の攻撃力を誇るカノープスでも1ダメージしか通らないという有様で、その時は絶望しました。ウィングリング類が装備できるレベル15と、ロンバルディアが装備できるレベル22が攻略のターニングポイントになった印象です。
100階到達と同時に、C.H.A.R.I.O.T.未使用で死者の宮殿を突破した称号「定めと共に歩む者」を入手。しかし、この制限のせいで、100階まで潜ったと言うのに獲得できたレアトレジャーはガラスのカボチャ3個のみです。そろそろ解禁しようか、DLCまで頑張るべきか悩みます。転生ユニットを作る為に、そろそろ負傷人数も解禁しないといけないですしね。

で、死者の宮殿到達情報を記録するため、一度クリアしようと思っていたのですが、まだカーテンコールにはいけないことが発覚しました。
所持していないレシピが多数あったのです。
というわけで、次回は禁呪探索編となります。

ウォーレン、白ランスロットと会えるのは何時になるのでしょうか……。

デイヴィッド・エディングス著「ベルガリアード物語」を読み終えました。

登場人物の誰もが「予言」に動かされているためか、「キャラクター設定」がはっきりしたお話でした。
予定調和という感じで丸く収まるので、大きく感動するところはありませんでしたが、最初は鼻持ちならない小娘だったセ・ネドラが、ガリオンの辿った旅路を逆に進軍し、成長していくのが良かったです。
続編があるためかも知れませんが、ちょっとエピソードが放置気味なのが気になりました。ガリオンの頭の中の「声」も、正体不明のままですよね。
5巻通して一番心に残ったのは、沼地に住む魔女ヴォルダイの話でした。この世界の魔術はこんな奇跡まで起こせてしまうんですね。正しい行為だったかどうか分からない尻切れ感が、この件に関しては良い余韻に感じられました。

実は、日本語訳はときどき解釈に迷うところがあったので、原著が気になります。特に1巻冒頭でポルガラの容姿が説明されたとき、とても美女とは思えなかったので、途中から混乱したのです。果たして、英語ではどういう表現だったのかしら。
読み終えてから気付いたのですが、途中で訳者が2度交代しているのですね。
2〜3巻の時の訳が個人的には読み易かったです。

宝塚宙組トップコンビ退団公演「華やかなりし日々/クライマックス」15:30回(東京初日)を観劇。
今回、大劇場まで遠征できなかったため、本日が初見です。

初日には何度か足を運んでいる筈ですが、初めてカウントダウンチケットを受け取りました。組長の「669日前の今日」という説明に、客席が笑っていたのが印象的でした。なんの数字の区切りでもないじゃん(笑)。

芝居「華やかなりし日々」は、キャストへの宛書き脚本で愉快な軽い話で楽に観られますが、言い方を変えれば薄くて辻褄が合わない。
例えば、ニックがキャサリンにイミテーションの宝石をプレゼントするエピソードは、詐欺を発覚させる手掛かりとして必要だと分かっているのですが、女性の視点からしたら恋人に対する愛情に欠けているのでなぜそんなことをしたのか理解できません。
ボスであるロナウドも、幼馴染みのロイに関する行動が主役としては問題ありで気になります。ロイの名前を呼んだので、ロナウドは暴漢=ロイだと認識しているんですよね。とすれば、警察に掴まったロイが自分の正体を喋る可能性があるのに、ジーグフェルド相手の詐欺に勤しんでいる時点で、どこが知能犯なのかと……。
それと、舞台機構好きとしては盆やセリが動かなかったのが不満でした。暗転が多過ぎる。大劇場デビューの演出家が舞台機構をフル活用するのって難しいのかしら。
人物の書き込みが少ないのも残念。七海ひろきは役の出番が1場分だけとか、終演後に慌ててプログラムを買って驚きました。ジョージ・ホワイトがアンナを連れて公演開始前にフローレンツに嫌味を言いに来るとか、なにか少しでも人間関係を広げることが出来そうなのになぁと思います。モブであと2場出てたので、前回雪組の沙央くらまよりマシかも知れませんけれど。
作品全体の雰囲気は、お洒落で小粋な感じでした。

ショー「クライマックス」は、クライマックスの連続という作品紹介がされていましたが、同じ三木先生演出の花組ショー「カノン」よりは緩急があると観じました。
映画「羅生門」(芥川龍之介「薮の中」)のように異なるパターンの殺害シーンが描かれる「ローズ・ラメント」以外はどの場面も好きです。何といっても、衣装が美しいのでストレスなく観ていられます。オペラグラスを使う暇がないくらい展開も派手で楽しかったです。
プロローグのコロスの素晴らしいコーラスで、とにかく掴まれました。
「ハスラー」で、下手から階段の手すりを滑り降りてくる娘役3人に密やかなエロスを感じてドギマギしました。
「ローズ・ラメント」は、最初は期待させられたのですが、殺害シーン3回目以降はシュール過ぎて笑ってしまいました。あんなにテンポ良く殺し合われると、喜劇になっちゃうんですね。意図がもっと伝われば格好よく感じるのかな。
なお、ロケットでハプニングがあり、衣装の首元が外れたまま踊っている子が1人いました。幸い、胸が露になることはなく、最後まで笑顔でした。あと、1人ちょっと転んだのかな?と思われる瞬間がありました。

チケットが完売済みで生で観られる機会は限られているため、一回一回を大切に千秋楽まで追いかけたいと思っています。