ドリトル先生月へゆく
今では、現実の月の世界がどんなものか分かってしまっていて、こんな光景は広がっていないと分かっていても、不思議と説得力がある異世界だと感じます。
謎に満ちた世界で、周囲には姿を現さない監視者、招かれた目的も不明、と言うミステリー的な雰囲気が漂っていて、先が気になって一日の読む予定量を超して読み進めてしまいました。
巨人の正体が分かった時は、だからオーソの話をおさらいしたんだ、とやっと気付くくらい鈍いので、推理力は全然ありませんでしたけれど。
ドリトル先生月から帰る
この巻前後はかなり直接的な反戦メッセージが盛り込まれていますね。ロフティング自身の戦争体験からか、平和への想いが深く込められていたのだなぁと気付きました。
バンポ王子には以降出番がないんでしたっけ。なんだか寂しいですね。月のことで、あんなに怯えていたくらいだから、先生とトミーが突然いなくなった事に責任を感じていないと良いのですが。
それに、動物園にいっぱいいた動物達は、どこへ行ってしまったんでしょう。
月三部作は、先生の研究意欲や姿勢が分かって面白く読めたのですが、帰って来た先生が、執筆時間捻出の為に牢屋に入る件は、少々ムッとしました。児童文学なのに主人公が意図的に犯罪を犯して良いのか、なんて事より、囚人の食事も警察署の窓代も税金だぞ!と言う憤りですが(苦笑)。
ドリトル先生と秘密の湖
これまた「月から帰る」から直接続くお話である事を忘れていましたが、読み始めると段々展開を思い出せました。
楽しい旅路もあるけれど、メインはやはりドロンコの語る大洪水ですよね。
「郵便局」再読時は夢にも思わなかったココ王の再登場が凄く嬉しかったです。それに、先生を無理に引き留めることもせず頼みを聞くなど、実に大人の対応で、改めて好きになりました。