今野緒雪著「マリア様がみてる」シリーズの続き。
「大きな扉 小さな鍵」(生徒会役員選挙直後)から「キラキラまわる」(三年生を送る会翌日・遊園地)まで。
- 大きな扉 小さな鍵
- クリスクロス
- あなたを探しに
- フレームオブマインド
- 薔薇の花かんむり
- キラキラまわる
このシリーズは一冊ずつに巻数が付いていないため、一々順番を確かめつつ読み進めねばならず、いつまで続くのだろう……と途中で少し滅入り気味。
Wikipediaによると、あと3冊で「ハローグッバイ」に辿り着けるようなので、頑張ります。
ようやく、2004年の「特別でないただの一日」から引き延ばされていた祐巳の妹問題が解決。
瞳子の抱えていた問題は、これまでと違って実際に重いと思えたので、割と共感できて、中庭で蹲る瞳子のもとに乃梨子が帰って来るシーンは、ちょっとうるっと来ました。初期は絶対巧くいかない二人だと思っていたけれど、これで彼女が救われるなら、祐巳の妹になれて良かったんじゃないかなぁ。
祐巳はすっかり聖女扱いですが、本当に「どっしり」してきたように思えるので、以前ほど不快感は感じませんでした。落ち着きが見られるようになったことには、祐巳以外の視点で進むことが増えて、周りから持ち上げられている祐巳と、祐巳内面とのギャップを感じる機会が減ったためではないかなと思います。
志摩子さんに今更養女設定が付け加えられた事には、ちょっと首を傾げましたが……。
ついでに、お寺の養女で、血の繋がらない兄弟(養父母の実子)がいて、名門女子校に通ってる、と言う設定は、どこかの誰かを彷彿とさせられますね。
「フレームオブマインド」は短編集だったので、読まなくても良かったかと思ったのですが、リリアンの姉妹関係が良い点ばかりとは言わない「三つ葉のクローバー」「不器用姫」の二作があったので、ちょっと目新しくて面白かったです。
キャラでは、「クリスクロス」で瞳子語翻訳人間と化していた可南子が面白かったです。それで同時に気付きましたが、瞳子って凄い典型的なツンデレキャラなんですね。
逆に、有栖川君にはちょっとガッカリ。肝試しと言っても、出入り監視してる他校に性別を偽って潜り込むのは犯罪じゃないかな。花寺の上下関係は厳しいと言う表現でしょうが、名門校であるからには、その辺の線引きはして欲しいなと思います。
恐らく次回でマリみて読んだメモは最終回。
もう送別会ですが、最終刊まで間があるので、3年生の話だけでなく、瞳子と同級生たちとの溝が埋まるようなエピソードも入ると期待していいでしょうか。