• 2010年05月24日登録記事

昨日の続きで、2幕のショー「ファンキーサンシャイン」の初日感想です。

実は色々な意味でインパクトが強過ぎて、直前の「トラファルガー」の余韻が吹っ飛んでしまいました。一幕の直後は、このシーンを見直したいなとか色々考えていたのに、二幕が終わったら「本当にこれをリピートするのか?」と考え込んでしまう羽目に(笑)。
そのため、組長の挨拶の冒頭「只今ご覧戴きましたトラファルガーは〜」と言う部分に付いていけなかったのですが、私だけでしょうか。

全体通して殆どセットがなく、殺風景。変更なしで全国ツアーが回れそうな演出で、「このまま全国回れるじゃないか」と思う反面「これで全国回らなくて良かった」とも思う、アンビバレンツです。
衝撃的なシーンが多いせいか、不思議と、体感時間は短かったので、退屈はしなかったようなんですが……。
裏から幕を閉める人影が丸見えだったりと、ちょっと段取りに問題も。
また、プログラムのスチールがショーの方で、私の好みとしては全体にちょっと……と感じる写真だったのもあって、そんなところも残念でした。スチールは出来るだけ芝居の写真にして欲しいなぁ。まぁ、稽古前に役の扮装をするのは難しいのでしょうけれど。

以下、細部まで観ていないのでシーンごとの印象と、私のテンションの激しい変化具合を感想として記します。

第1場A(プロローグ)
歌詞が小学校低学年向けのアニメっぽいのは覚悟完了だったので、思ったより普通な衣装と、キャストの勢いで、意外と面白いかもと期待。
サイドから登場して一瞬ライトを貰う野々のアピール度が低くて、ショーでスターとして輝くためのハッタリを身に付けるのが急務だなと思いました。
→テンション変化なし

第1場B(ジャズ)
北翔+上級生の歌を堪能。
自己紹介の前にホルス以外のキャラ設定は読めたので、ルイ14世のネタなどは笑えましたが、インカ神のキャラ設定は謎でした。
→テンションUP

第2場(太陽族)
昭和歌謡全開。衣装もペラペラで、ちょっと辛いシーン。
でも台詞は勿論笑いました。蘭寿氏って、こういうのを照れなく演れる辺り、本当に尊敬に値するショースターです。
結構長いメドレーなのに、DVDでカットされてしまわないか心配です。
ところで、前場で言っていたホルスが取り持つカップル対象は蘭寿と花影だと思い込んで観ていたのですが、このシーンではホルスは何にもしてないので、無関係ですか?
→テンションDOWN

第3場(お天気レポーター)
個人的に、雨合羽は無問題でした。しかし、その後の衣装が、とんでもないバカ衣装で打ちのめされました。
花組「EXCITER!!」でもダサ男くんを格好よく変身させるシーンがあり、好きになれなかったのですが、それでもあれは変身後に実際に格好よくキメていたので良かったのだ、とよく分かりました。
ホルスは足蹴にされちゃったりして面白かったけれど、歌がワザとのアニメ声で、勿体ないと思いました。お遊びでやるからOKなのであって、折角なら低いキーを歌って欲しいです。
→テンションDOWN×5

第4場(中詰)
出だしから、歌うには恐ろしい組み合わせ始まって眼を白黒させている内に、総踊りになったことで中詰である事に気付いて一層仰け反った場面。
中詰の衣装、始まった瞬間「ない」と思ったんですが、観ている内に段々慣れていくのが恐ろしかったです。
ただ、ロングストレートで同期と共に登場したアリスは非常に可憐で、楽などはここは涙シーンではないでしょうか。
→テンションDOWN

第5場(日食〜プラズマ)
蘭寿中心メンバーによる大迫力のダンス。
私は揃ってる群舞が好きなので、力業の創作系は好みでないのですが、それでも「凄いものを見た!」と言うチケット代の元を取った感です。
とにかくもの凄いシーンで、ここの拍手に一番熱が入りました。
→テンションUP×3

第6場(太陽の戦士)
大空氏が芝居と異なる近代系の軍服での登場。それも、階級なしの一兵士の模様(蘭寿の方が少し凝った服で階級がありそう)。しかしショーを通してこの衣装が一番似合っていて、且つ安心できたように思います。
ただ、左肩に赤い布のような物が丸めて括ってあったのですが、一体なんなのか気になってしまい、集中できませんでした。
雰囲気は近代アメリカ?
男二人が女を巡って争うのは、宝塚では2公演に1回以上の頻度であるシーンですが、関係ない砲撃で男の一方が死んでセリ下がり、残った男女は逃亡すると言う展開は、斬新過ぎてヒドイと思いました。
→テンションUP×4、の後オチでDOWN

第7場A(若手場面)
ここで今公演初めて蒼羽りくを確認。蓮水ゆうや、凪七瑠海まで分かって、残る一人はプログラムによると澄輝さやとですね。次回はここで顔をちゃんと覚えようと思います。
好きなメンバーが入っているため楽しいのですが、場面転換にしては少し尺が長い気がしました。
→テンション変化なし

第7場B(ロケット)
ロケットに珍しくソロ@七瀬りりこが付いていて、圧巻の歌唱に一気に盛り上がりました。
こういう形で下級生に顔見せソロを与える方法があるんですね。
その後、体型的に真ん中に居続けるのは難しいのではと思ったら、フォーメーションチェンジでさり気なく下手端まで移動していたのも微笑ましかったです。
しかし、衣装と振り付けはちょっと微妙だと思いました。特に手袋。暗くすると蛍光色に光る素材でしたが、その演出のために暗くするほどの振り付けと思えず、やや単調でした。
→テンションUP、の後DOWN

第7場C(男役群舞)
男役群舞がある事に歓喜。が、衣装がもの凄く変則的な燕尾調で戸惑いました。
まず、男役が肘までの腕を見せている事に抵抗感があります。特に、カラーシャツを中に着た大空・蘭寿・北翔の衣装は、どちらかと言うと燕尾服より改造学ランに見えました。言うなればヴァルガーヴ@スレイヤーズTRY。そのせいで、やさぐれた雰囲気に観た方が良いのか、麗しい系なのか、全然分かりませんでした。
→テンション変化なし

第7場D(3組デュエットダンス)
目が3つほしいシーンでした。まるでリフト博覧会のようで、4種も見れて嬉しい。
また、男役の衣装は前場のままなのかと危惧したら、長袖に変形したので良かったです。ただし、あのシーンでは衣装の袖を下ろしつつ、階段を上がってポジションに付いて、声も出して、と演じる側は忙しないように思いました。
→テンションUP

第7場E(パレード)
エトワールは花影アリス。衣装はプロローグの物だと思いますが、鬘をまた変えていて、これも可憐でした。
歌自体も驚くほど良かったです。また、小降りですが羽根を貰っていたため、総計5つの羽根が並ぶ銀橋は非常に豪華で、お得な気分。
フィナーレは、曲とトップスターの上手・下手へのお辞儀が省略されていたのと、幕が下りる直前に変調して最後に掛け声「Thank you!」が入るのが、ちょっと普段と違う感じ。
カーテンコールの度に台詞も言っていたけれど、あれは必須なのかな。
→テンションUP

と言うわけで、テンションのアップダウンが激し過ぎて、とにかく勝手に疲れました。
前半のとんでもなさもあり、後半は割と良かった印象が残っています。
それにしても、今回は「トラファルガー」も「ファンキーサンシャイン」も、演出家の癖が強い演目でした。