• 2009年09月24日登録記事

皆川亮二作・漫画「ARMS」全22巻読了。

最終巻は、ちょっと顛末が見え過ぎていてダレたかな?と思いますが、主人公たちの成長物語としては面白く読了しました。
唯一残念なこととして、カツミが魅力的だと思えませんでした。特に、序盤のやりとりでは涼とそこまで気持ちが通じ合ってるように見えなかったので、キーキャラクターには役者不足だったと感じます。
覚醒編の鐙沢村では思い切った展開だなぁと思ったけれど、生存確認してからは、絶対死なないだろうと認識してしまったので、ハラハラ感がなかったのが原因でしょうか。
それを言い出すと、主人公が最強設定なのでどんなに追い込まれても「最後は勝つ」のが見えていたのですが(※)。

主人公が圧倒的な戦闘能力を持っている巻き込まれ型と言う点から、なんとなく「トライガン」を思い出すこともありましたが、より少年漫画の味が強いでしょうか。
私がそう感じた要素は二点あります。
ひとつは、戦うごとに仲間が増えること。
もうひとつは、戦う相手は常に「前回苦戦した敵は、完成品である自分達を生み出すための実験作」と言うスタンスでインフレが続く仕様。
それに、戦闘に参加する仲間キャラほど死なないので(協力者や保護対象はかなり死んだけど)、描写が凄い反面、戦闘の印象はそこまで凄惨になりませんでした。

一般人代表みたいだった巴武士が、実は一番凄いキャラだと思います。
最初から武術や戦術を叩き込まれてる涼や隼人はともかく、普通に暮らしていた武士が、意志一つで成長してますよね。しかも性格が優しいと言うプラス要素付き。展開上、アリスを連れ出した功績も凄い、と非の打ち用がありません。
アルも好きなのですが、エグリゴリ時代の悪事をジェフに押し付けて、いいところ獲りした感は否めないです。最初から主人公寄りだったユーゴーやバイオレットと違い、仲間になるとは思ってなかったので、余計にそう感じます。
主人公の両親が最高に強くて、しかも最後まで死なないのは驚きました。

ところで、コウ・カルナギは救済されたけれど、ユーゴーとテレパシスト対決した女性の方は、あのまま使い捨てだったんですね。

※主人公が勝つのは当たり前なのですが、それが最初から明確だと戦闘シーンが冗長になってしまいますよね。
最初の隼人・アル戦までは、ジャバウォックが最強設定と分かっていなかったので、戦闘に緊張感があったのですが。